2021/09/02 のログ
ロイス > 「はぁ……」

席に座り、ため息をつく。
正直、やりすぎたとは思う。
だが、話し合いという手段を選ぶには、酔っ払っているという事と相手が武装しているという二点はどうしても無視できない。

何せ、周囲は客と店員でひしめきあっている。
そんな中で抜剣して振り回されれば、流血の可能性は十分ある。
だからといって、無視をするには、この街の風紀が悪すぎる。

「(……まぁ、こんな事ばっかやってれば、そりゃ固定パーティも中々組めないわけだよなあ……)」

頼りにはされている。
パーティに加えて欲しいと言えば、少なくとも検討はされるし、逆に加えて欲しいという人も少なからずいる。
後輩からはそれなりに頼られているし、もう大分数は少なくなってしまったが、先輩の冒険者からもそこそこ信用はされている。

が、固定パーティという程の繋がりが深い仲間が殆どいないのも事実といえば事実である。
理由は単純。ロイス自身が冒険者としてはあまりにも堅物なのだ。
曰く、
「娼館に行って小言を言うのは女性の役割だろ!」
「困ってる人を見たら助けるっていうのは良い所だけど、極端が過ぎる!脳細胞に書き込まれているコマンドがそれ一択なのか!?」
「ナンパしてる時に肘で脇腹突っついて止めるのはもう恋人の仕草だろ!?しかも割と力の入った奴!」
etc……

先輩後輩としてならともかく、"友人"や"仲間"としてはちょっとというのが、組んだ冒険者の大部分の総意であった。

「……まあ、もう三十だからな……。今から仲間を探すというのも難しいだろうなあ……」

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からロイスさんが去りました。