2021/04/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にベルナデッタさんが現れました。
■ベルナデッタ > 平民地区の外れにある家屋。何の変哲もなさそうなその家の扉の前に、
異端審問官のカソックを着た女の姿。
ベルナデッタはこの家屋に怪しい集団が出入りしているとの情報を得て、
それが王国に潜入する魔族とその協力者達である可能性が高いと判断。
そのためこうして踏み込みに来たのだ。
勿論、思っていたのとは別の集団、例えば単なる犯罪者だとかギャングだとかの可能性はあるが、
どちらにせよ討伐対象には変わりない。
何の違法性もない人々が利用してた時には…その時は謝ろう。
「それでは神よ、御身の為に働く子羊のことを、何卒お見守り下さい」
小さく祈りの言葉を囁いて、片手にスティレットを握り、ベルナデッタは扉を蹴り開けた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にネメシスさんが現れました。
■ネメシス > カソックを纏った女性が剣を手に扉を蹴破る。
突然のことに建物内の部下たちが一斉に狼狽える。
「「何だ何だ、カチコミか?」」
王都内での目立った襲撃など最近ではあまり経験することがなく。
また、侵入者が教会関係者であろう格好をしていることも驚かせた。
「「主教の連中か?」」
「「ウチになんか関係あるのか?」」
反射的にそれぞれ得物を手にするも、それを向けて良いのか判断がつかない。
皆、視線はこの中で一番上席である白銀の騎士に向けられた。
「ふ~ん、私が居る時にここを襲ってくるなんて珍しいわね。
貴女、教会の人よね。 ウチに何か御用かしら。」
奥の方にあるテーブルで茶を飲んでいた騎士は、徐に立ち上がると金属音を鳴らしつつ
侵入者の元へと近づいていく。
腰には剣がぶら下っており、その気になればいつでも抜けるだろう。
そして、この一団はすこぶる評判が悪い。
通報の一つや二つあっても誰も驚かない程であった。
■ベルナデッタ > 「……んー?」
扉を蹴破って目に入ったのはなんとも悪そうな男達。
ヤりがいのありそうな魔族が居なさそうなのにちょっとがっかりする。
一応武器を向けるも攻撃はしてこない理性はあるだし、異端者の類でも無さそうだ。
はて、どういう連中なのかと思いつつ奥を見れば周囲の連中とはまるで違う、
高級そうな鎧に身を包んだ女騎士がこちらに歩み寄ってくる。
「いえ、魔族とそれを崇拝するカルト連中がここに巣食っていると
聞いたので来たのですが…、あんまりそれらしく無いですね…」
きょろきょろと室内を見渡すも、特に魔族との繋がりを示すようなものも無く。
怪しい連中ではあるが、違法行為を行っているのを直接目にしたわけでもない。
「何かご存知無いですか?最近魔族を見たとか、ありませんか?」
そんなことを逆に聞いてみる始末だ。
■ネメシス > ガラの悪そうな男たちは見た目に反して大して強くなく。
侵入者の纏う雰囲気に圧倒されていた。
彼らは弱いなりに手出しをしては不味そうな相手を見る目を持っていたりするのだ。
そして、そんな彼らを率いる騎士は侵入者の前で足を止めては首を傾げる。
侵入者の容姿が自らの好みであるなと内心喜ぶも顔には出さず。
「まあ、ウチはあまり宗教色出してないし?
カルトではないわね。」
侵入者の問いに対し、泰然と答えている。
「ただまあ、ウチの構成員に魔族はいるわよ。
誰かがここを出入りするのを目撃したのかもね。
ちなみに私は聖バルバロ騎士団のネメシス。
あなたはどなた?」
ネメシスは臆することなく、聞かれた内容に対して正直に答えている。
ちなみに教会勢力と聖バルバロ騎士団の間では表立った抗争などはないが、
騎士団が教会の教えに沿う様な行動をしてるわけでもなく。
強い正義感の持ち主が義憤に駆られて騎士団のメンバーとトラブルになることも
日常茶飯事である。
■ベルナデッタ > 「私ですか?ノーシス主教異端審問官のベルナデッタと申します。
聖バルバロ騎士団というと…あー……はい…」
何とも言えない表情をするベルナデッタ。話は色々と聞いているらしい。
聞いた上での感想は、何が聖で何が騎士団なのかよくわからない、だった。
ただまぁ、要注意団体ではあるがベルナデッタが相手取るような団体でもない。
こういうのは俗世の官吏が相手をすればよいのだから。
とはいえ敵に回しても面倒そうな相手ではある。
自分はおそらく捕まるようなことにはならないだろうからいいとして、
後日どっかの教会に報復されても困る。
穏便に済ませてしまおうか…。
「魔族がいる…そうですか。
しかし魔族を崇拝しているわけでも魔族の国と繋がりがあるわけでも無さそうですよね…」
そういう表立ってノーシス主教と対立するような行動をしていないのなら、特にベルナデッタが何をする理由も無く。
首を傾げる女騎士に合わせるように、ベルナデッタも首を傾げる。
■ネメシス > 侵入者は名をベルナデッタと名乗った。
扉を破った時の勢いは次第になりを潜めていく。
白銀の騎士は栗色の瞳でその様子をじっと観察しては、邪な企みを考え付く。
そして、騎士団は蛮行を働くことで有名であり。
その相手を選ばない事でも有名であった。
特に目の前の相手のように力のある女性が相手の場合、
多少の不法行為は当たり前のように行われた。
「そっちの疑いは晴れたようね。
後はこっちからの疑いを晴らしてもらうわね。」
騎士がそう口にすると、部下である男二人がベルナデッタと建物の出口の間に立ちふさがる。
「貴女、見た所教会から正式に許可を受けてウチに来たわけではないわよね?
ウチとしても最近は物騒で困ってる所なのよね。
お互いの組織の為にも調査に協力してもらえるかしら?」
騎士は穏やかな表情を隠さないが、つまる所権力と武力を用いた脅しである。
教会に報復などしない代わりに身を差しだせ、と口にしているも同然であった。
■ベルナデッタ > 「疑い…んん?」
自分と出入口の間に立つ男二人。
はてさて、どういうつもりなのやら。
「許可ですか…それはご心配なく。魔族の調査と異端狩りにつきましては
無制限の調査許可を神聖都市より与えられておりますので」
にこやかな顔で言い放つ異端審問官。
時には貴族や王族すら相手にする身、実のところ権限は絶大である。
地元の教会から許可を受けていなかろうが、彼女の背後にあるのはノーシス主教総本山だ。
「必要でしたら許可証もお見せしますが、これで疑いは晴れたでしょうか?
そもそも、主教の服を着た者に対して疑いを持つなど、信心が足りないのではありませんか?」
その澄んだ青の瞳には、狂信の色。
脅しに勘づいているのかいないのか、強気の態度で言い放つ。
■ネメシス > 「貴女の都合は分かるけど。
私が物騒だと言っているのは危険な連中を手引きする輩が
王都内に居るからってことなのよ。」
にこやかな表情を見せつつ、次第に瞳の色を増していく審問官に対し。
騎士も表情は崩さないものの決して折れることは無い。
「確かに主教の服を着ている貴女を疑うなんて信心が足りないかもしれないわね。
で、その場合貴女は私にどうするの?
それとも私が貴方達に恭順したくなるような何かを示してくれるのかしら?」
騎士が率いる勢力もまた、その武力で以て王国内に確固たる地位を築いている。
今更教会関係者の一人に手を挙げることを厭いはしないだろう。
仮に騒動となればそれはそれと言った所か。
「許可証一枚で引き下がる程、うちも甘くはないわよ。」
■ベルナデッタ > 「危険な連中を手引きする、ねぇ…。
その輩とやらは魔族、あるいは異端、もしくは信仰の敵ですか?」
それ以外のことでは協力しない。俗世のことは俗世で解決すべき。
ベルナデッタの態度は暗にそう言っていた。
魔族絡みでなければ特に協力する義理もない。
「貴女の信仰が足りないからと言って、私は特に何もしませんわ?
最終的に神がお裁きになるでしょうし。
しかし神の下僕に手を出すとなれば話は別。信仰の敵を主教は許しはしません。
あなた方一人残らず、その家族、親戚、友人に至るまで徹底的に」
ベルナデッタは周囲を、ネメシスの部下達を見渡す。彼らの顔色を観察する。
ノーシス主教は腐っても国教。都市一つを与えられているその権力は王国内においても絶大。
そして王国各地に信者と教会がいる。それぐらいは容易いことだろうか。
「まぁしかし、私の敵は魔族です。喧嘩しに来たわけではありません。
ここはお互い紳士的に、不幸な衝突は回避しましょう」
にこにことした顔で言い放つ。手にしたスティレットは既にしまっている。
戦う意思は無いのか、それとも…。
■ネメシス > 「さあ? そこまでは分からないわ。
危険な連中ってのは一つの組織ってわけじゃないし。
私にとっては貴方達も危険かも知れないわよ?
現に扉を一枚蹴破られてることだし。」
騎士は大げさに肩を竦めて見せる。
いつもなら扉一枚の破損を言いがかりに色々とやらせるものだが。
目の前の相手にはどうも通用しそうになく。
「神ねえ…私は私で貴女達の言う神とは別の神から実際に籠を受けているのだけどね。
本当に裁かれるのかしら。
貴女の言い分だと神よりも貴女のお仲間が勝手に裁いてるようにも見えるわね。
…それに本当にそんなことをすれば戦争ね。
私は別にそれでもかまわないけど。」
楽しそうに喉を鳴らしている騎士だが、周囲の部下たちの半数は審問官の言葉に動揺していた。
彼らにとっては主教の力と言う者はそれ程に脅威のようだ。
「まあいいわ。
今日の所は大人しく帰してあげる。
貴女達の信仰する神様に宜しく言っておいてね。」
指示を出すまでもなく、道を塞いでいた部下たちがその場を離れる。
騎士は審問官の返事を待たずに建物の奥へと消えていく。
■ベルナデッタ > 「うーん、せめて一つに絞っていただかないと協力しようにも出来ないのですが…」
そう言いつつ扉をちらりと見る。そこまで壊してはいないつもりだが…。
しかし、修理は必要そうだ。
「ノーシス主教はあらゆる神を認めますよ。多神教ですので。
加護を受けているのであればなおさら、その加護を失いかねない真似は慎むべきでしょう。
それに、神が裁くのは死後の話。どう裁かれるかは神のみぞ知るです」
と、話していると自分の周囲の男達が離れ、目の前の騎士も奥へと行ってしまう。
彼女の言う通り、大人しく帰してくれるようだ。
しかしまぁ、周囲の男どもはともかく、あの女騎士は好みの部類だったので、
いっそ脅しに乗って何かされるのもアリだっただろうか…。
「この扉は後ほど弁償いたしますね!それぐらいのはした金はありますので!
それでは、ご機嫌よう!」
騎士の背中にそう言って、一礼すると。ベルナデッタも家屋を出て行った。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からネメシスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からベルナデッタさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にレイさんが現れました。
■レイ > 平民地区にある冒険者ギルド。
依頼を探す冒険者や依頼人、出入りの業者などで人が多い中、受付で手続きを終えて離れる人影。
出来るだけ人の少ない場所に移動をすればたった今受け取った物を見て。
「これでわた……僕も冒険者だ。早速依頼を探そうかな」
受け取った登録カードを大事にしまい込めば早速依頼をと意気込み人込みに突撃。
如何にか人ごみを抜ければ依頼が並ぶ掲示板の前にたどり着き。
「最初だから簡単なのが……どれがいいかな」
討伐や配達、調査と様々な依頼が並ぶが目を向けるのは採取の依頼。
剣の腕には少々自身はあるがいきなり討伐を受けるほど無謀でもなく。
手堅く最初は確実に出来そうな依頼を探して採取系の依頼表を眺めて。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > その冒険者が依頼を探しに掲示板の前やってきたそこには
フードをかぶった冒険者もまた依頼を探していた。
くるりと採取依頼の書かれた依頼書をいくつかながめてから
ふと、そばに立った冒険者の方に視線を送る。
あまり使い込んだ様子のない装備、汚れた感じのしない髪に
やけにやる気に溢れた様子…こいつ、新人冒険者か?などと考える。
冒険者に幻想をいだいているタイプでは無いようで
堅実に採取依頼から目を通している。少しだけ、感心した。
最初だから…などといっているのが耳に入れば、自身の予想が的中していたことがわかる。
先輩風を吹かすつもりはないが…
「おい、アンタ。新入りか?」
などと声をかけてみる。
■レイ > 採取依頼に目を向ければそれはそれで様々な依頼内容が並ぶ。
薬に使うような薬草から何に使うか判らないものまで多種多様。
報酬も内容でかなり変わる事に、こうなのかと関心をしながら眺め。
目を付けたのは本当に報酬は少ないが比較的簡単に出来そうな薬草を採取するもの。
これにしようと手を伸ばしかけ、突然にかけられた声にその手は止まり。
「えっと…僕の事かな?」
多分そうだと思うが念のために声が聞こえた方を見るとフードを被った人影。
この人が声を掛けてきたのかと確認するように問い返して。
■ブレイド > 少年か、少女か…見た目ではよくわからないが
ともあれ、その冒険者は依頼書に伸ばしていた手を止めた。
ちらりとその依頼書を見れば、報酬額は少ないがよくある薬草の採取依頼。
手を止めた彼はこちらに確認をとるような返事を返してくる。
「ああ、あんただ。わりぃな、邪魔しちまって
その依頼、とっていいぜ。
まーなんつーか、アンタ新人の冒険者だろ?
ちょっと気になって声かけちまったんだ」
彼に依頼書をとるように促せば、少しバツが悪そうに。
邪魔してしまったかと。
■レイ > 「大丈夫だよ。この依頼って人気がないみたいだから用紙も古いし。
そうだけどよくわかったね。
もしかして先輩だったりする?あはは、ありがとう。
キミっていい人なんだね」
声から男性、少年だろうと見当をつけ。
フードを被っている姿は怪しく見えるが何か事情があるのだろうと思い気にしない事にして。
彼の言葉に止まった手を動かし依頼書を取って後は受付に行くだけにして。
「気になるって何か変な事をしてたかな?
それだと早めに直したいから言ってくれると嬉しいんだけど」
その気になったという理由が気になり、何か変だったのだろうかと自分の姿を見下ろして。
■ブレイド > 「まーなんだ、いちおうな。
礼はいらねぇよ、余計なおせっかいだ。
差し出がましい真似して悪かったな。
初依頼で無謀な真似するやつが多いもんでな…」
いい人と言われるとなんだかむず痒い。
よく新人だとわかったと言われれば、装備の新しさを指摘して。
もちろん、彼自身の風貌や所作に怪しいところがあったわけではない。
「べつに、変なところはねぇよ。
ただ、最初の依頼って聞こえたもんでな…
なんつーか、一人で依頼受けるのかってな…あー、単純な老婆心だよ。
気にしねーでくれ」
先輩風を吹かせようというわけではないのだが
新人冒険者が変な依頼を受けたり、怪しい冒険者に騙されたりというのはあまり見ていて気持ちのいいものではない
そのために声をかけたのだが、自分が今まさにその怪しい冒険者であるとおもえば
まずったなぁと、心のなかで嘆息する。
■レイ > 「心配してくれたんだ。
だったらお礼は言うべきだと僕は思うよ。
最初から難しそうな依頼は受けないよ、だってまだわからない事だらけなんだし」
余計なおせっかいと言いながら、きっと変な依頼に目を付けていれば止めてくれたのかな。
それを思うとやはりいい人に思えて。
装備の事を指摘され、新しいからだと納得をして。
行動や服装に変なところがないと判るとよかったと笑みを浮かべ。
「あ……聞こえてたんだ、恥ずかしいな。
うん、そうだよ。僕はまだ誰ともパーティーは組んでないから一人かな。
それにこの依頼なら近くみたいだし複数でやるような内容でもないからね。
あ、先輩。良ければ名前を教えてもらってもいいかな?
僕はレイだよ」
つい話さなくていい事まで勢いのままに説明をしてしまい。
老婆心という彼にありがとうと笑みを見せ。
最初に親切な先輩に会えてよかったと運の良さに感謝し、良ければと名前を先に名乗って問いかけて。
■ブレイド > 「律儀なやつだな。
ワリぃ気はしねぇけどこの程度で礼なんて言われてもくすぐってーよ。
むしろ悪かったな。新人だからって自立してんだからよ。
なんか、侮っちまったみてーで」
素直に礼を述べてくれる新人冒険者。
とはいえ、先達としての驕りがあったと思えば
礼を受け取るどころか恥ずべき所業だ。過去の自分であれば反発していただろう。
笑みを浮かべる彼からはすまなそうに目を背け。
「別に恥ずかしがるようなことじゃねーだろ。
まぁ、一人でやるにも問題ねー依頼だろうし、いいと思うぜ?
オレもだいたい一人でやってるから、こういう採取の仕事が多くなるんだ。
あー、オレはブレイドだ。先輩ってのはいらねぇ。恥ずかしいからよ」
パーティーを組んでないという話を聞けば、その古い依頼を選んだことにも納得。
大人数で今の依頼を受けていたら、準備だけで足が出そうだ。
それはそれとして、律儀に礼を言う後輩冒険者の素直さにやや気圧されつつも
名前を名乗り返す。
■レイ > 「そうかな?礼儀は大事だと思うよ。
親切にされたらお礼を言うのは当たり前だと思うしね。
そんなことないよ。もしかしたら実は大変な依頼を受けてたのかもしれないから」
手にした依頼は本当にただの薬草採取であったが、もしかすると別の何かがある依頼もあるかもしれない。
そんな心配をしてくれたのだと思っていて、目を背けられると不思議そうにしてしまう。
「だって独り言を聞かれると恥ずかしいんだよ。
よかった、こういうのでも何人かで行く方がいいのかと思ったよ。
先輩も一人でこういう依頼が多いんだ……。
駄目だよ、先輩は先輩だし。よろしく、ブレイド先輩」
まだ登録をしたところで仲間もいないのだがそれを口にせず。
こういう仕事は簡単でも複数がいいのかと思ってしまったがそうでもない様子に何度も頷き。
先輩は先輩だと笑って返すと、よろしくお願いしますと強引に握手をしようとして手を伸ばして。
■ブレイド > 「いや、なんつーか…
せっかく冒険者になって自分で決める初めての依頼だーってのに
他人にとやかく言われたくねーってやつもいるってか…
オレも初めての依頼の時言われてたら、多分そうだったと思うしよ…
ま、アンタがそう思ってくれるなら気が楽だ」
バツが悪そうにしながらも、彼の方へと向き直る。
声をかけたのが、素直なこの少年冒険者で助かったと胸をなでおろしながら。
少し反骨心があるような者であれば、ひと悶着あったところだろう。
「はは、それも悪かったな。
盗み聞きするつもりはなかったんだが、偶然聞こえちまってな。
ってか、ホント先輩はよせって。
冒険者なんてのは上も下もねぇって」
先輩などと言われるのはどうも慣れない。
恥ずかしいというか、照れくさいというか…とにかく、そんな柄ではない。
だが、握手を拒むことはなく、伸ばされた手をにぎる。
…なんだか柔らかいような。華奢なような。そんな気もするが…。
■レイ > 「そうかも知れないけど……僕は助かったかなって思うよ。
もしこれが変な依頼だったら最初の一歩でつまずく事になるんだし。
そうだったんだ、なんだか…以外」
彼の印象は初めて会ったのにいい人、なので以外そうに見て。
もし彼に悪意があるのなら変な仕事を進めていると思うと怒るよりも感謝があり。
「恥ずかしいって思ったけど怒ってないよ。
ただ気を付けないと駄目だなって思っただけだし。
先輩が駄目なら……ブレイドさんでどうかな?」
先輩が駄目ならこれでどう?というようにさんつけで呼び。
握手を拒否されなければ両手で握って上下にと振り。
多少剣だこのようなものはあるが細く柔らかい手の感触を感じさせ。
満足が行けば手を離して。
「後はこれを持っていくだけで依頼を受けれる…でいいよね?」
■ブレイド > 「おいおい、オレが他人の言うこと素直に聞くように見えるか?
こんな怪しい風体だってのによ…
アンタは、見た目通り素直なやつだな。
これから先、変なやつに騙されねぇことを祈るぜ」
意外だという彼に対しては可笑しそうに笑ってみせる。
今回は彼の素直さに救われはしたが
今後素直さが美徳になるとは限らない。
冒険者も、依頼人も、彼を陥れようとしていないとは言い切れないのだから。
みたところ、男と言うには顔が整いすぎている。
そういう見目麗しい少年が好みで、蹂躙したいと思うものも少なからずいるだろう。
「そうだな。
オレみたいな怪しいやつのこととか信じたりしねーようにな。
…まぁ、それくらいならいいか…」
片手で軽く握手する程度と思っていたが、両手で握られ上下に振られれば
大げさなやつだと苦笑して。
彼の問には頷いて応える。
「ああ、それでも不安だったらついてってもいいぜ。
手間かけさせた詫びだ。
変な依頼だった場合の保険にもなるだろ?」
■レイ > 「人は見かけによらないって言うから。
その格好には何か意味がるんだよね?深くは聞かないけど。
そうかな?僕ってそんなに素直かな……。
これでも人を見る目はあるつもりだから大丈夫だよ」
人を見る目には自信はあるつもり。
パッと見れば怪しく見える彼もいい人だという直感を信じ、そしていい人だっかと笑って告げて。
それでも彼の言う事は最もな事、気を付けるとしっかりと告げて。
「人は見た目じゃないと思うけどな……でも気を付けるよ。
呼び捨ては失礼だからね。よろしくね」
これで呼び捨てにしろと言われると困ってしまうがそうではなくてよかったと胸をなでおろし。
彼の頷く姿に早速と向かおうとして。
「大丈夫だよ、これぐらいは一人で出来ないと冒険者は出来ないし。
でも心配してくれてありがとうね、ブレイドさん」
ついてきてくれるという言葉に甘えそうにはなるがそれでは駄目だと首を振り。
最初に保護者が付いていれば二度目からも求めてしまう、それでは立派な冒険者にはなれないと。
それに一緒に来てもらっても報酬も出せないのでそれっぽい理由を告げて感謝だけを告げて。
■ブレイド > 「はは、どうだろうな。
ま、オレやそこらにいる荒くれに比べりゃよっぽど素直さ。
だがまぁ、気をつけるにこしたことはねーさ。
アンタみたいなやつが野垂れ死んだりってのは気分わりーからな」
人を見る目はあるらしいが、騙すことに長けたものもいる。
それどころか、暴力ですべてを奪おうというやつすらいるくらいだ。
危険は避けてほしいものだと切に願う。
袖振り合うも多生の縁というくらいだ。
よろしくと言われれば、ひらひらと手を振り
その背を見送る。
そして、ついでてしまったついていってもいいなどという言葉。
結局変な世話を焼いてしまった。
「そーか、気ぃつけていってこいよ。
そういう依頼ならアブねぇことはねぇだろうがな」
感謝を告げる彼にまたなとひとこと。
冒険者というのは一期一会であることも少なくない。
だからこそ、新たな旅立ちに出る冒険者に対してはまた会えることを願う。
悪いやつでなければなおさらだ。
■レイ > 「僕は気性の荒そうな人にはあまり近づかないから大丈夫だよ。
判ってるよ、気を付けるから心配しないで。
ブレイドさんは心配性でいい人だと本当に思うよ」
元々気性の荒い人は苦手なので近づくことはない。
ただ彼がそこまで言うのだから見た目では当てにならない人がいるのだろうと考え。
思っていた以上に気を付ける必要があるのだと気を引き締め。
後は手続きをして依頼に向かうだけ。
彼に見送られて早速受付に向かっていくのだが聞こえた言葉に足を止め。
「気を付けていってくるよ。
本当にありがとう、ブレイド先輩」
一度振り替えて、また会いましょうと頭を下げては受付に小走りで走っていき。
手続きを行いながら、次に会った時は成功報告をしたいと考え。
最初の依頼を頑張るぞと気合を入れてギルドを後にして。
■ブレイド > 「……まーた先輩って…」
大丈夫だと、依頼を受けて走っていく少年を見送る。
心配性と言えばそうだろう。
それだけ、この街の腐りぶりを目の当たりにしてきたということでもあるのだが
初めてあった相手に気をかけすぎだろうかと、唸る。
最後に先輩といいのこした後輩、今度あってまた先輩と呼ばれたらそのときにはまた訂正させよう。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/大通り」にレイさんが現れました。
■レイ > 「こういうのもいいかも……でも、こっちも……」
すっかりと日が暮れてしまった時間帯の平民地区の大通り。
初めての依頼を終えて少額の報酬を得て宿へ帰る前の店巡り。
買えるだけの予算はないのだが見るのはタダというように通りにある店の前で足を止めては並ぶ商品を眺める。
「でも…これは僕にはまだ早いし……これは無理だし……」
雑貨屋、食堂などと眺めて歩き、今見ているのは冒険者の道具や武具を扱うちょっとした店。
その店先に並ぶ少々良い品と言える武器、しかしまだ一度も使っていない鉄の剣があるのであくまで見るだけ。
将来的には並ぶような武器を買いたいと思っては眺めて。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/大通り」にエルリットさんが現れました。
■エルリット > 「……じゃあ、また買いに来ますね?」
革鎧姿の少女風貌は買い物を終え、店主に一礼した。
外は薄闇。大通りは家路を急ぐ人の姿がちらほらと見える。
店を後にしようとして……店先を眺めているその少年風貌の姿が目に止まった。
同業者……ギルドの依頼掲示板の前ですれ違った事があった、ような気がする。
「……なにか目ぼしい武器、ありました?」
挨拶代わり。頭半分ほど下から見上げる形。
首をかしげ……銀のポニーテールが流れた。
■レイ > 素材は判らないが見た感じは良いと思える剣。
ただ自分で扱うには少々大きいかもしれないと考えていれば店から出てくる人影に気が付く。
じっと見るのは悪いと思い少しだけ視線を向けると店頭に視線を戻し。
この店を使うのだからきっと同業者なのだろうなと頭の隅で考え。
「えっと…僕かな?こういうのは何れは持ちたいかもってのはいくつかあるよ」
考えていれば急に声を掛けられて驚き。
大きく息を吸って見上げている相手に視線を改めて向け。
あの剣はいいよね、と少し大きめのロングソードを指で示して。
■エルリット > 「あぁ、急に、ごめんなさい。ずいぶん熱心に見てたなーって思って」
少々驚いた様子の少年風貌へ、ぺこりと頭を下げた。
指差された長剣は、確かに鋭い光を宿していて、値札の桁を見て納得する。
添えられた銘には、見覚えがあった。
「……けっこう有名なドワーフの職人さんが作ったみたいですね。
憧れるけど……ボクの腕だと、振り回されちゃいそうです」
同意を向けつつ、頷きを返して。
■レイ > 「大丈夫だよ、少し驚いただけだからね」
頭を上げる相手に大丈夫だと笑いかけ。
見た目がいいよねと指差した剣を見てみていた理由を告げて。
「そうそう、あの人って凄くいい武器を作るけど高いんだよね。
この値段だから……鋼かダマスカスでも混じってるのかな…僕だと手が出ないよ、色々な意味でね。
そうだね、僕も君もこの武器を扱えないね」
振り回されると聞けばそうだよねと頷き。
それならまだ扱えそうな…その隣に置かれたお手頃な価格の短剣に視線を向け。
こういうのがよさそうだよねと笑って。
■エルリット > 「命を預ける武器だから、いい値段なのは仕方ないとして……
うーん、ボクらが扱えそうな軽めの武器でも張りますね。
魔法金属までは使ってないはずですけど……やっぱり鋼製かぁ」
短剣の方は……うん、値段が全然違った。
相手が佩いている長剣や部分鎧と合わせて、見比べる。
「副武器としては、バランスよさそうですね。
ボクは……しばらく手持ちの武器で行きます」
買うなら譲ります、と笑い返してみせた。
■レイ > 「でも、良い武器を持っていても扱えないと意味がないよ。
僕は武器よりも自分が強くならないと駄目だと思うからね。
軽い武器は強度がだからどうしても良い素材を使わないといけないからね」
短剣も安くはあるが手持ちでは足りない。
流石に薬草採取程度の報酬では買えないもの。
「そうかもしれないけどね……。
僕は手持ちだと足りないから買わないんだけどね」
見てるだけだからいいよと笑って返し。
そこでようやく、どこかであった事があったかな?とじっと見てしまう。
■エルリット > 「『身の丈に合った武器を使え』『武器に使われるな』……
先輩たちからは口酸っぱく言われますけど、確かにそうだと思います」
値段もそうだし、実力もそうだと同意を返す……
と、不意に蒼い瞳に見つめられ、ドキリと心臓が跳ねた。
「え、えっと……ボクの顔、なにかついてます、か?」
知らぬうちに朱が差す少女風貌の顔。
口調から少年だと思っていた相手の「匂い」を、身体に流れる淫魔の血が察してしまう。
無意識に己の胸を抑えた。
■レイ > 「そう言う事です。それに実力もないのに良い武器を持っていると絡まれるって言うからね。
だから僕は当分はこの剣で頑張るよ」
そう言い腰に下げた鉄製の剣を叩き。
実家を頼ればこの高い剣も買えるだろうが必要ないものだと割り切っていて。
「あ、そうじゃないんだよ。何処かであった事……多分ギルドだと思うんだけどね。
急に見てごめんねって……どうしたのさ?」
相手を見つめれば顔が少し赤くなったように見え。
急に胸を抑えた事に大丈夫なのかと視線を合わせるように身をかがめて。
■エルリット > 「ええ、すれ違ったことは、あったと思います。
E級冒険者のエルリット、です。
あのっ、見るのは、いいんですけどっ!
ち、近い、近いですってば……!」
相手の素性は知る由もないが、それでも高貴さは何とはなく察せられた。
視線を合わせられれば、当然顔立ちや、瞳の色や、香りなども間近で感じられるわけで。
明らかに、瞳が泳いでいた。
■レイ > 「それでなんだね。はっきりしてよかったよ。
エルリット君だね。僕はレイだよ、まだ登録したての新人だよ。
そう?そんな事はないと思うけどな…」
具合が悪いのかなと視線を合わせて見つめれば余計に慌てられてしまい。
もしかして恥ずかしがり屋だった?と思うと迷惑になるのも悪いと思って姿勢を正して。
「ごめんね、急で驚いたよね」
そういうとそっと手を伸ばして頭を撫でていき。
視線を合わせた時に顔立ちもはっきりと見え、年下だろうと考えて。
■エルリット > 「うー、近かったんですよ。結構どきどきしちゃうんだから……そういうの」
視線が離れて落ち着いたのも束の間、頭を撫でられる心地よい感覚に酔いしれそうになった。
手を当てた胸はまだドクドクと喧しく、顔も熱い。反応を見る限り、相手は無意識だろう。
「……自分では気づいてないかもしれないけど、美人さんですからね。レイ『お姉さん』」
だから少し、小声で意地悪をしておく。
相手にも事情もあるだろうし、おおっぴらにする気はないけれど、気づいている、ということを。
■レイ > 「本当にごめんね。次からは気を付けるよ」
本当にごめんともう一度謝り、怒らないでと頭を撫で。
話す時はどうしても視線を合わせてという教えを守ってしまい、冒険者をするのだから相手次第では買えないといけないかなと考えて。
「気づいてないって……変なところでもあ……え?」
突然に告げられたお姉さんという言葉。
確実に隠せていると思っていただけにそのこと名は衝撃的。
なんで?と驚きの色を見せた顔で見つめてしまって。
■エルリット > 「もういいですよ。ちょっと仕返し。これでチャラです。
種明かしをする気はないけど、隠すつもりならバレた後もとぼけ切った方がいいと思います」
視線を合わせて撫でる、相変わらずの子供扱いは決して不快ではなく、心地いいからこそ甘んじて受け続ける。
けれど、このまま話し続けていると『衝動』に襲われそうだから、踵(きびす)を返した。
彼女とは逆で、自分はこんな姿をしていても、男だから、と。
「じゃあまたね、レイさん。依頼とかで一緒になったら、よろしくお願いします」
くすり、と一度微笑んでは、逃げるように大通りを行く……
ご案内:「王都マグメール 平民地区/大通り」からエルリットさんが去りました。
■レイ > 「これは仕返しにしては大きすぎないかな……?
それに僕は男だよ?お姉さんじゃないからね」
必死に誤魔化すことを考えながら撫で続け。
ようやく何の事と誤魔化すもすでに認めたようなもので遅く。
唯一の救いは相手がばらそうとしていないことだけで。
「あ、うん、そうだね。またね、エルリット君。
依頼で一緒になった時はよろしくね」
微笑む姿に視線をそらせて返し、去っていくのを見送るとコレ以上ぼろを出す前にと早足にその場を去っていく。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/大通り」からレイさんが去りました。