2020/03/18 のログ
クレス・ローベルク > ――男はそのまま、検品が終わるまで酒場で飲んで帰っていった
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にグラスシエルさんが現れました。
グラスシエル > 平民地区、早朝の公園。
公園といっても、本当に小さな、花壇とベンチと石畳程度しかない簡素な公園だ。比較的綺麗に掃除されてるのが救いだろうか。

「…いつも思うが、ここ掃除してるのって誰なんだ?」

少年は、いつもの軍服姿で、干し肉をかじる。
朝食は干し肉、硬めのパン、牛乳。シンプルなものだ
白んだ空はやや曇天。雨はともかく、晴れでもない微妙な天気。

「…しかし、どうしたもんかねえ」

大体、王国内部やここの状況は調べた。後は教会を作るためにそういった布教のための天使が来たり、まあ色々あるが、自分は次の仕事――まあ、ろくでもない魔族退治だろうが――に回されるのがいつもなのだが

「こりゃ、いよいよお役御免かね。帰還命令もなしにポイ捨てかよ、ゴミはゴミ箱にって習ってねえのか」

って、自分はゴミじゃねえ、なんて思いながらも。最後の干し肉をかじった後は、のんびりとした朝である

グラスシエル > …まあ、俺から任務を取ったら似たようなもんだな

「嗚呼――がらくたがお似合いか」

天使で有りながら、神も大天使にも敬意はない。
とはいえ、同族、仲間の天使を護る為に危険な任務は率先してこなしてきた。失敗しても俺みたいな出来損ないが死ぬだけなら安いものだと
さて、それすら用がないならば――今更自由を与えられても困るのだ。何をどうすればいいのかわからない。
この公園のベンチで座ったまま朽ちてしまいそうだ

「木偶人形もいいとこだな。じぶんじゃなーんも、できねえ」

悲しい、虚しい、これがそういう気持ちなんだろうが、涙は出ない――泣くのを忘れてどれくらいだろうか

グラスシエル > 「…だりぃ、考えるのすらめんどくせぇ」

金はなんとか――まあ働きゃいい
だが、そんないのちのつなぐ行為になんの意味があるんだろうか、それが全くわからない
ベンチに寝転び、考えるのをシャットアウトするようにまぶたを閉じる。
今は、寝よう

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からグラスシエルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 広場」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 人通りの多くない時間帯の、平民地区の広場。
植林された木々や整備された芝や花壇が並ぶ綺麗な通りで薬師の少年は、
許可を得てシーツを敷き、薬の路上販売をしていた。

「いらっしゃーいっ! ちょっとしたすり傷から、剣の切り傷・魔物のキバ・火傷まで、なんでも効くお薬も、
魔力がない人でもちょっとした魔法なら使えちゃう魔術薬…
ほかにも、いろーんなお薬用意してますよーっ!」

と、下肢を丸出しの桃色の衣服をまとった幼い薬屋という容姿や、よく通る少女のような声、
そしてその声が紡ぐ薬の意外なほどの質の良さに興味を惹かれ、
1時間に数人は誰かしらの客が通り、注文していく。

「あ…はい、これ、1日だけ眠らないでも元気でいられるお茶です。
おかいあげ、ありがとうございます!

――っふふ、けっこう買ってもらえるんだな… おひるごはん、ちょっと奮発しちゃおう!」

たった今も、そこそこの値段相応の便利な薬茶が売れ、温まってきた懐に嬉しそうにシーツの上を猫のように転がって。

タン・フィール > 日差しが徐々に傾きはじめたころ、広場を散歩をしていた休憩中の商人や親子連れなどの数もさらに減り、
今の所、最後に薬師の少年を訪ねたのは、
料理に滋養を足すことができる塩や砂糖はあるか、と訪ねてきた食が細くなった老婆だった。

「はぁい、それじゃあおうちのお塩やお砂糖に、この葉っぱを混ぜて煮て…
それをお鍋で蒸発させて、結晶を使ってみてください。」

と、老婆の要望に応えられそうな品物は手元には無い代わりに、
比較的簡単に作れる薬塩や薬蜜の作り方を教えて。

老婆を見送った後、この広場での野営も許可されていたため、
薪を組んで火をおこし…鍋に水を入れ、薬草や木の実を並べて、
簡単なキャンプと、薬の実演販売の準備を始める。

「今のおばあさんみたく、こんなお薬が欲しいって人に、目の前でつくってあげるのもいいかも…」

という思いからで、鍋の蒸留水がくつくつ煮えてくれば、さてどんな客が、どんな薬を所望するか楽しみな様子で待ちつづけて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 広場」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にパティさんが現れました。