2021/02/10 のログ
■ブレイド > 「なにがだよっ!?」
こちらは喧嘩をかうような姿勢を見せたはずなのだが
胸に埋められた気恥ずかしさを気取られたのか
煽る…というか、からかってくる女。
思わず心が読まれてしまったようで顔が赤く染まる。
「好みって…さっきから何の話だよっ!
お前も人間じゃねぇだろ…そんな目の人間はいねーだろうし…
別に、なんだっていいだろ!てか、お前好みってなんだよっ」
ミレーであることはわかるだろう。魔族であれば魔力には敏感であろうから。
だが、吸血鬼に噛まれ少し変質していることには気づくか。
そして、隷属化もされてはいない特殊な変化であることも。
「…は?え?なにいって…
つか、話聞けよお前っ!てか、ぬいぐるみだいてんのかよっ…
持ち帰るってどこにだよっ!!」
結構大きな声をだしているはずだ。
なのに周囲からは何も聞こえない。
なにかしたのか?同意を確認してはいるが、すでに術中である可能性が高い。
胸に埋まってしまっている以上、男子としては体も反応してしまっているが…
喧嘩を売ってきた女に素直に従うのも癪だ。
少しだけもがいてみる。
■ブレア > 「うん。強い否定は強い肯定ってね~♪
……お前さ。少しは落ち着けって――な?」
また煽り文句を重ねたかと思いきや、その次はひと際声のトーンが低くなり。
ついでに表情も真顔になり。少年を宥める始末。
ある意味、自分で蒔いた種を収穫している気がしないでもない。
彼があまりにもからかいやすいから……。女がすすんでボケとツッコミを引き受けている気がする。
茶番だが。
「俺の好み~? ……恥ずかしいから教えなぁい。
――うん、だからさ? 人外同士、仲良くしようよ♪」
会話は破綻気味。女が大半をふざけた調子で返すし。
かと思えば、急に真面目に返すこともあるからだ。
好みの話題の際、一瞬だけ、また真顔になっていた。意外に表情は素直かも知れない。
「話は聞いてる。聞いてる上で茶化してるの! ――はははっ。
ん~……だって肌寒いし。何かふわふわでおっきくて。かわいいもの抱いて寝ると、落ち着くじゃない?
どこって。……俺"たちの"家に決まってるじゃん。まーあいつら、今日、オペラ観に行くって言ってたし。その後、余韻に浸りたがってどっかで寄り道して感想の言い合いっこや昨今の芸術についてとか語り合ってるだろ~から~……今帰っても、俺ひとりのはず」
女の話は長くて要領を得にくいが――どうやら、3人暮らしらしい。
どこかに棲家を持っていて、そこで暮らしているらしい。そこに相手を連れて行く、つもりのようで。
あと、大きなぬいぐるみを持っているらしい。
ちなみに精神を弄くるようなことはしていない。外野の横槍が嫌なので、結界を張りはしたが。
■ブレイド > 「む、う、ぐ…」
窘められると言葉を失う、というか
女の胸に埋まっているこの状況を男が不快におもうわけがない。
ある意味見透かされたようで、何も言えなくなってしまったのだ。
誂われているのもわかるが、こうなった状況、経緯、あまりに唐突すぎて
心情的に直線的になりすぎているのかもしれない。
「仲良くって…脚引っ掛けて言うことかよっ…
ったく…ぁーもー、なんだよあんたは…
人じゃねーってこた魔族かなんかか?ミレーってわけでもなさそうだしな…」
言外に自分が後者であることを彼女に伝えつつも
少しずつ、女の話を聞けるようになってきたか
先程窘められたおかげで少し頭がひえたか。
だが、状況は変わらないので顔は熱いが。
「茶化してるって…!見た目の割にいい性格してんな…
まぁ、ぬいぐるみはいいよ、もう…あんたも女だし、そういうとこもあんだろ。
つか、他のやつと暮らしてんのにオレみたいなのだきまくらにしていいのかよ、つか
喧嘩売ってんのか誘ってんのかよくわかんねーやつだな…仲良くしよーってなら構わねえがよ…」
色々と心配事はあるものの、声を荒げる用なことはなくなった。
からかうのが好きな女はつまらないかもしれないが
すでに遊ぶときめられているのであれば、この状況から抜け出せないのもまた事実なのだから。
■ブレア > 素直に……というか、不可抗力で?
少年が静かになってくると、こちらは「ようやく落ち着いたか」と息を漏らした。
何を言っても動揺、取り乱しているような傾向があったものだから。
さすがに、強弱や緩急がないとつまらない。女の根っこは悪戯っ子であった。
「だってー……きっかけがないと、話が続かないじゃない?
例えば、俺がナンパされて俺が素直に相手についていくよりかは――、
俺から仕掛けたいわけ♪
……俺たちは、北とは関係ねぇ魔族だよ。てきとーに他種族なぶるけど。
基本、命は盗らないし。玩具にして遊ぶくらい。――でも、そんなのふつうだろ。
甚振るとか。もてあそぶとか。娯楽は誰だって欲しいだろ。
――もしかして、苦しい?」
よくわからない例え話に自論を乗っけつつ、こちらは魔族だと明言した。
その後に続く話は、悪人の思考に聞こえるだろうか。本人は、善悪にとらわれずに話しているようだが。
そして、不意の腕の力を緩める。密着が弱まった分、お互いにやや空間ができて。
間から冬の夜風がすり抜けていく……。
「見た目で何がわかるんだよ。心がわかりやすく容姿に反映されねぇこともあるだろうが。
……個人的には、お前がぬいぐるみ抱いて寝てても違和感ないな――っ、ふふふ……!
いいのか、って。別に彼氏じゃねーもんあいつら。同郷で似たような境遇で、なんとなく未だにつるんでるだけだし。
たぶん、友達。お互いのことには基本、とやかく言わないの俺たちは。……そりゃ、おのおの独自のルールはあるけどな。
――うーん。部屋は空いてるけど……やっぱり宿にするか? なに言ってんの、全部に決まってるだろ」
勝手にそんな相手を想像して、ツボに入ったのか笑い出す。12割の確率でバカにしていると思う。
結局、自分の棲家に少年を連れ込んでも問題はなさそうだったが、考え直して別の案を出す。
他人の家より宿のほうが、彼にとってハードルが低いだろう、と。
最後の言葉はつまり、「私はあなたに喧嘩を売っているし、誘ってもいるし、"飽くまで"自分が楽しめる範囲で仲良くしたいとも思っています」という意味になる。自分本位なのは相変わらずだ。
■ブレイド > 女がすこし呆れたように呟くと
やはり少しだけ不満げ。
仕掛けてきたのもあっちだろうに。
煽ったり落ち着かせたり…掴みどころがまるで無い。
「きっかけって…お前な…
もうちょっとやり方があんだろーが。
魔族ってのはどいつもこいつもこんなかよ…
っは…ああっ、もう…さみーな畜生」
もちりとした感触から体が離れれば、寒風が余計に寒く感じる。
「ぬいぐるみ扱いかよ!そこまでちびってわけでもねーだろっつか、つるんでる奴らはいいけどよ…
ぁーもー…テメーの家でいいよ!オレだって今日の宿まだ決まってねーんだ!
喧嘩でもナンパでもついてってやるよ!」
どうしても推しに弱い。
女に対しては特に。
とくに、好意なのか悪意なのかわかりもしない感情をむけられた場合どうしていいか…
結局は、彼女のペース。
そのペースに乗せられるようにその誘いをうけるのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からブレアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 王都マグメール、平民地区のどこか。
人気の無い場所を狙い、少女は身を潜めていた。
その手にあるのは、幾つかの小道具の数々。
あえて、その詳細は今は避けよう。
予想は出来るだろうが、碌な小道具ではないのだから。
「………やはり、初心に戻るのは、大事と言うものじゃろう。
さぁ、今宵出会うのは、何者であろうかのぅ?」
薄暗い物陰の中、己の言葉に、うんうんと頷きながら。
すすすっ、と影から影へと、ちょこちょこ移動をする。
とりあえず、誰か見たら行動を起こす。
本日の目的は、それであった。
…そう、とりあえず、だ。
別に、それに拘りはせず、何かあれば臨機応変に、とは思ってはいるが。
やはり、まずは、それを優先したい、と言う考えはあった。
とにもかくにも、誰か見付けなければ、何も出来ない。
■タマモ > 人通りが無い、とは言うものの。
必ずしも、誰も通らない、と言う訳ではない。
ある裏通り、聞き取った足音に、少女は静かに移動する。
「ふむ…第一弾、降り注ぐG、じゃな」
聞き取れぬ程の小声で、少女は呟き。
ごそり、懐から、小さな包みを取り出した。
…ただ、中にはぱんぱんに膨らませる程に、何かが入っている。
何か、と言っているが、それを予想するのは容易だろう。
まだ足音だけで、その相手は目視出来ない。
しかし、少女には、そんなものは関係ない。
相手が何者であろうとも、行動起こすのみ、なのだ。
そして、射程距離にまで、接近をすれば。
包みの紐を解き、それを、その相手の上方へと向かい、投げ付けるのだ。
それは、狙い澄ましたように、相手の頭上で広がって。
中に入っていた、大量の何か…
ある昆虫を模した紙人形が、ばら撒かれた。
もちろん、ただの紙人形ではない。
己の力により、かさかさと音を立て、本物さながらに動き回るのだ。