2020/09/29 のログ
ご案内:「平民地区の隅、公園」にグラスシエルさんが現れました。
グラスシエル > 平民地区の隅っこにある公園
辺鄙な場所だが、手入れは行き届いてる。
ベンチと生け垣程度の簡素な公園だ
その、ベンチにまるで飲んだくれのように、一人の少年が仰向けに寝ている。ふが……と目を開けて

「おお、ぅ……太陽が真上だ」

軍服に身を包んだ少年は呻くように身体を起こす。コキコキと、関節を鳴らしながら伸びをして

グラスシエル > 「あああ~、だらけてるなぁ。こんな時間までベンチでグースカとか、俺は宿無しか」

まあ、決まった借家や、家もなくその日そのまま暮らしてはいるが。少年は足を組んで空を見上げる。雲が少しだけかかった晴天だ。太陽が少し眩しい
はあ、とため息を吐きながらポケットを漁る。干し肉を取り出しては、かじりついて

グラスシエル > 「足りねぇ……飯食いに行くか……」

立ち上がって、ゆっくりと空へと飛び上がる。

ご案内:「平民地区の隅、公園」からグラスシエルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にユンファさんが現れました。
ユンファ > 日が暮れ始めた頃に到着する乗合馬車。
馬車が停留所に止まり御者が扉を開ければ様々な姿の荷物を持った老若男女が下りていく。
そうして最後に馬車を降りるのは特徴的な服装の少女。
馬車から飛び降りれば大きく背を伸ばして首をひねり周囲を見回し。

「漸く着いた。長旅だったよ。さて、早速」

狭い馬車内から解放され新鮮な空気を吸い込み笑みを浮かべ、初めてやってきた王都の街並みを眺め。
到着後の行先は決めているとばかりに小さな荷物を肩にかけ、多分こちらだと商店を探して人の多い場所へと足を向けていく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にクレス・ローベルクさんが現れました。
ユンファ > 始めてくる街は何処に何があるかは判らないのだが、そこは人の動きを見ていれば見当は付き。
人が多い方向には商店が並ぶ場所か酒場、宿のある場所がほとんど。
今までの旅での経験を当てにして歩いていくと見えてくるのは商店がちらほらと並んでいる場所。

「大当たり。さて、あるかなあるかな」

商店を見ればにんまりと笑って店舗を眺めるように歩いていき、一軒の店の前で足を止める。
その店舗の店頭に並ぶよくわからない魔導機械に目を向けるとどういうのだろうと手にしては壊さないように弄りまわして。

クレス・ローベルク > 魔導機械がひしめく狭い店舗の中から、人が一人出てきた。
それは、青い闘牛士服を着た青年。
彼は、物珍しそうに魔導機械を弄り回す少女自体を、まるで珍しいもののように感心した表情で、

「魔導機械に興味があるのかい?」

と、声をかける。
少女に対する下心の様なものはない――ただ純粋に、興味があった。
魔導機械に興味がある者、特にこれぐらいの年代の者は多くはないのだ。
尤も、ユンファは『興味がある』どころではないのだが……

ユンファ > ただの動かないガラクタかもしれない、もしかすれば貴重な掘り出し物かもしれない。
そんな判断は全く付かないが純粋に目を輝かせて魔導機械を弄りまわし。
ここはこう動くのかと好奇心を満たしていると当然にかけられた声に驚き落としそうになるのを何とかキャッチして元に戻し。

「凄くあるのよ。こういうの、ワクワクしない?
お兄さんもそうじゃないの?」

魔導機械を落としかけた事をごまかすように照れ笑いを浮かべ声の方を向き。
そこにいた青年、変わった服装だと自分を棚に上げて上から下と確認して。
あるあると笑みを浮かべたまま頭を上下に振り、あなたもでしょ?と言葉をかけて。

クレス・ローベルク > 全く得体のしれない魔導機械を前に、此処まで目を輝かせられるというのも珍しい。
落とした魔導機械をキャッチする手際に、「おお、反射神経良いね」と言って、

「俺はどっちかっていうと実用する側だから、勉強もかねてだけどね。
でも、気持ちは解るよ。
魔導工学には疎いけど、純粋にどんなものだろうと想像するだけでも楽しいよね」

と言って、男はあ、と気付いた。
まだ名乗っていない、と。
名乗りは大事だ。特に、自分のような職の者は。

「俺は、クレス・ローベルク。ダイラスの剣闘士だ。
君の名前は?」

ユンファ > 「実用?実際に使って覚えるのも良い事ね。
そうでしょう。こういうのワクワクするの。
ワタシもさっぱりよ。でもどういうのか凄く興味があるの」

青年の言葉、自分と同じ気持ちだと判れば嬉しそうに笑い。
これなんてどう?と別の魔導機械を手にして見せようとして。

「名前、言ってなかったね。
ワタシはユンファよ、よろしくクレス」

そうだったそうだったと舌を出して困った顔を見せ。
自分の名前を名乗れば魔導機械を置けばよろしくと手を差し出して。

クレス・ローベルク > 「ユンファちゃんか。
身なりといい名前といい、シェンヤンの方から来たみたいだね。よろしく」

見せられた魔導機械を見る。
見た目は、水晶に端子の様なものがついている簡素なものだが、これは……

「魔晶エネルギーコンバータか。しかも、殆ど使われていない……」

魔導機械で構成される遺跡ではよく見るものだが、こちらではそれなりに高値だったりする。
ある程度大型の魔導機械には絶対に必要なものであり、特に魔晶型は変換効率が高い。

「中々保存状態が良いね。これ、買っておいても良いかもなあ」

と、言って、「良かったら譲ってくれる?」と首を傾げる。
別に、自分が欲しいんじゃないんだけどね、と前置いてから、

「闘技場じゃ、魔導機械の需要が高いからね。
こういう部品も結構高く買ってくれるんだよ。
ま、勿論君が欲しいんだったら取る気はないけど」

と、肩を竦める。
せっかくの掘り出し物だが、先に目をつけたのは少女。
相手が男ならば容赦なくだまし取っていたが、少女のそれを奪うつもりもなかった。

ユンファ > 「そうよ。シェンヤンから来たのよ」

大正解と青年の言葉に軽く手にした魔導機械を叩く。
よく判らない物ではあるが水晶がきれいでインテリアに良いかなと思うもの。

「魔晶エネルギーコンバーター?これってそういうのなの?」

青年はこれが何かわかる様子、ただ殆ど使われていないなら価値はあるとだけは判り。
こんなに綺麗だからきっと高いのだろうと手元を見下ろし。

「そうそう、凄く状態綺麗よ。買うの?」

そして譲って欲しいという青年と魔導機械を交互に見る。
前置きで誰か別の人が欲しいのだと判れば青年に差し出し。

「クレスが買うといいよ。
ワタシだと飾るだけだから、欲しい人が持っていくといいね。
それに高いならワタシの手持ちじゃ足りないもの」

欲しいとは思うが使うではなく飾る。
それなら必要な人が買えば良いと青年に告げ掘り出し物でも気にせずに譲ってしまい。

クレス・ローベルク > 「副業は冒険者だからね。使い方は解らないけど、名前と使い道は解るのさ」

そう言うと、差し出されたそれを手に取る。
後で、店内で購入しようと思い、一旦それをポケットの中に。
幸い、埃には耐性がある。少しぐらい雑に扱っても問題はない。

「ありがと。んー、お礼って言う訳じゃないけど、ご飯ぐらいなら奢ろうか?少しぐらい高いお店でも、これ売れば補填できるし」

流石に、店先で立ち話もなんだしね、と提案してみる。
勿論、応じないならば諦めるなりするが――せっかく知り合った少女。もう少し色々とお話をしたかった

ユンファ > 「そうなの?だったらお仲間よ。ワタシも冒険者するときがあるのよ。
ワタシは綺麗って思っただけだから凄いね」

判るものは判るが、今手にしているものは判らないもの。
それを青年に手渡すと手ごろなサイズのよく判らない魔導機械を手にしてこれを買おと決めて。

「役立つ人が買うのが一番ね。お礼なんていいのよ。でもご飯……安いのでいいからおすすめの宿も教えて?」

青年の提案に邪魔になると今更に気が付くと顔を赤くして慌ててしまう。
そしてお誘いは悩んでしまうが青年はいい人そうに思え、普通の食事と安心できる宿の案内をお願いする図々しさを見せる。

クレス・ローベルク > 「へえ、じゃあ王都にいればまた出会う事もあるかも」

その時は、よろしくね、と言うと、男は踵を返し、

「それじゃあ、まずは買うものを買ってしまおうか。
此処らへんは地元じゃないけど、それなりに詳しいから、色々教えてあげる。冒険者ギルドの場所も、知っておいた方が良いだろう?」

そう言うと、店の中に二人で入っていく。
それからどの様な話をしたかは、また別の話で。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ユンファ > 「そういう事ね。しばらくいるつもりよ?」

こちらこそと笑みを見せて軽く会釈。

「そうしましょそうしましょ。
詳しいなら助かるね。ワタシ来たところだからさっぱりなの。
案内お願いね」

青年にそう返すとともに店にと入り。
思っていたよりも高い買い物ではあったが満足し、その後がどうなったかは別の話で。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からユンファさんが去りました。