2021/06/04 のログ
■ヴィクトール > これは完璧に酔っ払っているなと思わされるほど、ろれつの回らない可愛らしい声。
酒とは異なる赤色が混じりながら、しゃっくりを隠そうとする仕草に口角を釣り上げれば、その可愛らしさにくしゃくしゃと白髪を撫で回していく。
「おう、元気してたぜ。っておいおい、シルニアぐらい可愛い娘が酔いつぶれちゃ悪い奴にお持ち帰りされちまうぞ?」
相変わらず舌が上手く回っていない様子は可愛らしいのだが、この街でこれほど前後不覚になったら好きにしてくれと言っているようなもの。
幼さすら唆る欲となりそうな可愛らしい娘な分に、心配げに眉を潜めながら軽く窘める言葉を重ねていった。
そうこうしているうちに、店主がコーヒーと共にベイクドポテトと分厚いステーキ、野菜のスープをテーブルに並べていく。
早速頂くことにし、ナイフが赤身肉を切り分けていく。
「それに随分と派手な宴してたみてぇだけど、何かあったのか?」
酔いつぶれるほどのなにか、それを不思議そうに問いかけつつ苦笑いの少女を見やる。
その合間も大きく切った肉を頬張り、大雑把ながら旨味溢れる味わいを堪能していく。
■シルニア > 頭を撫で回され、髪をくしゃくしゃにされても気にする様子もなく。...いや、髪が乱れたことに気付いた様子もなく。
乱れた前髪の隙間から彼の顔を覗く。
「大丈夫れすよう。寝ちゃってたけど、何ともなかったですもん。」
なんて、ひらひらと手を動かし何ともなかったよ、とアピール。
実際は去った仲間たちも仲間内のトラブルを避けたい為に放置して行っただけなのだが。
「んぅ、うたげ、兼お礼の奢りなのです。私のお家を建てるの、手伝って貰ったのです。きょーはそれが完成した日でひた。」
彼の問いに机の上に寝そべっていた頭を起こし──鈍痛に顔を顰めて──食事中の彼の顔を見つめて返答。
「かわりに本当に無遠慮な伝票を押し付けられた、れすけどね。」
と、びっしり書き込まれた会計伝票をちらとみせ。
■ヴィクトール > まだまだ子供っぽいところはあるなと、大丈夫だったとアピールする様子にクツクツと笑みを重ねる。
身内との宴とは知らなかった分に、そんな面倒が起きるとは知る由もなかったが、続く言葉で嗚呼と納得舌様子で頷いた。
確かに彼女に手を出して、最悪孕ませたらそれはもう鬼畜だの何だの言われそうだと思うところ。
実際、年下ばかり抱いているケースが多い自分も、このロリコンだのと集落の妹達に冗談半分に罵られて弄られるので、とても納得がいく。
「そりゃ宴でも開きたくなるな。無理すんなって、頭割れそうだろ? ん……?」
顔を上げれば、ステーキの次にポテト、そして乾燥気味な口内を潤す野菜スープと次々に食べていく姿が見えるだろう。
その料理もこの体躯からすれば、胃袋をいっぱいに満たすというよりは軽食程度にしか見えないサイズ差がありそうだが。
苦笑いを浮かべつつ辛そうな彼女を見やれば、見せられた伝票に目が留まる。
4124ゴルド、これまたずいぶんな額だ。
それこそ、大人なら一ヶ月弱の生活費に近い額が描かれており、彼女へと改めて視線を落とす。
「家建てた後だってのに、こんな金あるのか?」
ただでさえ金欠気味になる頃合いだろうと思えば、少々心配げに眉をひそめながら問いかけていく。
■シルニア > 「休んで少しは良くなってきたれすからぁ...」
顰めっ面のまま痩せ我慢。当然頭痛が急激に和らいだりしないし、でも彼に心配を掛けすぎるのも嫌だ、と。
依然として彼の顔を、すなわち食事もぼんやりと眺めていたのだが、気が付けば一人前のセットを殆ど平らげてしまっていることに気付いた。
ヴィクトールさんは大きいから沢山食べるのですね、なんた口にしようとしたところで、彼と言葉が重なってしまった。
「それは大丈夫なのです。さまざまな方面のお方に手伝ってもらったので、お家はとても安く済んでるれすぅ。
だから、ギルドに預けてるお金を下ろせば払えるれすよぉ?私、こー見えてそれなりに貯めてたのですからっ」
拳を胸に当てて得意げに、かつやや早口に述べるのだが、自身の説明にひとつ、大きな大きな問題点があることに気付いた。
「って、ギルドってこの時間には閉まっちゃってるですっ!?」
朱に染っていた顔の血の気が失せた。
■ヴィクトール > 「そうかぁ? どうみてもまだ辛そうに見えっけどな」
頭が割れそうな痛みに、必死に堪える二日酔いの姿によく似てると思うぐらいに辛そうに見える。
クツクツと笑いながらも食事を平らげると、丁度いい温度になったコーヒーを楽しみながら、問の答えへ耳を傾ける。
本当に小さいのにしっかりしてる娘だなと思わされれば、どちらかといえば自分が適当大雑把すぎるのではと、ここ最近の邂逅を思い出しながら苦笑いが溢れた。
それならギルドにいけば問題なさそうかと思ったが、彼女同様にその話の問題点に気づく。
果たしてギルドの勘定担当が、日付も変わる時刻まで律儀に帳簿をつけるために起きているだろうかと。
「そうだな、こんな時間じゃ下ろす先がやってねぇだろうな」
何度か頷きつつ、この話が店主に聞こえていたらどんな顔をするやらと思いつつ薄っすらと笑うと、懐にしまっていた何かを取り出す。
紙束じみたものとペンを取り出すと、さらさらと数字を書き記して一枚引きちぎっていく。
丁度そこへ皿を下げにきた店主が見えれば、先程の伝票と重ねていった。
「この娘のと俺の代金、こいつで頼むな」
所謂小切手のようなものを出せば、そこに記されている王族の印に特に疑うことなく持っていってしまう。
俺からのお祝いがてらだと囁きながら、頭の痛みが悪化しないように優しくゆっくりと白髪の小さな頭を撫でていった。
■シルニア > 「ど、どうしよう、ヴィクトールさん...素直に店主さんに謝って後で払うしか...」
嫌な汗が出る。お陰で酔いも一気に覚めた。頭痛は依然として、だけれど。
よく通う店ならまだしも、そうでない店でこの額のツケは無理がある。
でも、持ち合わせがないのは変わらない訳で...
うんうん唸っていると、彼は何かを取り出して──
「...へっ?ど、どういうことです?今のでお会計終わりです?」
ちらと見えた王族の印の小切手に困惑しつつ。彼が代金を立て替えたのだと理解すれば。
「あ、ありがとうです、がっ!ちゃんとお金は返す、ですからねっ!こんな額ですしっ。
前だって結局この短剣、買ってもらっちゃったですし、それにそれに──あぅ...」
しっかり礼は言いつつも、しっかり返すことは強調して怒涛の剣幕。前回の邂逅のことまで持ち出して。ぽん、と頭に大きな手が乗せられれば我に返り、しゅん、と大人しく。
「...........別の『支払い』はしないですからね?」
前回の邂逅、から思い出し、そこから連鎖した事柄も否定しておく。
■ヴィクトール > 「そうだな、それですんなりと行けばいいが、置いてかれたシルニアがお代って思われっかもしれねぇな?」
あっという間に酔いが冷めていく様子に、クツクツと笑いつつも、思わず意地悪な言葉を重ねる。
こんなところで酔いつぶれると持ち帰られるという言葉、それが少しだけ現実味を帯びるような意地悪を。
唸っている合間に小切手を切っていけば、そんな心配もなくなるわけだが。
「何も知らなかった俺も悪いが、お祝いの品の一つも準備してねぇんだ、そんな気にするなって。あぁ、そう言えばそんな事もあったな……」
言われてみればそうだったなと前回のことを思い出しつつも、だがそれは違う形でお代は頂いていた。
それも可愛らしい少女の初めてになれた、とても名誉ある素晴らしい夜のひと時を。
あれはよかったなと少し思い出す最中、しおらしくなる少女の言葉に、ぞくりと淡い興奮が煽られる。
そういわれたら、余計に唆られるのが男というもの。
何度か優しく撫でた後、そのまま頬へと滑らせれば、顎に指を引っ掛けながらこちらへと向かせつつ、緑色の瞳を覗き込んでいく。
「そういわれると余計、あの時みてぇな……寧ろそれ以上に、可愛がりたくなるぜ?」
意地悪い笑みを拵えながら、獣じみた金色の瞳が真っ直ぐに見つめる。
暗にそれが欲しいと強請りながらも、そのまま顔を近づけていく。
彼女がどうするのかを探るように見つめつつも、届いてしまうなら唇を奪うだろう。
それが彼女を貪る合図だと言わんばかり。
■シルニア > 「むぅ...お祝い、というなら受け取りですがぁ...でもやっぱり額は大きいのでお返しもさせてもらうのです。」
などと自身を納得させるように呟いていると、頭から頬に移る手。
大きな手は熱く感じられ、そして動きが妙に扇情的だ。
そしてその手はやはりと言うべきか、顎に移り──
「で、ですから、そっちはしない、でしっ。あの後ずっとお股がジンジンして変な感じで大変だったのですよっ!
だから、ほら...う、うぅ...またその目、です...」
つらつらと並べる逃げの言葉は、彼の反論すらなくともその肉食獣の視線に打ち破られる。
前回と同じ視線に、前回と同じく『食べられちゃう』なんて感想を抱き、被虐心が擽られ鼓動が高鳴る。
「───...ううぅ...んむっ...」
吸い込まれるようなその視線から目をそらせない。あげる言葉も浮かばず呻き声をあげていたのもつかの間、その声も唇を重ねられて、遮られることに。
私は諦めたように目を閉じて、おずおずと彼の背中に手を回した──
■ヴィクトール > 額が大きいと言われれば、律儀だなと冗談めかして呟きつつ撫でていく。
そして頬をなで、顎を捉えて、ささやく言葉で彼女を崩そうとしていく。
どもった言葉とともに語られる初夜の名残は、むしろこちらをより興奮させるようなもの。
もっともっと、彼女の中に爪痕をいっぱいにしてやりたくなる。
小さくも魅力に満ち溢れる少女ににっと口角を上げていけば、口吻に否定はなかった。
重ねていき、背中に回る小さな掌により一層たぎりながら、幾度も唇を啄み、少女とはミスマッチな酒の香りすら心地よい。
ほんの数秒程度、それを永く楽しむように……静かなひと時を堪能していけば、緩く吐息を零しつつ、唇が離れていく。
閉ざされた金色が改めて開けば、嬉しそうに細められるのが見えるはず
「……んじゃあ、酔い醒ましがてら、楽しもうぜ?」
くしゃりと改めて撫でれば、小さな手を握り、彼女を伴って店を後にする。
その後、彼女がどうされたか、細々語るべくもない。
今わかるとすれば、あの夜に感じた痺れを今度は快楽を深めながら長く長く、彼女の中に残そうとするに違いない。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 食事処『香魚庵』」からシルニアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 食事処『香魚庵』」からヴィクトールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区―大衆食堂」にグランツさんが現れました。
■グランツ > 平民地区の一角に構えられた大衆食堂。
食事時ともあって人々がにぎわう中、一角に陣取る一人の男が黙々と食事を口にする。
腕に覚えがある荒くれ者と比肩するかそれ以上の体躯を金の刺繍が施された外套で覆う偉丈夫。
平民でありながら積み重ねた研究を数々の貴族から評価され、後ろ盾を経て爵位を得た研究者。
貧民地区の民に手を差し伸べ、平民でも才あれば働き口を用立てることからよく支持される。
「……ふむ」
だが、その本質は常識から逸脱した研究者。
魔物の生態を研究し、対策する一方で、
魔物を駆逐対象ではなく有効な資源、優秀な生物とする。
魔物の生態を把握するためなら”良かれと思って”女性をあてがい、
魔性の快楽に”よかれと思って”投げ込む。
人外の逢瀬を味わった数々の女性を”協力者”として研究を進める男は、
その場で”素質ある者”を見定め、
また”協力者”が接触するのを待ち構えて
■グランツ > 裏では、その筋では、人外との快楽を求める者には、
自ずと彼の噂を耳にする者もいるだろう。
そう仕向けている。
素質ある者が、魔物の生態を明らかにする為に不可欠な人材が接触しやすいように
情報に指向性を与えている。
貧民地区への炊き出しを終えて、メイド達を先に帰らせて、
ここであえて一人で食事をしているのも接触を待つため。
もしくは、そんな素質ある者を斡旋する協力者を待ち受けて。
■グランツ > 強力者はいずれまた現れるだろう。
時が訪れ、グランツもまた支払いを済ませて帰路に付き―
ご案内:「王都マグメール 平民地区―大衆食堂」からグランツさんが去りました。