2019/07/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にミゲルさんが現れました。
■ミゲル > 日の高い時間帯の冒険者ギルドの依頼版の前。
人でごった返す中、依頼を探すが中々にいいものが見つからない。
何時も受けている薬草の採取や道具の調達は今日はもう出た後か見当たらず…。
「……困ったな……」
討伐などもあるが一人では厳しい物ばかりで数人前提というものばかり。
普段からソロの仕事をメインでやっているせいで直ぐに人数を集めるのも難しい。
それなりに知り合いもいはするが今はその姿もなくて肩を落とし、新たに仕事が張り出されるのを掲示板脇によって待つ事にして。
■ミゲル > そうして新しい仕事は張り出されたのを眺め、そのうちの一つを手に取り。
これなら問題なく受けれると読めば早速とカウンターへ向かう。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からミゲルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者のたまり場」にクルトさんが現れました。
■クルト > 夕暮れ時、その日の稼ぎを酒で散在するもの、仕事の成功を大声で自慢するもの、雑多な熱気と雑音で満ちた食堂の一画でぼんやりと、しかし親しいものが見ればご機嫌に皿を重ねていく少年が一人。
「ん、あとこのシェフの気まぐれとシェフの気休めとシェフの気の迷いを一つずつ」
今日の仕事はなかなか楽しめた。
依頼はただの魔物の討伐、しかし正体が不明で脅威度も高く調査から入る必要があったため報酬が高額であった。
おまけにいざ見つけてみれば森で死んだ戦士の死霊が複数体集まったと見られる異形のアンデッド、文字通り三面六臂の身体から繰り出される剣閃をかいくぐり首を刎ね飛ばすまでのやり取りは久々に身体の芯から熱くなるものだった。
ゆえにその気持ちの高揚のままに珍しくジョッキで酒を頼み、肉を喰らい、そしてメニューの隅っこに書かれたチャレンジメニューに挑戦するのだった。
ウェイトレスの少女は一瞬マジかこいつ…という目をしたが構う事はない。
■クルト > そうして秒でやってくる小皿に盛り付けたナッツの盛り合わせ。
なるほど気休めである。
手間はかからないし一気に食べるものでもないので注文が来るまでの時間も稼げる。
この客目線ではなく完全にシェフ目線の気休めなのがたまらない。
「独立独歩の気風を感じる……」
酒精でほんのりと頬の染まったぽやんとした表情で力強く頷くとナッツを一つ齧りジョッキをぐいっと。
■クルト > そうして気休めを食べ終え一息、ジョッキのほうももう一杯追加注文をして次が来るのを待つ。
次は気まぐれか、気の迷いか、手が読めないというのは緊張感がありつつもわくわくする。
気まぐれとあるからには定番メニューには無いものなのだろう。
……と、そのとき店内にザワ……とした空気が広がる。
「おおう……」
何事、と目をそちらに向ければウェイトレスの少女が手押し台車に料理を載せて持ってくるところだった。
クッソ嫌そうな顔をしながら運んできたそれは魚と呼ぶにはあまりにも大きすぎる巨大魚……のカブト焼き。
皿の上に首だけがドン!とある豪快すぎる海の男の料理だ。
そういえば最近海鮮系のメニューが多かったがまさかの一頭…一尾?買いとは。
きまぐれで作ってみたくなったのだろう。
うつろな目でこちらを見てくるお魚さんの視線を意にも介さず頬肉を箸でむしり一口。
「海の味がする……」
炭火でしかっりと焼き上げたカマは身が引き締まり香ばしく、水分をぎゅっと閉じ込めているため噛み締めればじゅわりと豊かな味が染み出してくる。
なるほどこれは美味である。
■クルト > もくもくと食べ進め、目玉も美味しくいただきほふうと熱い吐息をこぼす。
美味さもさる事ながらレアメニューを食べれたという満足感もあり充実した食事の時間だった。
いや、まだ最後の刺客が待ち構えている。
果たして何が来るのか……といったところで先ほどよりも大きなざわめきが潮騒のように広がっていき……。
「なるほど気の迷いだ……」
やってきたのはこのグラスどこで買ったの?という金魚鉢のようなサイズの器に盛り付けられたパッフェであった。
生クリームにアイスがたっぷり、メロンが一切れドカンと突き刺さりバナナも一本丸ごと、ケーキも1ピースが乗っかっており、さらにはバチバチと花火が音を立てていた。
俺昔はパティシエになりたかったんだ、とおやっさんが語っていた事を思い出すが血迷いすぎではないだろうか。
人前で男がパフェを食えるか、などと言うつもりはないがこのボリュームは一人で食えるか!というサイズである。
周囲に助けを求める視線をめぐらせるがさぁっと潮が引くように視線がそれていく。
「結局…人は最後は一人か……」
スプーンを握りしめ、果敢に「山」に挑む。
■クルト > 長い戦いを制した彼はそのままふらつく足取りで宿に帰ったそうな。
しかし苦しげながらも満足そうな表情は確かにシェフの腕前を示すものだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者のたまり場」からクルトさんが去りました。