2022/04/02 のログ
■ミルフィリア > 貼りだされているものと言えば、迷い猫探しに、竈の煤払い、ドブ掃除といったところ。
少し値の張るもので、オークの討伐なんていうのもあったけれど、さすがにソロで挑むには無謀すぎる。
掲示板の前で唸りながらにらめっこを続けて。
「ここは地道に、煤払いでもしながら食い繋ぐしかないかなぁ……」
報酬で言えば、ドブ掃除の方が割は良い。けれども体力勝負になってしまう。
かといって迷い猫探しは、見つかる保証がどこにもなく。
探し物に効果のある魔法が使えれば話は別なのだけれど、あいにくとそんな魔法は使えない。
溜息まじりに、煤払いの依頼書へと手を伸ばす。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にルヴィエラさんが現れました。
■ルヴィエラ > 「――おや、仕事は選ばない方針かな?」
(――其の、依頼書が手に取られる、其の前に。
そんな声が、娘の後ろから響くだろう。 其れこそ――いつの間に、近付いたのか。
娘にとっては、まだ、聞き覚えのある声だろうか
其れとも、もう忘れ去って仕舞った声だろうか
何れにしても、背後の声は、何処か楽しげに、響くのだ。)
「――――お困りなら、私と御付き合いは如何かな?」
(戯言の様に――されど、何処か、甘く響く声音が
娘の鼓膜から染み入り、脳裏へと反響して、爪弾く筈だ
其の身に、刻まれたモノ、を)。
■ミルフィリア > 「え? あ……えっと……」
掛けられた声に振り返ってみると、そこには先日出会った長身の青年の姿
そういえば名前も聞いてはいなかった、と思い当たって、言葉を濁し。
視線を手にしかけた依頼書へと戻してから、再度、相手の方へ。
「そうでもしないと、私も生活があるので……」
どことなく揶揄の響きを感じると、むっとした表情を浮かべてそう返す。
どう見ても裕福そうな相手は、もしかしたら貴族なのかもしれない。
だとすると、あまりに非礼な態度は危険かもしれないのだけれど。
「え…? お付き合いって……報酬、次第……かなって。」
耳朶から染み入ってくるような声音に、一瞬、脳裏が揺れる。
恥じらうように顔を赤らめながらも、掲示板に貼られたままの依頼書――そこに書かれた価格を指さして。
■ルヴィエラ > (ふむ、と、少しばかり視線を依頼所へと向けた
其処に描かれて居るのは、煤払いの依頼書。 当然ながら、高額報酬、とは言えぬモノだろう
内容も、決して年ごろの娘が受けたがる物とは中々思えない
つまり――それほどに、仕事を選んで居られない、と言う事か
生活が在る、と耳にすれば、成程と頷き掛け。
そうして――娘の前に、指を幾本か立てて見せ。)
「――では、この辺りで如何かな。
高くも無く、安くも無く、と言う金額では在るがね。」
(提示して見せる其れは――少なくとも、煤払いに比べれば、遥かに割の良い。
其れが果たして、待遇の良い娼婦が受け取る金額の其れに近い、と
娘が、気付くほどの知識を、持ち合わせて居るかは判らない、が。
もう一度、其の眼前で。 ――如何かな、と、問い掛ける
否定の言葉を、肯定へと傾けさせるような。 忌避感を薄れさせる様な。
甘い、甘い、声色で、其の理性を揺さぶりながら。
娘の前に、掌を差し出す。 受け入れるなら、其の手を取る様に、と)。
■ミルフィリア > 「そんなに貰えちゃうなら、いいかな…?」
付き合う内容はまだ知らされてはいないものの、さすがに肉体労働させられるということはないだろう。
娼婦という仕事は知ってはいるけれども、自分がそんな仕事をできるとは思ってもみない。
ましてやその相場など知る由もなく。
能天気に、楽してお金がもらえると喜んでおり。
「はい、大丈夫です。どこに行けばいいんです?」
甘い響きに抗う様子もなく、素直に首を縦に振る。
付き合うというからには、どこかに一緒に行けばいいのだろう。
まさかお金を支払ってまで食事の誘いということもないだろうと。
差し出された手を取って、小さく首を傾げ。
■ルヴィエラ > 「私からの依頼、さ。 君を餓えさせるのも、忍びないのでね。」
(一度は声を掛けた娘、困って居れば、構いたくなるのが悪い癖だ
とは言え、目を掛けるその方法は、一般的な倫理観とは掛け離れている
夜魔は、夜魔らしく。 娘が其の手を取れば、穏やかな微笑と共に、ゆっくりと引こう。
ギルドの中、上へと続く階段へと、娘を誘い、歩んで行く
冒険者や来客へと提供される、宿部屋の在る階。 その一室へと、向けて。
閑散としたギルドの内部、其の光景を、一々引き留める者も居ない筈だ
在り触れた日常の光景、その一つとして、見過ごされて仕舞う、一幕
――其の先を知るのは、二人のみ)。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からミルフィリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からルヴィエラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「──くぁーああぁぁ……」
大欠伸を漏らしながらふらりと冒険者ギルドに足を踏み入れる、金髪の男が一人。
周囲を軽く見渡してみるが、すでにピークの時間は過ぎているらしく人影はまばら。
現れた男に幾つか視線が向くも、特にこちらに用向きがある者もいないのか、
程なく各々の用事に戻ってゆく。
そんな光景にフンス、と小さく鼻を鳴らしながら、とりあえず依頼やパーティ募集等の
貼り出されている掲示板の方へと足を向けた。
「さーて……なんかおもろそうな依頼とかはありますかいのぅ……時間的に、時既にめぼしいところは持ってかれてそうだが……」
顎に手を当てて独りごちながら、掲示板の前に突っ立って掲示物を暇そうな顔をして眺めてゆく。
■エレイ > しかし特にこれといったものも見つからず。眉下げてカシカシと頭を掻きながら、
掲示板の前を離れるとギルドを後に──
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイズナさんが現れました。
■イズナ > 平民地区の建物の上
あまり高くはないけれど見上げる者もないから、伸びた煙突に手をかけて
眼下の街並みを、街を往く人並みを眺めていてもまだ気がつく者はない
胡乱なシルエットの妖鳥が肩に降り立ち、この世ならざる鳴き声を上げたとて、
気がつくものは眼下にはおらず、皆一様に、思い思いの場所へ向けて歩いていく
戯れついてくる妖鳥の頭を撫でながら行き交う人々をぼんやりと眺める
初めてこの街を訪れた時は溢れかえる人々と雑多な匂いに眩暈を覚えたが流石にそれにも馴れた
スルスルと斜面の屋根から滑り落ちないよう気をつけて腰を下ろす
夜風はまだ幾らか冷たく妖鳥を膝に抱くようにしながら人々を見下ろす
喜色を浮かべて足早に往く者、肩を落として歩く者、知己を伴って往く者、
街角でただ立ち止まる者、綺羅びやかな服を纏い行く人の袖を引こうとする者…
自分が修行していた山深い神域ではとてもお目にかかることがない光景、
意味もなく眺めているだけでも面白く、それこそ眩暈がしてきそうですらある
誰一人、夜空を見上げるものはなく、人間観察、街並みを睥睨するには格好のスポットであった
…幾らか肌寒いことを除けば、ではあったけれども
■イズナ > 満足するまで街並みを眺めて、身体が冷えてくれば立ち上がり抱いていた妖鳥を放つ
夜空に妖鳥の鳴き声が響くと屋根の上にあった姿は何時しか消えていた――――
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイズナさんが去りました。