2022/08/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にロイスさんが現れました。
ロイス > 冒険者ギルドの酒場のカウンターに、男が座っている。
今は夜。冒険者たちが一番騒ぐ時間帯だ。
その中で、騒ぐ彼らに背を向けて酒を呑むのは、別に一人が好きという訳ではなく、単に一人の客が四人掛けの席を使うのは店に迷惑だという考えからだった。

「(流石に、他の輪に混じるのも気後れするしね……)」

とはいえ、喧騒を背に呑むのもそれはそれで楽しい物だ。
喧騒が、一人の孤独感を何となく打ち消してくれる。
疲れた時には、これぐらいの距離感が心地よい事もある。
とはいえ、彼が一人で呑むのにはもう一つ理由がある。
それは、

「(しかし、今の所、若い子が相談しに来る気配はないか)」

若い冒険者の相談役として、敢えて身体を空けるというものだ。
自分から話しに行く事もあるが、彼とて全ての若手の事を知っている訳ではない。
だから、時折こうして敢えて身体を開けて、彼らが話しかけに来やすい環境を作っているのである。
ロイスが面倒見のいい冒険者と言うのは、割と有名であるから、こうして話しかけやすい環境を作っておけば、誰かが来るかもしれない、という事で。

「(ま、こんなの自意識過剰だけどね……それでも、それで一人でも助かるなら)」

それが、彼にとっての何よりの楽しみだと。
彼はそう思っている。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にロイスさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にロイスさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からロイスさんが去りました。