2019/11/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエリミアさんが現れました。
■エリミア > 日暮れ時になり、建物を照らす赤い光を瞳に宿す娘は、あてもなくふらふらと歩みを進める。
手にはいつも持ち歩いている剣呑な武装もなく、代わりのように一口だけ齧ったクレープの包み紙を所在なさげに握られていた。
用心棒の依頼を受けるでもなく、気ままに街を歩いているうちに日が暮れてきたのだった。
「あれ、ここまた通ったような・・・?わっ、ごめんごめん、ちゃんと前見てなかった」
ふと、周囲の景色を眺めた娘は、自分が道に迷ったことに気づき、きょろきょろと赤い視線を動かす。
その結果、肝心の前方の注意が散漫となって、気が付いた時には自分と同じく寒々しい衣装の相手が目の前にいた。
つんのめる娘の動きはやや遅れ、相手が避けられなければそのまま軽くぶつかってしまうだろう。
■フォルネ > 「え、わわっ…」
くんくんと匂いを嗅ぎながら歩いていればいつしか注意が疎かになっていたようで。
前方に現れた少女の声でようやく存在に気付いたものの、当然そんな状態では避けることなどできずにぶつかってしまい。
「ご、ごめんなさい…! 大丈夫ですか?」
お互いに急いでいなかったからか、ぶつかっても倒れるほどの強い衝撃ではなく軽いものであったもののぶつかったことは自分の責任で。
軽く鼻頭を抑えつつもすぐにぺこりと頭を下げて謝りつつ無事かどうかを尋ねて。
■エリミア > 「うん?こっちは大丈夫…あ、ちょっと痛かったけど、そっちこそ大丈夫っ?」
お互いに注意が反れていたこともあり、勢いがついた体が前に出ることでぶつかってしまう。
少女に、娘はあっさりと謝ろうとして、鼻頭を押さえているのを見て、自分も真似るように鼻を撫でていく。
そしてそこで、鼻を撫でる手に遭ったはずのものがないことに気づいた娘ははっと顔を上げた。
「わっ、ごめん!せっかくかわいい服着てるのに汚れちゃってない?拭くからちょっと待って」
手から零れたクレープのクリームがついているのを見て、娘は慌てて布を取り出す。
やや強引に娘は謝りながら、その布でついてしまっただろうクリームを拭き取ろうとする。
その布は、少女の服越しに豊かな身体をなぞるように動くことになる。
■フォルネ > 「それなら良かったです。私も平気ですから…って、んんっ…くすぐったい…」
相手の少女も大丈夫なことにほっとした様子で微笑みを浮かべ。自分も大丈夫だと告げるも少女の言葉で自分の服にクレープのクリームが付着していたことに気付いて。
少女が好意から拭いてくれるとは理解しているために、身体をなぞられる感覚にぞわぞわとしながらも拒否することはできずに少し体を強ばらせながら拭い終わるのを待っており。
■エリミア > 「ごめんね、よそ見してた…これで大丈夫かな?」
微笑む少女に娘は謝りながら、服についたクリームを拭き取っていく。
幸いにしてシミなどはなさそうに見えて、ほっとした表情で安堵して布をしまい込む。
「私はエリミア、見ての通りのエルフだけど、貴方は?」
改めて少女を見る娘は、自分よりも年下に見えるにも関わらず、豊かに育つ身体には羨望の目を向ける。
そして籠手に包まれた手を差し出しながら、小首を傾げて娘は堂々と名乗っていった。
■フォルネ > 「いえいえ…余所見をしていたのは私もですから。ご丁寧にありがとうございます」
お互い様です、と伝えてお礼を言い。少しくすぐったいせいか頬を僅かに紅潮させていて。
「エリミアさん、やっぱりエルフだったのですね。私はフォルネといいまして…ただの人ですよ」
一目見た時からもしかして、とは思っていたのをエミリアの自己紹介から解決して納得し。
差し出された手を篭手の上から握り、自分も名前を名乗れば向けられる視線に小首を傾げており。
■エリミア > 「いいっていいって…う、うん、エルフダヨ。フォルネっていうんだ、よろしくね!」
差し出した籠手に手のひらを載せた少女の曇りなき目を向けられると、娘は言い知れぬ罪悪感に強張る。
少女の名乗りで気を取り直した娘は、ぶんぶんと力強く握った手を振っていく。
「ただの人って言うけど、結構薄着だよね…フォルネはどこか行こうとしてたの?」
少女の恰好を見て、娘は自分を棚上げにしながら豊かな体つきを眺めて敗北感を味わうことになる。
手を握ったまま、ぶつかる前の少女が周囲に視線を向けていたことを思い出した娘はそう顔を覗き込んで問いかける。
■フォルネ > 「はい、よろしくお願いしますね、エリミアさん」
エリミアの様子に疑問を抱くも隠し事くらいは誰にでも、自分だってしているのだし…と追求することはせずに手を振り返して返事をして。
「私、寒さに強いので!」
エリミアが味わっていた敗北感に気付くはずもなく、寒さに強いと「ふふん」と胸を張っており。
「あはは…その、甘いものでも食べに行こうと思っていたらついそっちに気が取られて」
そう答えながら苦笑いを浮かべて小さく頭を下げて恥ずかしそうにして。
■エリミア > 「へぇー…やっぱりぃ、こっちが大きいと寒いのも平気なのかなっ」
娘に隠し事の罪悪感が去来したのも、束の間のことで。
自分の内心と裏腹に、豊かな胸を張る少女には茫洋とした赤い瞳がじとりと細められる。
少女より少し背の高い娘は、当てつけ気味に籠手の指先でつんと張り出す胸を上からつつく。
「フォルネは甘いものが好きなんだね。私もさっき食べたんだけど、普段食べないからよくわからなかったなぁ」
苦笑いする少女の目的に、娘は茫洋とした目を軽く見開く。
既に地面へ落ちてしまったクレープを惜しそうな風もなく死線を向け。
味覚はあるが、根本的に人とは違う娘は、興味深そうに少女を見つめた。
■フォルネ > 「わっ!? も、もう…別にそういうことではないと思いますよ?」
じとりとした視線に気付いて不思議そうに見つめかえすと、いきなり胸をつつかれて驚いた声をあげて。
胸元を腕で隠しながら今度はフォルネがじとりとした視線を送り返してみせ。
「あら…そうなのですか? 私もマグメールに来てから食べましたけどこんなに美味しいものがあったなんてと感動して…!」
エリミアにつられて地面に落ちたクレープを少し名残惜しそうに見つめ。
仕方ないと思いつつ、よく分からないエリミアの言葉に食いつくようにキラキラと瞳を輝かせて迫り。
■エリミア > 「う、どうせ私は可愛いフォルネと違って持たざるものですよー」
柔らかい感触は籠手越しにも伝わってきて、娘はいじわるのつもりが完全敗北を味わうことになる。
つつかれた胸元を慌てて隠す少女に、娘は大人げない嫉妬を開き直っていく。
「そ、そう、二人とも食べたことないのは一緒なのに、不思議だね。私は甘いものよりフォルネの方がいいけど」
クレープに対する感情も異なる少女に、娘は不思議そうに首を傾げる。
キラキラとした瞳に気圧される娘は、改めて少女を見て、ぽつりと率直な感想が漏れる。
最もそんなことを娘は言い放った自覚もなく、ニコニコと笑ったままだった。
■フォルネ > 「持たざるものなんて…そんな風には思いませんけれど…」
隠されることない嫉妬に戸惑いながらもフォローするように告げる。
自分が言っても意味はあんまりないかな、なんて心の中では呟いているものの表には出さず。
「趣味嗜好は異なりますからそういうことも…ふぇっ!? わ、私がいいだなんて…照れちゃいます」
エリミアから放たれた言葉に一瞬ぽかん、として動きが止まり。
理解に要した時間は僅かに、頬を染めながら満更でもなさそうに、ニコニコと笑うエリミアを見つめて。
■エリミア > 「見た通り、包容力あって優しいんだねフォルネ」
年下に見える少女のフォローに娘はこくこくと頷いていく。
自分の体格はともかく、目の前の少女は落としたクレープよりも「美味しそう」に見えて、機嫌もよくなるのだった。
「そうだよね…え?あ、うん。私は甘いものよりフォルネが欲しいな…?」
ニコニコと笑っていた娘は、自分が口走ったことに少女の反応で気が付く。
取り繕おうとした時に返ってくる意外な反応に、娘は再び指を伸ばす。
その右手の指先は先刻のつつく動きではなく、軽く柔肉に押し込まれる。
左手は相手の掌に触れ、まるで仲睦まじいかのように指を絡めて握ろうとして、意志を確かめようとする。
■フォルネ > 「あは…ありがとうございますね」
機嫌を直して貰えたようで良かったと思い。
その様子に自分も嬉しくなってにこりと微笑んで。
「ん、んん…もう、仕方のないお人です」
伸ばされるエリミアの指を拒むことはできたもののそんなつもりはなく。
向かってくることが分かっていれば驚くことはなく、包み込むようにエリミアの手を受け入れれば、左手をフォルネからも応えとばかりに絡ませて握り。
■エリミア > 「ふふふ、でも仕方がないで済ませてくれて嬉しいよ?」
少女に拒まれることなく掌を握り返されると、娘はにっこりと笑みを深くする。
そうして肩が触れ合う近さまで密着する娘は少女の耳元へと唇を寄せる。
「…フォルネはここでされちゃうのがいい?それとも二人きりがいい?」
少女に囁く娘は、全てを言わずとも意味するところは伝わるように問いかける。
茫洋としていた赤い瞳も、今は食い入るように少女を見つめて、淫蕩な気配を帯びていた。
豊かな胸をつついていた右手は、撫でながらその膨らみを揺すろうとする。
■フォルネ > 「まあ…私も嫌ではないですからね?」
クスリと笑うとそれまでの少女らしさを見せた表情とは違う一人の女としての表情を浮かべて。
「…せっかくだから、二人きりがいいです」
間近で触れ合い、心地よい温もりを感じながら自然と見上げて囁きかえし。
期待するように潤んだ瞳でエリミアの赤い瞳を見つめあって。
自然と揺れる胸に漏れる吐息が段々と熱を帯びてきて…それでも街中でこんなことをしていればちらちらと無粋な視線を感じ。それを伝えながら甘えるように身体を寄せた。
■エリミア > 「わっ、フォルネってば結構積極的なんだね」
甘いもの好きな少女とは違った妖艶さの交ざる表情に、娘は赤い瞳を驚きで見開いていく。
その驚きの表情もすぐにぺろりと唇を舐めて、熱のこもったものに戻される。
「そっか、それじゃあ行こ?二人っきりの場所で、ね…?」
お互い露出も多く、触れあう肩も互いの体温を感じることになる。
吐息がかかるぐらい近い距離で囁きあえば、娘は周囲の視線に泰然と微笑む。
そして甘えかかる少女の手を引いていくだろう。
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