2022/02/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 外れの住宅街」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──~♪」

雨がしとしとと降り注ぎ、普段に輪をかけて人気のない閑静な外れの住宅街の路地を、
下手くそな口笛を奏でながら、傘布の部分に赤いラインが入っている以外は全てが銀色の蛇の目傘という
奇妙な物体を担いでのんびり歩く、金髪の男が一人。
そんな奇っ怪な傘を差している代わり、普段羽織っているジャケットの姿はなく。

食事を終えた後、暇つぶしを求めてブラブラと大通り、路地裏と歩いてきたが、特に何か特筆するものと遭遇するでもなく、
気がつけばこの場所まで辿り着いていた。

先の二箇所に比べると、余計に事件性の少なさそうなロケーションではあるが──

「……まああ人生ドコでナニが起こるか判らんもんだからな」

なんて、眉下げて笑いながら独りごち。
適当に視線を彷徨わせて住宅街の景色を眺めがてら、なにか面白いモノでも出現しないか、などと
雑な期待をしながら、ぱしゃ、ぱしゃとマイペースに歩を進め続け。

エレイ > やがて、男の姿は遠ざかり──
ご案内:「王都マグメール 平民地区 外れの住宅街」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリジーさんが現れました。
リジー > 「ふぅ、ん………なかなか、ないものですねぇ……」

白いローブとヴェールを微風になびかせ、掲示板の前に立ち竦んで、既に十数分は経過している。
ギルドの掲示板ほどではないものの、ここにもいくつか、依頼らしき掲示はあるけれど、
難易度は素人目にもまちまちながら、総じて高め。
とてもではないが、駆け出しの小娘が手を出せるものではなさそうで――――

「やっぱり、どこかのギルドでお願いしたほうが良いんでしょうか……でも」

熟練の冒険者ばかりが屯している印象の場所へ入り込むのは、
少しばかり、気おくれする。
できることならこっそりと、ひっそりと――――簡単そうな仕事で、食い扶持を稼ぎたいのが本音だった。

リジー > ――――そうして、さらに十数分。

未だ貼られて間もないと思われる一枚の紙片に、娘は手を伸ばす。
精いっぱい背伸びして、掴んで、べりり、と剥がして。

それを握り締めてひとつ頷くと、小娘は歩き始めた。
冷たくなり始めた風にローブの裾を攫われながら、いずこかへ、と――――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリジーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエルドさんが現れました。
エルド >  
ラジエル学園近くの公園、そこの入口近くのベンチに腰掛ける男
今日の分の授業が終わったので騎士団に戻る最中
戻るのが面倒になって、授業が長引いたとか言えばいいや、とか
言い訳を考えてベンチに腰掛けたのだ。

同じく授業が終わったであろう帰っていく生徒たちを
ぼけーっと眺めながら時間を潰している。
傍から見れば、どう映るだろうか。

「はーい、さようならー」

それでも、授業を受け持った顔見知りの生徒から手を振ってもらえるので
そこまでだめな男には見えないかもしれない。
はぁ、ため息一つ。学生になりたいと切に思う。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にヴェルソートさんが現れました。
ヴェルソート > 『Rrha touwaka ra tasyue enne fhyu pirtue ♪
der herra grandus na cupla walasye ♪』
放課後の公園にしっとりと、聞いた鼓膜が湿り気を帯びたような錯覚すら覚える、艷やかな歌声が微か…公園の広場にある音の源には…七色に光る指揮棒を揺らして甘やかに歌う男が一人。
草臥れたコートを羽織り、しかし声はハッキリと…遠くまで響くような声音でリズム良く…まるで何かを讃えるような普段使わぬ言語の歌。
指揮棒を振る度に、まるで誰かが演奏をしているかのように、弦楽器や打楽器の音が指揮に合わせて鳴り響様は、歌の披露というよりはちょっとした演奏会のようで。
立ち止まる聴衆の中には、まるで声で性感を揺さぶられたかのように、どこか上気した風なものも、居ることだろう。
足元に置いた小さな箱には、そこそこの小銭が溜まっている。

エルド >  
青春を謳歌しているであろう楽しげでキラキラとした表情
まぁ、中には暗い表情や明らかに発情している顔もあるわけだが
何をされたとかしたのだとかは問うまい。
それを見るだけで自分の灰色の青春を思い出しては小さく笑う。

「ふっ……訓練漬けとか笑えねぇな……おん?」

そして聞こえてきたのは、聞いたことのない言語の歌
それは艶やかで、もっと聞いていたくなるような、そんな歌声。
変わった歌を歌うものだと歌声の主を視線で探せば
鮮やかな七色に光る指揮棒をもった男を見つけた。

「……どーれ」

もっと近くで聞いてみようか、そう決めたらベンチから腰を上げ
その男の元へと向かう。
そうして、近くまで来れば同じ様な聴衆の中には顔を上気させているものも。

自分は未だ何とも無いが、声になにかありそうだと考えながらも
今は、もっと聞いていたいという欲を優先しよう。

ヴェルソート > Rrha touwaka ra tasyue enne dor nosaash ♪
der has dor fountaina dilete foul pauwel ♪

同じリズムを繰り返す、童謡にも似た歌が指揮棒から鳴る音色に彩られ、緩やかに響き…眠たげに見える目を楽しげに細めて歌を披露する男の視界に、また一人…こちらへと歩いてくる男の姿を見ながら、より高らかにトーンを上げた。
近づけば、まるで音が耳を愛撫するかのような歌声…揺さぶるような歌の情感と…声に宿った魅了の力。
そしてふわりと、香るような甘やかな気配が、聴衆を…特に男を煽り、意識を釘付けるかのような波を持って…周りの耳を「悦ばせる。」

そして、そろそろ歌が佳境なのだろう、しっとりと…消えゆくようなトーンへと変異していけば……それはそれでまた、音で耳をなぞられるようで。