2020/10/08 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区の酒場」にアティさんが現れました。
■アティ > しとしとと降り続く雨は、涼しさを超えて肌寒さを少々町へと届けていく。
過ごしやすい気温が続いて、夜に出歩く人も増えていたものの、さすがに肌寒い雨が降り続けば人足は減っていくことになり。
何時もなら賑わう酒場などが並ぶ通りも、普段に比べれば人通りがおとなしいのが伺えるだろう。
それでも、室内で楽しめる場所であれば大した問題ではないようであり。
屋内をメインにしている、大型の酒場などからはいつものように賑やか喧騒が響き渡っていく。
「いらっしゃいませー!
お二人ですね、あちらの席へどうぞー」
雨粒がいまだに激しいというのに、人の出入りがそこそこ見受けられる酒場の入り口でお客へと、ウサギは頭を下げていく。
いつもとは違い。薄布の黒のレオタードに近い衣服に、丈の短い燕尾服のような上着を羽織っていれば、それは俗にいうバニースーツというものに近いかもしれない。
もちろん兎の耳も尻尾も、作り物ではない自前のものなのであるのだが。
格好のおかげか、来店退店の挨拶がメインのおかげか、たまにピクピクと耳が動いたりするものの、あまり気にする人たちは今のところいないようである。
「割はいいけど…兎に兎モチーフってどうなのよ…」
少々突然起こった大きな出費を補うために、割のいい仕事に飛びついた結果である。
遺跡巡りもいい発見がなければ、少々寂しい懐を珍しく温めておこうとして、臨時で即働くことになったようであり。
湾口都市にのカジノあたりでたまに見られる、という衣服を与えられることになったようだ。
格好をあまり恥ずかしいと思っていなければ、声に元気がないということないようであり。
テキパキと接客、特に接客をこなしていくが。
この格好をしている店員はスタイルのいい女性が多く。
奥のお高い席には、何人かの店員を常駐させている客もいるのだから、給金の良さの理由もなんとなく察することもできるのだろう。
特に格好については、兎は一息つく合間に、そんなことをポツリと零していくが。
■アティ > 「逆に意外に…いける?」
元々耳も尻尾も隠してはいないものの、何か言われたときに、バニー装備と言い張ることもできるかもしれない。
その格好で普段歩き回るのか、という別の意味で目を引いてしまいそうなことを、兎は考慮していないようであり。
人の流れが止まった暇をつぶすように、燕尾をつかんでみたり。
レオタード部分を引っ張ってみたりとして、改めて着心地や仕組みを軽く見ていくようにしていくが。
どう見ても防御力という面では、普段の胸当てに遠く及ぶことがないことは、火を見るより明らかだったようだ。
「んー…そういえば、こういう場所に需要ありそう?
遺跡でたまに見かけたきがするし…」
そんなことをして時間をつぶしていくが、いまだに退店する人も少なく。
喧騒は続くままに、料理の香りも酒類の香りも店内に溢れて、食欲を刺激していくようだ。
少しずつ空き始めた空腹をごまかすように、店内へと視線を滑らせ。
奥の個室に近い席や、店員にちょっかいをかけている客などの様子を見ていれば、兎はアイデアの一つでも浮かんだのだろう。
以前なかなかの目にあった、気分を盛り上げる薬や道具などがその様子から思い出されたようであり。
普段遺跡などで持ち帰る品物たちとは別に、あまり目を向けてこなかった。
歓楽街などで需要がある意味ありそうな道具が、意外に値が付きそうだと思えば、今度からは確保しようとでも思ったようである。
もっとも、こういう場所で撒いたらどうなるかなんてことも、いつのまにか接客から意識をそらして、ぼーっと考えてしまったりしているようだが、それだけ暇なのだろう。
■アティ > 「あっ、と!
いらっしゃいませ!」
どうしたら面白そうか、思考がそちらへとシフトしてからしばらく兎は物思いにふけっていたようだ。
入り口を開けて入ってきた、新しい客に気づくことはなく。
声をかけられてから、ようやく現実に引き戻されることになったようであり。
慌てて言葉を返すことになった姿は、本来ならその服装ならあるはずの色気が、大分吹っ飛んでいるのは気のせいではないかもしれない。
こぼれかけた普段の反応をしまい込むようにして、膨らませた想像は一度頭の片隅へとしまい込み。
気を取り直した様子で店内へと、客を案内して兎は、適度な臨時収入を得ていくことになったか―
ご案内:「王都マグメール 平民地区の酒場」からアティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にユンファさんが現れました。
■ユンファ > それなりに込み合う酒場の一つの隅っこの席。
そこでゆったりと食事を食べながらミルクを口にする。
酒場で酒を頼まない事で店主に変な顔はされはしたがその代わりに料理は多く頼んでいるので仕方がないという顔をされたのが30分ほどまえで。
「この店は料理は美味しいね。ちょっと騒がしいのは…」
何かの煮物にフォークを突き刺し口に運んで美味しそうに食べ。
ちらりと視線の先のテーブルで酒を酌み交わしてバカ騒ぎをする一団を眺める。
何かの打ち上げだろうか、景気よく飲んでは食べている姿は見ていて面白い物で食事の合間に眺め。
今日は特に収穫がなかったが面白い物が見れたと思いながら食事を続ける。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > 「騒がしいのは仕方ないさ」
彼女が食べている煮物が、横からフォークで突き刺さされ持ち上がる。
見れば、いつぞや出会ったあの男。
どうやら、少し酔っているらしく、顔が赤い。
「うん、美味しい」
それを平気の平左で口に運び、口に入れる。
飲み込めば、悪戯成功とばかりに邪気のない笑みを向ける。
そして、
「お久しぶり。再会を祝して、一緒に飯でもどうだい?
勿論、俺の皿からも好きなの取っていいからさ」
と言うと、早速とばかりに骨付き肉やらカルパッチョ入りサラダやら、とりわけやすい物を注文する男。
どうやら、酔うと強引になるタイプらしい。
■ユンファ > 「あー!ワタシのよ!」
突然に聞こえた声と料理に突き刺さるフォーク。
それを視線で追いかけるといつぞやの親切だった男。
その顔は赤く酔っているのは直ぐに判る。
「それはそうよ。ワタシが頼んだのだから。
それより勝手に食べないでほしいね」
邪気のない笑みを向けられ食べられてしまうとそれ以上は何も言えず。
返せと言っても帰ってこないのもだから諦めて。
「久しぶりね。でも人のご飯取るの関心しないよ。
んー…それなら一緒してもいいよ」
そう言いながら注文する姿に構わないと頷き向かいの席を男に勧め。
注文が届くと遠慮なしに骨付き肉二本を手に取って口元に運び食べていく。
■クレス・ローベルク > 「はは、悪い悪い」と全く悪びれない男。
暫くお互い、注文したものをお互い食べる。
男の皿は基本的に魚や肉の焼き料理多めに、サラダが申し訳程度といったところ。味付けは濃いのが好きらしい。
男は、エールでそれを流し込みながら、
「こっちには慣れたかい?
王都って言うほど、ハイソじゃないっていうか、ぶっちゃけモラル低めのとこだから、ちょい心配してたんだ」
と言いつつも、男の方も遠慮なくユンファの方から料理を取っていくのだった。
■ユンファ > 全然悪びれてない様子にじとっと目を向け。
それはそれとして煮込みの分を取り返そうと男の注文にと手を伸ばし。
自分が頼んでいたのは煮込み料理やソーセージといったもの。
男の注文に比べれば粗食気味なものが多く、それを補うように魚を大きく切ってフォークで突き刺し口へ。
「それなりね。
仕事もして稼いでるのよ。
危ないのはもう経験したね、貧民地区は必要ないと行かないようにするよ。
そっちは元気だったね?」
もう経験したと笑って返し料理を取っては口に運び、元気だったかと問いかけて。
■クレス・ローベルク > 「お、ソーセージあるじゃん」
と言って、ナイフで端を切って食べる。
「腸詰めうめー」と言って、追加注文でサイコロステーキ。
それを皿の中央に置きながら、
「へえ。行商人さんだっけ。来てそんなに経ってないのに稼げてるって事は腕がいいんだな……」
商人は客や卸しとの信用第一という。
それを短期で築けているとなれば、相当のものだと考えて、
「俺は元気さ。元気じゃないと剣闘士は務まらない。
ま、逆に言えば元気でなくなったら剣闘士でいられないって事だけど」
だから、病気とか本当怖いんだけどね、と言いつつ、自分の皿のサーモングリルをナイフで切ってフォークで食べる。
健啖だが、意外と行儀は良いらしい。
■ユンファ > ここの美味しいと端を切りソーセージを食べる男に笑って告げて。
真ん中に置かれたサイコロステーキにフォークを突き刺し食べる。
「行商もだけど冒険者もどきもやってるね。あれはあれで丁度いいのよ」
行商で稼ぎ、そしてそれ以外で稼いだお金で仕入れて更に売る。
効率は悪いかもしれないがそれならば売り損ねても赤字にはなりにくく。
それに安く売れるので今では少々のお得意がいなくもなくて。
「確かにそうね。あれは身体が資本ね。
だったら、元気なくさないようにたくさん食べないと駄目よ」
剣闘士という割には行儀よく食事をする姿に今頃気が付き感心し。
また煮込みにフォークを突き刺しもぐもぐと食べ…ふと何か思い出したように袖に手を突っ込み。
「これあげるよ。元気になるね」
気まぐれの親切、あの時の恩返しとある意味入手が難しい薬を男の前において。