2022/04/19 のログ
■ハシュレイド > 「そういう時は、出来る限り話とかしてみるけど、そう言う人ほど話聴かないし。
うん、使わないと鍛えられないしね…。
仕入れもあるから、持って無理なく運べるくらいから、かな」
文句をつけてくる相手に、言葉はほぼ無意味で。
大体は運よく助けて貰える事も多い。
少女の食事が終わったのを見て。
「うん、お粗末様、美味しく食べて貰えたらよかった」
代金を受け取って。
それを、大事そうに小袋へしまい込む。
「よかったら、また来てね、此処か、少し奥でやってると思うから。
稀に、他の場所の事もあるけどね、あとギルド近くに出してる時もあるから」
にこりと微笑んで、そう告げる。
ギルド近くは、競争率が高くて、中々出せないけどと、言って、少女に綺麗に一礼して見せる。
■セリーナ > 「話が通じるならそもそもだしね。
だから少しずつ鍛えたい時には使うのを控えると良いかも。
そうそう、そう言うのから始めていくといいよ」
文句をつける相手は大体は話にならないのは冒険者をしていてもよくある。
それだけに少年がいつか大変な目に合わない事を祈り。
「あの時も美味しかったし、また見かけたらお邪魔しようかな」
むしろ屋台ではなくお店なら定期的に通っていたかもと口にして。
「もう少し奥かギルドの近くね。
もしそっちに行くことがあったら見てみるわ。
それじゃね、ハシュレイド君」
ギルドの近くは競争がと聞くと偶にはもう少し奥を見に行くのも良いと考え。
一礼をする少年にまたね、と告げては静かに去っていくことに。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 屋台」からセリーナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 屋台」からハシュレイドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にウェンシアさんが現れました。
■ウェンシア > そろそろお月様がその姿を現す頃、繁華街に制服姿の少女が一人、なんとなく家に帰り辛く、ほぼ毎日こうして時間を潰している。
お気に入りのアクセサリーを見に行ったり、買い食いをしたり…しかしそれが毎日となれば学校関係者にもよく鉢合わせるのだ。生徒なら未だましも、教員となれば当然早く帰れと促される。
それが繰り返されれば当然、言う事を聞かない生徒として教員の間では問題児扱いにされるのだ。
今日も既に注意を受けたのだが、少女は気にする事無く繁華街を歩いている。
「何も悪いことしてないのに、ホントうっさいな…」
生徒指導、と言えば聞こえが良いが、生徒の身を案じて声をかけてくる教員ばかりではない。職務だから声をかける者、憂さ晴らしに叱り付ける者…今日彼女に声を掛けた教員はどんな教員だったのだろうか。
むっすりと唇をへの字に曲げている彼女を見ていればなんとなくそれが分かる。
■ウェンシア > 「あ、美味しそ…」
そんな不機嫌な少女の表情を柔らかくしたのは通り過ぎる女性が手にしているクレープだった。
カットされた苺にクリームがたっぷりと乗ったそれは大層少女の興味を惹いたらしく、少女はそのクレープをじっと見つめていた。
すれ違った他人のクレープをじっと見つめ続ける少女。ちょっと怖い。
「あのクリーム、絶対イチゴが入ってるよね…ピンク色だし。茶色いツブツブはナッツかな…チョコ?」
クレープを持っている女性が見えなくなれば、その視線は自然と周囲に。程なくクレープの売っている露天商を発見した。
価格を確認し、財布を確認し、もう一度価格を確認し、更に財布を確認する。要するに――足りない。
■ウェンシア > 少女はクレープ屋の目の前で、掛けられているメニューを凝視しながら考えていた。
(イチゴを減らして…いやイチゴがメインなのに減らしちゃ意味無いし…
クリームを普通のにして貰えば安くなるかな…
あの茶色いの、チョコだったら無くても良いんだけど、ナッツだったらヤだな…)
そんな少女を眺めているクレープ屋の店主。この仕事が長いのだろう、そんな少女の姿を見て察したらしい。『足りないの?少しだったらオマケしようか?』と優しく声をかけてくれた。
しかし優しくされ慣れていない少女は目を丸くし驚く時間が数秒、口を開くのに十数秒。頭の中を整理しやっとの事で口を開けば
「…そんじゃこのイチゴのやつ、下さい。」
この場に父親が要れば、まずはお礼を言いなさいと叱られるだろうぶっきらぼうさだった。そんな少女でも、出来上がったクレープが手渡されれば年相応の笑顔が浮かぶ。
今この場を目撃する教員が要れば、きっと彼女を彼女だと思わないだろう。それ程学園では見る事の出来ない少女の笑顔。
■ウェンシア > 「あ、あの…ありがとう、ございま、す。」
搾り出された店主に対してのお礼の言葉はなんとも不器用だったが、しっかりと頭を下げる辺りは礼節は学んでいるのだろう。少女はクレープと店主の顔を交互に見ながら、もう一度頭を下げて微笑んだ。
――クレープを手にして繁華街を歩く少女。確かにクリームの量は少し少ないがちゃんとピンクでイチゴの香りと味が口に広がる。例の茶色いつぶつぶはどうやらナッツだった様で、その香ばしさも少女を喜ばせる一因だ。
ほんの少しだけ機嫌を良くした少女だったが――
どんっ。
通りすがりのおじ様の肩が少女の肩にぶつかる。同時にクレープが少女の手から滑り落ちた。
少女は地面に落ちたクレープを見る。と同時に商店街に響き渡る罵声。
「おいオッサン!何してくれんの?落ちたじゃん!謝れよ!」
元々声が低いこともありその威力はバツグンだった。見ず知らずのおじ様はたじろぎ、必死に頭を下げているが、少女の腹の虫は治まらない。
機から見れば当たり屋にも見える。…こうしてまた一つ、少女の悪評が増えるのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からウェンシアさんが去りました。