2019/08/08 のログ
■シスター・マルレーン > 「……そ、そういうわけでもないわ? だってチェインなんだし。
プレートだとしたら注文しないと無いでしょうけれど。」
予想外の言葉に、ちょっとだけ胸を腕で押さえて吐息をついて、頬がほんのり赤くなる。
いやいや、普通普通、と首を横に振って意識を散らして。)
「身を守らないといけませんし、人を助けないといけませんからね。
………あ、あそこですか?」
相手の言葉に、ちょっと不安そうに顔を顰める。
確かに、あそこの遺跡も見つけろという指示は出ていた気がする。
良く都合が無いと断っていたのだけれども。
目の前の少女は、好奇心の塊のような顔をしていて。きっと私が断っても、誰かを誘っていくのだろうと感じ取れた。
「………わかりました。
では、お供しましょうか。 上手く行ったらそれでいいですよ。」
相手の言葉に、うん、と頷いて。
希望に満ち溢れた目の前の少女の行く先を、ちゃんと守らないと。
やらなきゃ、と心の中で何かが叫ぶ。それに殉ずるように、彼女は同行を決める。
■ベルモット > 冒険に必要になりそうなもの。それらにかかりそうな費用。
二人分ならばどれほど必要で、逆に何が不要になるかを並列思考で計算してはメモ帳に記していく。
「チェインってそういうものなの?鎧とか着た事無いから判らないのよね。生憎と胸も無いし」
途中、シスターさんの所作を真似するように己の胸を抑えてみると薄いのが良く判る。
かといって嘆く訳でも羨む訳でも無い。あたしはあたしで、シスターさんはシスターさんなんだもの。
むしろ、重そうでちょっと大変だなあって、見つめる視線がちょっと慮るようなものですらあったかも。
「……あたしもそうよ。人を助けて皆を幸せにするの。そうすればあたしの名前は他でもない誰かとして皆に知られる筈!
賢者の石が本当に見つかるならまたとない近道になるし、他の物でも有益な代物なら文句も無い。
貴方が一緒に来てくれるなら頼もしいし、きっと素敵な冒険になるわ!」
視線の先は陰りを帯びた表情で、九頭龍山脈行きを迷っているように思えた。
だからあたしは、陰りある所に光ありと言わんばかりに明るい声で目標を語り、誘う。
「やったあ!こういうのも縁よね。大丈夫大丈夫、ちょっとした魔物くらいならあ"ーっ!?」
結果、シスターさんが快諾してくれたなら歓声があがって、思わず彼女の手を握りしめて、
拍子にグラスが倒れて残っていたお茶が零れてしまって豪快にスカートが濡れた。
給仕の男性が何事かと直ぐに来てくれて、窮状を察して拭布を持ってきてくれた。
「と、所で……なんだって遺跡の入口を探せーなんて言われていたの?」
ちべたい。
そんな4文字で顔色を一杯にしながらに話題の切り替えを図る。
メモ帳が濡れなかっただけマシだと思うしかなかった。
■シスター・マルレーン > 「そういうものよ。それに、身体ピッタリにしなくてもいいからね。
割と軽くて快適よ。……質のいい物にしてるからだけど。」
視線が突き刺さってる感じはあるけれど、気にしない気にしない。氷をさくさくと食べながら視線をふわふわーっと通りに向けて。
でも、相手の言葉に視線を戻す。
「なるほど。……立派な目標ですね。ベルモット。
将来の偉人であれば、身体は大事にしなければいけませんよ。
………まあ、運が良いといえばそうでしょうね。
だって、私と行けるんですから。」
と、明るい声で目標を語る少女に対して、不安を感じさせないよう、自身に満ち溢れた声を出しておく。
こうなったら全力でやるだけだ。ええい、と腹を決めれば意思は固い。
「………って、ちょっとちょっと!」
豪快にお茶をこぼす少女に、こらこら、と少し叱るように声をもらしながら、給仕が持ってきた布巾でスカートを拭いてあげる。
拭いてあげながらの言葉に、はて、と首を傾げて。
「……ああ、教会の依頼です。 教会は、理想だけ語って力が無いとよく言われますから。
ですから、私のような人が何かしら利益になる発見をしていって、実際に人を助ける力があるなと、そう思ってもらうのが目的ですね。」
■ベルモット > 「ふっふっふ、そうでしょうそうでしょう。将来、色んな人があたしの事をタイクーン・ベルと呼んでくれる日が来る。
その日の為にも神秘だとか古代の遺産であるとか、ぜーんぶこの手に修めてみせないと」
家付き娘として婿を取るだけの人生なんかじゃない、あたしの人生目標。
不敵に笑ってみせるけれど、態度は不適で具体的には濡れたスカートを拭いて貰っているのだから締まらない。
「……自分で拭けるってば。まあ、その……ありがと」
唇を尖らせて御礼を言う間にシスターさんから語られる遺跡探索の理由。
随分と直接的な信仰心集めに、思わず呆気に囚われたように尖った口が開くのも、無理からぬ事だと思いたい。
「教会も色々大変なのねえ……炊き出しとか色々やってるし、それだけでも十分に思うんだけど。
少なくとも今、あたしは助けられもしたけどさ」
濡れ痕のついた黒いスカートを見て一声唸り、単純で、それだからこそ大変そうな教会事情に言葉が悩んだ。
「あ、そうだ。それなら序にもっと助けて貰っちゃおうっと。
この後お買い物に付き合ってくださらない?旅の準備、色々考えたけど一人よりは二人で考えた方が良さそうだもの!」
結局は御都合主義的に教会事情に乗っかって、旅の準備に付き合わせてしまおうともするあたしがいるのだけど。
メモ帳とソロバンは手早く鞄にしまい込み、さも名案と言わんばかりに言葉が弾んだわ。
■シスター・マルレーン > 「………あら、ごめんなさいね。
どうしても子供の相手も多くなっちゃって、やーね、仲間を子ども扱いなんて失礼な。
ごめんなさいね。」
ぺろ、っと舌を出して謝りながら、よいしょ、っと椅子に腰掛け直し。
「ええ、大変なんですよ。 ………教会もいろいろありますし、全部同じ組織というわけでもありませんからね。」
目を細めて微笑みながら、表情が少し暗くなる。
シスターというだけで身を捧げざるを得ない女性も、この国には数多いる。
それと同じ組織に身を置いているという事実は、思い出すだけで苦しいもの。
「………ふふ、そうですね。
じゃあ、行きましょうか。 冒険に関してはばっちり先輩ですから、何でも聞いてください。」
どーん、と胸を叩いて自信満々の顔をしましょう、
腕も身体も重かったはずなのに、それもすっかり忘れてしまって。
目の前の少女の進む道が危うくなりませんよう。
それだけを祈り、親身になって冒険のいろはを口にするでしょう。
ちょっと口うるさい? まあ、年上の言うことは聞くものです!
ご案内:「 茶房「ゴブリンダンス」」からベルモットさんが去りました。
ご案内:「 茶房「ゴブリンダンス」」からシスター・マルレーンさんが去りました。