2022/09/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からルイーザさんが去りました。
コルボ > その背中を見送って

「……イイ女になりそうなんだが、負った傷をなんとかしねえとな」

連れ込む前に、やるべきことは色々ある。
得物に対する考え方も、己を正しく見ようとする姿勢も、あのくらいの年の頃では持てていなかった。
だからこそ、眩しく見えて。だからこそ、傷を負ったままなのが置いておけなくて。

(一年後か……)

あのくらいの年の頃で色々あった。ありすぎた。
彼女には一つだけ嘘を吐いた。

最初から、夢なんて持ってなかった。
あるのは目的だけ。

実感も手ごたえもある。でも、達成感はない。
まだ、目的を果たしていないから。

「……もう少し、立派な先輩の背中、見せないといけねえのかな」

 少なくとも、自分のことを教師として、先輩として認めてくれた少女のことを思いながら、
 身の振り方を考えて、一人エールを呷る。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からコルボさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にユニスさんが現れました。
ユニス > 平民地区の通りに面した冒険者ギルド。
ギルド内や併設された酒場は依頼前の依頼を終えた冒険者で混雑し。
単独で依頼に向かう者やパーティを組もうとしている人を眺めながら受付に向かえば袋を渡して。

「今日の討伐分、確認お願いね」

袋を受け取った受付嬢に明るい声でそう頼んで少し待ち。
討伐分の数を確認したという言葉と共に報酬を受け取り離れて。

「次の仕事を探そうかな。それとも…誰か手伝うのもいいかもね」

少しでも儲かる依頼を受けれるように次の依頼を受けるか、それとも知り合いを増やすために誰かと組むべきか。
そのどちらにしようかと悩みながら人を避けて受付から離れて壁際により、ギルド内や酒場を眺める。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にピーターさんが現れました。
ピーター > 「おっねがいしまーす♪」

るんたったるんたった、薬草の詰まった袋を抱えて足取り軽くギルド内を突っ切る少年がひとり。
金髪で小柄な姿は場に不釣り合いな気もするが、これでも歴とした冒険者である。
壁際で周囲を眺める少女の前を通り過ぎ、そのまま受付に納品をして。

「ふぃー……良い汗かいたー。」

久々の依頼をこなした達成感から、満足げに額を袖で拭う。別に汗はかいてない。
ギルドの人が確認している間、適当な席に着いて待とうかときょろりと辺りを見回せば。
壁際に居る竜人の貴女と目が合うかもしれない。

ユニス > 何時もならば直ぐに終わらせれそうな依頼や自分でも参加できそうなパーティの募集があるのだが今日に限ってはそれはなく。
もう少し待ってみるか引き上げようかと考えていれば前を通り過ぎる影。
金髪だった事が目に入りつい視線で追いかければ小柄な姿にあんな子もと関心をしてしまい。

受付で納品をする姿は頑張ってきたのかなと思わず微笑ましく見てしまい。
聞こえた声も満足そうに聞こえ、より微笑ましく思って。
そんな少年を眺めていれば向こうも周りを見回しはじめ、丁度少年を眺めていた視線と視線が重なり目が合ってしまい。

逸らせるのも不自然だと思えば笑顔を浮かべて手を振って挨拶をして。

ピーター > 子供のすがたでも大人のすがたでもそれぞれ冒険者登録をしているのがこの少年。
ただし同一人物だとバレないように偽名を使ったり、基本的な拠点となるギルドの窓口は変えているうえ、それぞれのギルドを訪れる冒険者たちもなるべく顔を覚えるようにしている。

「あ、こんにちはっ」

いま目の合った少女はどちらでもあまり見掛けない顔だ、と思い至り。
ペコリと頭を下げて挨拶を返すと、まだ待ち時間があるのを確認してからトテテッと駆け寄っていく。

「お姉さん、最近この辺に来た人?」

こういう時はさくっとある程度のひととなりは覚えておくに限る、と人懐こそうな笑みを浮かべて訊ねた。
今こうして居る場所と、身形からして冒険者であることは間違いなさそうなのだから、親しくしておいて損はないと打算的な考えも持ち合わせつつ。

ユニス > まだこのギルドに登録して日が浅いので知らない顔も多い。
しかし今受付に向かい目が合った少年のような冒険者は見るのは初めて。
なのでつい見てしまい。

「こんにちわ、頑張ってるね」

目が合い挨拶をされれば軽い口調で挨拶を返して。
頭を下げる姿に軽く手を揺らし、少年が駈け寄ってくれば少し脇に寄り、ここなら邪魔にならないと迎えて。

「そうだよ。君はここに登録して長いの?」

人懐っこい笑みに警戒はせずに視線を合わせるように身を倒し、
特に隠す事でもないので最近という言葉に頷き。
少年はここで長いのかと問いかけ、もしそうなら見かければまた声を掛けようかな、依頼を手伝ってあげたいなとお節介な事を考えていて。

ピーター > 「うんっ、それなりに!」

長いのかと問われれば、笑顔で即答する。
実際のところ半年かそこらで、まだ1年も経っていないのだが、子供からすれば半年はそれなりに長いだろうと判断しての嘘半分といったところだった。
受付で確認すればより正確な来歴は知る事が出来るのだが、果たしてそのつもりがあるかどうか。

「ねえねえ、少しお話ししても良い?
 僕が子供だからって、あんまり他の冒険者さんたちまともに話してくれなくって。
 ね、おねがーい?」

わざわざ視線を合わせてくれるところに子供好きの気配を感じ、それならばと問い掛ける。
他の冒険者たち、との単語の時にはチラリと少し離れた酒場テーブルに座る男たちの方を見遣ってから、ぷぅ、と頬を膨らませて。
どうせならあんなむさくるしい連中よりは年頃の女の子と戯れたい、と不純な動機を隠しつつぶりっ子してみた。

ユニス > 「そっか、そうなんだ。
私はまだ数日なんだよ」

それなりだとどれぐらいか判らないが少なくとも数日の自分よりは長いだろうと。
確認をすれば受付で教えてくれそうではあるが、そこまでしなくても良いかという考えもあり。
何より少年の目の前で尋ねるのも悪いと考えて。

「いいよ。私でよければね。
子供でも同じ冒険者仲間なのにね。
それじゃ…そこの席にいく?」

少年からの誘いに今日はもう依頼は良いかなと考えていた事もあり快く受け入れ。
視線が少し離れたテーブル席に移動したのを見て、そこにいた男達は不親切と、頬を膨らませる少年の仕草で思ってしまい。
何よりまだ知り合いが少ないこともあり、少年の誘いを断るという選択はなく、近くにある使っていないテーブルに視線を向けて。

ピーター > 「わーい、ありがとぉ!
 そうだね、座ってお話ししよ!
 
 ……それにしても、お姉さんは冒険者になってまだちょっとしか経ってないんだね?
 だからお洋服も綺麗なんだ。」

話し相手になって貰う事に了承を得て、やったー、と素直に喜びを表し。
座ろ座ろ、と小さくスキップするようにテーブルへと向かいながら、少女の言ったことを思い返して感想を口にする。
服の汚れ具合から冒険者稼業を始めて数日なのかと勘違い。しかし、依頼中は違う出で立ちであることなど初対面で知る筈もないから無理もないだろう。

「ね、ね。お姉さんは此処に来る前は何をしてたの?」

椅子の背を取って引き出しながら、どうぞ座って、と少女へと促す。
レディーファースト、ではないけれど。自然と近くに寄ることで体形などをより詳しく見つめてみようとするためである。
にこにこと無邪気な笑みを浮かべながら、その笑顔の下は邪心が満載だった。

ユニス > 「立ってると疲れちゃうしね。

この街に来てまだそんなに立ってないんだよ。
この服では依頼には行かないからね、依頼は別の服なんだ」

喜びを見せる姿に可愛いなと見てしまい。
スキップをするようにテーブルへ向かう少年を追いかけて歩き、まだ街に来て少しな事を話し。
服が綺麗な事も、依頼はこれじゃないからと説明を口にして。

「この国に来る前も冒険者をやってたよ。路銀や生活費を稼ぐには一番お手軽だと思わない?」

そう話しながら少年が座れば椅子に座ろうとしたが、勧められると少し驚き。
まだ小さいのに紳士的と内心驚きながら、ありがとうと言って椅子に腰を降ろしていき。
その時に見た目通りにスタイルの良い体形やスパッツを少し押し下げるようになっている尻尾などを見られているとは思わず。
椅子に座ってしまえば少年にも座ってというように笑みを向けて。

ピーター > 「んふふー、そうだね。
 依頼から帰って来たばかりなのに立ちんぼしてたら疲れちゃう。」

笑顔のまま少女が座るまで仕草や体付きを眺めていたが、尻尾を見ると僅かに不思議そうに眉根が寄る。
最初に見た時は壁に立てかけた装備か何かだと思ったし、離している時は少女の顔、そしてテーブルに向かう時は先に立っていたのでしっかりと見たのは今この時が初めてで。
へー、と思わず感心してしまった。純粋な人間じゃなかったのか、と内心。
スカートから伸びるスラリとした足と合わせて見惚れていたけれどすぐさま我に返って。

「あっ、冒険者は元からやってたんだー?
 路銀や生活費……まあ、自分の身体だけでどうにかなるのは便利だと思うけど……
 そういえば、依頼の時は別の服って言ってたけど、どんな服着てるの?」

ちょこん、と少女の隣の席に座ってから、椅子の上で体ごと向き直って訊ねて。
こうすることでテーブルに邪魔されず全身が見やすいという悪知恵の賜物である。

ユニス > 自分は一度宿に戻ってきているからいいが少年は先ほど依頼を終えた所。
なので自分よりも少年を気遣っていて。
そうして椅子に座るまでに少年の視線は感じてはいるが、尻尾の事で視線を集める事も多かったのでさほど気にせず。
まさか少年に邪な気持ちもないだろうという考えもあって、どちらかと言えば無防備でもあって。

「元々は趣味があって旅をしてたんだよ、それで腕には自信があったから冒険者になったんだよね。
それで冒険者をしながら旅を続けて、あっちで魔獣を倒して、こっちで野盗を駆除してたりしてたよ。
どんなのって……動きやすい鎧だよ」

向かいではなく隣に座った少年に体をやや向けて話し。
そんなのと尋ねられてはギルド内を見回しても同じ服装、そもそもビキニアーマーを身に纏う冒険者がレア。
勿論見つかるはずもなく、うまく説明が浮かばずに動きやすいのと話していって。

ピーター > 「へえ、旅人さんなんだ? 旅をしてて冒険者にもなるって凄いね、本当に腕に自信があったんだね。
 すごいなあ、あちこちで活躍してたんだね、カッコいい!」

少女の口から語られる来歴に目を輝かせる。
多少誇張されてるのでは、と思わなくもなかったが、ここは素直に感動して居た方がウケは良いだろうという打算の下に。

「動きやすい……鎧? 今の服も十分動きやすいと思うけど……」

依頼中の姿については未だ謎のまま。少女の言をそのまま信じるならば今の服装は動きにくい、窮屈ということになってしまう。
傍目に見てそんなイメージは殆ど無いが、窮屈という言葉に連想される場所はと考えた末、視線は胸当てを捉えて。
そういうことか?と一つの懸念が浮かび、ならば確かめてみようと内心ほくそ笑む。

「………あ、そーだ。お姉さん、お名前は?
 僕はね、ピーターっていうの! えへへ、ピーターくんって呼んでね。」

思い出したように名乗ると共に、瞳術を仕掛ける。
透過の瞳、自分の名前を呼んだ相手を見透かす、魔の瞳であるが、はたして―――

ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からピーターさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からユニスさんが去りました。