2021/11/12 のログ
イーヴィア > (この王都の中でも。 貧富の差は広がって居る
相手が遭遇したように、盗む事でしか食い繋げない者が居るのが現実だ
とは言え、相手だって現状はまだまだ困窮している身には違いない
騎士にとって、装備を揃える為の資金は、自らの命を護る為に必要不可欠
そんな資金を、盗んだ相手に、ぽんと渡して仕舞う辺りが――)

「……だから、御前は苦労するんだろうがなぁ。」

(全部取り返して、お仕置きして終わり、で済ませない
弱者を、貧しい物を見過ごせない、絵に描いた様な騎士。
半分だけ、なぞとあっさり言ったが、剣を買う金の半分ならば
贅沢さえしなければ、暫し食い繋げるだけの金にはなる筈だ。

偽善者だなぞと、自分で言いながら凹む様子に、又肩を竦めては
少しばかり考え――それから、ゆっくりと椅子から体を起こして立ち上がり。)

「――……いっそ、身体で返すか?
……うちで空いた日にでも働くとかな。」

(――凹む相手を呼び寄せれば、従業員達が作業をしている店内から
階段のある裏手まで、相手を呼び寄せるだろう。
途中、相手の持って来た剣を、作業待ちの棚へと掛けて置きつつ
物凄く誤解されそうな台詞を――絶対にわざと、からかう様に、告げては
ひとつ、提案をするだろう。 要するに――店を手伝えば、其の分を資金に充ててやる、と)。

グレアス >  
こっちはまだ恵まれている
騎士になれて、毎日食べるものもあるのだから
騎士にしてみればかなり困窮しているのだけど。
イーヴィアの言葉に肩を下ろして、ぐぬぬ、と。

「うぐぅ、言うじゃないかい
 でももうちょっとお賃金上がればアタシだって」

イーヴィアの打った剣を腰に下げることができる
それは一種のステータスのようにも感じられて
何より、守ってくれている気がするのだ。
置いた鋼鉄の剣だってイーヴィアに打ってもらったもの
大事に扱い始めたら怪我がめっきりと少なくなって。

だからこそ、特別な一振りを作ってもらいたかった。
今は叶わないけど、とため息を吐いていたら
階段のある裏手まで呼び出されたら、顔が赤くなるような台詞が飛んできて。

「え、あ、それって、そういうこと?え、あ、嬉しいけど……
 て、おい! そっちかい! でも、働かせてください」

物凄く誤解して、顔を真赤にしながらそれはなにか違うのではないかと
目をウロウロさせたけれど、からかいの言葉とわかれば
イーヴィアへツッコミの片手をお見舞いしようとするだろう。
それでも、本来の意図が解れば、頭を下げるはずで。

イーヴィア > 「別に其れほど悪い意味じゃあないさ。
騎士なんだ、その位の美徳が有ったって良いじゃねぇか。」

(例え偽善で有ったとしても。 其れで、腹が満たせる人間が居たのなら。
何の文句も言う事は無い、其れが相手の優しさでも在るのだから。
ただ、強いて言うならば、少々後先を考えない所が玉に瑕かも知れないが
まぁ、其れは其れで、愛嬌と言う事にして置こう。

狙い通り、一瞬勘違いした相手が顔を真っ赤にする
けれど、反射的に零れた言葉が、其れほど文句の無さそうな雰囲気だったのを聞いては
へぇ、と少しばかり意地悪い視線を向けた事だろう。
とは言え、後半の言葉も決して嘘では無い。
相手にその気があるのなら、其の位の場は用意しよう。 第一、うちは人手が足りない。)

「ん? ――別に、勘違いした方の内容でも、其れは其れで構わないぜ?
クク、ま、無理しない程度でも良いさ。 接客しろとまでは言わない。
店の品を出したり運んだりして貰えりゃ、其れだけでも助かるからな」

(働くでも、其れとも、文字通り「身体で」払うでも。
何れにしても、今の相手の状況を鑑みれば、一朝一夕でまた給金を溜め込むのは難しいだろう
なら、別の方法を選ぶしかない。 己にしても、非番になるとは言え
騎士である相手が店の中に居る事は、決して悪い事ばかりでは無いのだ
頭を下げられれば、ふ、と其の肩に片掌を置いて、ぽむぽむと)。

グレアス >  
「まあ、騎士たるもの美徳を重んじなきゃねぇ
 ていっても、そんなのアタシが忘れちまいそうだけどね
 イーヴィアのおかげで外道にならずにすんでるよ」

実際、甘えさせてくれる人物がいなければもうすっかり壊れていたかも知れない
イーヴィアの優しさに甘えに甘えている形ではあるものの
それが心地よくて、心の均衡を保っていられる。
だからイーヴィアには感謝しかなくて、小さく笑って礼を言おう。

それでも、勘違いをわざとさせたのに気づいて再び、ぐぬぬ、と睨んだ
けれど、意地の悪い視線が飛んでくると、やっぱり顔を赤くしてしまって

「接客は無理そうだね。イーヴィの剣を値切ろうとするバカ貴族とかに
 出会ったらぶん殴りそうだ。だから肉体労働で返させてもらうさ
 ……それと、夜空いてたらそっちでも返したい」

どっちの意味でも身体で支払おう、と顔を赤くしながら言うだろう。
イーヴィアに甘えられる日が多くなるのはとても嬉しくて。
肩に手をおいて叩いてもらえれば、嬉しそうに顔を上げただろう。

「その条件で、作ってくれる?」

まずは、頭金、と財布を取り出して払おうとするはずで。

イーヴィア > 「それが出来ねぇ、性根の腐った連中も多いから困るってもんだ。
まぁ、幸いそうじゃない、真っ当な連中も居るのは知ってるがな。
……腐るなよ。 腐りそうなら、錆びは落としてやる。」

(その在り方は其々だ。 目の前の相手は、典型的な騎士精神として。
在る者は、圧倒的な力と忠義に寄って、騎士と言う物を示し続けている
其処から堕落し、道を違えてくれるなよ、と
己が目を掛けて居るからこそ、そう、忠告するのだ。

元から愛嬌のある接客だとかは期待していない、が
腕っぷしに自信があり、何よりある程度の目利きも利くだろう
武器の取り扱いにも慣れて居るし、気も強い。
飲食店や酒場と違い、少々特殊な素質が問われる店だからこそ
相手の働きには大いに期待したい所だし。 ……其れ以外でも。)

「ぶん殴るのは最後の手段だ。 そう簡単に手は出すもんじゃないさ。
ま、其の辺り、暇があったら顔出しな。 労働契約とかは切らないで置いてやる。
お前んとこの騎士に見つかると面倒だろうしな、あくまで手伝いって事にしときな。」

(副業を、相手の所属する所が禁じて居るかは判らないが。
眼を付けられる可能性を考えれば、手ぶらの方が良いだろう
其の辺りは、己と相手との、信用次第、になるだろうが――

ゆっくりと、階段に向けて歩みを進めれば、段差に足を掛ける
振り向いて、女に一度視線を向ければ、頭金と財布を取り出した相手に
ふ、と笑って、硬貨を取り出す其の前に、指で一度、招いて見せ。)

「――――後で良い。 働き次第で、どの程度支払うか変わるだろうよ。
一旦は、飯のタネにとって置け。 ……其れより。 ……返してくれるんだろ?」

(夜、空いて居たら。
相手が自ら提案して見せたその言葉は、今夜は適用されないのか、と
まるで、誘う様に)。

グレアス >  
「あはは、うちの騎士団がまさにそれの巣窟
 ……うん、イーヴィ、アタシは輝ける」

イーヴィアに錆を落としてもらえたら、あとはこっちの頑張り
それを示したくて、そう力強く宣言した。
錆を落としてもらえる限り自分の道は違えない
あの日見たパレード、その主役になるためにも
忠告をしてもらえて、背筋が伸びた気がした。

愛嬌は特定の人にしか振りまくことはないけれど
昔から剣を触っていたおかげで目利きも多少はできる
この店の役に立てるんじゃないか、と自信を漲らせ。

「ぬぐぐ、分かってるさ。信用に関わるからね
 ……本当、ありがとな。気遣いまでしてくれてさ」

禁じられてはいないものの、確実に目はつけられる
だから、イーヴィアの提案は渡りに船で、暇さえあれば
この店に通い詰めて懸命に働くだろう。信用を失いたくないから

そうして、階段に歩みをすすめる様子を見て
もう今日は終わりかと、残念そうな表情を浮かべるものの
招かれたら、小さく頷いてイーヴィアの元まで歩んで。

「……うん、目一杯頑張るな?
 助かる。ほんとありがと。……うん、一杯返す」

誘うような、その言葉、その言葉で既にもう期待してしまっている自分がいて
イーヴィアのもとまで階段を登ると、腕を巻き込んで胸を押し付けるように抱きしめて
嬉しそうに笑みながら誘いに乗るだろう。

ご案内:「ヴァルケス武器防具店」からイーヴィアさんが去りました。
ご案内:「ヴァルケス武器防具店」からグレアスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミンティさんが現れました。
ミンティ > この一年も残すところあとすこしとなった、ある日の事。このくらいの時期になると、同じ孤児院の出身者たちで、もう着なくなった服や、まだ使えるけれど不要とされた家具を集めていた。
以前から寄付をしてくれている家々を訪ねたり、張り紙が許された場所にチラシを貼って回ったりして、一通り自分の当番分を回っている間には、あたりは薄暗くなりはじめている。

「…ありがとうございました」

最後の一軒を訪問し終えて、深く頭を下げる。今日は寄付のお願いだけするつもりだったけれど、まだ新しくも見える古着を何着かいただいて、子どものころも自分も、こういう人たちのお世話になっていたんだと思うと、感謝の気持ちでいっぱいになった。
いただいたものを肩掛けの鞄に丁寧におさめてから空を見上げ、今日はそろそろ帰ろうかと、ゆっくり踵を返す。
孤児院に送る寄贈品は、十分集まりそうだった。自分も、今年はいくらくらいの寄付金を出せるだろうかと、歩きながら考えて。

ミンティ > このあたりは明かりもすくないから、暗くなりきる前に大通りまで戻りたい。そのつもりで早足になっていたけれど、古ぼけた掲示板を目にして立ち止まる。
そういえばここにもチラシを貼っていい、と許可を貰っていたはずと思い出して、手帳のメモ書きを確認。問題ない事を確認すると、鞄を下ろし、チラシを一枚取り出して。

「…んー……」

空いたスペースを選びながら他のチラシにも目を通す。場所柄か、娼館やいかがわしいお店の広告もちらほら見受けられて、すこし悩む。けれど、こちらは場所を選んでいられる立場でもないからと考え直し、他のおしらせに被らない場所に、チラシを貼りつける。
作業を終えて鞄を持ち上げようとすると、鞄の口から顔を出していたチラシの束から、数枚が抜け落ちた。「あ」と声をこぼして、風にさらわれそうになるのを追いかけて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にクレイグさんが現れました。
クレイグ > チラシを追いかけようと足を踏み出したその時に、近くの路地から出てきた男がチラシに手を伸ばす。
風に舞うチラシをひょいひよいと指に挟んで掴み取ると。
それを纏めながら近づいてくる。

「ほいよ、見えたのは全部取ったけど、問題ないか?」

中年の戦士風の男はチラシを纏めたそれを差し出し、訪ねてくる。
その腰にはいくつかの小さな袋に、水袋が数個。
チラシを持ってい無い方の腕の肩には革袋を掛け。
大きめの黒いマントで体を覆っている。

ミンティ > いきなり駆け足で追いかけようとすると足がもつれてしまうかもしれない。そのくらい反射神経に自信がなかったから、最初の動き出しはのろのろとしたものになってしまう。
そうやって自分がもたついている間に、路地の角から出てきた人の手が、代わりにチラシを拾い集めてくれていた。地面に向けていた視線を持ち上げて、お礼を言おうとしたけれど。

「っ……」

足元の雰囲気から、大人の男性だろうとは予想していたけれど、思った以上に高いところまで見上げる事になり、びく、と肩をすくめた。
ただでさえ初対面の人と会話するのが苦手な性格だったから、とっさに言葉が出てこず、最初はぺこぺこと頭を下げるだけになってしまって。

「…あ、りがとう…ございます。助かりました」

差し出してもらったチラシを両手で受け取りながら、もう一度、深く頭を下げる。
親切にしてくれた人をあまりじろじろ見るのも、と思ったけれど、相手の装いを観察して。路地裏にたむろすような、ならず者の雰囲気とも違う事を確かめてから、ほっと息を吐く。