2019/12/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエレイさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミユさんが現れました。
■エレイ > 年末年始を目前に控え、ことさらに賑わいを見せる夜の大通りを、両手をポケットに突っ込み
ぶらぶらと闊歩する金髪の男が一人。
この祭りの前のような雰囲気は男にとって好ましく、通りの光景を眺めるその眼差しはどこか楽しげで。
「皆そこはかとなくウキウキしているようだったな。まああ斯く言う俺もちょっとわずかに
足取りが軽くなっている気がしないでもないのだが」
ふっと小さく笑いながら独り言を漏らす。そんな些末な呟きも賑わいの中にすぐに掻き消え。
さて何か興味を引くものでもないものか、なんて考えながら、男はマイペースに歩を進め続け。
■ミユ > ミユは久しぶりの夜の散歩を楽しんでいた。
年末年始になると、人通りも増え、活気も沸く。元々のせいでついつい用心の甘い財布に目が行ってしまうが、
ミユはもうそんな身分ではない、頭をフルフル振って、そういう欲望は無かったことにする。
態々平民地区に来なくとも、平民には手が届かない様な様々な酒類は家に変えれば美味しく呑めるのだが、
酒場の雰囲気…これだけは、家に持って帰れないのが残念でもある。富裕地区にある酒場の雰囲気はミユにとって
は高級すぎて肩が凝るだけなのだ。それにミユは元は貧民地区出身だ。ミレーだというのもあり、相手も
呑んでいるのもあって、露骨に嫌な顔をする客もそれなりにいる。
そういう意味では、誰でも気が合えば騒げる平民地区の居酒屋は、ミユにとっては気持ちがいい。
既に、何件か引っかっけてきているのもあって、若干ほろ酔いを超えて、気分よく、この肌寒い夜中の繁華街を
「次はどこにしよっか!」なんて独り言を呟きながら、適当に更に賑わいのある方向へと歩いていた。
歩いているうちに何人かの雄共に声をかけられたが、所詮、目的は大体同じであるので、殆ど無視、
手だしてきたら叩いて。まあ、平民地区の夜の繁華街なんて大体こんなものである。
ミユは世が低いので、あまり遠くは見渡せないが、時折途切れる人波の間から、見知った顔をみつけた。
みるからに、ヒマそうというか、のんびりを楽しんでいるのか。そんな風にミユからは見えたので、声をかけて
みることにした。
「あー、エレイさーん!」
喧騒としていても、届く高い大声。酔っ払ってるから余計に声が大きくなった。。
何人かは、エレイさんでもない筈なのに、一瞬こちらをちら見していた。
■エレイ > 「──む」
こちらの名前を遠慮なく呼ぶ大声にふと、足を止める。
そして振り返ってみれば、行き交う人の隙間に見知った小柄な姿を認めて眉を持ち上げ。
「──ようコンバンハッ。急に大声で呼んでくるから誰かと思えばミユちゃんだったという顔になる。
なんか久々だが元気……かどうかは聞くまでもなさそうだったな」
直ぐ側まで歩み寄って笑みを向けながら、片手をシュビっと上げつつ挨拶。
それから顔を覗き込むようにしつつ問おうとして──赤らんだ顔とアルコールの匂いに
思わず苦笑が漏れ、肩を大げさにすくめて見せて。
■ミユ > 「そうだよーミユはいつも元気だよー? エレイさんも、闘技場で倒れてなくてよかった」
にこにこ、というより、にやにやした表情で近づいてゆくミユ、別に悪い事を考えている訳ではない、
単に酔っ払ってるから、笑顔がニヤついているだけなのだが。
片手をシュビっと上げる挨拶に、面白かったのか、ミユも見まねでシュビっとあげて挨拶してみる。
この時期の酒場は、いつも以上に、活気に溢れている。その場に居た面白いオッサンと談笑していたら
ついついお酒が予想以上に進んでいたようだ。
顔を近づけてくるエレイの吐息も少しは呑んできたのかな?といった感じ。
「どお?これから用がないなら、一緒に呑む? とは言っても、
私は大体の行きつけのお店は回っちゃったんだー
呑みにいくならつれてってよ? エレイさんのしたいこと~があるなら、
そっち優先してもいいし」
近づいてきたエレイさんの頬にチュッと挨拶替わりのフレンチキスをしてみせて。
■エレイ > 「なんで闘技場が出てくるんですかねぇ……完全に酔っ払ってますなあ」
ニヤニヤした表情と支離滅裂な物言いに、すっかり出来上がったものだと眉を下げて笑いつつ。
闘技場は男にとっていろいろな意味で縁遠い場所なのだが、どこで関連付けが行われたのか……まあ、酔っぱらいに
そんな理屈を問うてみるだけ詮無いことなのだから、それ以上は考えないが。
「俺は飲みませんって前言ったはずなんですがねぇ……旧交を温めるためにアレコレしたいのはやまやまなのだが
残念なことに俺はこの後行くところがあるのでな。なので途中までなら送っていくのだが?」
彼女が男の吐息に何かを感じたのなら、それは100%気のせいだろう。
よほど特殊な事情がなければ、男は自発的に酒を口にしないからだ。
頬へのキスに軽く片目をつむり、くしゃりと頭を撫で付けながら誘い文句にはすまぬぇ、と
眉下げた笑みとともに辞意を示し。
それでも男としてエスコートだけは申し出ておいて。
■ミユ > 「ミユはまだ、そんなんに、よぱらってはないよぉ?」
自覚はないが、エレイさんの見立てでは、ミユはよほど酔っ払っているらしい。
「あえ?飲まないって言ってた?」
あまり自覚はないようだが、あまり記憶力はよくないらしい。
「う~ん、用事があるのか~それは残念。一緒に飲みたかったのにな~」
ちょっと不貞腐れた顔をしつつも…
「ん、じゃあ、またお会いしましょうね?」
庶民風服にちょっとついたホコリをはらいながら、少し寂しそうにいうミユ…
手をふると、エスコートを丁寧にお断りして、エレイの返事も待たず、歓楽街の喧騒の中へと消えていくのであった…
■エレイ > 「おう気をつけて帰るべきそうすべき」
去りゆく彼女を見送って、男もまた雑踏の中に紛れていって──。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミユさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイグナスさんが現れました。
■イグナス > 「あ、ちぃ。」
汗だくだ。この時期にしてはそぐわない、そういう感想が出るくらいには。
むわりってちょっと汗臭い。やれやれと大男は頭を振って、どかりとベンチに座った。
ああ、まったく、ろくなことがない。
せっかく気持ちよく昼寝をしていたと思ったらこの有様だ。
「あんにゃろう。」
くそうと悪態をついて、財布をひったくってった猫を思い出す。
昼食代もあン中に全部入っていたわけで、ちょうどぐうぐうと鳴る腹を、すぐに収めるのは無理になってしまったのだった。
恨めし気に視線を彷徨わせるが、見当たらない。
またも、ぐうう、ってえらく大きな腹の音が鳴るにとどまるのだった。