2021/11/11 のログ
ミンティ > そういえば、ご近所とのつきあいに気をつかわなくていいから楽だなんて、以前にお得意さまが話していたのを思い出す。自分も人づきあいが上手ではないから、そういう面ではすこし羨ましくも感じるけれど。

「っ…」

風が、どこかの空き家の、建てつけの悪いドアを軋ませる音が大きく響く。その音に驚いて、びくりと震えて足を止めた。
やっぱり、こういう場所には住めそうにない。臆病な自分だと、なにもかにも怯えてしまいそうだと思う。
高鳴っていた胸をおさえて深呼吸をし、これ以上、なにかの物音に驚かされないうちに帰ろうと、ふたたび歩きはじめた時には早足になって。賑やかな大通りを目指し、曲がり角へと姿を消して…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミンティさんが去りました。
ご案内:「ヴァルケス武器防具店」にイーヴィアさんが現れました。
イーヴィア > (――何やら先刻まで騒がしかった外
聞き覚えのある声が、物凄い剣幕で右往左往した挙句に、何処かへ遠ざかって行った
何をやって居るんだ、と、閉店間際の店の中で、僅かに首を傾げ乍ら
やれやれと、小さく溜息を零し。)

「――――……あの感じじゃ、貧民区の方か?」

(声が遠ざかって行った方向は、凡そ、大体。
側にいた従業員の一人も、多分、と肩を竦め乍ら同意したのを見て
暫し、うーん、と考え込んだ後で。)

「――――……ありゃあ、また凹んで来るかも知れねぇな。」

(ふと、そんな言葉を呟けば。 隣もまた、だろうな、と、同意して頷き
そうして、何はともあれつつがなく、今宵も又閉店準備を始めよう
この後に、特段の来客予定は無いし、あっても、恐らく依頼とは無関係だ
手元の帳面にもう一度目を通しつつ、作業の優先順に印をつけて、棚へと戻した)。

ご案内:「ヴァルケス武器防具店」にグレアスさんが現れました。
グレアス >  
騎士寮に戻る前に、剣の値段を聞こうと足の方向を変えた女
ぐったりした様子で店の前まで来ると、裏口ではなく表から
入っていく。

「おーす、イーヴィー」

腰にまたぞろ使い込んだ剣を下げて、淀んだ空気のまま入店
ため息を吐きながら、イーヴィアをキョロキョロと探すのだろうと。

イーヴィア > (書類仕事は、此処が店舗兼自宅な手前、普段のんびり終わらせる
けれど、早々に終わらせたのは、恐らく――と言うか十中八九
其の方が、構って遣れる時間が増えるだろうと、そう踏んで、だ

そうして、ほぼ予想通り。 入口から、聞き覚えのある声が入って来れば
其方に視線を向け、知ってた、と言わんばかりの台詞で、出迎えるだろう。)

「よう、お疲れさん。 で、何の追いかけっこだ?」

(――あの感じで、何が有ったかは凡そ想像がつきそうな。
捕り物でもしていたか、と、そんな風に問い掛けながら片手を掲げて見せれば
カウンター越しに相手を出迎える事だろう)。

グレアス >  
カウンター越しから出迎えてもらって
聞こえていたと言わんばかりの声に、ビクリと体を震わせた

「あー、聞こえてた? ガキに財布スられてさ
 それで追いかけっこしてた訳さ」

「捕まえたけど」そう続けた後は店内にある物
を物色しつつカウンターに近づいていって。

「半分盗られたけど半分は奪い返したぜ
 で、その……剣作るのって最低いくらから?」

一応、腰の剣も見てもらおうと腰から鞘ごと抜いて
カウンターに置いた。
カウンターに置かれた剣は、ほんの少しだけ欠けている部分が
中程にあるものの、手入れはされていて。

イーヴィア > 「なんだ、そんな事になってた訳か。
っはは、騎士から財布掏るってのも、中々良い度胸してるぜ。」

(よりにもよって、盗られたのが本人だったかと、思わず笑いつつ
ただ、相手にとっては不運以外の何物でも無かったろう
不機嫌そうな理由も凡そ理解しては、お疲れさん、と、改めて労い。)

「剣? ……そりゃあ、ピンからキリまでって言うしかないけどな…。
そうだな、店の中に掛かってる剣、在れの一番安い所が、まぁ最低ってトコか
あれ以上値段を落とせなくも無い。 が、ウチじゃやらん。 質が下がるからな。」

(下げられて居た剣を受け取り、検分する。
また僅かな欠けが在るが、この程度ならば致命的では無いだろう
以前と違い、手入れもされて居る様子が伺えれば、よしよし、と頷いて。)

「言った通りに頑張ってるみたいだな。 少し手直しすれば戻せるだろうよ。
――……で。 ……ちょいと散財しちまった、と?」

(――半分取り返した、と言う言い方が気になって居た。
捕えたなら、当然全額取り返す事だって出来ただろう。
けれど、相手が取り返したのは半分だと言う。 ……なら、残りの半分は。

普段の態度は荒くれ同然の癖に、根っこは誰よりも真っ当な騎士である相手の事
大方、ポケットにでも捻じ込んでやったのだろうと、小さく溜息を零しながら、真偽を問おうか)。

グレアス >  
「そうらしい。いい度胸してたよあのガキ」

笑い事じゃないと、ジト目になってイーヴィアを軽く睨だけど
すぐにあの子供のことを思い出して、可笑しそうに笑って。
ねぎらってくれたら、元気が出たような気がして「ありがとう」と礼を告げて

「だよなぁ……うーん。たっけぇなー
 質が下がったら本末転倒だもんなぁ」

安い剣を見てみても、やはり値段は張る
それでも、イーヴィアが特別に打った剣が欲しくて
じぃーっと剣の覧をみていたのだけれど。
イーヴィアからの声が聞こえたら、顔をイーヴィアにもどして。

「おうよ、言われた通り眠気にもまけずに頑張ったんだぜ? 褒めろー?
 ……うぐ、分かっちまう? ちょっと、昔を思い出して、半分だけ」

迂闊な言葉でバレてしまって、しどろもどろになって言い訳じみた言葉を吐く。
毎日ご飯は出ていたとは言え、昔は毎日腹が減っていた。

「家族のために騎士から盗むとか、男の子じゃん?」

あれは将来いい男になる。とか冗談交じりに正直に告白。
その後は「どうせ偽善者ですよー」なんて一人で言って
一人でへこみだした。面倒な女である。