2022/10/15 のログ
シルフィーナ > 暫くして連れ出されてきたのは一人の少女で。
後ろ手をロープで縛られたまま連れてこられる。

「……騎士団……?」

白銀の鎧をまといりんごジュースを楽しむ少女を見て呟く。
白金色の髪に紫紺の瞳をした姫騎士がそこにいた。

ネメシス > 「「へへへ。 お前は可愛いからな。
さぞかし副団長のお眼鏡にかなうだろうよ。」」

縄で縛り、連行した騎士団員は下卑た笑いを浮かべている。
聖バルバロ騎士団と御大層な名前を持っているが、実態は権力を握ったごろつきの集まり。

リンゴジュースを楽しんでいたネメシスは姫騎士の存在に気付くと飲みかけのジュースを団員の一人に渡し、
小柄な少女に視線を向けた。

「ええ、私たちは聖バルバロ騎士団と言う名の組織。
で、私が副団長のネメシス。
貴女の名前は? 見た所どこかのお嬢様っぽいけど。
なんでこんな宿に?」

今日のネメシスは機嫌がよく、笑顔を浮かべている。
予想外に可愛い相手が見つかったので興味津々だ。

シルフィーナ > 「……」

下卑た笑いに少し引きつった顔をしながら、
りんごジュースを飲んでいた副団長と呼ばれる少女の前に突き出される。
縛られたまま紫の眼が少女を見返した。

「……偶然、と言う他ないのですが。
 私はシルフィーナと言います。
 冒険者としての職務を果たした後の仮宿として宿泊していました」

そう語る口に嘘偽りはなく。
本当に、偶然巻き込まれただけの様子で。
けれど騎士団と言うのならわかるだろう。
明らかにその所作は高位の貴族なりの教育を受けた所作であることが。

ネメシス > 「シルフィーナさんね。」

ネメシスは聞かれた名前を口にしながら、一通り話終えるまで聞いていた。
時折、身体を揺らすたびに金属音がしただろうが。

成り上がり者ながら貴族の位を持つネメシスはたまにだが社交界に顔を出すこともある。
その際、彼ら彼女らの洗練された動きを目にしていた。
目の前にいるシルフィーナからも同様の佇まいが漂っている。
冒険者と言うには少し不似合いな気品すらも。

「その割には動きが冒険者っぽくないのよね。
そうねえ……お忍びか、抜け出したどこぞのご令嬢って感じ。
当たっているかしら?」

ネメシスは栗色の瞳でじっと相手の顔を覗きこむ。
今日の関心はこの子に向けられた様だ。
自然、宿の取り調べは他の騎士団員たちが執り行っていく。

シルフィーナ > 「……」

バレている。
抜け出したどこぞのご令嬢と言うのはあたっている。
側室の娘ゆえにどう動いても問題ないと言うだけなのだから。
その栗色の瞳で覗き込まれると、そっと視線をそらしてしまい。

「……確かに、ご令嬢……と言った身分ではありますが……。
 お忍び、抜け出したと言うのはふさわしくありません。
 問題なく外を出歩いてもよいと言われていますから」

だから危地に飛び込む事も問題ないわけではないが。
冒険者としてやりくりすること自体は認められているわけで。

「何故こうして捕まえられているのかがわかりかねますが……。
 何故でしょうか? 特に罪を犯した事はないはず、です」

こちらから問いを返してみて。

ネメシス > 視線を逸らしたのをネメシスは見逃すわけもなくほくそ笑む。

(なんだか分かりやすい子だ。)

心の中で舌なめずりをし、視線を逸らされたまま顔を覗きこんで。

「なるほどね~。
自由奔放にさせてもらってるんだ。
優しいご家庭なのかな。」

もしくは興味関心がないパターンかと思いつつ。
優しい声色のまま、少女の全身を眺めて。

「それはね、こっちが今からじっくりと取り調べをしていくのよ。
この宿は凶悪な犯罪者、またはスパイを匿っているって情報があってね。
私たちが念入りに調べにきたってわけ。
貴女もそんなに自由に動けているのなら良からぬ連中と接触しててもおかしくはないわよね。
悪いけど調査に協力してもらえる?
そうねえ…貴女が調査に協力してくれるのなら他の人への取り調べは多少緩めてあげてもいいかも。」

ネメシスは目の前の少女を目標に定めた様だ。
実際、こういった宿には叩けば埃が出る宿泊客も居たりする。
この少女ならそういった者達を守るために身を差し出すのではと辺りをつけての提案。
"取り調べ"が何を意味するかは容易に想像できるだろう。

シルフィーナ > 「……わかりました」

取り調べを緩めてあげてもいい、と言われれば、小さく頷いて。
女性相手だからそう酷い事はされないだろう、との思い込みもあって。

「取り調べに応じます」

そう答えを返せば、取り巻きの男たちに、どんと押されて突き出され。
紫色の眼が栗色の眼をじっと見返す。
一宿一飯の恩があるのだから、自身が身を差し出すだけでその厳しい取り締まりが軽くなるのならば、と。

ネメシス > 「じゃ、さっそくだけど。」

ネメシスが指示を出すと、後ろ手に縛っていた縄が解かれる。
代わりに武器になりそうなものは全て取り上げられ。

「取り調べと言うのは身の回りの物をまずは全て見せて貰わないとね。
そうねえ…着ている者をこの場で脱いで貰えるかしら。」

ネメシスは椅子に腰かけ、少女をじっと眺めては笑みを浮かべる。
いくら宿を助けるためとはいえ、貴族の令嬢が衆目の前でストリップなど経験した事がないだろう。

「どうしても嫌なら別室に連れて行ってもいいけど。」

空き部屋の一つを指さして。
この場合、ネメシスと二人きりとなる。

シルフィーナ > 「……」

羞恥に頬を染めてから。
がちゃり、と鎧を落として、衣服のみになれば。
鎧に窮屈そうに留められていた豊かな胸が弾んだ。

「……これ以上は、その……」

別室がいいです、と小さくか細く呟いて。
空き部屋の方をちらり、と見やる。
要求が通ると言うのなら、そっちの方がいい。

「……流石に、たくさんの人に見られるのは」

鎧が限界だ、と言外に伝えながら、羞恥に染まった紫色が、少女を見やる。

ネメシス > (部屋移動)
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からネメシスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシルフィーナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミンティさんが現れました。
ミンティ > 平民地区の中でも静かなあたり。小さな公園のベンチに腰かけて、ぼーっと景色を眺めていた。
すこし暖かいくらいの空気はすごしやすくて、ただぼんやりしているだけでも平日の疲れが抜けていくように感じる。
本当は外で読書でもしようと思って出てきたから、読みかけの本は開いた形で、膝の上に置いたまま。

「ふあ…」

あんまり気持ちを緩ませていたから、つい欠伸がこぼれてしまう。
眺めている方では、小さな男の子たちが元気に駆け回っていたり、野良犬がときどきその中に混ざりたそうに、尻尾を振っていたりする。
そんな光景は、孤児院にいたころを思い出して懐かしい気持ちにさせてくれた。いつでも男の子は元気だなとか、そんな風に感心したりして。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアーシャさんが現れました。
ミンティ > 【移動します】
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミンティさんが去りました。
アーシャ > 【移動します】
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアーシャさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にネメシスさんが現れました。
ネメシス > 先日抑えた宿屋。
木製の質素で目立った特徴のない宿屋。
所有している貴族が失脚したことで聖バルバロ騎士団の所有となった場所である。

と言っても表向きは何も変わらない。
当日その場に居合わせたものでなければ変化に気遣いかもしれないレベルだ。
だが、経営権は既に騎士団の物となっている。

宿屋の従業員たちが控えている部屋で退屈そうにネメシスが茶を飲んでいる。
現在のこの宿屋はいわゆる泥棒宿に近い状態。
めぼしい客が姿を現したら秘密裏にネメシスの元へ連絡が行くようになっているのだ。

ネメシス > 王都の中の安めの宿となると色んな人種が止まりに来る。
冒険者、聖職者、学生、お忍びの貴族…。
この宿は元から評判が良い宿だった。
そこに目を付け、手中に収めたネメシス。

好みの相手は来るだろうかと、お茶を飲みながら静かに待っている。