2022/09/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/公園」にヴァンさんが現れました。
■ヴァン > 太陽が沈み、行きかう人々がやや減り始めた夜の公園。
男はくたびれた表情でベンチに腰掛けていた。まっすぐ家に帰りたいのだが、一休みしたいほどに疲れ切っている。
ため息と共にスキットルを取り出すと、やってられないとばかりに煽る。何度か喉を鳴らし、深く息をついた。
「また出張って……俺を殺す気か。あぁ、殺す気だったわ、忘れてた……」
疲労の原因は肉体的にではなく、精神的なもののようだ。天を仰ぎ、星を眺める。
商業地区からやや遠いからか、夜空を眺めるのに街の灯はさほど邪魔をしていないようだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/公園」にマーシュさんが現れました。
■ヴァン > 空を仰ぎ、また息をつく。ジュニパーベリーの香りが微かに広がる。
「……これを飲むのも久しぶりだな。蒸留酒だから腐りはしないが……」
このスキットルに酒を入れたのはいつのことだったか。思い出せないくらいには昔のようだ。
お気に入りのジンに混ぜ物をした男オリジナルの品。とはいえ味も匂いも大して変わりはしない。
公園はいつの間にか人通りが途絶えていた。草木が茂る公園は昼間は景色がいいが、夜は視界が遮られ安全ではない。
近道のために通る人もいるだろうが、迂回しても1、2分も変わらない程度の広さ。
人が発する音がなくなると、すっと目を閉じた。身体を休ませるのだろうが、油断すれば眠ってしまうだろう。
■マーシュ > ──────コツ、と静かな足音が石畳を叩く。
夜の帳が、賑やかな王都にも等しく降りているようだ。
いつもより遅くなった帰路の途中。多少の寄り道、と言えどあまり暗い道を選ぶのはよろしくないのは、荒事に疎い修道女にも理解はできる。
誰に合うとも思っていなかった道行きで、ベンチで力尽き────ているように見えなくもない人陰に視線を向け、僅かに躊躇ったのちに歩みを寄せることにしたようだ。
宿なしでここで野宿する、という風体にも見えなかったから、具合でも悪くしているのなら、多少の手助けを、と思ってのことだった。
「───どうかされましたか、ご気分でも悪いのでしょうか…?」
声をかけるうちに、それが知人のそれだと気づいて少し声色が軽くはなったが、どちらにしても問いかけは変わらなかっただろう。