2020/08/06 のログ
■メイラ・ダンタリオ > 袖無しの革の鎧と腰当て
腕当てとブーツ。
毛皮で一部一部をあしらったそれらに満足すると、タトゥー状の装甲が肌上に吸い付くようにして消えていき。
「感謝いたしますわ。
これに合う中着でも選んでまいりますから、私が今利用している娼館まで届けさせてくださる?」
娼館のカードを一枚渡しながら、仕事に対する金額の入った革袋を渡し、また元の王都での身なりへ。
今度は織物や糸、布地を扱う場所へとい出向けば、半袖仕立ての織物を眺め。
「暑くなってきましたし、生地も見合ったものがいいですわねぇ……。」
熱くなった騎士鎧や、むしろ冬場に活躍できそうな毛皮や革でこしらえた鎧などこの時期に死ねというようなもの。
対策としては着ているだけで涼しいものが好ましいものの、冷やしすぎるのもよくないせいか、生地を見ながら悩む。
一番好いのは、水か土に属する加護でも与えられた、熱に強そうなものだろうか。
「魔族国ならあったかい恰好でも、まだ良さそうですのに。」
売りをしている知識豊富な商人との相談も良いかも、と思いながら、サンプルで出ている生地をつまんでこすりこすり。
■メイラ・ダンタリオ > サイズを測ってもらいながら、通気性のいいものと身体を一定の温度に保てるよう、露が滴るようといわれている糸を編み込んだものを数着ずつ。
肩幅からバストまで計りながら整えてもらうなら、それも娼館まで届けるように伝え―――そろそろ戦場に行く用意もできたことだし、知己となった騎士らに声をかけておこうと、あとにした
ご案内:「王都マグメール 平民地区 大型防具店」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。
ご案内:「薬屋のテント」にタン・フィールさんが現れました。
■タン・フィール > 風の強い平民地区の一角、自然公園の中の開けた平地。
整備された木々や草花の野原となっている自然豊かなそこに、一生懸命にテントを張る準備をする小さな影がひとつ。
このテントを普段の住まいとし、薬屋の店舗ともしている少年薬師が、
強風と格闘しながらなんとかテントの骨組みを仕上げ、
ペグを地面に打ち込み、ロープを張ろうとしていて…
「わわっ!っく、 ぅう~~~っ! このっ…!
あとちょっと、あとちょっと~~~っ!」
手付きそのものは不慣れではないが、いかんせん強風を布地が受け、手も疲労で強く握りきれずうまくいかない。
日頃は1分ですむ作業に10分かかってしまうペースに悪戦苦闘しながら、
テントが風をしのげる状態までもう一息…。
ぐずぐずしていると、雨まで降ってきてしまうかもしれない。
「いよっしょ…っと! ぅんしょ…っとぉ…!」
ひとまず、テントの形だけでもできあがったら、中で火をおこし、温かいものをこしらえて一休みしようと、
目前の安息のために小さな体を奮い立たせて、ぎりぎりとロープを引き、テントがもちあがっていく。
■タン・フィール > なんとかテントを持ち上げきると、そそくさとその中へと潜り込み、温かいお茶を淹れて寛ぎのひとときを得る。
ご案内:「薬屋のテント」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシンディ・オーネさんが現れました。
■シンディ・オーネ > 大通りの開けた場所、広場というほどではないがそう扱えなくもなさそうな一画に、軽い人だかりが出来ていた。
公開処刑の名目で設えられたステージに、罪を犯したとされる人物が断頭台の枷にかけられている。
一枚の板に首と両手首を固定し、地面と垂直に設置されるアレだ。
しかしその上に、断頭の刃は無い。
罪人はただそこに固定され、石を投げられ、棒で叩かれ、犯されたりしている。
「……。」
状況を理解するのにしばらく時間が必要だった。
すっかり見物人の一人になってしまいながら、シンディ・オーネはせめてつまらなさそうな顔をする。
戦闘服であるレザースーツは夏場にあまりにも暑かったので、今日は長袖長ズボンの黒ずくめ。
ユニセックスなら上等で、男物だって気にしない。何に着替えてもいやに頑丈そうなブーツはそのままなのだし。
■シンディ・オーネ > 罪人に手を出しているのは、通りすがりの一般市民だ。
被害者一同だったりするのだろうかと様子を見ているが、やはり違う。
一般市民を扇動するためのサクラが混じっていたりするのかもしれないけれど、
それにしては人通りが絶えず、積極的に参加しに来た者もあれば、
ちょっと寄ってく?程度の感覚で手を出す者もあるように見える。
目の回る都会の街並みはただ移動するだけでも楽しいものだったが、
故郷の村でも、これほど下品な処刑は無かったのではないか。
ろくに世間と関わりを持たない生活だったのでこれまで知らなかっただけかもしれないが、
奴隷やそれを使用した興行も地方村ではそれほど盛んに行われていないもの。
目の肥えたというか感覚の麻痺した市民にはこれが日常で、戦場がすぐ傍にあれば命も捨て値になるということか。
胸の下でぎゅっと腕組みをして肩をすくめ、苛立ったため息をついた。
あそこで嬲られているのは罪人だ。
これだけの事をされるだけの事をしでかしたのだろうと理解するけれど、
洗練されているはずの都会人達が見せる蛮行に、つい幻滅してしまう。
…相棒は、もうこれを見ただろうか。
あの熱血漢は、まさか割って入ったりしないだろうなと危うんで、
いや手が早いのは私の方だったかと首を振る。大丈夫。きっと大丈夫。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にノウブルさんが現れました。
■ノウブル > (何時もの事――と言えばそうだが、何時見ても気分の良い物では無い
だが、其れがこの街の理であるならば、己に其れを止める権利もあるまい
僅かに双眸を細め、喧騒の間を抜けようとする
罵詈雑言と怒りと、或いは、全く無関係でありながら
唯騒ぎに乗じて憂さを晴らしたいだけの投石とが放たれる合間を抜け
冒険者ギルドへと向かおうとするのだが
――一言依頼の達成を報告すれば良いだけの用事が、中々終わらぬ。)
「―――――道を空けてくれ。」
(一言、目前で詰まって居る人だかりに向けて声を掛けたが
生憎乍ら、此方の声なぞまるで聞こえては居ない。
余り表情に変化こそないが、僅かにげんなりとした様な雰囲気を見せながら
もう、いっそ素直に別の路から大回りしようかと考えた、其の最中
――集団の中、僅かに見覚えのある顔。)
「―――――」
(冒険者ギルドへの出入りの際、見た覚えが在ると言う程度だが
この喧騒に乗じている、と言うには微妙な表情で佇む女が一人
愉しんで居る、と言う体でも無く、かと言って、離れる様子も無いなら
少しばかり考えた後に。)
「――――……何をしている?」
■シンディ・オーネ > …いっその事、楽にしてやろうか。
組んだ腕の拳を握り、まだ実際にやった事は無いが苦しまずに絶命させる方法を思い描く。
が、拘束具が邪魔で上手く出来る気がしない。
魔術であれば確実だけれど、リンチも公的な催しならば作法はあるようで、
どうも今回の処刑では、責めに使用して良いのは用意された道具だけのようだ。
責め立てるのが目的であれば、意図して殺害するのも許されないのかもしれない。
武装した兵士が監視員のように配置され、法服や僧服の者もあれば…
その後ろでただならぬ顔をしているのは… 被害者遺族とかか。
「…あーあ。 …あ?え?」
あーあとつい声を上げ、とっとと帰ろうと頭を振る。
喧騒の中で静かに通行を求める声は聞こえなかったが、今の指向性のある声はもしかして私にか?
何か?と平常でも機嫌悪そうに見えるやぶ睨みの目をそちらへ向けて…
あまり人の顔を覚えるのは得意でないが、その特徴的な髪の色、瞳は見覚えがあった。
「あー、あの、えー…」
ハイ覚えてますよって、分かる分かる、みたいなポーズで指さして頷くが、名前も知らなければ話した事も無い。
「…見物。悪趣味でしょう? こういうの初めて見て、気になって、もうけっこう眺めてた。
気持ちの良いものではないけど、分からないしどうでもいい。
因果で、誰かにとってはこんなのも満願成就の夜なんじゃないの。」
突き放した物言いは、その声音の割に剣呑な顔だが、そういう顔だからかもしれない。
何してるって、ナンデ?と相手を見て、大斧携帯していればトリを飾る処刑人かと尋ねるところだけれど、そんな立ち位置でもないか。
「…もうかってる?」
…仕事帰りなら何よりねって、こんな所で見物していられたひがみが少し。