2021/04/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区商店街」にしずくさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区商店街」からしずくさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 商店街」にしずくさんが現れました。
しずく > (様々な商品が並び賑わっている平民地区の商店街。
そこで1件店を構えて店主を行う少女の姿があった。)

「いらっしゃいませ〜♪」

(黒いドレスに黒い長髪をし、様々な植物や花などを売っている少女が居た。
とても暑そうな印象を与えるも、それとは反面、中々の巨乳をしており、ぴっちりとしたドレスのおかげでラインが丸見えである。
そして、美貌でもあり、顔と体が揃って完璧な姿であった。
しかし、その雰囲気でわかる、彼女と出会ったことある人間ならば、その正体を知ることができるのであった。)

ご案内:「王都マグメール 平民地区 商店街」からしずくさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアランさんが現れました。
アラン > ようやく時刻はお昼頃。鍛冶場の熱気が街中にまで溢れる一画へと、少年はのんびりとやってきた。
懐は確かに昨日の依頼を果たして、そして生薬の原料を売ったことでほくほくだったけれど。
まだまだ武具を新調する、というほどではなくて。

だが、しかし!

人間、具体的な目標があるのとないのとでは、励みの度合いが違うではないか!

これが欲しい、という目標の武具のためならば、依頼を果たしてお金を貯めることにも張り合いが出る。
…買い食いも、少しは慎めるかもしれない。

…にしてもゆうべの焼き鳥は美味かった…ぢゃなくて!

ぶんぶんと一人で頭を振ってから、少年はいかにも刀鍛冶、という施設を伴う、一軒の店の前へとやってきて…。

アラン > 「おおおおおお~~~っっ!」

まず少年が眼を留めたのは、柄尻から頭まで自分の背丈ほどはあろうかという両手持ちの戦斧。ドワーフの戦士か筋肉ムキムキの屈強な戦士が似合いそうな代物だった。

そう、この少年の憧れは、筋肉ムキムキ屈強で頑強で当たるを幸いばったばったと敵をなぎ倒していくような典型的パワーファイターだったのだ。

しかし、生憎とどうにも自分はそういう闘い方には向いていないらしい。
筋肉もきっと、そんなムッキムキのがっちがちではなく、どちらかというとしなやかに締まったつきかたをしていくだろう、と見立てられた。

なので、オーソドックスに盾を構えて片手用の取り回しのいい武器を扱うことを仕込まれた、のだった。

「…いいなあ、斧。バトルアックス…ウォーハンマー…」

まるで涎でも垂らさんばかりにじー…っと、じー…っと、少年は輝く刃の戦斧を、しばし飽かず眺めているのである。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にメルリース姉妹さんが現れました。
メルリース姉妹 > 鍛冶場は熱気に満ちていた。
奥では白い髭を蓄えたドワーフの親爺がカン、カン、と小気味良い玄翁-ハンマー-の音を立て。
逆側では、赤熱した長剣の刀身が水に浸され、ジュウ、と湯気を立て、また別の場所では徒弟らしき人間の青年が真剣な顔で小手を磨いている。

「おー、すっごい! 新品同様じゃん!? やるねーギルダちゃん♪」
「ふふっ、作業用でも効率は大事だものね。お代は、これでいいかしら?」

ゴーグルをつけた寡黙なドワーフ少女の職人からナイフを受け取り、目を輝かせるのは短髪の妹。
代金分のゴルド硬貨を手渡すのは長髪の姉。

ふと、店先から聞こえた、いかにも新人冒険者、という風情の少年の声に顔を上げ……

「ふふっ、かわいい。でも憧れは英雄への第一歩というものね」

くすり、と笑う姉。
つられて、妹も「お?」と小首を傾げ、そちらに目を向ける。

アラン > いやいや、イカンイカン。じーちゃんがおまえにはちゃんと向いとる武器があるって言ってた言ってた。
じーちゃんの言うことには大概間違いはないので、少年はぶんぶんと首を振ると、煌びやか…に、少年には見える大振りというか巨大な戦斧から視線を無理やり引っぺがし、ならんでいる剣の方へと向けていく。

今、やや小ぶりな剣を使っているのは、それが自分の成長途上の筋力に似合っているからだけれど。
なんだか短期間にレベルアップしてきたような身にはちょいと物足りない。

むむむ。もう少し刀身を長くしてリーチを稼いだ方がよいものか。
それとも、身幅を厚く広くして、一撃の重さをとるべきか。

初心者冒険者、という風でありながら、なかなか肥えた視点で目標とする武具を見定めているのだけれど。

…傍から見ると、ただ少年がガラスにべったり張り付いて、手が出ないものに憧れている図にしか見えないかもしれない…。

メルリース姉妹 > 用を済ませた姉妹は店を後に……
しようとした所で、先の少年はいまだ店先にへばりついていた。

悪戯心が涌いたか、妹はニンマリと笑い……そろそろと近づいていく。
苦笑しつつも止めない姉。

「そいつに目をつけるとはー、お目が高いですねェお客さんっ!」

で、店員でもないのに、妹は耳元でそんな事を囁くのだ。

アラン > 「はいいいっっ!?」

しげしげと、それはもうしげしげとガラス越しの剣に見入っていた少年は、隙だらけなことに少女の接近にちーとも気がツンなかったのだった。
かけられた声に驚いて、文字通りその場で飛び上がって少年は、必死にぶんぶんと首と手を振った。

「いやその、客じゃないというかっ! いや、客じゃないわけじゃないけどそれは今じゃないというかっっ!!」

要は、今は下見に来ただけで持ち合わせなんかないんです、というセリフ。それを言いたいだけなんだけれども見事に挙動不審なのだった。

メルリース姉妹 > 「あっははははっ! めちゃくちゃイイ反応っ♪
いーよいーよ! あたしはそういうの待ってたっ!」
「ふふ、シアちゃんったら……
ごめんなさいね? 真剣に見ていたのに。
男の子だもの。良い武器に憧れるのは当然よね」

けらけらと笑う妹。口元を手で押さえる姉。
ガラス越しの陳列棚を見ては納得する。

値札は確かに、駆け出し冒険者ががんばって依頼をこなして手に入れられるかどうかというラインだったから。

アラン > せっかくの翠色の眼を白黒させつつ、バクバク言ってる胸を抑えていた少年。二人のよく似た姉妹らしいやりとりを耳にして、ようやくからかわれたことに気が付いた。

「わ、わわわ、悪かったなっ!」

どうせおれはまだまだ駆け出しですよーと、少年は口調ばかりは憎まれ口めいてぷんすかと唇を尖らせた。
そして今度は、自分をからかってきた少女…どうやら自分と同い年か、年下、と見たようだ。

「…女の子がこんなとこに何の用だよ。冒険者には見えないけど」

とにかく、田舎出身の劣等感があるものだから。意味もなく少年の言動は強がり気味だ。

メルリース姉妹 > 「冒険者なんだなーこれが。よろしくねー同業者クン♪」
「採取用ナイフの研ぎをお願いしていたの。効率は大事だから。
武器以外にも、ちゃんと気を回さないとね」

妹は、チャリ、と首元の認識票-ドッグタグ-……ランクは最下級ではあるけれど……それを掲げて見せた。
姉は柔らかく微笑み、ご立腹の様子の少年へ、もう一度ごめんなさい、と頭を下げる。
二人とも田舎出身で態度をどうこう、というわけではない。
単に、強がり気味の彼を愛でているだけだ。

アラン > なんと予想に反して冒険者だというではないか。冒険者というのはもっとこう、熱く滾る職業で、女子供がなれるようなものではなかったのではないか、と。
少年はそれこそ性差別主義者かととられかねないような思考を一瞬巡らせて、少女の薄い胸を覗き込まんばかりの勢いで、まじまじと認識票を覗き込む。

「…本物か」

しんじらんねえ、と極めて失礼なことをぽつりと漏らしてしまったことにも自分で気づいていない。

じーちゃん、王都(とかい)は怖い所です…

と、内心そんなことを零してから。繰り返し謝ってくれる姉らしい女性に首を振る。

「い、いいよもう。ちっとばかしびっくりしただけだしっ」

そしてまた。都会はやっぱり綺麗な人がいるんだなー、と。ちょびっとばかりほっぺを染めてしまったのだった。

メルリース姉妹 > 「偽造したら普通にお縄だよ。
たかがFランクの認識票でそんな危ない橋渡りません。
お、少年。やっぱ見るのはおっぱいか?
あたしのひんそーなペッタン胸よりリア姉様のおっぱいが好きか?」
「ふふっ。マグメールは人種のるつぼみたいな所だもの。
種族も職業も多種多様。見た目では測れないわ?」

まぁ確かに少年のじっちゃは正しいかも知れない。
羞恥なんてものはとうにゴブリンに食わせている種族が普通に冒険者やってるのだ。
顔を朱に染める少年に対し、姉は身体を屈めて彼の瞳を覗き込んだ。

アラン > 「そ、そそそそ、そんなとこみてないぞほんとだぞたまたまそこににんしきひょうがあっただけでおいらがみてたのはただのにんしきひょ…」

と、ものすごい早口で、真っ赤になりつつ少年はのたまった。
この齢になるまで妙齢の女性と親しく触れ合うことなんぞなかったのだ。
なにせ寒村出身。
少年と同じ年頃は数人しかおらず、やたらじじばばの多い村なのだ。

そして、見事に意識させられたことを取り繕ってごまかすように、コホン、と咳払いなんぞしてみせる。

いかん、どうにもペースが狂ってしまうと困り顔。

メルリース姉妹 > 「はーいテンパり童貞クン特有の早口いただきましたー♪
そうだねー認識票だねー♪ いーっていーって。
ヤりたい盛りの年頃ならふつーふつー♪」
「ふふ、ちょっと刺激が強すぎたかしらね……?
でも……あんまり隙を見せると、食べちゃうわよ?」

くすくすと笑う姉妹は、共に肉食系だ。
彼がどれほど己を保てるか……未来の英雄よ、耐えて見せろ。

アラン > 「な、ななな、なんだとぉうっ!?」

見るからに初物である、というのは別に、姉妹の正体が淫魔でなかろうとモロばれである気はするが。
天下の往来で童貞呼ばわりされたのはさすがに希少職業、勇者の端くれとしてはささやかなプライドを刺激されてしまったのだった。

「お、おお、おれだってその、ちっとしたけーけんのひとつやふたつ…っ!!」

虚勢は張ってるが嘘はついてない。幼馴染の女の子に、ほっぺにちゅーとされたことくらいは確かにある。
言わなきゃばれないとばかりに少年はムキになり。

メルリース姉妹 > 「じゃあ」「試してみる?」

彼の耳元。左右から。

挑発するように姉妹は微笑んだ。

アラン > 「…試す?」

何をだろう、と少年は。一瞬どきりとしつつきょとんと二人にそう返した。
ここで、『ナニを』、というのが察せられないあたりがもう、ダメだ。哀れ、これはもう餌食路線まっしぐら。
きっと彼のじーちゃんは頭を抱えることだろう。

…否、がんばれー、めでたし、と祝杯を挙げるかもしれない。
それくらいはしかねまじい、じーちゃんだった。

ともあれ。
人を疑うことなどちーとも知らない少年は、武具屋の店先からどこへと連れていかれることとなったやら…。

メルリース姉妹 > <場所移動>
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からメルリース姉妹さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアランさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にイディオさんが現れました。
イディオ > (騒がしい冒険者ギルド、冒険者と言っても、色々と居るので、グループに分かれている。何時も酒を飲み、楽しそうにしている冒険者達、チームを組んで次に依頼を受ける場所を相談している冒険者達。周囲に剣呑な雰囲気を放つチンピラ紛いの事をする冒険者達など。
様々な冒険者がいるから、様々な区分が出来上がる、戦士に魔法使い、盗賊、聖職者。大まかなそれだけではなく、さらに細かくしていけば、一体幾つのスタイルがあるのだろうか。
そんな中で、戦士系の防御重視、所謂タンク職というべき冒険者、チームなどは組んでおらず、掲示板の前で依頼を見ていた。
様々な依頼があり、その依頼に関しても等級が決められているので、似たような依頼でも別な物のように見える。
ゾンビのような光の無い目は、依頼の用紙を一枚一枚確認していた。)

「――やっぱり、多いなぁ。」

(依頼の内容的には、討伐依頼が増えているように、男は感じていた。本来は国の軍が行うべき物でさえ、今はタナール周辺や、アスピダ周辺の乱に掛かり切りで、手が回っていないようだ。
そもそも、国自体が冒険者に依頼をしているというレベルである、本当に、手が回って居ないんだなぁ、と小さくぼやく。
だから、夜盗や、ゴブリンなどの妖魔、そう言った手合いの退治依頼が、多く出ているように感じる。
そして、その脇に、地味目に薬草採取の依頼などが、張り出されている。そっちも足りなくなっているようだ。
食い逸れないのは良い事だが、逆を返すと、こんなにも不穏だという事なのだろう。
まじまじ、と依頼のボードを眺めながら、どれにするか、と依頼を吟味する。

悲しきボッチなので、パーティ用の依頼からは視線をつい、と逸らさざるを得ないのであった。)

ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にタピオカさんが現れました。
イディオ > (周囲に冒険者の数はそれなりにいる、依頼が多いから当然いるが、大体はチームなり、パーティなりを組んでいるのが見受けられる。
男はそんな彼らを横目に、自分の身に会った依頼を探すことにする。
こういう所で声を掛けてチームを組むのもありなのだが……男は一つ特徴があるのでそれを躊躇う。
ゾンビのように死んだ目をしている―――目に光が無いのである。
この目を見ると恐怖を覚える人が多く、声を掛けただけで悲鳴をあげられたり、それが元で痴漢をしたと思われて、周囲の冒険者にタコ殴りに会ったことも、ままある。
だから、男は、声を掛けることをせず、向こうから声を掛けてくるのを待つ事が多い。
知り合いであれば、声を掛けることは有るが。今の所は、居なさそうだ。)

「おや?」

(依頼を見ていると、少しばかり経路の違う依頼がある。退治系の依頼ではあるのだが、ゴブリンなどではなかった。
ゾンビとかそう言ったものが、廃教会に出没するので退治してほしいという近隣住民からの依頼。
こう言うのは、教会が対応するはずなのにな、と思うのだが。
ゾンビ程度ならば、男でも対応は出来る、動きは遅いので聖水と松明があれば。
聖職者が居れば一番だが、さて、これは目を付けておいても良いかもしれない、と考えながら。
他の依頼があるだろうか、と探すように視線を動かすのである。)

タピオカ > (酒場兼ギルドの騒がしさは王都のなかでもお気に入りの場所のひとつ。酒精が入って行き過ぎて、さっきまで談笑してたのに殴り合いが始まったりする。取り囲んで、どっちが勝つかの賭けまで始まって、ゴルドの額は面白半分でつり上がっていく。その背後では吟遊詩人がリュートを爪弾き、魔法使いらしきローブ姿がうっとりと瞳を細め。そんな人間らしくも冒険者らしい空気を楽しみつつも。目下必要なのは路銀である。掲示板をにらめっこ、下唇に指をあてる曲刀持ちの小さな褐色肌の人影)

「お金が稼げてー、……どうせなら、人の役に立てるようなお仕事、と。うーん」

(冒険者は物騒な刃物を振り回す無法者でもある。武力をかざすのなら、人に喜ばれるほうがいい。出来得る限り。そんな心持ちで眺める依頼書のうちの一枚を、青髪の偉丈夫が注目している事に気づいて。横並びに覗き込み)

「廃教会にゾンビかー。お墓もあるだろうから、住民さんたち気味悪くて怖いだろうな。
――ね、お兄さん!お仕事迷ってるならこの依頼、僕と一緒に受けてみない?
お兄さんがゾンビを相手にするなら、30体でも相手できそうなぐらい強そうだけどさ。たぶんこれ、背後でゾンビを操ってるボスが居そうだし。ソロよりペアのほうが良いよ」

(ひとつ頷くと、彼の興味が他に流れてしまう前に。覗き込む先を依頼書から相手へと方向転換。巨躯を見上げながら、にこやかに笑みかける。身振り手振りでチームの利点を説きながら、自分には相手相応に腕に覚えがある、と言わんばかりに腰の曲刀の柄を指先で叩き)

イディオ > (日常であった、酒に酔った冒険者が、殴り合ってそれを周りの冒険者が囃し立てて賭けをする。今回に関してはそう、看板娘に俺が告白する、俺が先に目を付けたんだ、から始まっての大乱闘。
それもすぐに終わるのだろう、そして、終わったらまた楽しく酒を飲むのだ、それが冒険者という生物。
乱闘の中にぶち込まれてしまえば、溜まったものではないが、今は運よく蚊帳の外。
吟遊詩人も煽る煽る、なんかすごく店舗の良い、テンション上げる楽曲を流しているようだ。)

「ん?」

(近くで声がする、ふむ?と声のする方を見れば、健康的な褐色の少女がいる。身長に関しては、大人と子供、というぐらいにかけ離れているものの、その動きは熟達した冒険者。
多分、その身長などから、新人冒険者から喧嘩を売られて、教訓代わりに斃していくようなタイプに見える。)

「あぁ、最近うわさにも聞かないのに、急に、となると、死霊術師当たりの絡みが考えられるなぁ。
受けるのは良いけども。君には死霊術師に対する対策とかは、あるかい?
こう言う依頼で大事なのは、無論俺たちが死なずに攻略する事、だ。ただ、助けたい、だけじゃ成らんよ。」

(彼女の居痛いことも判る、依頼として出てくるぐらいに、近隣住民は困っているだろうし、さらに言えば被害も出ている筈。
しかし、直ぐにうんと言わないのは性分もある、此処で無策で突撃して負けて、ゾンビの仲間になる可能性を考える。
高位の冒険者は、高位のゾンビになりやすく、その分後に受ける冒険者の難易度が上がる事が殆どだ。
だからこそ、自分にはない物を、問いかける。
何かしら、賞賛を見いだせるなら、男は受ける積りはある。
男自身、こう言う依頼は見過ごすわけには行かないと思うからで。)

タピオカ > (今日の爪弾きリュート使いの運指の調子が良いようだ。目の脇に青タンこしらえる殴り合いトトカルチョを効果音にして陽気なスケールを弾いている。わっ、とざわめきが大きくなったのはきっと殴り合いの決着が着きそうになったのだろう。見てはいないけれど、どっ、と床に誰かが倒れる音と、誰が即興審判になりカウントダウンまでしている様子。――さておき、特徴のある青目をたたえた青年の、外見以上に経験豊かな物言いにぱちぱちと睫毛を弾ませ。ついで、ふっと目元を緩める)

「お人好しだけで腐肉に手を突っ込んだりしないよ。
……この剣は僕の一族の祝福を受けてる。生真面目なだけの牧師やお金儲けの上手い神父からの聖別とは種類が違うけど、死霊への効果はあるよ。
死霊術師が使ってきそうな、心を惑わす魔法への備えはこれ。
――これであと先輩が手を貸してくれるのなら、完璧かな」

(ゆるく首を振りながら、自分の得物にかけられているアンデットへの浄化作用を知らせ。一瞬で鯉口を切ると、剣呑でありながら複雑な文様が描かれた刃をわずかに見せ。すぐに戻し。精神抵抗値を+3ぐらいバフしそうな、鳩と蛇が絡み合うモチーフのペンダントを襟元から取り出してみせる。彼の名前はまだ知らないが、先輩と戯れて呼びながら冗句めかしく笑み)

イディオ > (『入ったぁ!良いのは入ったぁ!ヴォーダン、立ち上がれないー!!!!』とか、そんなアナウンスも聞こえてくる。冒険者とはかくもノリのいい奴らなのである。
だからこそ、喧嘩した後も笑って飲めるのだろう、カウントダウンを背中に聞きながら、自分を見上げる少女。
楽し気に吊り上がる小さな唇、悪戯娘というイメージが沸き上がる。)

「勝算はあり、か。
――――俺の名は、イディオ、先輩かどうかは、まあ分からないが。
相方の名前は、ちゃんと聞かせてくれるんだよな?」

(ゾンビの仲間のような、その目は、じぃ、と仄暗い色のままに彼女の快活な目を見やる。
綺麗な音と共に引き抜かれるその武器は、この周囲のモノではない、特別な力を持つ武器の様だ。
そして、護符で死霊術師の精神魔法を防げると言うのであれば、問題は無いだろうと、考える。
後は――――。)

「出かける前に、聖水と、松明と、油と、俺の武器の聖別を頼めば、問題はないな。
ああ、俺には、精神魔法は、聞かないから、そういう護符は、持ってないよ。」

(はい、男の方に関しては、準備が足りませんでした。
依頼を受けることにしてから、初めて準備を行う、冒険者ではよくあるスタイル。専門家ではないので自然と、という話。
笑ってみれば、似ちゃぁ、という笑いになるのは悲しいかな、男の光の無い目の為だろう。
精神魔法が聞かない理由は、何故か、と聞かれても男は首を傾ぐ。
実際に判らないのだが、効かない物は効かないんだと。前に、ギルドの高位魔術師に全力魅了や睡眠などの魔法を掛けられたが、全く効果がなかったのは実証済みである。)

「準備ができ次第、出かける、でいいかな。」

(問いかけながら、男は、ゾンビ退治の依頼書を手にして、少女を見下ろして問いかけた)

タピオカ > (カウントダウンの後に、本来なら店員を呼ぶために鳴らすベルを酒場のカウンターから誰かが拝借したらしい。リンリンリンリン!闘技場に響くにしては若干可愛らしいながら十分に雰囲気の出る音が響いてオッズの払い戻しが行われている模様だ。勝者には手荒い祝福がベシベシと叩いて与えられ、敗者にも健闘のエールがぶっかけられている)

「イディオ。……塔の石碑みたいな不思議な名前だね。
イディオ先輩!……なんて呼ぶとくすぐったがれるかな?イディオって呼ぶね。
――もちろん!僕はタピオカ。よろしく、イディオ!」

(名は体を表すそうだけれど。彼から告げられた名前にどこか彼との一致点を見つけて微笑む。長く雨風を浴びてきたような瞳の色と、物見の塔みたいな大きな身体。戯れ重ねつつ、結局は敬称無しの気安い呼び名にすると。
剣士の生命線である右腕を差し出して握手を求める。
同僚として信頼してもらうために、まず相手を信用するのが部族の礼儀であった)

「魔法が効かない身体なんだ?羨ましいな。……どこかで修行でもしたの?林の中の像みたいに」

(どこか不器用な笑みを浮かべてくれるのが、少し嬉しかった。にこにこ笑顔をほころばせつつ、そういう体質の者もいるらしいとは聞く。悟りを開けば魔力を打ち消せるのだろうか、精神論から語尾を上げるが冗談の意味合いが強いと表情で知れるだろう)

「もちろん。……ただ、現地に着くのは朝にしたいな。
夜に腐った死体なんて見たくないし、丑三つ時に近いと死霊使いの魔力も強まるだろうから。
依頼書によると……。廃教会まで馬車で1日半ってところだね。イディオの準備もあるし、王都からの出発は明日の夜でどうかな。
――だから今晩は、のんびり過ごしてリラックスしない?僕と……同じお部屋で」

(書かれていた廃教会の位置を確認すると、彼の得物の聖別も含めた旅程を組み立てて提案する。今は夜。そして明日の夜までには、道具類も整うだろう。それまでの時間の、特に今夜の過ごし方をも提案してみる。自分と同室で。その意味は、伏し目がちの青緑の瞳から伺い知れるだろう。先までとは少し違う、どこか囁く声音で誘って)

イディオ > (そんな、大乱闘冒険者たちの宴に関しては、此処で話は終わろう。実際に決着も付いたことだ。
今、大事になってくるのは、これから冒険をするという冒険者たちの話に焦点が合うのだから。)

「塔の……石碑か。初めて聞く感想だけども、良いな、それは。
ああ、呼び捨てで構わないさ、俺も、君も、同じ冒険者だ、それなら仲間、だろうし……大事なのは実力、年功序列じゃない。
よろしくな、タピオカ。」

(彼女の実力は高い、自分も、ともすれば負けて仕舞うだろう。その小さな体にある、苛烈な攻撃力は、目を見張るものがある。
戦ったことはなくても、それが容易に予想できる実力なのは間違いはない、と。
そんな彼女が右手を差し出してくれるのであれば、男も右手を差し出して握手を返す。
彼女の掌、剣を握り続けるものの掌を認識しながら、にぃ、と男は笑って見せるのだった。)

「いいや、魔法は効くんだ。攻撃魔法とかは、ちゃんと効果がある。盾で防ぐことは出来る。
効果が無いのは、精神捜査の魔法だけだ、なぜかこれだけは、どんな魔術師でも俺には効かなかった。
ギルド所属の、というのが付くから、もしかしたら、もっと別のは、効果があるかもしれないけれども。

―――少なくとも修行、とかはした事、無いな。」

(魔法に関しては、本当に判らない。魔法という物自体が判らないと言うのがあるがそれに対抗しての修行はしたことがない。
攻撃魔法を防ぐための訓練はしたけれど、それぐらいだろうか、と、彼女の考えるような体質、が大きいのかもしれない。
普通の攻撃魔法を受けて吹っ飛んだことはあると、其処はちゃんと説明をしておこう。)

「ああ、判ってる。確かに、道具とかをそろえるなら、それくらいの時間は欲しい所だしな。
―――そうだな、じゃあ、『作戦会議』をしようか。」

(彼女の言い分は良く判る、夜に死霊術師と戦う愚かさも十分わかるし、情報収集も必要だと考えたので、明日の夜という提案に同意する。
その後の言葉に、意味深な雰囲気と様子。それに気が付かないほど鈍いわけではない。
だから、男は同意をして見せる、彼女の事は知らないから、恥ずかしくない表立った理由を作ることにして。
依頼書を提示して、受付で二人で依頼を受ける胸を告げたのちに、作戦会議の為に同室の部屋を求める。
そして、鍵を受け取った。)

「じゃあ、行こうか、タピオカ。」

(男は、鍵を持ち上げて、首を傾いで見せたのち、彼女と共に、階段を上がっていく―――。)

タピオカ > 【移動します】
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からタピオカさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からイディオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエリアさんが現れました。
エリア > 今日のお目付け役はちょろかった。
普段はお堅く生真面目な従者ばかり宛がわれて、平民地区など富裕地区よりも治安に問題がある場所に出かける際は必ず付き従って来ては、黙ってついて来るばかりではなく貴族としての振る舞いを少しでも逸脱すれば、あれこれうるさく口出しをしてくる。
――そんな小うるさい侍従は今はいない。いつもの従者に都合がつかなくなり、代わりの者が派遣されて来たものの――ちょっと小遣いを握らせて余所で遊んで来てよろしい、と告げると非常に話の分かるうつけだった為、愛想よく『それでは後程』などと頷き、屋敷に帰還する際にまた落ち合うという運びとなった。

「いつもこうでしたら、気楽に羽を伸ばせていいのですが……。次もあの者に共を頼める様になりませんかしら……」

一人きりの自由行動。そんなここにいる者は当たり前に行っている事すら稀有な事項に含まれる貴族の娘としては、隣にお目付け役がいないというだけの事でかなりの解放感を覚える。
表情も伸び伸びと緩めては、まだ昼日中の街をぶらぶらと自由気ままにそぞろ歩き始めた。

従者と別れた街の広場からは、多種多様なギルドの建物がいくつか並ぶギルド通りから、商店ばかりが立ち並ぶ大通り、飲食店が軒を連ねる通りから裏に逸れれば遊興施設が数立ち並ぶ、地区でも少々治安に欠ける裏通りに出る。

広場の真ん中で、さて、どこに行こうか、と放射線状に伸びる三叉路の向こうを眺めてのんびりと小首を傾げ。

「ギルド……にはさっぱり御用はありませんし……行くとしたら商店街か、飲食店街ですかしら――屋台街で食べ歩きなんてアツいですわぁ……。
それから、商店街で流行の小物を手に入れて……いっそドレスも買って着替えてしまいましょうか」

普段からしたくともなかなか自由にならなかった事を手あたり次第に浮かび上がらせては実行しようと弾んだ声で呟き。

「さて――それには、口うるさくないお共が欲しい所ですわ。
ええ、お友達が。
どなたかに声を掛けてみましょうか、ナンパ……と言ったかしら。初めてですが、上手くいきますかしら」

――遊びに付き合ってくれる様な方を現地調達してしまおう、と世間知らずな女は大胆不敵な思考を閃かせて、うきうきと辺りを見回し、広場を行き過ぎる方々を物色し始めた――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にソラムさんが現れました。
エリア > 無邪気、というにはとうの立った年齢であろうが、生まれた時から蝶よ花よと汚いものを遠ざけて、真綿に包んだ様な温い環境で育てられれば、年の割に屈託のない性格が形成されると言う一例。

何の悪意もないが、考えている事は己が楽しめる相手に出会える事――楽しむ事に重点を置くとすればそれは相手もそうでなければ、大して面白くはならない。
最低限の心理くらいは把握した上で、きょろきょろと道行く人々の横顔を覗い見た。
普通は、それだけの事も許されないのだが。

「――皆さん、お忙しそうですわね……早く歩かれていらっしゃるので、声を掛けるのも中々難しいですわ……」

広場を通る人々の歩調は中には早足も混じっていたが、往々にしてごく普通ではあったものの、ゆったりと焦らず急がず走らず、が身についた貴族の女からしては、一様にせかせかとした早足に映っていた。
困った様に頬に指先を添えて首を傾け。

「お暇な方と言うのもそうそういらしゃらないものでしょうか……。
あ、あの方はどうかしら――……」

思案気に目の前を通り過ぎる街人を瞬きしながら観察していたが、ふと目に留まる、さほど早足でもなく、何となく声を掛けられそうに見えた一人の御仁。

脚を止めてくれるかどうか、何も確証、根拠と皆無ではあったが、兎に角気を引かれたのであるから、話しかけてみよう――。

「――あの、もしもし、少しよろしいですかしら?」

ソラム > 「〜〜」

街の広場の中をゆっくりとした足取りで進むのは14歳程の小柄な体格の少女。黒いコンバットスーツの上に群青色のロングコートを羽織り、白銀の髪と血よりも濃く赤い瞳が目立つだろうか。
そんな彼女の手には黒いファイルが広げられていた。

「......ん、どうか、したの?」

声をかけられ、その足を止めるとその顔を声のした方に向けるだろうか。
そこには、蜜色の髪を腰まで伸ばし、如何にも貴族ですと言うことを示すドレスを着た少女が立っていた。
彼女は一旦ファイルをコートの懐にあるポケットへとしまうと、どうしたのかと問いかけるだろうか。

エリア > 「あ、いえ、あの……」

よく見ていなかった訳ではないが――……声を掛けてしまったのは思っていたより年若い少女だった。
見た目だけとってもナンパ相手にふさわしいかどうか悩まれて来て。ううん……と首を捻る。
しかも手には何かスクロール…とは違うが何やら書類が。

「すみません、お忙しいところ……どうという事もないのですが……。
ああ、そうです、道を、道を伺おうと思いまして」

忙しい所誤って声を掛けてしまった様に感じ取れてしまえば、遊びに付き合えとはとても言い出せなくなって、代わりにそんな風に別の話題を持ち出した。