2020/07/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 食堂酒場」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > 昼も夜も、食う呑む程度の金があれば老若男女訪れる大衆的な食堂酒場。
手荷物は腰に添えたポーチのみ 身なりは整った肩出し意匠。
両腕と脚に黒く尖った入れ墨を彫り込まれた姿のメイラは、両開きの扉を開けて真っ直ぐにカウンターへ。

「ごきげんようマダム。」

今の時間帯、食堂を切り盛りするマダムに声をかければ、周りに平民が群れていようと構わず足を組みながら座った。
腰掛ける椅子は年季の入った切り株椅子や樽椅子に薄っぺらいビスケットクッションを敷いただけのもの。
周りとは一風空気の違った姿は多少浮いているものの、メイラ自身知ったことではない。

「マダムの顔が見たくなってきてしまいましたわ。」

にこっとギザ歯を綺麗に噛み合わせた悪魔的な口元の笑みを浮かべ。マダムは機嫌よさげ。
何にするんだい、と貴族相手でも遠慮しない。
メイラも堅苦しい礼儀は既にどこか裏路地にでも投げ捨ててきており、王以外で礼儀というものはない。

「スペアリブをいただきますわ。
 そうですわね……骨無しのほうでソースは大めで
 あとは冷えたエールで構いませんわ。」

大盛りでいいかいと確認しながら、マダムが仕込んであったグローブのような肉の塊を熱いオーブンへ。
メイラも否定することなく目の前で注がれたエールを舌ではなく、喉へ流し込むようにして。

「構いませんわー。
 でも野菜は遠慮してくださる?」

マダムのわかり切った飽きれた笑みに笑みで返しながらも、焼きあがるのを待ちつつ組んだ脚先を揺らす。
ふとマダムが鉢に盛られたそれをゴトンと置き。

『できあがるまで食べときな。
 バラ肉の煮つけだよ。』

薄茶色い味付けスープで煮込まれた脂肪の線がはいったバラ肉の盛り。
スペアリブの気分だったもの、出迎えるまでの胃を整えるのに丁度いいと、肉を前にして肉をいただく。

「大好きですわマダム♡」

そんな軽口を言い合いながら、ナイフを入れる必要もないそれを二つフォークで差し込み、ぁあん、と。
ギザ歯の奥へと消えた肉。
もにゅもにゅと頬張るものの、ほろりと崩れあっという間に飲み込んでしまう。

「んー♡
 丁度いいお味ですわぁ。」

頬に手を添え、ほぅと一息。

メイラ・ダンタリオ > 煮つけを空にしたあとは、焼きあがったスペアリブがくるまで丁度いい具合だった。
白い大き目のプレートに、ばらばらにされた大きなグローブといった出立の肉の塊。
ソースがたっぷりと掛かったそれを一つ摘まみ、顎の力が強いことを示すようにバリッと一息で噛み切った。
モリモリと焼きあがった肉とソースの濃い目の味付けもまた良し。

満足気にエースを追加しながら、そのギザ歯で噛み切られていくスペアリブ。
周囲の客も、令嬢口調な入れ墨女の食べっぷりにエールの手が止まるほど。

「ん~♡ やっぱりマダムの肉料理はステーキとは違った味わいで、美味しいですわね。」

骨無しゆえに、ただ食すのみ。
空になった後にエールを空にすれば、ペロリと指先を舐めて悦に浸る。
満足感のある余韻に背もたれがあればきっと寄りかかってしまっていたはず。

「ふぅぅ、満足満足、ですわ。
 エールをもう一杯くださる?」

注がれた中身をちびりと口をつけ、口の中に残る濃い味を洗いながらも。
既に消化が始まっているかのように腕には力がこみ上げ、ミシリと拳を握ると軋みが感じられるほど。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 食堂酒場」にアデラさんが現れました。
アデラ > 大衆食堂に似合わぬ雰囲気の娘がもう一人、静かに扉を押し開けた。
夜会着なのだろう黒いワンピースドレスと、肘までを覆う黒いロンググローブ。髪の色と併せて、夜のような少女だった。
肌ばかりは白い。日焼けを知らぬ白さだ。これも平民地区では、浮いて見える性質だろう。

少女は店内を短時間見渡し──直ぐにもカウンターへと向かった。
腰掛けるのは、入れ墨を見せつけるが如き格好の席の、その隣だ。
カウンターに片肘を置いて、空の皿や、エールを堪能する横側を眺めて、少女は何やら微笑みを見せた。
……その辺りでカウンター向こうの店主に注文を問われる。

「冷えたエールを。……後は、そうね。豆と野菜のスープをお願い」

初見の客という訳ではあるまいが、常連という程に慣れている様子でも無く、壁に貼られた品書きから少しばかり時間を掛けて選んだ。
ほどなくして、まずエールだけが運ばれて来る。
ゴブレットを傾けて、半分ばかり一気に喉へ落とし、

「んー……っ。駄目ね、お上品な飲み方に慣れてると。ちょっとクラクラする。
 あまり強いお酒という訳でも無いのにね」

苦笑いと共に、隣席の騎士へ、そんな風に話しかけるだろう。

メイラ・ダンタリオ > 肉を食べると、本当に精がつく。
闘争 セックス 肉で体現できる生を地でいくメイラ。
精がついたせいだろうか、腹ごなしに暴れるか、女と飽きるまでヤってしまいたい。

身体が持て余している。
冷えたエールが手元にあれど、こんなものでは焼け石に水である。
表面的な冷やし方より、燃やし尽くす、そちらが性に合っていると、隣に座った少女。

メイラよりも外見性は若く、その喪服のようなワンピースと長い手袋。
髪色はドレスと被るかのような青みがかった黒髪。
ただそう、瞳だけが印象的だった。

赤い瞳と、まるで剣のような銀色の瞳が合わさると、お互いに黒髪と黒い意匠。
話しかけれれば、肩をすくめ。

「あら、ここの酒精は時間をかけて呑むより、流し込んでしまうものですわ?
 というより、わたくし以外にもいますのね、こういう場所にくる身分の高い方って。」

身に着けたドレスが夜会用であり、良いものだと目利きしたかのように言うと。

「腕に覚えがあるんですの?
 こんな平民地区にいたら、貴女のような子なんて―――
 
 ガ ブ リ ですわよ?」

ニィッとギザ歯の悪魔的な口元を浮かべて見せ。

アデラ > 「流し込む飲み方、あまり得意ではなくて。……そもそも、グラスを空にするのが縁遠いかも知れないわね。
 だって〝やんごとなき方々〟の宴は、お酒も食事も主題ではないでしょう?
 みんな美食美酒を放っておいて、美人にばかり目を奪われているもの」

口元に手を当ててクスクスと笑う。目を細めて笑う様は年齢相応か、少し幼く見える程か。
体躯も細い。背丈の差は、眼前の騎士とそこまで極端に違いはしないが、体つきは一回りか二回りも小さく見えるだろう。
彼方の、肩を竦める仕草。それを酒肴にエールを一口。くぅ、と喉の奥を慣らしながら応じるには、

「私、人が多いところには良く出向くの。貧民地区でも富裕地区でも、ハイブラゼールでも。
 ……案外何処にでもいるものよ。生まれつきお金は持ってるけど、暇もたくさん持たされた貴族なんて。
 寧ろお行儀の良い富裕地区より楽しいかも知れないわ」

こん。ゴブレットを置く。乾いた音。……それから指を一本立てて、エールの中へ差し入れた。
マドラーの代わりにくるくると、半分より減った酒の水面を掻き回す細指。
……そして引き抜かれた指が、戯れの速度で騎士の口元へ運ばれる。

「覚えは、ほんの少し。だけど猛獣に襲われたら、何も出来ないで食べられちゃうかも知れないわ。
 けれど大丈夫。人に噛み付く猛獣なんて、滅多なことで出てくる筈が無いもの。
 だからこんな風につついてみたって、私は安全なのよ」

笑みの形を作る唇の向こうに見える、人のものらしからぬ鋭い歯列へ。
エールの雫に濡れた指先を触れさせようとしながら、何処か挑発するような口ぶり。

メイラ・ダンタリオ > 戦場が存在意義であり、肉とセックスがプライベートで活きるメイラにとって。
この正体不明な少女は身分は少なくとも平民以上と感じ取れた。

気安く話しかけてこれたのは、外見年齢? それとも同じ黒でまとめた身なりに?
―――はたまた、メイラの持つ物騒な空気に敢えて近づいてきた変人だろうか?

お互いに面識はない。
彼女もメイラがダンタリオ家とは知らないでこうして話しかけている。
知っていたら、距離を取るのが普通なのだ。

「あら勿体ないこと。
 精をつけて、美人とヤりまくって、酒精を煽る。
 その楽しさがわからないなんて。」

少なくとも彼女はメイラを同じ身分と見做して接しているらしい。
こちらも隠すつもりもなく、令嬢調なままギラリと磨かれたようなギザ歯を覗かせ。

「自由ですわねえ。
 わたくしなんて王都にいる時間は休息だけですわ?」

羨ましくはない。
戦場が無くなるなんて、セックスができなくなるとの同じくらいメイラには我慢ならない。
むしろ、どちらも同じくらいの価値があるのだ。
エールはすでに温くなり、残りに手を付けることもなくなった。

彼女がゴブレットの中身を指先で回し、こちらに近づける酒精に濡れた指先。
まるで娼婦や盗賊のやり口だ。
挑発的な態度はそれを望むようで、手を取るとグイッと力強さに物を言わせ、膝上にのせてしまう。
対面座位の姿勢になった彼女の頬に手を伸ばし。

「あんむっ♡」

周囲は指先を銜えるか跳ねのけるかなんだろうな、と楽観視していただろう。
百合な光景を想像していた周囲に対し、唇を塞ぐと後頭部に添えられた手がクッと抑え、口内で暴れる舌。
ねっとり舐め溶かすようにするよりも、溶け落ちるアイスを舐めとり続けるかのよう。

「ぷはぁっ……♡
 上っ等ですわ。ここまで誘われて拒む理由もありませんもの。
 マダム、ごちそうさまでしたわ。」

店主であるマダムに代金をテーブルに乗せる際、相手のエールとスープ代も含めた。
一口も手を付けず挑発している辺り、ある程度目をつけてメイラに近づいのだろう。

「ほら、払ったから行きますわよ。
 何処でヤろうか迷ってしまいますわ。」

そう言って、まるで事が始まると嵐のように過ぎていった。
周囲も貴族ってあんななのか、と誤解が誤解を生んでいるかのよう。

アデラ > ──退廃的な趣味に耽溺するものは、居るのだ。
もし何か〝引き寄せられた〟理由を探るとしたら、それはきっと、雰囲気なのだろう。
凶暴な、遠慮が無さそうな、力強そうな。そういう雰囲気に引かれてふらふらと近寄った少女は──

「あっ──」

腕を引かれて引き寄せられても、目を閉じることはなかった。
間近で目を開けたまま、間近の赤い瞳を見つめながら口付けを交わす。入り込む舌を咎める事も無く。
そっと歯の隙間を空けて、躍り込む舌の道を空けた。
そうして口内で暴れるものに身を委ねながら、腕はだらりと下げたままで。
いっそ暴力的なまでの交わりの末に舌が離れると、半開きの唇が熱い息を吐く。

「……いきなりね。見世物みたいにされるのは好きじゃないのに……それは、誘ったのは私だけど。
 スープだってまだ飲んでないのよ、それに名前だって──」

赤く染まった頬で、ぶつぶつと文句を吐き出しながらも、少女は俯き気味にメイラの後を追う。
一対一での挑発には慣れていようとも、ギャラリーの視線は苦手なのだろうか。
ようやく酒の雫も落ちて乾いた指は、メイラの服の裾を摘まんでいた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 食堂酒場」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 食堂酒場」からアデラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にイディオさんが現れました。
イディオ > (冒険者ギルド、様々な冒険者が集まり、仲間を募り、依頼を受けるための場所。その場所は喧騒に包まれている、冒険者たちはその仕事柄気の荒い物も、それなりに多い。
だからこそ、言い合いに喧嘩が発生しやすくなる。そして、ギルドと言うのは―――酒場も兼ねていることが多く、酒が入るとさらにその傾向が強くなる。
ギルドに戻ってきて、男が扉を開けば……喧嘩が起きている。まだ、殴り合いの喧嘩になってないようだが、ふとした切欠で、喧嘩に発展してしまいかねない状況だ。
どうしたものだろうか、と冒険者の男は、光の無い目でギルドの中を眺めまわして考える。
今回の依頼は、町の中の荷物運びの依頼だったからこそ、いつもとは違う軽装で、腰には護身用にロングソード、レザージャケットなどの軽い服装だった。
此方に飛び火はしないだろうけれど、そんな中を歩くのはちょっと気が引ける。
近くにいる冒険者、事情を知る者はいないだろうか?見回して、探してみることにする。ギルドの職員に聞こうと思っても、人込みの奥になるし。

あぁ。面倒くさい。人知れず溜息を零す冒険者。
他の冒険者は、ヤジを飛ばして喧嘩を促すか、我関せずと泰然としているか。そのどちらか。
ヤジを飛ばす冒険者によって、一寸奥に行くのが面倒くさい状況となっていた。)

ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にクリスティンさんが現れました。
クリスティン > 冒険者ギルトと酒場の兼ねている店程騒ぎが起きれば大きくなってしまう。
その元は何だったかは軽く聞こえた程度で興味もないが一触即発という空気。
そんな空気の中を注文をもって駆けるのだが、肝心の注文も空気に飲まれてか少ない。
普段はセクハラを行ってくる客たちもその行いで乱闘になる事を恐れて大人しく。

今日はもうこのまま仕事も終わりかと思えば扉が開き自然と視線が集まり。

「あ、いらっしゃい!こっちへどうぞー!」

その現れた客は丁度知った顔、この空気から逃げるのは丁度いいと急ぎかけよりその手を取れば奥の騒ぎの届きそうにない席に引っ張っていこうとする。

イディオ > 「―――へ?」

(この面倒臭い状況に、誰か事情を知る物を、と思って見回していた所、走ってやってくる彼女は、冒険者ギルドに偶にアルバイトとして入ってくる彼女。
クリスティンと言う名前を思い出す、快活な子であったことを思い出した、今日もここでバイトなんだな、と思うと同時に、手を取られた。
唐突と言えば唐突な状況である喧嘩の事情を聞くよりも先に、案内される。
基本冒険者ギルドは、冒険者の手を取って案内するとかそういうことは先ずない、何某かの困ったことが起きてるというサインなのだろう。
そう考えたから、彼女の案内に、引っ張られるようにそのままついていくことにした。

彼女の手が、柔らかいなとそんなことを思ってしまうのは緊張感の欠如なのかもしれないけれど、柔らかいこと自体は否定できない、いい感触だ。)

「え、と。こんにちは、クリスティンさん。
―――何が、有ったの?あれ。」

(冒険者たちの視線、自分たちに集中――してなかった、彼女がそそくさと移動させたのもある上に、怒鳴り声が聞こえたので、彼らはヤジに戻ったのだ。
居心地悪い思いをしなかったこと安堵半分、今の現状を確認しないと、と思う感情が1/4。その他もろもろが残り、と言う感情配分。
事情を知ってしそうな、彼女に問いかけてみることにした。)

クリスティン > 普通ならば絶対に足らないような案内。
マスターの視線を感じはするがそれは咎めるような物でもないのでそのまま引っ張り。
ここなら巻き込まれないだろうという奥のテーブル席に押し込んでしまう。

「こんばんわ、イディオ。最悪なタイミングで来たよね。
あ、あれね………」

前回は色々な感情の混じった視線を受けはしたが今回はそれはない。
それだけ他の客たちは険悪な空気を作る大本に意識を向けている。
聞こえる怒鳴り声に爆発も近いかもしれないと首を竦め。

「討伐仕事で現地でブッキング、それでどっちが倒したって揉めてる感じ」

しかも大物だったからと丁度男を押し込んだ席の近くの壁に貼られた手配書を指さし。
それはそれとして何か頼むとメニューも差し出す。

イディオ > (何も言わないギルドマスター、視線は此方を一度チラリと確認するように見るだけで、直ぐに視線を外す。重要度が違うからなのは、判るし、あまり見られ続けるのも心に悪いので男は何も言わずに流すことにした。
案内された場所は、ギルドでも、パーティを組んだ冒険者たちが相談に使う様な場所。余り人が来ないし、そういう場所だと暗黙の了解の有る場所だ。
本格的にない蜜の話をしたいなら、そもそもここではなくてギルドの相談用の部屋を借りるのが定石、と、男は思考がそれたなと意識を戻す。
押し込まれた席に腰を掛けて、彼女の顔を見た。さすがに身長の差は在れども、座ってしまえば、彼女の顔は視線は少し上に来るから。)


「ぅうわぁ……それ、下手したらパーティの抗争に発展するじゃないか。しかも、よりによってあのパーティ、リーダー同士が険悪でいつも競ってるって、噂の所だろう?」

(手配書を眺めて、そして、大声を上げている彼らを眺めて、最後にヤジにやめろよと思いを乗せて視線を向けるが、当然思いが届くことも無く。
彼女の差し出したメニューを受け取り、視線を落とす。
そんな中でも、大声や怒鳴り声が響き、それが徐々にヒートアップしているのが聞こえる。)

「とりあえず、この、ミネストローネと、パン、あと……ああ。この、串肉を10本ほど、エールもよろしく頼むよ。」

(それでも、食事はしたい所なので、と彼女の厚意に甘えてメニューからいくつか注文を行い、首を傾ぐ。
今日は、それなりに遅かったが、さて。と。)

「クリスティンさんの時間はどんな感じ?」

(さっきの情報のお礼にでも、一杯どう?なんて、男は問いかける。飲みたいなら、と、メニューを差し出して、好きなの頼んでくれていいよ、と。
ついでに、食べ物も好きなの一品ドウゾ、と。)

クリスティン > 「そうそう、そんな感じで回りもあんな感じ。しかもかち合ったのがイディオの言ったその二つだからね。
パーティー抗争になるかもってギルドは冷や冷やしてるし、周りは賭けをしてるって訳」

それで彼らを見ようとすると上がる大声に身を縮ませてみるのをやめ。
もういつ爆発するか判らない光景を視線に移さないようにする。
手練れな冒険者なら兎も角、冒険者モドキの自分にはあの騒ぎは巻き込まれたくないもの。

「ミネストローネとパン、串焼きにエールね」

男の注文を直ぐに伝票に書き込みカウンターに賭けようとするが、呼び止めに振り返り。

「あの騒ぎで仕事もないよ…飲ませて乱闘になったら困るって」

それが何?と首を傾げるも一杯の誘いに戻らなくていいと直ぐに飛びつく。
そして好きなと聞けば満面の笑みを浮かべて早足にカウンターに向かい。
注文が出来るまでの間、カウンターに肘をついて身体を揺らし、そして準備が出来れば両手にトレイを持ち男の待つテーブルに戻り料理を並べ向かいの席に腰を下ろす。

イディオ > 「しかし……賞金首、か……寄りにも寄って本当に面倒臭い事になりそうだなぁ。」

(彼女の言葉に対して、男は軽く息を吐き出す、何故なら……賞金首は基本的に張り出してあって、早い者勝ち。倒したもの捕まえて連れて来たもの勝ちなのだ。
それがブッキングするというのは、儘ある話で、冒険者にとって驚きは無い。だから、其処でヤジを飛ばしあう冒険者がいる。
美味い酒の肴でしかないという認識だ、視線を向ければ二階の踊り場や、手すりからも、喧嘩を眺めているのもある。
そして、ギルドマスターが動かない理由が、いがみ合っているのがリーダーだけだという事もある。
険悪であろうとなかろうと、パーティ同士が戦うような状況になるなら、ギルド全体で止めに入るはず。)

「ああ、嬉しいね、じゃあ、しばらく彼女を借りるよ、マスター。」

(お酒の席の誘いに、乗ってくれた彼女、それなら、と男は軽くマスターに許可をもらって置く、マスターは些末事と言わんばかりに手を振ってくれたので。OKしたと認識することにした。
とりあえず、食事を持ってきた彼女が対面座るなら、ちょうど喧嘩している冒険者を背にするように座り直し、盾を取り出す。
盾は魔法の装備で、男のトレードマーク、盾に掛かっている魔法でいつでも呼び出せる代物。それを背負うと、ちょうど盾が壁のようになる。
之ならば、魔法が飛んでこようが瓶が飛んでこようが剣が飛んでこようが、人が飛んでこようが問題はない。
ホントは、杭打ちして、地面に固定したいが流石に木の板貫通させちゃ怒られるので、これでと。)

「それじゃ、状況は状況だけど、乾杯。」

(男は、軽く言って見せてから、エールのジョッキを持ち上げて、彼女のほうに向ける。
彼女はどんなお酒と食べ物を頼んだのだろうか、と興味もあって、よくよく見てみようと。)

クリスティン > 「しかもどっちも追いかけてたらしいから……」

その上ブッキングのお陰でどっちが倒したかはっきりしないんだって。
乱戦でそれどころじゃなかったって話だし」

よくある話だがそれがリーダー同士がいがみ合うパーティーで起きた事が問題。
しかもよく騒動で賭けの対象にされているだけに周囲の盛り上がりも異常の一言。
今のままなら恒例のリーダーの殴り合いで済むはずなのでギルドは非介入を決め込んでいるようで。

「私は商品じゃないんだけどね」

酒の誘いには乗ったが商品のように貸し出された感じにむっとして。
しかしマスターが何も言わずに許可を出せば何も言えない。
なるべき騒動を見ないでいいように男の向かいに座れば盾で遮蔽を作ってくれた事には素直に感謝を見せて。

「こっちに飛び火をしない事を祈って乾杯」

男のエールに自分の持つエールを軽く触れさせての乾杯、そして前回のように口をつけて少しずつ飲み。
男がよく見ると頼んだものはフルーツと少しだけ度数が高く値段も高いエール。
そのエールを飲む傍ら、男の視線に気が付くと頬を赤くして何?と首を傾げる。

イディオ > 「聞いてるだけでも、面倒臭い事この上ない……。
依頼もブッキング、賞金首もブッキング……依頼に関しては、ギルドの方に責任あるよな。」

(はぁ、と大きく溜息をついて見せれば、じろりとギルドマスターの鋭い視線、とはいえ、事実なので、彼は何も言わなかった、あ、やべ、と男はそんな風に思うけど、言ってしまったものは仕方が無いか、と諦める。
最悪は、地下にあるギルドの訓練施設での戦闘で決めるとかになると思う、リーダーの殴り合いで収まらない場合は。
そのうち、何とかなるだろ、と笑って見せた。)

「あ、すまない。そういう積りでは。」

(彼女の様子、不機嫌になるのが目に見て取れた、自分の言動が原因だから、男は謝罪を。もう少し気を使った言い方をすればよかったと反省もセットで。
とは言え、こにゅにケーション能力の低めな男、こういう場合は何と言うべきか、と頭を悩ませた。
彼女に関しては、冒険者ではなくて狩人と聞いていたからこそ、男は冒険者として、同じギルドの仲間から彼女を守る義務があると、思った。)

「ああ、それは切に願いたい、飛び火しないでくれ。運のいいことにあの二人は知り合いでもないから、飛び火するならそれはそれでもう八つ当たりとか巻き添えとかそのレベルのはず……!

―――へえ?それ、新製品?」

(祈りにも似たようなことを言いつつ、酒を見ていた男に対する返答には、質問を一つ。
普段飲んでいるエールとは違う種類に見える、基本的に食事の共に選んでいるエールだから、同じ物しか飲んでなかった。そんなエール有っただろうか、とお高いエールを興味深く眺めて、問いかける。
美味しそうだな、次頼んでみるか、と男は思うのだ。)

クリスティン > 「私も面倒でしかないって。
お陰で今日はもう商売あがったりなんだよ」

文句は山ほどあるが雇われでは文句を言っても仕方がない。
ただ被害さえ来なければそれで良いと投げているようでもあり。
最悪はどこででも決闘をしてという感じで。

「別に怒ってないよ。ご馳走になるんだし」

頬を膨らませはしたが男が自分を買ったような扱いをしないのは以前で判ってる。
なのですぐに笑みを見せて冗談という様子を見せて。
男がどう思っているかは知りようはないが守られている事は嬉しくて。

「飛び火したら美味しいお酒も不味くなるしね。そっか、なら何が起きても大丈夫だね。
その時は素直に逃げよっか。そこから。
これ?新商品みたいだよ」

最悪はテーブル席の奥から騒ぎの反対に抜けて階段を上がれば客室に逃げれるとアドバイス。
そして男の問いかけにはそうと頷いて少し中の減ったカップを見せるが一見普通のエール。
それをまた美味しそうに飲むのだが度数が強いだけに普通のエールよりも早く酔いが回って。

イディオ > 「はは、辛い時もある物だね。それなら、仕事には入ってるんだし、その分は迷惑料として、落ち着いたところで、あの冒険者たちにギルドを通して請求してしまえばいいのさ。」

(彼女はちゃんと仕事をしている、その仕事を遮っているのは彼ら冒険者だ。だから、ギルドから給料が出ないなら、ギルドに行って、迷惑料を彼らからもらっちゃえ、と。
マスターもそうしてくれるよな、と言ってみたら、後でな、と返答。彼女の給料は守られた。)

「はは、良かった。俺は、結構失礼な人種だからさ、その気はなくても色々しちゃうんだ。」

(怒ってないという言葉には、安堵のため息、元々男は冒険者だし礼儀とは無縁で、だからこそ、そういう人間関係を読み違う事も多くある。
そうならないように、と気を使っても有るので、彼女の様子に心底安堵。
すまんな、と、軽くもう一つ。)

「成程、そだな、その時は逃げるのは大賛成だ―――けど、せめて食べ物は食べてからにしたいな。
と、へぇ?新製品か。良いな。」

(彼女の言う状況になる場合、テーブルも蹴倒して、バリゲート代わりに使う必要があるだろう。おいしそうな食事の数々、これらをなぎ倒すのはちょっともったいないという貧乏性の男。
スープにパンを浸し、柔らかくして食べて、肉の串をかじり。そして、軽く手を上げる。
他の給仕の子を軽く読んで、彼女の頼んだエールを持ってきてと願う。)

「――大丈夫か?」

(彼女は舐めるようにゆっくり飲んでいるのに、凄くフラフラに見える。
水を酒と一緒に追加注文して置く。)

クリスティン > 「それは勿論そうするよ。そうじゃないと割りに合わないんだし」

きっちりと仕事をしているのにあの騒ぎのお陰でそれもパー。
ならばマスターに追究するのだが、先に男が告げてくれたおかげで給料は問題ない様子に安堵して。

「もし本当に怒ってたら殴ってるから」

知ってるよね?と前回にセクハラ冒険者を殴っていたのは見ているはず。
なので同じことをすると物騒に笑って見せて。
それに冒険者がいる酒場で働く以上ある程度はなれていると。

「実はここ、一番逃げやすい席だから。一つ二つなら持って逃げれるんじゃない?
普通のより美味しいんだよ」

それなりな犠牲は必要となるが一番逃げれると保証するように笑い。
その時は料理も持ってと提案する。駄目にするのはも体内という考えで。
そして男が食事をするのに合わせてフルーツを口に運んでエールを飲み進めて…。

「私……?大丈夫だよ」

男の言葉に大丈夫と笑うが、その笑みは気の抜けた無防備な物。
何時もよりも強いエールを同じペースで飲んだためにすっかりと酔い、無防備になっていて。