2022/04/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にピーターさんが現れました。
■ピーター > ピーターは学習した。
胡散臭いチャラ男が飲んだくれているよりも、年端も行かない男の子が立ち往生している方が声を掛けやすいかもしれないと。
まあ実際どうなのかは置いといて、冒険者ギルドの依頼が張り出された掲示板の前で、金髪碧眼の少年が佇んでいた。
視線は張り出された依頼の数々。なけなしの依頼の報酬を酒代で使い切ってしまったため、また新たに収入を得なければならなくなったからだ。
「……とはいえ、新米の、しかも子供向けの依頼なんてそうそうあるわけもないか。」
ちなみに今回居るギルドは飲んだくれていたギルドとは同じ平民地区にあっても別のギルドである。
大人の姿と子供の姿とで、利用するギルドは分けている。ピーターの異能が割れていると何かと面倒だからだ。
大人の姿で行った悪事がバレると子供の姿での行動にも支障が出かねない。幼気な子供冒険者として活動するには、大人時の悪行は足枷にしかならない。食い逃げとか、散々してるし。
■ピーター > 薬草収集、雑魚魔物討伐、猫探し、草むしり
子供でも受けられそうな依頼はざっと見たところではこれらくらいしかない。
猫探しって冒険者の仕事か?とか、薬草収集と草むしりってほぼ同じでは?とか疑問に思う事が無いでもなかったが、ともかく金が入用なので依頼にケチは付けられない。
「でも、ガチの小遣い稼ぎ程度の依頼ばっかなんだよな……」
依頼内容にケチはつけられないが、報酬には苦言を呈す。
先の依頼の中で一番報酬額が高いのが討伐、次いで薬草集め。猫探しと草むしりに至ってはほぼお手伝いレベルの代物だった。
「後は誰かにくっ付いて分け前を貰う……か。」
高額依頼に同行して、申し訳程度の分け前を貰うとしても幾分かマシな額が入るだろう。
2~3日分の宿代くらいは欲しい、そんな事を思いながら、掲示板と周囲を交互に見ている。
■ピーター > 「んー……そう都合よく行かないか。」
周囲へと視線を配るのを止め、改めて掲示板の依頼と向き合う。
これだけ多種多様な依頼があるのだから、新米の子供冒険者でも割の良い依頼があるかもしれない。
見落としが無いか目を凝らして捜してみるものの、やっぱり見つかるのはお手伝い関係。
むぅ、と頬を膨らませていると、いかにもベテランといった感じの冒険者が魔物討伐の依頼を手に取った。
ピーターが受けられる雑魚ではなく、大型の魔物の討伐依頼の様だ。
背に細かい傷だらけの大剣を背負った男が依頼書を持って受付へと向かうのを見送って、
「……いいなぁ。」
あれくらいの高額依頼を受けられるようになるには何年かかるだろうか。そんな事を考えながら、再び掲示板へと目を戻す。
■ピーター > 「しょーがない、この雑魚退治の依頼で良いか。」
しばしの間、掲示されている依頼を眺めていたが、覚悟を決めて依頼書を手に取る。
改めて内容に目を通せば、王都近郊に発生した大ネズミの討伐との事だった。ネズミ相手とはいえ戦いに不慣れな新米なら命の危険も伴う。
そのためか報酬額もそれなり。素泊まりなら三日分の宿代にはなるだろう。
「ネズミねえ……あ、お願いしまーす」
依頼書を窓口へと持って行き、簡単な質問を受けた後に依頼の受理を認められて。
今から行けば日没までには帰って来れるかな、と期待しつつピーターはギルドを後にしたのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からピーターさんが去りました。