2021/08/07 のログ
ノウブル > 「――――……そうか…やはり女物は勝手が違うな。
必要なら調整する、縁を少し弄るだけなら、対して影響も無いだろう。」

(其処までの微調整を、相手が求めているか次第だが
造ったのが己な以上は、其の辺りの調整も遣って然るべきだ
ただ、相変わらず仕草に関しては、少々小さく溜息が零れたが。)

「そうだったか…された様な気もするが、覚えていない。
胡散臭い噂、だけなら放ってもおけるが、被害が出ているか次第だ
せめて場所でも分かって居るなら、調べてみるのも手だがな。」

(討伐、だけだと余りにも曖昧が過ぎる。
それは、流石に不穏な依頼と言うよりは、純粋に「怪しい」依頼だなと
端的な感想を述べつつ、竦める肩
そうして――間を置いて、相手から向けられた、切り出された言葉に
双眸細め、暫しの間、じっと相手の顔を、目を、見つめた後で。)

「――――……時間は在るか。」

(――一言、其れだけを告げてから
少しだけ離れ、ギルドの受付に向かう
受付嬢と何事か話した後、手渡された物を握り、戻って来る
部屋の鍵、ギルドの上階に在る、宿泊可能な部屋
一寸した会話や、仲間同士の話し合いにも使われたりする其処に
足を運ぶよう、促そう。 何せ――往来で、話す様な事でも無い)。

シンディ・オーネ > 「――ああ、いえ平気。そんな脆い服着ないし、何か修理とかお願いする事があればそのついででも。」

(インナーが傷つく事があるかもしれないが、そんな傷は誤差な消耗品。
 わざわざ手間をかけさせるような事では無いと首を振り、
女だてらに冒険者なのを甘く見られないようフル装備しがちだが、
今日はもういいかなと胸当ては外しておいた。
 肩は楽になるのだが、熱のこもりや締め付けと交換で、
今はスーツの所々に配置してくれた金具にかけておこう。)

「食堂併設、宿アリで使い易い支所よ、女将さんは美人だし制服も…
 あー… 都会派? 料理も私は好き。」

(ノウブルが美人を気にかけるか微妙だがマイナスにはならないだろうと。
 輝く白狼亭を宣伝するが、制服の話には推しておいて目が泳ぐ。
 制服になっているからには破廉恥なんて事はないと思うのだが、
やっぱりいささか過激では?という思いも少しあり。)

「……な、なに。あらたまって。いいけど。」

(スルーして引きずるよりスッキリしようと、その話を切り出して。
 …貴族と一緒にいなかった?みたいに濁した質問をされて、
最近そういう変な噂を立てられるのよやっかみね、みたいに軽く答えて、それでお終いにするはずだった。
 だからその話には時間がかかるという対応には、なにムキになってるのと困惑の表情を浮かべるけれど…
 ノウブルが貴族のご婦人からオモチャにされているのを見かけたら、まあ私もムキになるかなあと思う。

 そんな想像は、断固否定という方針の前では意味が無いのだが。
 きちんと否定しようと、同行の姿勢。)

ノウブル > 「そうか。 ……なら、御前の仕事場を覗きに行く時にでも預かろう。」

(僅かな手直しだ、大した時間も取らせないだろう
さりげなく、相手が宣伝した流れで見に行くと宣言したが
当然制服の中身なぞ知る筈も無いから、純粋に様子見でしかない筈。
実際に目にした場合――どう思うかは、其の時にしか判らないだろう。

相手が同行するなら、宿の階上まで連れて行く
元々会議に使われる事も在る部屋だ、ギルドの信用にも関わる故に
機密性は、高いのだろう。 要するには、多少騒いだ所で音は漏れない
階段をのぼり、渡された鍵に記されている部屋の番号を見つけては
扉を開け、相手が入って来るのを待ってから、錠を閉じ。)

「――――――……アレは、御前だった。 ……間違いなく。 御前だった。」

(そして――そう、告げた。
断定する、問いかけではなく、あの時、あの騒ぎの中で見た女は
間違いなく、目の前の女であった、と。 そう、確信を以て。)

「………今は、大丈夫なのか?」

(そして――改めて、女の方へ向き直る。
ただ、本当に。 嘘偽りなく今は「無事」なのか。
其れだけを、教えろ、と)。

シンディ・オーネ > 「わざわざはイイってば。」

(お気遣いなくと手を振るが、丁度良いタイミングであればお願いしてしまうかもしれない。
 しかし苦情言ったみたいになったかな?と思うと気まずくて、
気付いただけで支障は無いのよ?ともごもご繰り返す。

 和やかな雰囲気だが、ここまでだった。)

「……。」

(部屋に連れられて。
 言及されたら、思い描いている通りに滑らかなあしらいを展開しようと思っていたが…
 断定する言葉には『ハハッ』と笑い飛ばそうとするポーズで固まった。)

「…否定するなら首を突っ込まずにいようとか、そういう気遣いは?」

(…私が人を心配する時にそういう気遣い方はできないなあと考えて、
 この話題を私から口にした事こそ思慮に欠けていたのではないかと今更思う。

 ――改めて、あの痴態を衆人環視の前に晒したのだと実感する。
 他人事のようにとらえようとしていたそれが、
間違いなく我が身に降りかかった事だと、そう他人に特定されたと思うと、背筋を冷たいものが滑り落ちた。)

「…道楽よ。アイツにとっては割とどうでもいい暇つぶしなんでしょう。
 飽きてくれたみたいでアレっきり。あの時だって、仕事期間の後半はもう相手にされてなかった――
 ああっ、護衛の、仕事よ? それで絡まれた、けどもう終わった。
 野良犬に噛まれたみたいなもの、気分悪いけどそれだけ。
 大丈夫。 以上。

 …アレはノウブルの獲物じゃない。
 あんなの相手にしてたらキリないし割に合わない面倒背負い込むし… 大丈夫。」

(全然「以上」にできない話だが。
 多少腹を割ってこの話はお終い!と告げて、これで良かったのだろうかと冷や汗が吹き出す。
 アニーには内緒にしてなんて言うまでもなく、ノウブルが言いふらしたり、
噂の肯定なんかもするわけがないと分かっているけれど…

 アレが自分だったのだと思い知って、震えた。)

ノウブル > (初めに、修理や微調整をすると言い出したのは此方だ
だから、寧ろ細かい所でも指摘してくれれば良い、と言う構え
其の辺りは、また後日にでも、件の仕事場へ出向いた時に。

……先んじて、断定したのは。
十中八九この女ならば、誤魔化すか否定すると、そう思ったからだ。
誤魔化される為に、態々この段になって手紙を送った訳では無い。
そのことで、もし相手を不機嫌にさせるやも知れなくても、だ。)

「………無理だな。 其れが気遣いだと言うなら、認識を改める必要がある。」

(――大した事の無い日常の出来事、其の延長であったなら
誤魔化したい事も在るかと、深く問う事も無かったろう
だが――少なくとも、女が断固否定しようと決めていた様に
己も又、蹴りを付けようと決めて此処に居る。
ならば、其れだけは譲れなかった。)

「………。」

(早口で、まくしたてる様にして説明される、事情、経緯。
凡その事は、其れで理解出来た。 何の事は無い、理不尽な出来事だ。
女にとっては事故に等しい、其れこそ、遺跡で罠にかかる様な、そんな出来事。

――そう、簡単に納得出来るなら、己は王都に等戻らず
何時もの場所で、今も野宿をしていたのだろう。
封印は、解放されて居ない。 だが、少なくとも怒りは、伝わるだろう。
女が、先手打って相手にするなと言わなければ
もう少し――冷静さは、失われていたかも知れない。)

「――――――………シンディ。
……この話を、落ち着いて出来ると思える迄、随分掛かった。
今更、何を言いに来たのかと思うかも知れん。 ……だが。
アレを見た以上、俺の中で無かった事には出来ん。」

(感情を、鎮めながらに、言葉を紡ぐ。
其れから、また、女の前に近づいて行く。
おしまいだ、と、早く終らせようとする女の気持ちも分からなくは無い
だが、其れでも。 せめてこれだけは、言わせて欲しかった。
刹那、片腕が女の頬に触れるだろう。 適うなら、緩やかに其の後頭部を抱き寄せ
己が胸元に、其の頭を、抱き込むようにして。)

「―――――――……無事で良かった。
……俺が、あの後御前を探したのを…、……知らないだろう?」

(――何故。 あの時直ぐに追いかけなかったのか。
相手の首を捩じ切ってでも、助け出そうとしなかったのか。
一瞬の事、何が起きていたのか理解できず、見送って仕舞ったあの瞬間を
どれほど悔やんだかも)。

シンディ・オーネ > 「……うん。」

(無理なのはよく分かると素直に頷くが、
 我が身とノウブルを置き換えてみなければ『無理でもない』から
咄嗟にはスルーも気遣いなんて意識が出て来るわけで。

 あの一言をノウブルからの非難である可能性を考えたり、
自分は冷たい奴なのだろうかと「無かった事には出来ない」と言う声を聞いていた。

 親しい人間がごく限られている人生で、それはノウブルだってそうなのではないかと思うのだけど。
 仲間なのだなあとしみじみして。
 …でも頬に触れる手には「泣いてないよ」とツリ目が睨み。
 しかし頭を抱かれるのはそのまま受け入れて…

 不条理に、怒りに、恥辱に、でも一部は感動に、
震えてさ迷う両手で強く強く拳を握り、ドンと叩くようにノウブルの背をきつく抱きしめる。
 浅く短く息をつき、ぐすっと鼻を鳴らして顔は胸に埋めた額の下。

 優しくされるという受け皿に感情が溢れて止まらず、許されるならしばらくそのまま。

 ノウブルが思いを言葉にしてくれたなら、救助は状況を悪くしたと諭すのだろうけど、
そういう理屈ではなく想いは伝わっている気がして、ここで露にするのは理性でなく悔しさばかりだ。

 ――どんなに時間をかけられても、上げる顔は泣き腫らしたものになる。
 みっともなくて不貞腐れたような態度になってしまうが、お礼を言って、部屋を空けよう。)

ノウブル > (―――今更、何をした所で相手の為にならないのは分かって居る
話を蒸し返して行動するのも、あの人間の首を撥ねに行くのも
結局の所、今は、この女の状況を悪く追い込むだけでしか無い
だが――それでも、無視はしないのだ、と。
其れを知り、味方である者が居るのだと、其れだけは。

一人で背負い過ぎるなと…其れだけは、伝えに来た。)

「………好きなだけ、泣け。」

(少なくとも今くらいは。 様々に去来する感情を全て、涙に変えれば良い。
女が、自ら離れようとするまでは、きっと暫く、其の儘。
出来る事など少ない。 だが、何も出来ない訳では無い。
女の顔が、泣き腫らした物になって居ようと、構わない
最後に、女が部屋を後にしようとするなら。 きっとその間際。)

「――――――……偶には、外に来い。
寝床位は、用意してやる。 ……食べ物もだ。」

(街から離れた、喧騒とは無縁の、あの自然の中
己はまた、何時もの場所に居る、と。
そう、声を掛けて、見送る事になるだろう)。

シンディ・オーネ > (誰一人知る者はいないと思い込んでいられれば、それで誤魔化せるものもあるけれど。
 それを知る相手が同じように憤り、何より罪にも感じてしまう自分の有様を許してくれるのであれば、
それは誤魔化すよりも遥かに救われる事。

 …尻穴で確かに快楽に悶えてしまっていた自分を、そこまで把握したかどうかは分からないが、
ノウブルが軽蔑しなかっただろうかと考えるとまた怖くもなるのだが。

 今はおそらく許してもらえるような安心感に泣き、
外に来いという誘いにはチラっと「仕事以外で?」と構えてしまうが、
この状態ではそんな意識こそ失礼に思えて。)

「――補給に行ってあげる。何が足りなくなるの?」

(冗談めかしてそう言った。)

ご案内:「王都マグメール 冒険者ギルド」からシンディ・オーネさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 冒険者ギルド」からノウブルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にライツさんが現れました。
ライツ > 「お疲れさまっしたー」

と、一声を残して冒険者ギルドを後にしたのは、一人の少年。
少年は以来の報酬が入った布袋を頭上に放り上げ、頭のてっぺんで受け止める。中身の貨幣が涼しげな音をたてた。
数多に布袋を乗せ、瞳を受けに向けたままだというのに、通行人とぶつかりそうになることもない。
人と人の間を縫うようにすいすいと歩き、宿への近道である路地裏に入った。
頭を軽く振って、差し出した手の平の上に布袋を落とす。

「今回のシゴトは、まあまあ儲かったっすね。ちょっとばかし贅沢してもバチはあたらないかも」

人通りの絶えた路地裏で、独りごちる。
贅沢と言って思い付くのは、この後の遅い夕食を少し豪勢にする程度だったが。