2019/07/31 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地」にルリルさんが現れました。
■ルリル > 「うだるのう…」
路地にポツンと置かれたベンチ。灯りと言えば向かいの家の窓から漏れる燈火のみで、まだ夜空を見た方が輝いて見えるとう程だ。
既に零時は回っているというのに少女はベンチに浅く腰掛けるとだらしなくニーハイに包まれた肢体を通りへと投げ出し、手でパタパタと顔を仰ぎながら空を気だるげに見詰めている。
■カイン > 「……お?こりゃまた、妙な光景だな」
自分が今まで歩いてきた道中にも、ベンチはあったがそこに誰かが座っているなどということは当然なく空のままだった。
それだけに気に留めず通り過ぎかけたものの、この町ではあまり見かけない風体の少女が目に止まりはたと足を止める。
驚いた様子で目を瞬かせながら、興味を惹かれたのか少女によって声をかける。
「よう、嬢ちゃん。こんな時間にこんな所でとは、家出か迷子か何かかい?」
最も、この街の人間が風体だけで判断が使いのは百も承知。
それもあってか何とも軽い調子の冗談交じりの声である。
■ルリル > コツリ、コツリ。石畳を靴が叩く音に興味も無さげに空を仰ぎ見ていた少女。男が足を止めれば胡乱げな視線をちらりと向け
「くは…」
小さな少女とも思えぬ笑みを少し零し
「家出とも言えるし迷子とも言える。だが、特に決まった家があるわけでも無い妾は、果たして家出少女か迷子なのかの?」
小さな体躯と違ってそこそこにガタイの良い男。本の少しだけ口端を引き上げ揶揄う様な口調で返す。
■カイン > つまらなさそうな表情が、得も言えぬ笑みを浮かべるのを見て男も軽く肩をすくめる事で応じ。
「そいつはお前さん、根無し草ってんだよ。
風来坊って言い換えてもいいけど、さて女の子相手だとどんな言い方が良いのかね。
まさか無頼漢なんて呼ばれたくはないだろう?
それじゃ、暇つぶしの真っ最中ってところかね」
こちらもシレッと宿無しに対する呼称を幾つか投げ返し、
少女の物言いに顎に手を当てながら目を細める。
やはり見た目通りというわけでも無さそうだと感じながらに、
相手の現状について問いながら軽く肩を揺らし。
■ルリル > 「風来坊、無頼漢……成程、成程。そうよなぁ、それで言えば根無し草が一番適当であろうが、当たっているとも言えなくもない、位じゃな」
男の聞きようによっては失礼にも当たる発言に少女はからりと笑えば鷹揚に言葉を返す。元より当てさせる意思など無いかのょうにスルリと躱せばヒラリ手を振り。
「暇つぶし、そうじゃな。単なる暇つぶしとまぁ、軽い食事目当てか。汝(なれ)こそこの時分にこのような場所で何を?」
ちょいちょい、と手招きしてど真ん中に居座っていたベンチから少し居住まいを正し、男が座れるであろう分を空けるとゆるりと小首を傾げて問うてみる。その様は小動物のようでもあるが。
■カイン > 「なるほど、つまり何処かに帰属してるわけじゃないが目的がないわけでもない、かね?
それはそれで興味深い話だが」
少女の物言いに笑ってこちらも応じながらも、
招きに応じて椅子に座り込むと頬杖を付きながら少女の様子を横から眺め。
「何と言われればそりゃあ、迷子だよ。
行き先はわかるし、道を戻れば知った道に行けるんだがね。
偶にはわざと遠回りしてみるのも新鮮な気持ちになれるもんさ。
なんせ今日は帰って寝るくらいしかやることがないんでね」
酒を飲みに繰り出すも、女を抱きに行くもどちらも気が乗らないとなればそれくらいしか娯楽がない。
迷子などと臆面もなく言い放って見せながら笑い飛ばし。
■ルリル > 「まぁ、大まかに言えばそうじゃな。だが、最終的には帰属する事が望みでもあるわけだが、其れが正しい事なのかどうか測りかねているもいる。謂わば、人生の迷子な訳じゃ」
男の言葉にこくりと小さく頷くと少しだけ神妙に返す。
が、直ぐにまた相貌は緩く崩れ笑い飛ばすようにして。
「くは、くはは。そうか、汝は迷子か。しかし、行先が分かるのならばそう困った状況でも無いようじゃの。汝であればこの辺りに偶に出る暴漢なども手は出せぬじゃろうし。どうじゃ?少しは新鮮な気持ちになれたか?」
臆面無く言われた言葉に少女は少し瞬くと途端に可笑しそうにころころと笑い出す。淑女のようにではなく快活にだけれども。
男の方へと視線を流し、ツイ、と男の外套へと指先だけで触れようとしながら問う声色は少しだけ見た目にそぐわぬ色を帯びて居て。
■カイン > 「そいつは大変だ、わざと迷子になってる俺とは深刻さのケタが違う。
ま、俺もいつも帰属先は探してるようなもんだがね。なんせ傭兵だ、
雇い主が居ないと色々と不自由する。
他にも探しもんはあるが、こっちは早々見つかるもんじゃないからな。」
笑い飛ばして見せながら、冗談めかして言いながらも少女の様子にクックと喉を鳴らす。
そのまま、伸ばされた指を下からすくうようにして軽く握ってしまおうと手を伸ばし。
「勿論、こうやって新しい出会いもあったことだしな?
俺はカインという、さっきも言ったが傭兵だ。名前を聞いてもいいかい、お嬢さん?
ついでにこの後の予定も聞かせてくれると嬉しいね」
名を名乗り、問いを掛けながら余計な一言を付け加えてみせる。
女を口説くことに一切ためらう様子がない当たりて慣れたモノなのは判るだろう。
■ルリル > 「傭兵か…成程の。雇い主が帰属先ではあるが決して最終的な終の棲家とはならぬ訳だ。汝もある意味では流転を良しとしている人生なのじゃな。」
喉を鳴らしながら笑い飛ばす様子に此方も軽く冗談めかして笑う。
指を握られてしまえばパチリと目を瞬かせ男の瞳を覗き込めば竜眼がキュっと絞まるか。
「探しもの?…アテはあるのか?」
握られた指を軽く握ったり離したり赤子が玩具を玩ぶ様にして男の手をにぎにぎとしながら訪ねる。
「それは重畳。
カイン…の。妾はルリルよ言う。良しなにな」
自己紹介には緩くではあるが少女らしい緩やかな笑みを浮かべて返す。
「予定…今日はこのまま食事でもしようかと思ってはいたが…
さて、どうしたものかの?」
くつり、くつりと少女は嗤う。色味を帯びたその笑みは何処となく闇夜を思わせるような危うさを持っていて。
■カイン > 「ま、これもこれで慣れたら気楽なものさ。
それに人様より人生が長いらしいんでね、あんまり一ところにとどまるとそれはそれで面倒だ。
人間あまり長く姿形が変わりすぎないってのも考えものでね」
それこそ普通の傭兵であれば、運に恵まれれば仕事を終えるまで使える先など見つかるかも知れないが、
あいにくと男はそういうわけには行かない身の上である。
そもそもそういうタイプの生き方が性に合ってないのは間違いないが。
覗き込んでくる少女の様子を楽しげに眺めて、月の光を反射した金眼が揺れる。
「あるといえばあるが、ないと言えばないな。
数をこなさなきゃ見つからないようなもんだ、地道に積み上げていくしかないだろうな」
ある意味苦行みたいなものかも知れないと笑い飛ばしながら、
相手の指を軽く握り返しながら肩を揺らし。
「ルリル…あまり聞かない響きだな。よろしく頼むよ。
それなら、一緒に食事でもどうだい?
その後一晩付き合ってくれると俺としてはなお良いね」
そう上機嫌に言葉を返しながら肩を揺らす男の方に、
気負う様子はまったくない。すっと目を細めて少女の様子を何処か楽しげに眺めるだけだ。
■ルリル > 「成程、確かに人間は己よりも優れたモノを異端として厭うからのう。
汝がそれで楽しいのであればそれで良いのではないか?」
傭兵家業の事は知識程度にしか分からないが、人間という種と力持つ種の軋轢は理解できる。
ガタイは良いが優男風な男は色々と苦労もあるだろうが笑うのならばそれで良いのだろう。
月の光の様な金の瞳と漆黒の瞳が揺れるように瞬いて。
「…東洋の…禅問答のようなものじゃのう?
求道者であったか?」
笑いながらの言葉に不思議そうに瞬いて。
指を握り返されれば、するりと抜け出し、きゅ、と指を絡めて手を繋ぐ。所謂恋人繋ぎ。
「まぁ、俗称とでも愛称とでも覚えておけ。本名は長ったらしいのでな。
このまま此処に居ても妾としては食事になったのだがな…久し振りに実のある食事も良かろう。
涸れ果てる覚悟があるのならば…試してみるか?」
愉し気な男にゆるりと微笑む。もう片方の指先を男の顎先へと伸ばしながら零される言葉は魔性の囁きで
■カイン > 「優れた、というよりは異質ってのが問題だな。ま、そりゃあそうなるさ。
勿論、そういう生き方を選んでる以上は責任ってやつは背負わなきゃだがな」
クックと喉を鳴らして肩を揺らして言い返す。
少女の明らかに見た目にそぐわぬ言動も、
自分と同質のものだろうと当たりをつけながらも緩やかに肩をゆらし。
「求道者のほうが近いだろうな、俺のやってることはどっちかと言えばそれだ」
中々に遠い道のりだがな、と喉を鳴らすまま言葉を続ける。
だがそれもまた楽しめるのであれば悪いものではない。
絡められた指を男の側からも握り返して、緩やかに笑い。
「なるほどな、そういう事で理解しておこう。
……なるほど?そういう事なら大歓迎だ。
女に枯らされるなら男としては本望ってやつだ。
ちょっと遠回りになるが家まで付き合ってくれるかい?」
にんまり笑って言い返しながら、顎に這う指に自分から触れるように見えを前に乗り出そうとしながら、
反対の手で肩を抱き寄せてしまおうとし。
■ルリル > 「ふん、持たざる者の嫉妬に過ぎんさ。大体において人間の目線が全てでもあるまいに」
返される言葉に少しだけ剣を持つも、言うても詮無き事よなと軽く零して肩を竦める。
人という種の抗えざる業とばかりに
「果てなき事よなぁ…終わりがあるようで無い」
男の言い様に少しだけ嘆息を吐き出す。
己も求道者に近いモノではあるがどちらかと言うと道を示す側であるが故に
「…ほぅ?そういう自信は好ましいな。
死なぬ程度には加減してやろう。
食事と言われれば少しの遠回りなど苦でも無いさ」
男の顔が指に触れる。顎先と唇の端を指先で擽ればほんの少しだけ男から魔力が抜けたような様な虚脱感があるだろうか
己の言う食事の二つの意味を知らせようと。
肩を抱き寄せられるのをスルリと逃げ立ち上がって逆に繋がれた手を少し引こうとして
■カイン > 「それこそ随分な物言いだな。人間の目線が全てじゃないが、
人間の間に混ざって生きるなら必要なことさね。何かモメでもしたかい?」
少女の様子に笑って言い返しながら、軽く肩をすくめる。
男の方は折り合いを付けているようだが、少女はそうではないらしいと喉を鳴らし。
「勿論、死ぬまでにはたどり着きたいがね。
時間をかけりゃ掛けるだけでたどり着けなかった時の悔しさってのは増すもんさ。
……そりゃあ有り難いね」
そう冗談めかして言いながら、相手が身を交わして手を引くのを見ると、笑ってそれに応じるままに立ち上がる。
感じた虚脱感にはなるほど、とは思いながらそれを留める理由にはならない。
少女と連れ立ち夜の街へとゆっくりと歩き始めるのだった。
■ルリル > 「大多数が正義でもあるまいに。
妾が揉めたのでは無いが…妾を巡って世界が揉めた…的な?」
肩を竦める男に少女は言いにくそうに口籠るも結局はふわっとした言い方にしかならず、
結構とんでもない言葉になった。
「その道に辿り着くために道を外れる事もあるしのう…難しいものじゃ。
まぁ、後悔の無い生き方でなければ良い」
この話は終わりとばかりに切り上げ、男の手を引き並び立つ。
そのままに少女と男を手を繋ぎながら、傍目には親子の様に見える二人は手を引きあいながら歩きだす
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地」からカインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地」からルリルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にシスター・マルレーンさんが現れました。
■シスター・マルレーン > ギルドに併設された訓練場の中で、かん、かん、かんっ、と軽快な音が鳴り響く。
天井からつるされた木製の重りが、ぶらん、ぶらんと揺れて、中央の円の中にいる相手を狙い打ってくる。
そこまで大きくない円から外れずに、逸らし、打ち返し、避けて。
四方八方から繰り返される攻撃を捌き切る。 そんな訓練。
その円の中心にいるのは修道服をきっちり着込んだシスター兼冒険者。
金髪の女性、シスター・マルレーン。 通称マリー。
■シスター・マルレーン > 「せい、やっ!」
がんっ、と棍を振り回して周辺の木片を全て弾き飛ばしては、軽快ではないにしろ、小刻みなステップで落ちてくる木片を回避する。
西日が差し込む、まだ夕暮れとは言えぬ中、熱気立ち込める訓練場で身体を動かし、訓練を続け。
聖なる力をエンチャントして破壊力を暴力的に増すことが彼女の武器ではあるが、その攻撃も当たらなければ意味が無い。
彼女の戦闘力は、確かに鍛錬の賜物だった。
■シスター・マルレーン > ……ぜー、……ぜー……っ
がっくりとその場に膝を突く。
ダメージを受けたわけではなく、体力が尽きたから。
西日の差し込む中、修道服なんて着込んで運動を続ければ、当然である。
むしろ、全身が温まり過ぎて暑い。暑いっていうか熱い。
目の前がくらんくらんと揺れて、ちょっと頑張り過ぎた自分を自覚する。
「………あー、これは。」
やり過ぎた。
その場にへたり込んで動けなくなって、ふー、……ふー……っと弱い呼吸を続ける。
■シスター・マルレーン > ………その後、ばったりと倒れて運ばれるシスター。
熱中症には本当に気をつけましょう!
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からシスター・マルレーンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にファイネアさんが現れました。
■ファイネア > PL:入れ違い失礼しました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からファイネアさんが去りました。