2021/05/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にレベッカさんが現れました。
レベッカ > 冒険者ギルドに併設されている酒場の前。
冒険者や労働者という人々が行き交う大通りで声をかけては酒場への客引き。
酒場自体は繁盛しているのだが更に客を呼びたいのかそれとも混雑させたいのか店主からそんな依頼を受けての仕事。
声をかければ酒場に入る者も居れば気にせずに通り過ぎる者も居る訳で。

「良ければ一杯どうですか?混雑はしていますけど多分座れますよ」

流石に覗けば混んでいる店内に空き席が有るなどとは言えずに素直に座れるかも?と声をかけ。
客を呼ぶ気があるのかないのか、そんなテンションで客引きを続けて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にフォークさんが現れました。
フォーク > 最近は大きな戦も少なく、闘技場も新興ファイターの台頭ですっかりと出番が減ってしまった。
となれば副業である冒険者として稼がなければいけないのだが、ここの所すっかりとギルドにはご無沙汰である。
どんな仕事でもいいからありつかせてもらおうとギルドにやっては来たものの、珍しい光景を見た。

「驚いたぜ。シスターが客引きやってらぁ」

ギルド併設の酒場の前でシスター服の女が客引きをしているではないか。
そういう趣旨の酒場になったのか、と考えたが考えるより先に動くのがフォーク・ルースという男なのだ。

「よーう、座れっかい?」

実にフランクにシスターに声をかけるのであった。

レベッカ > 「いらっしゃいませ。多分座れますよ」

全く変わらない淡々とした声色で呼びかけては入る客は酒場へと。
しかし運よく座れた客は出て来ないのだが運が悪い客は席がなかったと出て行ってしまう。
流石に店内の事までは責任はとれず、店主のやりくりの問題と気にしないことにして。
そうして呼び込みを続けていれば声をかけられて。

「多分座れますよ。あなたに運があればですが」

声の主の男に目を向けた後に酒場に目を向ければ丁度人が出てくる。
これが帰る客か座れなかった客なのかはわからないが…男に運があればと告げて、どうぞと店へと促して。

フォーク > 女に案内されて店内へと入る。かなりの盛況のようだ。

「なら大丈夫だろ……俺は金運以外は大体『もってる』んだ」

金運以外は大体揃っている。だからここまで傭兵としてやってこれているのだ。
運のないやつはどれほどの才があろうとも水泡の如く消えるのが戦場なのだから。

「ほらな」

男が顎の先で、先程まで誰かが使用していたであろうテーブルを指す。

「あんたもラッキーだな。ちょうど席は二人分だ。仕事があがったら来いよ。一緒に呑もうぜ」

どうせ酒を飲むならば美人と一緒のほうがいい。当たり前のことだった。

レベッカ > 「金運がないのは致命的では?」

男を店内に案内し、その最中に聞いた言葉に視線を向け。
金運がないというような言葉にそもそもお金を持っているのかという心配。
もしこの男が食い逃げなどをすれば支払いは客引きで捕まえた側、自分の給料から引かれることになるから。

「運はあるようですね。私はついていませんけども」

男が示した先にはまだ片付けられてはいないが空いたテーブル。
先ほど出て行った客は帰る客だったようで酒場に新しい客が入り店主は喜んでいるだろうと考え。

「引いた客に誘われて座れる席があれば付き合うのも仕事に入っていますから。
果実水でよければ付き合いますよ?」

仕事中にはお酒は飲めない、なので果実水ならと条件を付け。
それでもよろしいならと問いながらテーブルへと案内をしていく。

フォーク > 「男一匹、生きてさえいれば金と飯はどっからか湧いてくるものさ。それに今、金に困ってるわけじゃないんだぜ。
 今日、明日を楽しく生きていく分くらいの食い扶持はあるのさ」

つまり明後日はどうなるかわからないということである。
シスターが同席してくれると聞けば指をパチンと弾く。

「そりゃいい店だ。じゃあ好きなもの頼みなよ。俺はバーボンと肉を頼むぜ」

テーブルを挟んで向かい合っていた椅子を、自分が座る椅子の横に設置しようとする。並び合って飲みたいようだ。
シスターはビジネスライクな接し方をしているが、それはそれで新感覚である。こういうのもいい。
様々なものを楽しめるのがこの男の美徳でもあった。

「俺、フォーク。いちおー冒険者ギルドに所属してるの。おまえさんは?」

と、相手の名を聞いて。

レベッカ > 「確かに男の人でしたらそういう生き方もありですね。
でも、私にはマネはできませんよ。そういう生き方をすると直ぐに奴隷商人に目を付けられますから」

男の告げる言葉に行き当たりばったりと思ってしまうが自由な生き方と思えばありなのかと。
問題は女性には不可能な生き方だと思っただけ。

「そういう契約で依頼を受けた私の落ち度ですよ。給金につられての…。
先ほども言ったとおりに果実水だけで大丈夫ですよ」

男の向かいに座るつもりであったが先に椅子を移動させられてしまい。
元に戻せばいいのだが混雑した店内で椅子をまた動かすのも邪魔だろうと男の隣になった椅子に座り。
好きなものと言われても頼むのは果実水だけ。

「フォークさんですか。
私ですか?……レベッカです、そちらのギルドに一応は登録しています」

名前を名乗る男に名前を聞かれて少しだけ考えこみ。
教える程度なら良いだろうと名前を告げ、冒険者だと答え。
丁度通りかかった今日の同僚である給仕に男と自分の注文を頼んで。

フォーク > 「美人に生まれるってのも善し悪しだな。俺にとっては美人が多いのは良いことだがね」

男は自由な生き方をしている。それは一歩道を外れたら野垂れ死にできる自由でもあった。それでいいと考えている。
戦場に立つときは死人の境地に達せねばならない。死人を殺せる道理はないからだ。
シスターが依頼料につられて客引きをしていたと聞けば

「適材適所だと思うぜ。俺も君の美貌に惹かれてフラフラと店に入っちゃったんだから」

ああフラフラと呟きつつ、隣に座った女の腰に当然のように太い腕を回そうとするのである。

「よろしくなレベッカ。俺は本業は傭兵だからあんまり冒険には出ないんだが、そっちの景気はどうだい?」

景気が良ければ客引きの依頼なんて受けないか、とも考えたが意外と大仕事を控えてたりすることもあるので
とりあえず冒険者には景気を聞いてみることにしているのだ。

レベッカ > 「美人……?そういうお世辞は花街でどうぞ。
この街、国では普通に女性は生きるのに大変ですよ」

一思いに男に生まれていれば困らないと思うことも多々ある。
もちろん女に生まれて不満はないが時折にそういう事を考えることもあると。

「これでも一応はシスターですので喜べませんよ?
一つだけ言っておくと……2ブロック先の酒場には今は踊り子が滞在中ですね」

椅子に座れば腰に腕を回そうとする男。
そういうサービスはやってないというようにその腕に掌を振り下ろしてあきれた目を向け。

「えぇ、よろしくお願いします。
景気ですか?人それぞれですが私は特に仕事に困ってはいません」

今はこうして客引きを行ってるが、普段は薬草などを採取する依頼をメインとしている。
今日は偶々そういう仕事がなくこうしているのだと告げ、他が憧れるような大仕事には縁はないと。
そんなことを話して入れば注文が届き、男の前にバーボンと肉、自分の前に果実水を移動させて。

フォーク > 「星を星と呼び、月を月と呼ぶのはお世辞とは言わないだろ?」

美人を美人と呼ぶのは世辞ではなく、純然たる事実を述べているだけだと言っているのだ。
星にも月にも名前はあるが、不動の星は星で、三日月は月で、レベッカは美人なのだ。
掌で叩かれたら、腕を一時後退させる。戦術に一時撤退は付き物だ。

「それ仕事着だったのね。シスターが冒険者……っていうより冒険者がシスターやってるってのが正しいか?」

シスターの生業を聞く。薬草の採取は傭兵にとっても無関係な話ではない。負傷した際に回復魔法を使うものがいない場合は
薬草に頼るしかないこともあるのだから。男もかつて何度か薬草の世話になったことがある。

「そうか。それは、ありがとう」

男はレベッカに巨躯を向けると、ぺこりと頭を下げた。
もしかしたら彼女が採取した薬草に世話になったことがあるかもしれないからだ。
そしてバーボンの入った木のグラスを握れば

「ほい、乾杯」

レベッカ > 「意外と哲学的な事をいいますね」

男の言う言葉を聞けば本当に意外という顔をしてしまう。
傭兵と言えば大体は小難しい事よりも直線的という考えがあったので。
男の腕を叩けば引っ込むのを見ればそれでいいと頷いて。

「仕事着で正装ですよ。いえ、シスターが冒険者であっています。
シスターだと言って教会で祈ってばかりですと…体を売る羽目になります」

そういうのは御免ですから冒険者をしていますというように息を吐き。
幸か不幸か薬草などの知識はあり、それを採取で生かすために、身売りをしないでいいようにと冒険者になった訳で。
結果的にはギルドにそれなりに重宝されるようになり、ギルドで売られる薬草の一部は自分が集めたものだと言えるほど。
生傷が絶えない仕事ならばきっとお世話になっていると思い。

「冒険者と傭兵といった人がいる限りは私は困りそうにないですね。
いえ、これも仕事の一環です」

頭を下げられると首を横に小さく振って気にしないでとみせ。
男に合わせて果実水の入ったカップを手にし、乾杯の声に合わせて軽くカップを合わせれば口元に運んで。

フォーク > 「酒と美女は男を哲学者にするんだよ」

唇を歪ませて笑えば、酒を呷る。喉を焼くような強い酒が好きだった。
難しいことを考えるのは得意ではないが、状況に応じてあらゆることを考えないといけないのが傭兵稼業だ。
一兵卒から斥候、交渉人、はては将軍まで、雇われればなんでもやる。

「もしも売るときは声かけてくれよ。値段は応相談!」

割と真剣味のある声音だった。
そして小指を立てて前に突き出す。とある地方の約束を示す儀式ゆびきりげんまんをしようとして。
そのままへし折られそうで怖いが、言うならタダだ。

「戦場で一番大切な任務はな、一に斥候、二に兵站だ。敵の情報が揃い飯の心配がなくなって初めて軍人は戦える」

薬草などの負傷者をケアする物資の供給も兵站に入る。
後方支援でも、いや後方支援あってこそ戦は動くのだ。

「……と、こんな色気のない話をしたいわけでもないんだ。どれ俺の特技をひとつ見せてやろうか。
 ちょっとこっちに身体を向けてみな」

と彼女を促すのであった。

レベッカ > 「……口がうまいのはよくわかりましたよ」

酒を煽る男に視線を向けては果実水を口にして。
この少しの時間で話して分かった事は男の口がうまいという事。
これが傭兵の世渡りなのかと感心して。

「その時は王都を丸ごと買えるだけを用意しておくことをお勧めしますよ?」

真剣みのある声色の男に見た感じ真面目そうにそう返し。
つまりは売るつもりはないという事でしかなく。
立てられた小指を見ては曲げますよ?というように笑みを見せて。

「食事と薬の心配があっては何もできないですね。
集めた薬草が役に立っているのでしたらよかったですよ」

戦場の事はよくわからないが食事と消耗品の不安は冒険者も同じ。
使われ方は別として役に立っているなら満足という様子をみせて。

「お酒を付き合った話はこういうものですよ。
特技ですか……?嫌な予感がしますけど…?
変なことをすれば抉りますよ」

酒の席での特技と言われれば大抵はろくでもないものばかり。
変なことをしないように釘を刺し、男の方へと体を向けて。

フォーク > 「そうかい?口下手なほうだって言われるけどな」

大嘘である。
手よりも口が、口よりも身体が動く男なのだ。
女の掲示した条件を聞けば、両手を大きく広げ

「そいつは随分と安く見積もったものだな」

と仰々しく驚いてみせた。人の価値は国程度では収まらない。
それはともかくとして小指を折られないで良かった。

「安心しな。こっちは指一本触れねえよ」

女が向き直れば、男はクワっと目を見開いた。
鋭い眼光が、女の胸、腹、腰へと刺さる。
もし女が何か口にしようとすれば、その前に大きな掌を突き出して制するであろう。
もう片方の手は、己の額に当て、男はなにやら難しそうな苦しそうな顔を見せるが……。

「80……57……80、いや82」

と女のスリーサイズを熱病にうなされたような口調で漏らすのだった。
見たか知ったか、これぞフォーク・ルース七大特技の一つ見ただけで女のスリーサイズを当てるというものだった。

レベッカ > 「とてもそうは思えませんよ。
金運がないと言っていましたけど稼いでいるのですね」

口下手という男の言葉を信じていませんという視線を向け。
無茶難題という金額を告げたわけだが安いという言葉に随分とと呆れた言葉。

「その時は指をもらい受けます。
それで……?」

触れないという言葉は一応信じて何をするのかと見守り。
いきなりに目を見開く姿には流石に何?とドン引きのように体が下がり。
視線が体を上から下と動き、額に手を当て考え込むような姿に嫌な予感がし始め。

次の瞬間に告げられた数字、それが何を意味するかと分かれば笑みを浮かべ。
次の瞬間には男の顔面をめがけて勢いよく拳を振りぬいてしまう。
酒場という公共の場でスリーサイズをいきなり暴露され、反射的に体が動いてしまって。

フォーク > 「な~に、大陸中の金持ちや商店の金庫とお友達なだけさ」

言うことがいちいち不穏な男だった。
もっともフリーランスの傭兵は身元不明な者も多くごろつきや犯罪者と同等に扱われることも多い。
男も任務で罪人として牢獄に入ったこともあるし、筋肉を落として幽鬼のような姿になり別人になりすましたこともある。

「どう!?」

3つの数字が正しいかどうか、身を乗り出した瞬間の顔面パンチである。女の拳がいい感じに男の鼻っ面にヒットした。
男は優雅に女の手首に手を添えて、そっと顔面を拳から引き剥がす。
けっこう盛大に鼻血が垂れた。

「へへへ……所詮は女のパンチ、効かナえエ、そナんもノ」

効いてた。