2019/06/15 のログ
イグナス > 「こいつぁ、……まいった。」

はあ、と肩を落とす。やってしまった。
じりじりと照り付ける太陽、昼食時、サンドイッチなんぞを売ってる屋台の前。
既に売ってもらってパンに齧りついた後なんだけど、…しまったこれ、財布がない。
おおう、って嫌な汗がだらりと流れ出して、視線を不自然にきょろきょろと回す。
…そろそろ店主が不審な目で見てくる、どうしたものかこれ。

「あー……ん、んん…。いや、待って、その。」

既にサンドイッチの一部は口の中。
非常にマズイ、だらり、と嫌な汗が流れた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリーゼさんが現れました。
リーゼ > 昼下がりの大通り。
多くの旅人や商人、冒険者が行き交う通りの一角に屋台が並んでいた。
そのどれもが美味しそうな、食欲をそそる香りを漂わせ。
威勢の好い店主の呼び声が飛び交っている。
そんな中で、ひとつだけぽつんと大男が立ち尽くす店があれば、それは奇妙なほどに浮いて見えるわけで。

「―――? あぁ、やっぱり迷子のお兄さんだ。何してるの?」

トコトコと近づいて、見上げてみると、そこにはいつぞや出会った相手の顔。
手にしたサンドイッチは美味しそうに見えるものの、口に合わなかったのか。
それとも他に理由があるのだろうかと見上げた首を傾げて見せる。

イグナス > 「おう?」

聞こえてきた声に顔を上げる。
見知った顔、——あまりよく知った仲ってわけじゃあないが、覚えてる。
ああ、道案内してくれたコ。
そうそうによく知った仲ではない…のだけれど、それでも今はこう、救世主に見えた。

「おー、あンときの。んむ、いや、あれだ。
 ………さいふおとした。」

片手のサンドイッチをぐいと持ち上げながらアピール。
つまりはそういう、非常に困っているのだと。
財布落としたって言葉に背後で、屋台の店主がギロリとこちらに目をむく気配。
おお、まずい。

リーゼ > 相手もどうやらこちらのことを覚えていてくれたらしい。
やっほー、と軽い感じで、手を挙げてご挨拶したのだけれど。
まさか無銭飲食で御用になる数歩手前だとは思いも寄らないわけで。

「あー……それは、なんて言うか災難だね。
 それで、衛兵に突き出せば良いのかな?」

どうする? とばかりに、目つきの怪しくなった店主の方に向き直る。
並んだ商品のラインナップを眺めてから、鳥の照り焼きと野菜たっぷりのサンドイッチを注文し。

「はい、それじゃあ二人分ね。
 邪魔しちゃってごめんね、その代わり、美味しかったらちゃんと宣伝して上げるから。」

店主に二人分の代金を支払うと、ひらひらと手を振って。
いつまでもお店の前を占拠していれば商売の邪魔だとばかりに大男を引っ張って近くのベンチにでも向かおうとして。

イグナス > おーう、とこっちも軽めに手を上げるんだけども、内心はそれどころでもない。
いやいやそうじゃなくて助けてくれって言いたいのだけども。
そういう心情を見透かすみたいな言葉に、おおうと軽く体をのけぞらせて。

「意地がわるいぞ、…あー……リーゼ。
 その、なんだ、なんとか助けてくれるとありがたいなー…と!」

少しだけ忘却しかけてた名前を思い出しつつの懇願。
だらりと冷や汗がまた一筋、店主の方は怖くて向けませんでした。
…それでもなんとかだ、なんとか助かる方向の様子。
ほうと一息、おおきな身体がぐいぐいと引っ張られて。

「……ンむ。いや、…助かった。
 いっときはどうなることかと。食い逃げをまたやらかすハメになるかと。」

どっかりとベンチの大きなスペースを占有しつつ。
もぐ、もぐとサンドイッチの残りを口に押し込んでく。
なんとか助かった安堵、とはいえ財布がないことに変わりはないんだけども。

リーゼ > 店主の方は、お金さえ払ってもらえれば、納得したらしく。
『うちのは美味いから、しっかり宣伝してくれよ』と、軽く流して次の客の相手に戻っていた。
図体ばかりがでかい大男をベンチまで引っ張っていけば、ため息をひとつ漏らして。

「奢ってあげたわけじゃないんだから、ちゃんと返してね?
 っていうか、何度も食い逃げしてるようなら、ほんとに突き出した方が良かったかも。」

先ほどまでの困り顔もどこへやら。
サンドイッチを頬張る様子に呆れ顔を浮かべて、自分もベンチに腰掛けると具だくさんのサンドイッチに齧り付く。

「ん。なかなかイケるね。ほんとに宣伝しておいていいレベルかも。」

イグナス > 「いっつもってェワケじゃあない、たまたまだ、たまたま。
 …おう、借りンなったな。なんとか返さねえとだ。」

本当、さっきまでの困り顔はどこへやら、からりと笑顔になって言葉。
さっきの店主の方は見ないといて、もぐ、と最後の最後までサンドイッチに齧りついて。
…ほう、と一息。

「おれァ暫く、あの店にゃ近づけンけどな。
 ――そういやあ、お前もあれか、昼食時って、とこだったか。」

その最中に助けてくれたんだろうか。
くしゃりとサンドイッチの入れものだった紙を丸めて、ちょっと離れたゴミ箱へ。
ぽい、すぽん、案外キレイに入った。

リーゼ > もぐもぐとサンドイッチを頬張る姿は、リスにも似た何かかもしれない。
まぁ美味しいのだから仕方がない。
食べている間は、相手のことは放置気味だけれど、そこは我慢してもらうより仕方がない。

「ん。そう言う人ほど、常習犯だったりするからね。
 まぁ、期待しないで待ってる。財布見つかったら、3倍返しで。」

食べる合間にそんな言葉を挟むけれど。
いくら治安がマシな王都とは言え、落とした財布の中身が無事に見つかるなんてことは、まず有り得はしないだろう。
そんなことは百も承知のうえでの冗談で。

「この時間だからね。ギルドに行って、何か目ぼしい依頼でもないか探しに出てきたところだよ。
 そっちは、またグルメツアー?」

アーチを描いてゴミ箱に吸い込まれる包み紙を目で追いながら、はむっと食事を再開する。
のんびり美味しいものを食べられれば幸せだけれど、働かざる者食うべからずとはよく言ったもので。
無一文の大男こそ、まずは飯の種を探すべきじゃないかとは思うけれど。

イグナス > 「言ってろ。…いやァ、財布ねェ。見つかるたぁ思えンなあ。」

見つかれば三倍返しだろうがワケないんだけど。
さすがに見つかるまい。そうそう大事にしてたわけでもないが、現金の喪失である。
やれやれと視線をさっきの店の方角へ。…全くどこで、落としたのだか。

「なるほど。…おれは、まあ、うーん。めし。食ってだらだらってェつもりだったンだがなあ。
 ……しごと。探さにゃならんくなった。お前の方は、いい仕事はあったか。」

しかも即日に見入りのいいやつじゃあないとならない。
あるいは何かを現金化しても良いが、どちらにしても面倒くさいといった具合に肩を落とす。
基本、気が向いたときにしか依頼は受けないのだ。

リーゼ > 運が良くて、財布の外身だけが戻ってくるのが関の山だろう。
気落ちする相手を慰めるわけでもなく、美味しそうにサンドイッチを平らげると、一息ついて。

「んー…、残念ながらいつもの下水掃除とか、薬草採取とか、そんな感じかな。
 一攫千金とか、そんな都合のいいヤツはなかったよ。
 あー……貴族の護衛とかはあったかなぁ…?」

最後の仕事に関しては、面倒くさいからやらないけど、と付け加え。
実入りが良いと言えば、討伐依頼がメジャーな所だろう。
一攫千金を狙うなら、古代遺跡に潜るとかもありだろうけれど、数日がかりのその準備には逆にお金がかかるわけで。

「美味しかった! 思わぬ当たりだったね。
 あれじゃない? グルメレポートでも書いて旅人に売れば、儲かるんじゃない?」

美味しい情報には詳しそうだし、と働く気がなさそうな相手に、更に面倒くさそうな仕事を提案してみて。

イグナス > 「…つまんないやつばっかだ。
 ……こう、もうちっと面白いの、ねェか、うん。…いや、わがまま言えねンだけども。」

下水掃除、…駆け出しとか、そういうのを生業にする連中が受けるタイプの依頼だ。
うーん、とうめき声。あんまり悩んでいても、今日の宿もないワケなんだけど。

「ええい、気軽に言うな。ってか更に面倒になってンじゃあねえか。
 …ん、あー………そこらの路地裏でチンピラ相手に巻き上げる…とか?」

果たしてどちらがチンピラなんだって発想。
ついでにいえば食い逃げ以上に衛兵事案である。
普段から仕掛けられたら殴り返しているので、このあたりの感覚は割と脳筋というか。
案外いい考えなのでは…?なんて考えていそうな表情で。

リーゼ > 物臭な大男は、こっちがせっかく出した案を蹴るどころか、更に物騒なことを言い出す始末。
しかも、それが冗談っぽくないのが始末に負えない。
胡乱気な視線を存分に投げかけて。

「衛兵さーん、こっちに犯罪者が居まーす! 捕まえてくださーい!」

超の字のつく棒読みで、衛兵を呼びつける。
もっともこんな人通りの多い場所では、もっと大声を張り上げないと聞こえはしないだろう。
更に言えば、喧嘩でもしていれば別だけれど、こんなまったりしているふたりに構うほど、衛兵も暇ではないわけで。

「はいはい。そのお馬鹿な思考はともかく。
 巻き上げるなら、せめて盗賊退治とかの依頼を請け負ってからにしてね。」

この辺りなら、盗賊ギルドにも入っていないような、はぐれの盗賊なんかも多いはずで。
大物とは程遠いから賞金首ではないけれど、突き出せばそれなりの額にはなるだろう。

「晴れてて良かったね。この分だと、今夜は星がきれいだよ?」

この気候ならば風邪もひかないだろう。
もとより引きそうにもないから、心配もしていないけれど。
とは言えお金を貸す程度には同情しているわけなので、割の良い仕事があれば手伝うつもりもあり。

イグナス > 「呼ぶなっ!?」

がん、とショック受け気味に突っ込みを一つ。
いや、本気の叫びでないことはわかりはするけど。そんなに悪い案だったかなあって首を傾げたり。
とはいえ相手の言葉はいちいち至極尤もで、んん、と呻き声。

「野宿は慣れてるがメシが要る。んぐ、……よし、しゃあない。
 ―――街外れのほう、枯れたダンジョンを根城にしてる賞金掛かってる山賊連中がいたろう。
 アレ狩ろう。うし、きまった。行くぞ。」

なんて彼女がついてくる前提でいろいろ決め始めた。
街の外に出るのは面倒だけど、賞金ついてる連中なら場所にさえ到達すればさっくりいける。
――問題としてはその連中、かなり強い。なにせ討伐隊が幾らか敗北して帰ってきているくらいだ。
少なくとも二桁人数でパーティを組んで、戦略を策定して当たるのが常道と、そんな相手。

リーゼ > 「えー……犯罪者は突き出すべきー」

間延びした受け応えで、相手からの突っ込みを往なし。
ようやく覚悟が決まったらしく、やる気を出した相手を見上げる。
どうやら、こちらも付いていくことが決定事項らしいけれど、細かいことを言っても無駄だろう。

「はいはい、良いけどね。手伝っても良いかなとは思ってたし。
 でも、その山賊って結構な規模って聞いた気がするけれど、どうするの?」

まさか全員伸して捕まえるとか言うんじゃないよね?と疑惑の視線。
潜入調査なんて柄でもないこの脳筋の大男なら、それくらいは言い出しかねない。

少女とて、駆け出しを卒業したばかりとはいえ冒険者。
魔法を使えば、山賊の数人くらいは一度に相手は出来るけれど、逆に言えばそこまでで。
数には勝てないし、奇襲を掛けても逃げられれば終わり。

首領との一対一のサシの勝負ならまだしも、どうやって山賊一味を捕まえるつもりなのだろうと、
あまり期待はしていないというか、不審げに首を傾げてみせ。

イグナス > 「衛兵はなァ、しつこいしなかなか諦めねェから面倒くせーんだぞぅー。」

なんて、過去にもしっかり追っかけられたことはあるみたい。それを当たり前のごとくだ。
のたまいつつ、やっぱり彼女の当然の疑問に、んむ、と頷いた。
そして自信満々の笑顔で。

「全員伸して捕まえりゃァいいだろう。
 なァに、あの手のやつらはアホだから、二人とみれば油断して逃げもしねェ。」

アホはどちらかと突っ込みを入れられそうだが、それで問題ないとばかりに言い切った。
普通に考えれば正気の沙汰ではないが、きっとたぶん、そういうスタイルで通してきたんだろう。
こともなしと言うように、思考はきっと、彼女の心配とはズレた方向へ。

「まァ、ちょいと逃げられるかもなァ。
 何、逃げ始める前にボスをシメちまえば問題ない、ない。」

そうすりゃあただのチンピラだ、とからりと笑う。
一応賞金については、デッドオアアライブ、生死問わずではあるが。

リーゼ > 「アホはどっちなのよ……」

ぽつりと零した言葉は、相手の耳に届いたかどうか。
何やら自信満々の好い笑顔で言い切った相手に、それ以上は何を言っても無駄だろうと。

「骨は拾ってあげないからね?
 回復魔法とか、そんな便利なものもないからね?」

痛い目を見ても、自己責任。
無駄に自信のありそうな相手に、それだけはしつこいくらいに念を押しておく。
巨人のハーフだとか言ってたから、何か特殊能力とかあるのかもしれない。
一抹どころか、百束くらいの不安は感じるものの、自分ひとりなら逃げることも出来るだろうと。

「じゃあ、あたしは逃げてきた山賊をやっつける係で良い?
 それとも、何か作戦とか、そんなのあったりする?」

ないだろうなぁ、とは分かっている。
分かってはいるけれど、聞かざるを得ない。
せめて行く前に、ロープくらいは買っていこうか……と、色々悟りを開いた様子で。

イグナス > 言葉は届いたかもしれないし、届いてないかもしれない。
少なくとも大男はそれで表情を変えることはなく、作戦「のうきん」に変更はないようだった。

「おう、おう、まかせとけ、任せとけ。
 魔法とかも俺ァ通りにくいからなあ、期待もしてねェよ、だいじょうぶ、だいじょうぶ。」

実に根拠なく笑う。さっきまでサンドイッチ屋の店主にあたふたしてたのはどこの誰だといった具合。
ぱたぱたと片手を振りながら、ああ、それでいいと首肯を。

「逃げてくるヤツをやってくれんなら、そりゃありがたい
 ――作戦は、…んー、あー。俺が倒してくっから、逃げてきた山賊をやっつけてくれ。」

作戦というか、さっきまでのやりとりをまんま復唱しただけになった。
決まった、ならば善は急げというくらい。
今から急げば日没までには終わるだろう、なんてやっぱり根拠レスな予測を立てつつ。

「何、成功すりゃ分け前と…さっきの礼代わりのメシやらんやらくらいは奢るからよう。
 それじゃあ、行くかァ――。」

まるでピクニックに行くみたいに誘って、足を向けた。
ひとまずは装備の簡単な準備と、…そのあとは討伐へ、だ。
さて、実際のところはどうなったやら――。

リーゼ > 一応は念のためにと思って訊いてみた作戦内容は、予想通りのモノ。
山賊も、こんなのどかな昼下がりに襲ってくる輩がいるとは思いもしないだろう。
そういう意味では、良い奇襲になるのかもしれない。

「もちろん、こっちが働いた分はちゃんともらうけども……
 ほんとに怪我だけはなしないようにしてよね?」

余りにも軽いノリに心配しかないけれど、それでも行くというなら付き合うわけで。
一度宿屋に戻って、最低限の装備を確認すると、前代未聞の日帰り討伐ツアーに出発するのだった。

上手くいけば、その日の夜は宴会になっただろうけれど。
そのことを知るのは、ふたりと行き着けの酒場のマスターくらいもので―――

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリーゼさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──~♪」

雨がしとしとと降り注ぎ、普段に輪をかけて人気のない住宅街の路地を、
ピーヒョロロと下手くそな口笛を奏でながら、一部に赤いラインが入っている意外はほぼ全てが銀色の番傘という
奇妙な物体を担いでのんびり歩く、金髪の男が一人。
傘を携えている代わり、普段羽織っている銀色のジャケットは今はその姿は見えず。

昼食を終えた後、暇つぶしを求めてブラブラと大通り、路地裏と歩いてきたが、特に何か特筆するものと遭遇するでもなく、
気がつけばこの場所まで辿り着いていた。

先の二箇所に比べると、余計に事件性の少なさそうなロケーションではあるが──

「……まああ人生ドコでナニが起こるか判らんもんだからな」

なんて小さく笑って独りごち、軽く肩をすくめて。
適当に視線を彷徨わせて住宅街の景色を眺めつつ、ぱしゃ、ぱしゃとマイペースに歩を進め続ける。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミユさんが現れました。
ミユ > 雨がしとしと降る中、これから平民地区にある酒場の開店作業のために平民地区を訪れる…
いつもはもう少し遅い時間から屋敷を出ても構わなかったのだが、雨の中では辿り付くのに
時間がかかる…

いつもは颯爽と走り抜ける裏路地ではあるが、雨には敵わない…ペタペタと足を進める…
ヒマそうに赤い傘をクルクル回すミユ…人気がなさすぎなので前なんて見てなかった…
空を見上げるミユ…

「ふうっ…」

とため息を一つ。

…と…前から一人の影が…
雨の中だからよくみえないが、シルエットとその雰囲気にだれかは直ぐに解った…

えーと…
「エレイ様じゃないですかー? お久しぶりですー♪」

ミユは傘を片手に足を早めて…男の元に駆け寄る…

エレイ > 「──んん?」

雨音をBGMにボーッと歩いていると、いつしか目前に赤い傘を差した人影が現れて軽く眉を持ち上げ。
傘の下から覗く顔が、見知ったものだと気づけばふっと目を細め。

「おうミユちゃんではないか。確かにちょっと僅かに久々だなという顔になる。
お元気ですかねぇ?」

ハッハッハと笑いながら、小走りに駆け寄ってくる彼女にシュビっと片手を上げて返答をよこし。
問いかけつつメイド服を纏ったその姿を、ジロジロと無遠慮に眺め回して。

ミユ > ミユはエレイ様の元に辿り着く…
お久しぶりです~と握手を求める手をだすミユ…

「相変わらず、元気ですよ~?
 エレイ様もお元気なご様子で何よりです~
 それにしても、珍しく王国で雨ですねぇ…エレイ様は今日は何か御用でも?」

と矢継ぎ早に話しを進めるミユ。
エレイの無遠慮に見つめる視線を感じると、少し躰を竦めて、恥ずかしそうに俯いて…

エレイ > 「俺様はいつでも元気だから当然ですとも!
──ン、用とかはないな暇だからブラブラと散歩してるだけ。
そういうミユちゃんはなんか用事とかあるのかね?」

御用か、と問われればふむむと唸りながらそんな答え。
それから彼女にも問を返してみて。

「……フフ、前にメイドさんとは言っていたがホントにメイドさんだったんだなと言う顔になる。
しかもなかなかいい趣味のメイド服じゃないの」

こちらの視線に恥ずかしげにする彼女を見ればニヒ、と笑ってそんなことをのたまい。
側まで近寄ると、丈の短いスカートから伸びる太ももにペタペタと手を触れさせようとして。

ミユ > 「ミユはこれから居酒屋の開店準備です…お暇でしたら、良かったら…一緒に来ますか…? 
もうすぐ其処なので…♪」

と、お店に誘ってみるミユ・・・

確かにメイド服で下着なしの上にスカート丈が短いという破廉恥な姿。
でもこれがご主人様のご命令なのですから、仕方ない…男の欲情を誘わない訳が無い…
さらに少女趣味となれば、拍車が掛かるだろう…

鼻の下を伸ばして…太ももに手を滑らせようとするエレイ様の手をペチッと叩いて…

「ここでは…まだ…早いですよ?」

とにっこり微笑んで。

エレイ > 「居酒屋ねぇ? なんか意外な組み合わせだと驚き顔になるが……
まああ誘われたなら行かないわけにはいかないだろうな」

彼女の口から飛び出した台詞に驚いたように眉を持ち上げ。
しかし誘われれば笑みを深め、大きく頷いた。

戯れに軽くタッチしようとした手を叩かれるとイテッ、とワザとらしく痛がってみせながら、
その手をひらひらさせつつ微笑む彼女にちぇー、とか唇3の字に尖らせたりして。

「そうだなじゃあとりあえず、その店まで案内してくれたまへ」

そう言って、彼女の肩をぽん、と軽く叩いて笑顔で促し。

ミユ > 「ん~、雇われ店主なのです…昼間はちゃんとメイドしてるのですけどね~♪」

払われた手を大げさに痛がる仕草に、クスッと笑って答えるミユ。

ではでは~と…店の方向へ歩き始めるミユ…
裏路地から出て繁華街の片隅に出ると、「名も無き居酒屋」と書かれた小さなお店の前に辿り着く。

エレイ > 「雇われねぇ……──ほう、ここが……なんというかストレートな店名ですなぁ」

彼女についてゆけばやがてたどり着いた小規模な店。
掲げられた看板の文字に眉下げて笑いつつ、傘を閉じて水気を払い。

「じゃ、失礼してお邪魔させてもらうぜよ」

と、彼女と共にのんびりと店の中へと──。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミユさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシャリオンさんが現れました。
シャリオン > もう陽も落ちてしまって周囲は夜の街灯が灯り出した頃
夕方から降り出した雨、空気は冷たく肌寒さを感じるくらいの気温

店じまいをした店先で雨宿りをしながら、まっくらな空を見上げて、
しとしとと、静かな雨が降り続いてた。

シャリオン > じーっと見つめてても雨はやむ気配もない

仕方ないと、諦めると店先から早足で出ていく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシャリオンさんが去りました。