2021/05/11 のログ
レベッカ > 「それは泥棒のいう事に聞こえるのは気のせいですか?」

傭兵と名乗った男にそういう知り合いがいるとは考えられず。
ならば盗むのかと自然と考えてしまい。
もしかして他の国で何かやっているのではと疑ってしまい。

振りぬいた拳は座っている姿勢とは言え腰の入ったもの。
男の顔面を殴った確かな感触に反省してくださいと冷たい視線を向け。
男の手により拳を退けられ鼻血を出す様子を見ても謝らず。

「そうですか。では次はメイスを用意しておきます。
私はそろそろ仕事に戻らないといけませんので。
果実水、ごちそうさまでした」

聞いていない様子に大きく息を吐くと残っていた果実水を一気に飲み干し席を立ち。
仕事がありますのでと告げ、男にごゆっくりと告げると静かにテーブルを離れて呼び込みに戻って行って…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からレベッカさんが去りました。
フォーク > 「ははは……」

女の疑問にわざと肯定も否定もせずに酒を呷ってやった。
女が仕事に戻るというので男は鼻血を垂らしたまま、笑顔で小さく手を振る。

「いやはや、いいパンチしてたぜ。あのシスター」

次は尻くらい触ってやらねえと気がすまねえ。男は血で味付けされた酒をもう一口含んだ。鉄臭い。

「いや、次は他の特技で……」

他の特技は公共の場でやればお縄になるようなものばかりなので思案のしどころである。
かくて男は今宵も酔いつぶれるまで飲み食いするのであった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からフォークさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 裏路地」にロブームさんが現れました。
ロブーム > 平民地区の裏路地に、二人の男が対峙していた。
一人は、太った男――黒いローブを着て、尻もちを付いているもうひとりを冷ややかな目で視ている。
もう一人は、憔悴し、助けを求めるような表情で太った男を見上げていた。
太った男は、まるで打ち捨てられた薬中の浮浪者に吐き捨てるような声で言った。

「残念だ。非常に、残念だ。君はもう少し賢い人間だと思っていた」

そう言って、黄金の杖を取り出す。
蛇の意匠の施された、ロブームの愛用の杖だ。
その先端を、彼に向ける。
男はそれを見ると、まるで剣を首元に突きつけられたかのように、「ひっ」と声とも呼吸ともつかぬ声をあげた。

「私に偽の情報を――それも、錯誤や過失ではなく故意に偽の情報を流すなど、本来あってはならぬ事だ。そうだろう?」

がくがくと震える男は、頷く事も首を振ることもできない。
彼の言葉は静かながら、まるで周囲の空気ごと震わせるような威厳に満ちていた。
震える男を気にせず、もうひとりの男は続ける。

「あってはならぬ事は、同様にあってはならぬ事を以て償うのが常。
人殺しが死刑になるように。親殺しがより残酷な処刑になるように。
そうではないか、なあ……?」

少なからぬ怒気その言葉が、彼の精神の均衡を崩したのだろう。
尻もちをついていた男は、尻もちをついたまま二歩ほど下がると、そのまま不格好に立ち上がり、表通りに逃げ出した。
対し太った男は、彼の後を――しかし、走ること無く歩いて、追っていく。
表通りに出た男が、「助けてくれえ!」と叫んでいるが、気にすることもない。

「さあ。狩りを行おう。狐狩りの如く――皮を剥いで、肉を食らってやろうではないか」

ご案内:「王都マグメール 平民地区 裏路地」からロブームさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にレベッカさんが現れました。
レベッカ > 日も暮れ始めた平民地区の大通り。
日の高い間に行われていた蚤の市は殆ど終わりを見せ残っている店はまばらとなり。
そんな残り少ない店を眺めて歩く腰に剣を下げたシスター服の姿。
残っている店の商品を見ては興味が惹かれないのか直ぐに移動をしてと繰り返し。

「やはりもっと早く来るべきでした。まさかこうも残っていないとは…」

以前に来たときはもう少し早い時間だったが色々な物があったと記憶をしており。
今日は外れだったのか遅すぎたのかの判断はつきにくく。
それでも来たからには何かを探したいと考えてまだ残っている店を冷やかすように歩いて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からレベッカさんが去りました。