2020/07/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエリアさんが現れました。
■エリア > 夕刻近い市場街。まだ充分日も高く、急ぐ用事もなくのんびりと、さまざまに並ぶ商品を珍し気に見回しながら歩く途中に。
「………?」
不意に衣服の裾が下の方から引っ張られた。小首を傾げながら振り返って見ると、不安そうな顔をした平民の小さな子ども。もちろん見覚えはなく、ぱたり、と意外そうに瞬きをしながら。
「どうなさいましたの……?」
おっとりと声を掛けて見ると、こちらの顔を確認するなり火が付いたように泣き出して。不意打ちにキーン、と耳鳴りに片耳を抑えながら。
「あら、まあ……あの、何を泣いていらしゃるの? わたくしに何か……?」
子どもの相手など普段しない。弟がいるが幼かったのは昔のこと。扱いあぐねながら5、6歳程のその子どもに屈んで問いかけて見ると。どうやら母親と後ろ姿が似ていて間違えたらしい――迷子という事が判明。
あらまあ、と頬に手を当てて。
「それは困りましたわねえ……。
この子のお母さまー? どこかにいらっしゃいませんかー?」
放って置いても良かったのだが、泣きじゃくる金髪の小さな男の子の姿が幼い頃の弟と被って何となくそうもできずに、道の端に避けて、泣いている子を横に通行人に声を掛け始めた。
■エリア > 「あぁ……困りましたわね……こう言う時はどうしたらいいのでしょう……。衛兵の方などいらっしゃるかしら……?」
迷子を保護した経験などない。まさかこのまま屋敷に連れ帰って預かる訳にも行かないし、えぐえぐと泣きじゃくる子どもを見下ろして頬に手を当てて考え込んだ。
選択肢1、立ち去る。
選択肢2、とことん母ちゃん探す。
選択肢3、お金を渡してそこら辺の人に託す。
選択肢4、衛兵に引き渡す。
ここは上記4が無難に思える。チクタクチクタク、と考え込んでからそうしようか、と結論するが――こういう時に限って見かけない。衛兵を探すも子どもの母を探すも手間は変わらなかったりして、と感じて遠い目になり。
「困りましたわ……。他に探すのをお手伝いして下さる方がいらっしゃれば助かるのですが……皆さんお忙しいかしら……」
夕方近い市場街で最も暇を持て余しているのは自分くらいの話か……。いくらか謝礼を渡せば誰か手伝ってくれるだろうか。
『迷子の母探し、一件〇〇ゴルド』とプラカードでも持って立ってるべきか。それにしても相場はいくらくらいなのだろう……とめどなく悩んで何も進展しないまま時だけが刻々と過ぎて行き。
横で不安を募らせる子どもの慟哭が木霊して。キーン、と鳴る耳を塞ぎながら。
「兵器として使えそうな音波ですわねえ……」
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にジーゴ(番号215642)さんが現れました。
■ジーゴ(番号215642) > 夕方。朝食用のパンなどの簡単なお使いのために、平民街へ訪れたのだけれど、目当ての買い物は簡単に済ませてしまい、ぶらついているところ。
手には、パンの入った紙袋。もう片手には火のついた煙草を持って、歩き煙草をしながら。
「うっさい…」
甲高い子供の泣き声を聞いて、舌打ちとともに顔を上げると、子供の隣に立っている人影に見覚えがあったから、思わず目を丸くした。
「なんなの?お前ガキいたの?」
そのまま数メートル、迷うことなく子供連れの姿の方向へ向かって、歩み寄っては言葉をかけようとして
こちらの姿が前よりも身なりが整っているため、誰であるかを認識してもらえないかもしれないけれど、見知った顔に話しかけるつもりで気楽に話しかけた。
■エリア > ぎゃん泣きを続ける子に体力がありますわねえ…と悠長に感心しながら、ぽすぽす、と一応気を静めようとその頭の上で手を弾ませて宥め。
さすがに喉が嗄れてきたのか徐々に泣き声が低くなっていく中で。不意に掛けられた声とこちらへ寄って来る気配に顔を向け。
「………?」
見覚えがある様な気がしたが、誰だったか……と想起させていると、お前、との呼びかけに凄みのある笑顔を浮かべて迎え打ち。
「ああ。いつかの泥棒さんですの。
――お前、と呼んで誰がいいと言いましたか? 相変わらず口の利き方を存じておりませんわね?
それに、この子はわたくしの子ではありませんわ」
以前と違って随分小奇麗になった少年に首を振って。それからいい所に来たものだとぽん、と何か思いついたように手を打ち鳴らして。
「お小遣いを上げますから、この子のお母さまを探すのお手伝いして頂けませんか?」
■ジーゴ(番号215642) > 「あ…」
貴族の圧には即刻おとなしくなる。
やや身なりが整っても奴隷は奴隷だ。
「ねえさま…」小さな声で訂正する。
相手の申し出に小首をかしげて、獣の耳も疑問だ、とばかりに立ち上がる。
「え?迷子は奴隷商に売りさばくのがいちばんお金になるよ。奴隷市場いく?」
選択肢5、奴隷商に売るを提案してみせて。
金髪で見た目の整った子供はいくらか高く売れるだろうと。
「まぁ、どうしてもっていうなら探してもいいけど、いくらくれるの?」
少年は自分に金銭的な利があれば大体の申し出や依頼は受け付ける性分だ。
「つか、ガキ。泣いてたらなんもわかんないだろ。なきやめよ、なぐるぞ?」
子供の目線に腰をかがめて、口から零れ落ちたのは恫喝。
まだ高い子供の声で発せられる言葉は内容の割には、怖くはないが、子供を怯えさせるには十分だろうか。
■エリア > 宜しい、と言い直す声に首肯を向け。
そして、助力を申し出て見ればすぐさま、売り飛ばせと来たもので、やや嘆息混じりに微苦笑し、びく、と肩を竦める子供の背をぽんぽん叩いて。
小さく首を振りながら提案を却下し。
「そんな真似をするほど落ちぶれておりませんわ。
そうですわね――如何ほど欲しいのですか?
見た所食べるのには困らなくなったようですし、食べ物よりもお金が宜しいようですわね」
事によっては屋敷で御馳走する、という謝礼でも良かったのだが、食料品を手にしている所から現金の方がよさそうで。一応欲しい分を訊いてみようと。
「小さな子を脅かす物ではありませんわ。子どもは泣くのが仕事の様なものですから。あなたの方が幾分大人なのですから子どもっぽい真似はおやめなさい」
静かに窘めると、子供を怯えさせるその頭をぽす、と軽く叩いて。
それから、ともかく母親の捜索を開始しようかと。
「お母様はどうやらわたくしに後ろ姿が似ている様ですの。そんな方、見かけませんでしたか…?」
一応手掛かりを口にしながら、子供を促して市場を歩き出し。
■ジーゴ(番号215642) > 「そうなのか?」
なんで奴隷商に売りさばかないのかはあまりわからないまま。返事をして。迷子なのかはわからないが幼い子供が売られて泣き叫んでいる様子を見たことは何度もあるから。
「200ゴルドな」
平民が一日生活するのに十分なくらいの金額。
人探しを手伝うには多すぎる額だが、相手が貴族なのをいいことにある程度現実的な高値をふっかけてみた。
「オレ、ご主人様できたからごはんたべられる。でも、オレを買ったお金を払わないといけないから、お金ほしい」
このところの環境の変化を伝えた。空腹には困っていないが、金銭的に余裕がないのは今まで通りで。
「あ?」
やめろと言われてこれ以上の恫喝はやめるものの、子供へのまなざしは邪険なもの。子供の眼前で吹かす煙草もそのままだ。
兄弟や一緒に育った子供はいないから、子供への対応には慣れていないし、なによりもなぜか腹が立つ。
「後ろ姿が?いや、あっちの方ではにた人はみてない…」
言われると数歩離れて目の前の相手の後ろ姿を確認したも、心当たりはなく。自分が来た道には似たような人はいなかったと。
「親にすてられたんじゃなれば、そのへんでさがしてるんじゃないか?」
子供の心の安心、などとは程遠い言葉を吐いて。それでもお金のためならと周囲をきょろきょろと見渡す。
「ガキ、似てるのは身長か?服の色か?」
少しでもヒントが欲しいと、子供に問いかけた。
■エリア > 「代わりにあなたを売り飛ばしてもいいんですのよ?」
にっこりと鷹揚に笑い掛けながら口にした。売り飛ばされる立場が分からぬでもなかろうに良くいう物だと半ば感心しながら。
「100ゴルド。成功報酬で。働きが良ければ多少色はつけますわ」
最近の市場調査で一応大さっぱに金銭感覚は身についてきた。迷子探しの報酬では高すぎる事は察して半額に値切った。金銭が必要と口にするので足元も見れるだろうと。それでも100は多いだろうが。
自分も大概子どもだろうが、幼子に対しての厳しい対応に同族嫌悪の様なものだろうか、と肩を竦めて。
「煙草の煙はこちらに飛ばさないで下さいな。あと、その年からの飲酒喫煙は馬鹿になりますわよ」
脳の発達に支障を来たすから禁止なのだ、と人差し指を立てて注釈し。似た者は見てないと聞けばひとつ肯いて返し。
「そうだと思うのですが……どちらにいらっしゃるのか」
捨て子にしては様子が違う。ただの迷子だろうと当たりをつけて少しは落ち着いて来たK度面は問いかけられて、髪の長さや背格好、服の色が同じだったと答えて、脅かされるのが怖いのかおどおどしながら。
■ジーゴ(番号215642) > 「オレはうらないで」
他人のことを売ればいいなんて、言っていた時とは声色が変わって。
下唇を噛むと、空を見るような眼をして小さな声で言った。
「100ゴルド、いいよ」
交渉がまとまると、一転笑顔になって。
この前、体を売って酷い目にあった時も100ゴルドだっただろうか。
それと比べたらずいぶん楽な仕事になりそうだと内心思いながら、承って。
「バカになんかならねぇよ。のう?はったつ?」
わかった単語は少なくて、すでに発達に影響を及ぼしていないとは言い切れない状況だが。
煙を飛ばすなと言われれば、気を付けようとしてタバコの火を相手と子供から遠ざけた。
「子供をつれて歩いてれば、じきに見つかるだろ。あおい服ってことだな」
きょろりと周囲を見渡すも、似た背格好の人物は見当たらないけれど。3人連れで目立つのはこちらの方だ。
歩き回っていれば見つかるだろうと高をくくっていて。
「あー、おにいさん?この人みたいな人この辺でみなかった?このガキの親なんだけど」
近くの商店の店員に声をかけるも、店員は首を振って答える。
■エリア > 「売られたくないのは皆、同じでしょう…?
この子が育って復讐でもされれば厄介ですわよ、人の恨みを買うものではありませんわ」
因果応報、と諭すように口にして。そんなことを言っても伝わるかどうかは怪しかったが。
ともかく交渉成立。100ゴルドで話はまとまった。確かに難しい仕事でもなかろうが――その代わり、迷子の親が見つからなければタダ働きになる事を分かっているだろうか。口には出さずに笑顔になった表情を眺め。
「なりますわよ。まあ――その時悔やむのはわたくしではありませんから構いませんけども」
自分が一向に困る事はない。一応副流煙を避けて貰えばそれで宜しい。得心した様な表情を浮かべ。
「そうであればいいんですけど……なかなか人を探すのも難しいものですわね」
小さく嘆息を零しながら、不安そうに涙の跡をつけた子供の頭を撫でて。いっそ泣いてた方が親は出てくるだろうか、と静かになった様子を見下ろし。
そして、手際よく当りの人々に聞き込みを行う模様を眺めて。雇い主としては特に何もせずに。ただ、子供を促して、母親らしき人物はいないかと辺りを見回していた。