2022/07/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からフセスラフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/大衆酒場」にシァンさんが現れました。
■シァン > 楽器の陽気な音色に、男の笑い声に歌声に怒鳴り声に、女の笑い声に歌声に悲鳴に、
あちらこちらから雑多に集ってきた者たちの雑多な活気に満ちた店内、そこな一角。
だん! と、ジョッキをテーブルへ叩きつける男とジョッキを片手に倒れる男が居る。
飲み比べ勝負。
偶にばちりと目の付近から紫電を漂わせ足元ふらつかせる勝者。
「うっく……慣れねぇことするもんじゃねぇわ……」
もうやめ、なんて言って覚束ない足取りでカウンター席まで辿り着き、だらりとテーブルへ突っ伏す。
「……おおう……水……オヤジ……水……」
■シァン > グロッキー。
足元並に覚束ない手でグラスいっぱいの水を受け取ると煽る。
口元から雫を幾つも零しながら動く喉仏、ごくり、ごくりと。
「はー……」
そこで漸く一息付く。
■シァン > 切っ掛けは何だったか。
杯にざぶざぶ注がれる酒を飲み干すのに必死なうちに何処かに思い出落としてきたようで、
首捻っても思い浮かばないし首捻ると視界がぐらつくので止めにして。
「ん゛ー……」
兎角、慣れないことはするもんじゃないと自戒に唸りながら目頭を揉む。
「こんなに飲んだのぁいつぶりだ……あーだいじょぶ。吐かねぇし。ちょい休みゃ醒める……」
食べたもの飲んだもの上から吐かれても下から吐かれても大層困るとご尤もな心配する店主に手をゆらり振る。
■シァン > そうして、少し。ちょい休みゃ、なんて言ったとおりに立ち上がった時には足取りは確りと。
どやーなんて得意げな顔して笑うと、お会計して帰路へ――
ご案内:「王都マグメール 平民地区/大衆酒場」からシァンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「──~♪」
雨がしとしとと降り注ぎ、普段に輪をかけて人気のない閑静な外れの住宅街の路地を、
下手くそな口笛を奏でながら、傘布の部分に赤いラインが入っている以外は全てが銀色の蛇の目傘という
奇妙な物体を担いでのんびり歩く、金髪の男が一人。
そんな奇っ怪な傘を差している代わり、普段羽織っているジャケットの姿はなく。
食事を終えた後、暇つぶしを求めてブラブラと大通り、路地裏と歩いてきたが、特に何か特筆するものと遭遇するでもなく、
気がつけばこの場所まで辿り着いていた。
先の二箇所に比べると、余計に事件性の少なさそうなロケーションではあるが──
「……まああ人生ドコでナニが起こるか判らんもんだからな」
なんて、眉下げて笑いながら独りごち。
適当に視線を彷徨わせて住宅街の景色を眺めがてら、なにか面白いモノでも出現しないか、などと
雑な期待をしながら、ぱしゃ、ぱしゃとマイペースに歩を進め続け。
■エレイ > そのまま、男の姿は遠ざかり──
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/教会」にティアフェルさんが現れました。
■ティアフェル > ――夜も更け始めた頃その小さな教会では、ごーしごしごし、と信徒席の並ぶ聖堂にモップが行き来する音が響く。
「………わたしはティアフェル、何故かこんな時間に教会の床を磨いている――」
そして、端から端までモップ掛けをしながらシリアスな声でセルフナレーションをカマす変な女が一人。
ちなみに奉仕活動の類ではない。完全に罰掃除という奴。
表情も無駄にシリアスをキめており勝手に独自の世界観を構築していたのだが。
不意にその表情はしかつめらしく崩れ去り。
「っぁー! 腰いたぁ……一向に終わんないなぁ……一人じゃ広すぎるよ……」
ごっしごしごし、と腰を入れて床の汚れを落としながらボヤいた。
誰もいない、薄明かりのみが頼りな等間隔に長椅子の並ぶ聖堂の床をすべてピカピカに磨き上げるというのは一人きりではなかなかホネだ。
まだ半分も終わっていない。うえー、とうんざりした顔をしてモップの柄の先に顎を預けるようにしながら唸って。
「終わんの? これ」
途方に暮れ、聖堂の真ん中辺りで思わず真顔。
■ティアフェル > ごし…ごしごし…ごし
「ちょっと休憩しようかな……いや、んなことしてたらますます終わんないし……」
床を擦る音が徐々にトーンダウンしてくる。伴って声も。最初はなんとかなるなる、とお気楽に構えていたが、やってみると思ったより汚れが頑固で、自宅の掃除よりもずっと労力が要る。
「これがまさしくやってられないという奴か……結構やったと思ったらまだこんだけ……一人で掃除できる範囲じゃない」
終わらせた範囲は三分の一程度だろうか。愚痴も零れる。黙ってやっていたらどうかしそうだとぶつぶつぼやきがちに。
ごしごしとモップの往復する音も乱れがち。不安定な気分を表すかのようにリズムは外れ。
びっくりするほど終わりが見えない……。
顔に『めんどい ギブ』と表示し愚痴を零しながらまだ何とかがんばっていた。
「かみさまーたすけてー……せめてお茶ー……」
とうとう力なく神に救いを求め始め…というか喉の渇きから具体的に茶を要求し出した。完全に末期だ。
「冷えたジュースが理想だけど……最終水でも我慢するぅー……」
どの立場からの物云いなのか。とかく喉が渇いたことしか判明しない。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/教会」にカーレルさんが現れました。
■カーレル > 次の依頼に必要なアレやコレやを教会の牧師と打ち合わせし頼んでおく
教会もお布施だけではやっていけないらしく、何というか調達屋じみた事をこの教会の牧師がしているのは、
裏稼業に詳しいものであれば大抵は知っているここで信心とは無縁そうな人物をこの辺りで見かけたのであれば、
おそらくはまあそう言う事である
そして、ここにも信心とは一切無縁な男が1人
奥の告解室での打ち合わせと交渉を終えて、帰るべく静かに礼拝堂へと出てくれば、
ぼんやりと明るい礼拝堂で揺れるアホ毛を見つけては、彼女の死角に回るようにして、
素早く説教台の下へと潜り込み、咳払いを小さく1つ、2つ…声色を変える
『汝、床を磨く子羊よ…救いを求める前にまず、さっさか手を動かしなさい』
神々しい、とても神聖な声音であった―――自己評価だけども
そもそも、信仰心など持ち合わせていない男の自己評価だけども
ともかく、何にしろ普段とは違う声色を使って、荘厳に掃除をサボっているらしい少女に語りかける
『汝、モップを持つ子羊よ…あの辺り、まだまだ汚れが残っておりますよ…』
声だけでは場所まで指定することはできないので適当な事を言っておく
自分が隠れている説教台の下ですら未だに埃っぽいのだ、そこいらじゅう、
まだまだ汚れが残っているだろうと随分と適当な事をいう神…?らしき声であった
■ティアフェル > 祈りとは別の事情、懺悔とは関係ない用件で教会の告解室を抜け出て来た存在があるとは思わず。
思ったところで、ふーん。と一瞥するか、一応お愛想に、どーも。と会釈して終わり。
通常そんなものだが――……
どうもそうはならずに。
「腰が、腰……モップ掛けってどうやっても腰痛なる……
腰は痛いわ喉は渇くわ、もう何もかもが嫌になる瞬間…――っ…?!」
アホ毛をへたり込ませながら相変わらずぼそぼそぼやきがちな声が途切れる。
――突然響いた声にびくっと肩を跳ね上げさせ、ばっと顔を上げると、ば、ば、と左右を見回して音源を探り。
「…か、怪奇現象キター……お、厳かな声が突っ込んでくるぅー……夏だな、どこの世話焼き亡者だ……ってか教会に堂々と出るもんかねえ……むしろ教会だから逆に? うーむ……」
これは、あれだ。神な訳はないとしたら怪談の類だ。奇妙な世界の扉いつの間にか潜っちゃってたってやつだ。
間違いない。と真顔で帰結し。そして続いている説教染みた声に。
「………どーでもいいけどなんっか聞き覚えがあるなあ……もしやあの人死んだのかしら?」
うーん、と悩まし気に眉根を寄せてアホ毛を揺らし。
いつものスタッフ代わりに今日はモップを装備して、声の発生源を注意深く見極め、説教台の方かと辺りをつけて、掃除そっちのけでそろそろと足を進め。
「おーい……そんなとこでうざいこと云ってないで成仏しなよー…?」
■カーレル > 流石に直接、説教台の下から覗き込んで確認することは出来ないけれども
どうやら驚いているらしい気配、ゲラゲラ笑いそうになる…が、グッと堪えた。堪えることが出来た
彼女が肩を跳ねさせ左右を確認する所を見ていたら危なかったであろうが
『子羊よ、怪奇現象とは失敬な。いやしくもここは教会…
天井の父の声に疑いを持つなど以ての外…
………さっさと掃除なさい、給金を減らしますよ?』
給金に言い及ぶあたりがもう世俗まみれであった
ゆっくりとこちらに近づいてくる足音にゴクリと固唾をのみつつ、
さてさて、どう誤魔化したものかと考える
考えた挙げ句、もう一度、一か八か声音を変えてみることにする
…いい考えとも思わなかったけれども
『んっ、うんっ…はい、担当変わりましたよ子羊よ
…お茶を所望ですか?それなら目一杯、掃除をなさい…
成仏…?はて死者の魂管理担当に変わりますか、子羊よ…』
もうなんだか、宗教観がめちゃくちゃであるが元より神様なんぞ信じていないのでこんなものである
近づいてくる足音に次第に口数が減り、説教台の下で息を殺す
ふと、何をやっているんだろう、俺は…と思わぬでもない
■ティアフェル > いきなり人がいないと思っていた場に他者の声が響くとビビるが……。
「神様がこんなところで油売るほど暇な訳ないでしょ。
小娘の愚痴に付き合ってる暇があるなら、一ミリでも世界平和にしろって話よ。
やる気がないなら信者募るな……やかましい。無給じゃこっちは」
個人的に至って正論を畳みかけ。
ついでに給料とか端から発生しない条件なので、そこからしても全知全能たる存在な訳もなかった。
だから、不審者だったら思い切ってモップで殴打しちゃおっかなって、そんな考えを内に秘めて、一歩に二歩とモップを途中でスイングさせながら信徒席の間を抜けて近づいていくと。
「た、担当変えやがった……!
なんでお役所的なのよ! つくづく神も仏もないな! あと、そんな感じの声とこの悪ふざけ具合はー…!」
声の正体に見当がついてくると、全力でぶつという極悪非道な危険思想は若干鳴りを潜めたが。
完全に潜め切ってはおらず。
遊びおって!と軽く笑い切れ気味に。
「何やってんのよ! この飼い猫の下僕!」
自分的に最もな罵倒を叩きつけながら、一足飛びで一気に説教台の側面に移動すると持っていたモップを極ゆるーく、こん、と屈みこむその脳天に落としてやろうかと。
■カーレル > 『地上の事は子羊たちでなんとかしてください』
彼女の正論に宗教家であれば1つ2つも言い返すのであろうが、無神論者の演じる神は、
彼女の言うこともまあ、最もである気がする程度の感想しか持ち合わせておらず、
そっちはそっちで勝手にしてくれというくらいの事しか出来ないのであった
『何でもかんでも1人でやっていたら手が回らないのです…
仏………確か、極東の神ですか?中々の教養があるようですね、子羊よ…』
辺りを伺うような気配に殺気が交じった…ように感じる
ともすれば、より気配を消して、呼吸を止めて、説教台の下でジッと身じろぎ一つせず
村を盗賊に襲われて身を隠す生娘のようにしていたが、
足音とモップを振り回す風切り音が一気に説教台の傍まで近づき、
今まさにモップが振り下ろされそうになれば、とうっ、と転がりながら、
説教台の下から飛び出してモップ直撃を回避したのである
「ふふん、人は誰だって何かの下僕なのです、モップ持つ子羊よ…
よく働き、よく食べ、短い青春を浪費しておりましたか、跳ね毛の使徒よ…」
薄茶色の彼女の髪。ピンと一本、狙いすましたかのように立ち上がっている髪
自分としてはなんとなく彼女のトレードマークのように感じている
声音は普段どおりなものの、未だに神様だったか、天使だったか、冥界の担当者だったかになりきって
「…っと、まあさておき。モップは振り回すものではありませんぞ?」
未だ、そんな事を言いながらけらりけらりと楽しげに笑いながら彼女を見た
相変わらず元気そうに見える
■ティアフェル > 「おいこら、真面目にやれ。だから子羊が迷走しまくってるんでしょ。どうしてくれる」
返答が適当になってきたので思わず半目気味。
このままでは迷った子羊たちが全部狼の腹の中に収まって世の中は終わるぞと低く唸り。
もう掃除のことはまるっとお忘れである。
「シェンヤン経由で伝わってくるあの、なんか。知らんけど。
……というか、つくづく暇ねえ……」
律儀に応答してくる。こんな天の住人おらんわ。おる訳ないわと確信し。
それにしてもご丁寧にきっちり気配を消しているが……しゃべったらすべて台無しだよと伝えたくなった。
説教台の方からの声は響きやすい上に発生源を辿り易いようになっているのに。
そして、偽神の所在に見当をつけ肉薄すると軽く振り下ろしてみたモップの先は回避され。
分かり易く舌打ちカマしつつ。
「ちぃ。すばしっこいなあ……。
ってか、それまだやる? くどいぞ。神の声、正体見たり王都の便利屋」
跳ね毛の使途ってなんやねんとひょこひょこ左右にせわしなく動き回る毛先を指先でつまんで、むう、と目を眇め。
そして説教台から転がり出てきた既知の顔をモップを手に腕組み体勢で見やりながら。
「じゃあぶん投げてやろうかしら?
それはさておき、久しぶりじゃん! やー……どうやら亡者になった訳でもなさそうで。何より。
あれ、夏は活動停止してるんじゃないの? 元気そうじゃない」
一度、振り回す代わりにそっちに投擲してやろうかとわざと構えたが、ただの軽口で凶器…もといモップを壁に立てかけると歩み寄り。
何はともあれお久し振りとご挨拶。なんだかんだ知っている顔に会えれば嬉しいもので声を弾ませ。
■カーレル > 子羊が狼の腹の中に収まるのもまた自然の摂理
とは言え、信者が減れば困るのは奉られている側ではないだろうか、と思う無神論者であった
そのうちに、牧羊犬じみた英雄でも現れて適当に問題を解決してくれるんじゃあなかろうか
「暇ではないですよ、子羊よ
こうして何の得にもならない掃除をしている子羊の前に顕現したのですから…」
舌打ちする彼女をニヤニヤしながら眺めつつ、衣服に付いた埃を叩く
…隠れる前にもう少し説教台周りを掃除しておいてほしかったと思わぬではない
「そもそも、当てるつもりもそんなに無かったろ…本気で殴りかかられてたらとても、とても…
いや、もう良いや。神を信じていないのに、神のマネなんてするもんじゃねえわ」
跳ね毛の使徒が跳ね毛を摘んでいる…どうして何時も同じところが跳ねるんだ?と
聞いてみたくもあったが、うら若き乙女の繊細な心を傷つけてしまうかもしれないので辞めておく
腕組みする彼女の前でわずかに乱れた着衣を整えれば、ふう、と息をついた
「貧しい教会の備品を壊すんじゃあないよ、ティア
…おかげさまで生きてる。何度か死にかけたけどまあ、それも平常運転だわなあ…
…いやあ、どうにも引く手数多で…中々、懐は温かいよ。夏の日差しの暑さ程ではないけど」
わざとらしく投擲姿勢を取る様子に、辞めておいて、と首を横に振りつつ
ともかく久方ぶりの知己に挨拶するのは商売上の癖みたいなもんで
彼女にしたって冒険者であるらしいから、元気でいるらしいと判ればなんとなく安心するもの
「ティアも元気そうで何よりだわ…
そこいらで仕事中に狼やなんかに噛みつかれてるんじゃねえかって心配してたわ」
なんとなく犬であったりそれらしいっぽい魔物やなんかに追われてヒンヒン言ってる姿がアリアリと目に浮かぶ
■ティアフェル > 牧羊犬=牧師では。と思わなくもない。
こっちもこっちで神などいてもいなくてもどっちでもいい。
都合のいい箇所で登場してくれれば充分。くらいに信仰心はございませんので至って軽く無駄な論を交わし。
「はいはい、もういいって。このくだり飽きた~」
その変な口調気に入ったの?と疑心な視線を向けては、回り込んだ説教台の溜まった埃を見やって溜息が出る。
掃除は終わらないな。そして、普段の修道女や修道士はどんな掃除をしてるんだと嘆き。
「さすがにこのくらいで全力で振りかぶったらわたしが鬼でしょ。
全然なってなかったですけどね、似非神様」
信じてたらそもそも神を語るなんて畏れ多い真似する訳はないが。
相変わらずだなと微苦笑気味に肩を揺らし。アホ毛は生きてる説。
今日も触覚状態で感情連動。そこにはツッコミ不要。論理も超える。
「壊してません。難癖やめて。
命はひとつ。大切に。わたしが云うことでもないけど。無事ならいいわ。
思いのほか景気がいいのね。お茶ぐらい奢ってくださいよ。顔見知りのよしみで」
じり貧と云われればそんな要求はまずしないが、懐具合が良いのであればとりあえず一言ぐらい放り込んでおく。ダメでもともと。云ったところで損はない。
「どうもどうも。ヒーラーですから、傷病対応できてなきゃ詐欺でしょ。息の根あるかぎりは元気よ。
いや、してないでしょ。また犬とかに追っかけられてたら心配どころか笑顔で見物してる口でしょ」
口先だけのご心配はご無用です、としかつめらしく眉根を寄せて。
■カーレル > 「…いや、さっきまでここの牧師とちょっと話し込んでたもんで」
彼女の物言いたげな視線に、口調が移ったかも、なんて返事
この教会の牧師が丁寧な口調で剣呑な話をするのは割と見ものな気がする
信仰心は一先ず脇においておき、ってなもんである
「いや、案外あんなもんかもしれないけどな…教会のトップだって実物みたわけじゃなかろうし…
似非かどうかは永遠に謎のままだわな…いや、信者は死ねば判るのかも知れないけど」
教会関係者が聞けば卒倒しそうなことを平気でのたまうのである
まあ、この教会の関係者に限って言えばそうでもないかも知れないけれど…
いや、王都の関係者はどうだかな、という気もする
何にしろ神であったり、信徒であったりの事を思うよりも、目の前でひょこひょこ動いている、
アホ毛を眺めていたほうがよほど面白いのは確かである
「人気者だからね…恨みもその分買ってるって訳だな…あーあれだ、有名税とかいうやつ?
…恨まれたってちっとも儲かりゃしないけどな
―――おかげさまでなあ、お茶?そうだな、欲すればまず与えよ、と言うしな
お互い元気だったということで、茶くらいご馳走してやるよ」
普段であれば吝嗇であるけれども、ここの所どうも、仕事が順調で懐具合は温かい
お茶の一杯や二杯くらい、彼女にご馳走してやるのもいいだろう
故郷の妹と若干、ダブって見える彼女に少々甘いところがある、という気もするけれど
「まあ、そこまで深刻に心配してないな、実際の所…
どこぞで犬やら狼やら、そのてあいの魔物に追っかけられているだろうな、とは思ったりするけど」
なんせ野良に追いかけられて軒先にぶら下がっていた娘である
そう言う星の下に生まれたんじゃなかろうかと思わんでもない
「笑顔なのは否定しないけどな、どのタイミングで手を差し伸べようかなって?
…で、無償の奉仕は良いのか?俺はもうここでの用事は済んでるから、
あとはティア次第なんだけどもさ?」
お茶を奢る、ということであれば、流石に教会で茶を出せというわけには行かない