2019/07/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からセレーナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からファイネアさんが去りました。
ご案内:「平民地区・街外れ」にルビィ・ガレットさんが現れました。
■ルビィ・ガレット > ――変な時間に目が覚めた。
吸血種と言えど、陽光が禁忌ではない以上、厳格な夜行性とも言えず。
早朝とは言えない時間帯に目が醒めれば、そんな感想だって持つ。
仮住まいから夜歩きを始めて、数十分は経っただろうか。
父親振る彼、無人邸の本来の持ち主――亡霊から、咎められることはなかった。
正確には、「寝ていて、夜中に家を出ようとしている娘の足音に気づかなかった」――というていで。
彼は、気づかない振りをしていた。お互いに打ち合わせみたいなものをちゃんとしたことはないのだが、
壮年と老年の中間あたりの風貌でいつも接してくる相手は、こちらが娘の振りをしているだけで、
概ね、満足のようで。……それもあって、「なぜあなたしか、ここにいないのか」と尋ねることもしていない。
使用人や奥方、ペットなどと違って、彼の執念は凄まじいのだろうか。……だから、彼しか。
あの屋敷には残留していないのだろうか。そんな取り留めのないことを考えながら、
古ぼけた石畳の上を歩いていく。街灯も月明かりも乏しいが、夜目の利く自分には関係ない。
■ルビィ・ガレット > 無目的に歩いていると、分岐路に差し掛かる。
分かれ道は三つ。木製の立て札があって、左はつまり、「平民地区の大通りに繋がっている」と書いてあり。
右は「平民地区内の果樹園に続いている」と示されており。真ん中は「平民地区の――」と、
途中で字が掠れていて、判読不可能。……なんだろう。
人は、知っていることは「知っているから」と、そもそも知ろうとしないが。
「知らない」「わからない」と感じた上で、興味が湧いたことは、知ろうとする。
――彼女も例外ではない。……しかし。
「歩いているうちに、夜が明けそうだな……」
日差しを受けて、消滅することはない。しかし、わかりやすい弱体化は起きる。
好奇心で真ん中の道を進むのなら、自分に有利な状況で進みたいものだが……せめて。
この先に何があるのか、わかれば。進退のどちらを取るか、目安にできるのだが。
つい、周囲を見渡す。時間帯と場所の条件からして、望み薄だが……誰かいないだろうか。
掠れ文字の正解を知っているなら、教えて欲しくて。
■ルビィ・ガレット > 風に周囲の草木が揺れる音がするだけ。
然程期待していなかったから、がっかりはしないものの。短く息を漏らした。
そのまま、踵を返す。――朝になったら、彼に……仮初の父親に聞いてみようと思って。
「人伝に、字が掠れた立て札のことを知ったのだ」と言えば、問題はないだろう。
自分の夜歩きが無かったことになるのだから。
ご案内:「平民地区・街外れ」からルビィ・ガレットさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にセイン=ディバンさんが現れました。
■セイン=ディバン > 「……ふむ」
平民地区、とある酒場で男が掲示板を見ていた。
この酒場は、いわゆる冒険者の宿を兼ねている店であり。
ギルドから回されてきた依頼が掲示板に張り出されている。
男はその依頼を見ていたのだが。一通り目を通すと、肩を竦め、カウンター席へと向かう。
「なんともまぁ、微妙な依頼ばっかだなぁ」
男の言葉に、マスターが苦笑し、黒麦酒を出してくる。
ナイスなタイミングでの酒の提供に、男は頷き、それを呷る。
「別段、今は金には困ってないからなぁ。
もうちっと、ロマンのある依頼がいいなぁ、俺ぁ」
そう口にしながら、店内を見る男。
正に店内は掻き入れ時、という具合ににぎわっており。
男は、そんな騒がしい店内を見ては、退屈そうな表情をする。
「最近は骨のありそうなルーキーも目立ってきてるけど。
いよいよ世代交代かねぇ?」
俺も引退かな、なんて笑う男に。マスターは苦笑を繰り返し、首を横に振り。
男に灰皿を差し出してくれた。目だけで礼を伝え、細巻を咥え始める男。
さて。なにか面白いことはおきないかな、なんて。ちょっと暢気思考モードだ。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシャルロッテさんが現れました。
■シャルロッテ > 今日は、一日二日で終わる様な簡単な仕事を探しに
ちょっと最近噂の冒険者の宿を訪れていた…
「う~ん…ないよね~」
長期に渡る冒険は、それなりに準備や人数が必要というのもあって、
身入りは大きいが、危険である事が多いので、短期の冒険は良く売れる。
ダメ元で来てみたが、案の定と言った所…
シャルロッテは、ふうっと大きな吐息を吐いて、カウンター席に腰を下ろす…
「マスター…エール…一杯…」
深々と黒いフードを被った少女、名はシャルロッテ。黒魔道士である。
全身をローブで覆い、横に魔法の杖を立て掛けている…
とある事件で、大きな依頼を受ける事ができなくなった身。
とりあえずは少しでも稼がないと、とにかくお金が無い様で…
特に淫スライムに取り憑かれて以降、まともな収入などなく、
間も無く資金が尽きようとしていたのであって…
そこで隣に座った男の愚痴を聞く…
「あの…」
と、小さい声で声を掛けるが、気付くだろうか…
■セイン=ディバン > 冒険者ギルドから酒場に回される仕事には、一定の規則、というか。暗黙のルールがある。
その酒場に集まる冒険者のレベル。周辺地域の治安状況。
営業時間、集客力など。いろいろな条件があって酒場ごとに仕事が回されるのだ。
「つまるところ。このお店はいいところ中堅レベルの依頼がメイン。
一攫千金や、夢、ロマンのある仕事より堅実な仕事が多目なのであった」
と、告げる男にマスターは苦笑しっぱなしだったが。
自分への注文の声を聞き、マスターは男の前から姿を消し、すぐにエールを相手へと差し出す。
男は近くに座った相手に気付かず、黒麦酒を堪能していたが。
そんな相手に声をかけられれば。
「あん?」
ちょっと、凄みのある声が出てしまった。
が、すぐに笑顔になり。
「なんか用か? えっと……。
この匂いは、お嬢ちゃん、か」
ローブに隠れた相手の姿を見極めようと、鼻を鳴らし。
相手が女性だと判断した男は、笑顔のまま、酒の入ったグラスを相手に傾けて見せる。
まずは乾杯、という意味らしい。
■シャルロッテ > 男とマスターが話す会話を聞いてると、
この店にはあまり短期と言った仕事は入って来ないらしい…
再び、ふうっ…と肩を落して…明日はギルドの方へと向かおうと思うシャルロッテ。
無事に仕事にありつければ、とりあえずは食いつなげるのではあるが…
最初の男の声に、そこらのゴロツキの様な声に聞こえて、びっくりして、躰を竦ませる…
話しかける相手を間違えたのかな…なんておっかなびっくりに見上げると、
そこらのゴロツキではない雰囲気を醸し出す男…多分出来る人だと思った。
直ぐに声色が変わる男…シャルロッテは安心したのか、肩を落とす…
そして、フードを後ろに回して、顔を出す。普段はローブフードを深々と被り、
人と接する事をどちらかというと避けてきたシャルロッテではあったが…
男の傾けたグラスに自分のグラスを傾け乾杯をする…。
そして、取り敢えず喉の乾きを潤そうとちびっと少しだけエールを飲むと…
「お仕事…無いのでしたら…私…一つだけ…持っていますけども…」
と、男の紅い目を見つめながら、これもまた囁く様な声で話しかけるが…
■セイン=ディバン > 別段、男は周りに聞こえよがしに仕事について語ったわけでもない。
ただ、ここのマスターとは馴染みなので、ついつい嫌味めいた愚痴めいた軽口がもれてしまったのだ。
気心知れてるからこそ。マスターも文句を言わなかったわけで。
「……」
ついつい、横から声をかけられてしまったから凄んでしまったが。
相手が怯えた様子を見せれば、敵ではないのかな、と思い。
すぐに態度を柔和な物にする男。基本、敵以外にはそれなりに優しい。
「お……」
相手が顔を見せてくれれば、男は息を飲んだ。
随分と可愛らしい子じゃないか、なんて気分良くしつつ、乾杯。
相手と違い、一気に酒を空にすれば、相手の言葉に興味を持ち。
「へぇ? 聞かせてほしいね。
だってほら。キミ、さっき張り紙見てたろ?
仕事が欲しいのに、仕事を依頼、だなんて。面白い矛盾だ」
言ってみ言ってみ? なんて気安く笑いつつ。相手に、手近にあった豆を差し出す。
おつまみど~ぞ、というつもりらしい。
■シャルロッテ > 普段はあまり人の話を聞いてないのか、いつもは少し間の抜けた顔もしているシャルロッテ。
しかし、今日は結構真面目に仕事を探しにきて、緊張していたからなのか、
お酒が入り、少し頬を緩めた様子…
「…」
もごもごした様子で、暫くは声を紡げないでいたシャルロッテ。
何か、決したかのように、ぐびっとグラスのエールを半分煽る…
そして、グラスをカウンターの上に置くと、男をしっかりとした目で見つめ…
「う~ん、お金ないから、今日一晩買いませんか…って…
冒険のお仕事がないので…」
そこでやはり恥ずかしいのか、俯いてしまうシャルロッテではあったが。
それではダメだと思い、再び男の目を見るは、少し涙を浮かべて訴える表情の
シャルロッテであっただろうか…
■セイン=ディバン > 相手の様子を観察していた男。
声の出し方や、怯えるような様子から。
内気な子なのかな、とは思っていたのだが。
「……言いづらいならいいけど。
って、おいおい、そんな一気に飲んだら……」
自分から声をかけてきたんだろうに、とも思うが。
あまり無理に話を聞くのもよくないか、と考える男。
しかし、相手が一気にエールを飲むのを見て、止めようとするのだが。
まっすぐ見られてしまえば、逆に軽く上体を引き。
「……ハハハハハハッ! なんだそりゃ!
それ、仕事って言わないって!」
そうして相手が呟いた一言に、大爆笑する男。
腹を抱え、体を曲げて笑うものの。
相手の真剣な、縋るような表情見れば。
「……い~よ。キミのことを買ってあげよう。
そうだなぁ……じゃあ、コレくらいでどうだ?」
ふ、と笑いつつ、空間から袋を取り出し、相手に差し出す男。
相手が中を見れば、大量の金貨が入っているのが分かるだろう。
おおよそ2000ゴルド分。平民が10日は暮らせる枚数だ。
男は相手に金貨を渡すと、マスターに、二階の部屋の鍵を貰い、立ち上がる。
「さ、行こうか?」
もしも相手がその値段に納得したのなら。
男は、さっさと二階へと向かうことだろう。
■シャルロッテ > 正直、ドキドキものである。男の人と冒険以外で話すこと等殆どない。
その上、こんな仕事の依頼…確かに仕事と言えるものではないかもしれないが、
シャルロッテにしてみれば、十分お仕事と言えるだろう…
男の制止する声を聞き流し、一気に煽るシャルロッテ…そうでもしないと言えないのだろう
そして、その内容に大爆笑する男…シャルロッテはキョトンとした顔で見つめる…
「そんな…大笑いされなく…ても…」
シャルロッテは思わず困惑してしまう…
今、自分はとても変な事を言ってしまったのかもしれない…
完全にキョドってしまっているシャルロッテ…
しかし、男の次の声は、シャルロッテには良かった声ではあったが…
半分からかい調子の男の声とあっては、少し悲しくもあったか…
渡された袋を受け取り、金貨を確認するシャルロッテ…
「え…こんなに?あ、はい…わかりました…」
と、少し戸惑うも、この男はこの金額で買ってくれるというのだから、悪い気はしない…
慌てて、杖を握り、男の後ろをついて二階に上がっていくだろう…
■セイン=ディバン > 男にしてみれば、随分年下の女の子と話すのは楽しい。
からかってもいいし、素直に話を聞いてもいい。
なによりも、若い子はいいよね! という思いが強い。
そんな風に楽しんでいると、相手が無茶な飲み方をして。
そして、とんでもないことを言ってきて。
「いや、笑われるようなこと言ってるぞお嬢ちゃん」
くくくくくっ、と笑いつつも、相手の頭を撫でる男。
相手の素っ頓狂な提案が気に入ったので、上機嫌が二割増しだ。
「相場よりは随分と高いだろうがな。
金に困ってんだろ?」
相手の戸惑いを無視しつつ、二階へと向かう男。
さてさて。この男に声をかけたのは良しか悪しか。
それは、この少女のみが知ることになるだろう……。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシャルロッテさんが去りました。