2019/06/08 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にルーシエさんが現れました。
ルーシエ > 「ふぁぁ……疲れた……
 もうこんな時間になってしまったな。」
今日も依頼をこなし、宿へ帰る錬金術師の少女。
夜もすっかり更け、人気のない酒場で一杯酒を呷る。

ルーシエ > 「明日納品する薬は、と……。」
寝る前に、次の仕事の確認を軽く済ませる。
調合の材料もそろっているし、週末は余裕を持って過ごせそうだ。

この街での暮らしも慣れてきた。
なんなら、この街に工房を構えてしまうのも悪くないかな、と思い始めているくらいだ。

「むぅ……最近ちょっと忙しかったな……。
 ……ちょっと気晴らしでもしたいところだね……。」
暮らしには慣れてきたが、最近少し刺激が不足している事にも気づく。
ちょっと休暇でも取って、何処かでゆっくりしてくるのも悪くない……。

ルーシエ > 「静かな海にでも行って、のんびりしてくるのもいいね……。」
酒を飲みながら、休暇の妄想を楽しむ。

「もしかしたら一夏のロマンス的なモノがあったり……
 ……なんてね、ふふ。」
「……それとも、いっそ開き直っていろんな人と、とか……」
なんだか妄想が怪しい方向へ進んでいき、
顔が変ににやけてくるのであった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にフィズルさんが現れました。
フィズル > 「っ、あー…負けた負けた…。俺より運がいいやつがイカサマも使わねえとは…
次は絶対勝ってやる…」

飲んだくれる錬金術師のぼやけた耳に…深夜にも関わらず酒場の扉を開ける音

いらっしゃい、とマスターが言えば

「なんか酒。あとツマミ。……もうなんか危なそうな奴いるが、あれ大丈夫か?」

少し離れたカウンターに座り、潰れかけている姿を示す。ついでに手も振ってみたり。
金銀に分かれた髪と、派手なコートは目を引くだろうか

ルーシエ > 「むむ?
 君、僕の何処が危ないと言うのだね?」
意外としっかりとした、大人ぶった口調で言葉が返ってくる。

が、その顔はすっかり赤く染まり、目つきもどこかとろんと……。
酔っぱらっているのは間違いなさそうだ。

フィズル > 「お。ろれつが回ってる。酒に強い…ってわけでもなさそうだなァ」

丁度出てきた酒とツマミを持って向かいへと座る。
他の客もいないためこれくらいはいいだろうと

「おじょーさん。貧民地区よりはマシだが、酔いつぶれると碌なことにならねーと思うが?」

虫でも捕まえるように人差し指をくるくると目の前で回してみる

ルーシエ > 「ふむ。
 大体の碌でもない事は経験済さ、大丈夫!」
と、快活に言い放つが、それは大丈夫なのかなんなのか……。
まだかなり若い娘だが、過去に何かあったのだろう。

「……うゆゆ……
 ……その、指を止めたまえ……ぐるぐるする……。」
律儀に指先を見つめて目を回し、体をふらつかせる。

フィズル > 「苦労してんだなぁ…まあこの街じゃよくあることか…」

いい身分のような相手だが…この腐った街ではままある話だ。

「ははは、面白いな。そんなんじゃお家に帰れないんじゃねーのか?」

ぐるぐる、と続けつつ…まじめな奴だな、と暫定評価。
ついでにつんと額を突いてみる

ルーシエ > 「そうなのだよ、苦労しているのだ。
 だから、もっと僕を甘やかすのだよ、君!」
今日は変な方向に酔っぱらっているみたいで、
絡み方もめんどくさいのであった。

「大丈夫……。
 僕の部屋は、ここの上の階だから……。」
すっかり目を回し、指でつつかれるとばたんと椅子から転んで倒れてしまった。

「……う、うぐぐ………
 ……天井が、ぐるぐる回る……。」

フィズル > 「偉そうだなおい、別にどうこうする気はねーけどよォ」

面倒だがよく見ると中々端正な顔立ちだ
つい甘やかしたくなる

「いや、それにしても…って…、マジで足たってねーじゃん」

椅子から相手が倒れれば自分も椅子から降りてしゃがみこみ。

「部屋まで運んでやろうか?、…こんな状態じゃ勝負も挑めねえな…」

はぁ、とため息を吐きつつとりあえず上体を起き上がらせようと。

ルーシエ > 「ふふ、偉そう、では無いのだ。
 実は、僕は本当に偉い人なのだよ。」
倒れながら、冗談めいた口調で言う。

「勝負……勝負かい?」
その言葉を聞くと、急にぱっと起き上がる。

「君、賭けに負けたとか言っていたね。
 ……この僕とも、賭けで勝負するつもりかね?」

フィズル > 「はいはい。そーかい。だが今はただの酔っ払いだな」

本当に偉いのかもしれないが
男の眼にはただの酔っ払いだ

「お?なんだ、お前さんも勝負好きなのか?」

こほん、と咳払い

「ああ、そのつもりだった。今日は近くの賭場でやけにツイてるやつに負けてな…
イカサマなら何とかできるんだが運だけはどうしようもないからなァ。
何かするかい?」

きらり。男の眼が光る。面白そうな相手を見つけた眼だ。

ルーシエ > 「勝負好き、というわけではないがね。
 ちょっと気晴らしに、刺激的な事をしたい気分だったのさ。」
椅子に座り直す。
ついでに、酒ももう一口。

「それで、なんの勝負をしようか?
 何を賭ければいいのかね?」

フィズル > 「酔いが飛ぶほど飢えてたのか…ストレス溜めやすいのか?」

酒を飲みなおし始める相手に合わせて自分も席に着き

「さて、ここは相談だな。俺ァ互いが納得しないと勝負しない主義でね」

ふむ、と頷き

「この中にあるものでお前さん…、えーと名前は?俺ァ、フィズル。
…好きなのを選んでいいぜ」

自己紹介を挟みつつ派手なコートを開けば…折りたたまれたボードゲーム
コイン、サイコロが多数、カードなどなどが。

「要求はそうだな…俺からは、ここの酒代と…やっぱ、身体かな。」

にぃ、と笑う。この要求をすれば大体の女は怯んでくれる。
酔っ払いが無茶な勝負をしないよう脅しをかけるつもりだった。
もちろん性欲も人並みにはあるため全てうそかというとそうでもないが。

ルーシエ > 「うーん、どうなんだろう?
 ……そこそこストレス発散はしていたから気にならなかったけど……
 最近忙しかったからね。」
そう、最近は仕事も軌道に乗ってきたが、
忙しくて発散する暇もあまり取れていなかったのは確かだ。

「僕はルーシエ、よろしくね、フィズル。
 そうだね、ここは簡単に、サイコロなんかどうかな。」

「僕の身体、か。
 うーん……。」
少し悩む仕草。
うら若き少女、やはり少し怯んでいるのか……

「難しいね、僕の身体に釣り合うモノとなると、何になるのだろう?
 ……銀貨5枚くらいでいい?」
と、思えば、相手の賭けるものについて悩んでいた様だ。
しかもその値は、普通に娼婦を買うより安い。

フィズル > 「そうかい。まあそれなら丁度いいのかもな。」

勝っても負けても、勝負と言うのはぴりぴりとした緊張感と
そこからの解放感はいい発散方法となるだろう

「ルーシェか。サイコロね。りょーかい。
一応確かめてくれ…って」

イカサマがないかどうか、何回か転がせ、と手渡して
重さも偏りがなく、公正なサイコロであることが…もし慣れていればわかるか。
だが

「おいおい。うら若き乙女が、最底辺の娼婦と同じような値段で体賭けるんじゃねーよ…
釣り合わん釣り合わん。」

相手はそれで納得するのかもしれないが、自分が納得いかない
またため息をついて

「…俺が負けたら、金貨3枚とここの酒代だ。それでどうだ?」

もちろん、条件に不服ならこの男は素直に聞くだろう。

ルーシエ > 「うん、おっけー。」
軽くサイコロを手に取って、異常が無い事を確かめる。
といっても、それほど賭け事を嗜んでいるわけでもないので、
目がおかしくないか見る程度だが。

「え、そんなに貰っちゃってもいいのかな。
 それじゃ、お言葉に甘えて金貨3枚。
 僕が負けたら……今夜、僕は君のモノだよ。
 文字通り、何して貰っても構わない。」

フィズル > 「おーけい。あんまり安売りしてると、ほんとに偉くても箔が無くなっちまうからな
それくらいはあると思っておけよ。」

何か事情があるらしいがそれは特に関係がない。
男にとっては、気に入った容姿であるかが大事であり

「じゃ、マスターも怪訝な顔してるし、さっさと終わらせるか。
目がでかい方が勝ち、でどうだ。引き分けならもう1度。」

ルールを簡単に定義し、お先にどうぞ、と。

ルーシエ > 「自分を売った事ないからさ、相場がよくわからなくて……。
 さてと、それじゃお言葉に甘えて先に振らせてもらおうか。」

サイコロを手に取り、放り投げる……
と、出た目は4。

「なんだか半端な出目だね。
 どっちに転んでも、おかしくなさそう。
 さ、それじゃ君の番だよ。」

フィズル > 「大変な目っつーのはそう言う事かと思ったが違うのか。
ま、自分を客観的に見るのは大事さ。」

と、出目を見る

「…まあ、どっちに転んでもルーシエは部屋まで運ぶがな。
持ち直したようだが、まだ酒自体は抜けてねーだろ。」

サイコロを手に取り、振ろう。
さてどちらに転ぶか…
[1d6→2=2]
フィズル > 「おっと、負けか…。今夜はツイてねーな…」

はは、と笑いつつ金貨を袋から取り出して
ついでにとばかりに銀貨も何枚か。

「これで酒代と…金貨は持っとけ。当然の取り分だ。」

ルーシエ > フィズルがサイコロを振る瞬間、
ぞくぞくとしたスリルが少女の背筋を走るが……

「おや、残念だったね。」
出た目に、なぜか少女も残念そうだったり。

「ふふ、ありがとう。
 遠慮なく貰っておくよ。
 ……部屋へのエスコートも、お願いしようかな……?」

フィズル > 「どうだ?、ちょっとは刺激になったかい?」

ふ、と笑い
どちらにしても退屈は晴れただろう、と。

「―――、そーだな。ほら、肩か手を貸せ」

部屋までエスコートしようと身体を貸そうとして。
残念そうな相手には

「おいおい。それじゃ犯されたかったみたいに思われちまうぜ?
男ってのは、狼みたいなもんなんだから自分から羊になるんじゃねーよ。」

と言って窘めよう

ルーシエ > 「うん、まぁまぁかな?
 次はもっと刺激的なモノを賭けてもいいかもしれないね。」
フィズルに担がれながら、部屋へと運ばれていく。

「んー。
 どちらかと言えば、この後君に滅茶苦茶にされる事を望んでいたのかもしれない。
 ほら、言っただろう?最近ストレスが溜まってるかも、って……。」

フィズル > 「あれくらいじゃ足りないってか…
まあ、賭ける額もモノも小さいといえば小さいわな」

マスターについでに酒代を払いながら上の部屋へと

「なるほどね。
俺ぁ慈善事業はしないし女性は大切にしたい主義だが…それを賭けに乗せりゃ、従うしかねーな。」

嗤いながら扉を開けて、わざとらしく誘おう

ルーシエ > 部屋の中に入れば、無造作に服を脱ぎ散らかしてシャツ一枚の姿に。

「エスコートありがとう、フィズル。
 さて、どうしようか。
 賭けは絶対だし、ここで君を誘うのは野暮だよね……?」
そのまま、ベッドに腰かける。

「それとも、賭けの2戦目を興じる、というのはどうかな?」

フィズル > 「だからそういう…」

無防備に肌を晒す相手にやれやれ、と肩を竦めつつ

「ああ、野暮だなあ、それは野暮だ…
だけど賭博を生業にしてる俺としちゃあ…仕掛けられたら乗らないわけにはいかないな」

ふふん、と。

「負けっぱなしは性に合わないんでね。今度はどうする?」

ルーシエ > 「ふふ、それじゃもう1勝負だよ。
 次の勝負の方法は、君に選んで貰おうかな?」
フィズルが勝負に乗ってくると、にこりと楽し気な笑みを浮かべる。

「そうだなぁ、次は何を賭けようか……。
 さっきと同じような賭けにする?
 ……それとも……なにか、もっと大きなものを賭けようか?」

フィズル > 「おういいぜ。じゃあ今度も単純にコイントスだ。
表か裏か。俺が投げるからルーシエが当ててくれ。」

先ほどのサイコロを見れば
イカサマなどするわけもなく

「かけ金は…互いの人生の一部ってのはどうだ。
例えば一日、勝った方の言う事を何でも聞く、とかな?
俺ぁこう見えて貴族でね。金でも人でも…俺自身でも動かせるぜ」

どうだ、と。条件を提示。

ルーシエ > 「分かった。
 それじゃ、負けた方は1日、どんな事でも絶対服従だね。」
さっきの様なスリルを感じながら、こくんと頷く。

「それじゃ……
 そうだね、表で行ってみようか……!」
宣言した後、フィズルの持つコインをじっと見つめ……

フィズル > 「―――ああ、どうぞ」

ぴん、とコインが回転し
軽いぱし、という音と共に…男の手に隠される。

「――――…」

そうして、宣言を聞いた後、手を離せば―――
1 表
2 裏
[1d2→1=1]
フィズル > 「はっはっは。ここまで負けちゃあ、逆におもしれえ!」

呵呵大笑。
コインはしっかりと表を向いており

「さあて。今日から一日…俺はルーシエの奴隷だ。何をお望みだ?」

ルーシエ > 「勝っちゃった……。」
表を示すコインに、茫然とした表情。

「あはは、よっぽど今日はツイてないんだね、フィズル。
 今度お払いにでも行ってきた方がよさそうだね。」
そして、フィズルと共に可笑しそうにくすくすと笑い……

「さて、どうしよっかなぁ。
 いざ好きにしていい、ってなると困るものだね。」
そして、姫君から下された最初の命令は……

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からルーシエさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からフィズルさんが去りました。
ご案内:「平民地区・酒場」にルビィ・ガレットさんが現れました。
ルビィ・ガレット > 店の2階の手摺り越しに見下ろしている。

1階は酒場、2階は宿屋。女は"普通の食事"をしないで、宿屋スペースの2階から。階下を眺めている。
――血が、欲しい。餌を探している。

「……またあいつか。選曲のセンスはいいんだけど」

下から聞こえてきた旋律と歌声に苦い顔。
未熟な吟遊詩人が奏でるそれ。下で飲み食いしている客の喧騒に負けず劣らず、耳障りだ。
知覚能力がすぐれているのも、時には考え物。

ルビィ・ガレット > 気配を消し、周りの風景に馴染んでいる。
すぐそばを通らない限り、自分に気づく者はいないだろう。

木製の手摺りに腕を乗せ、上体を軽く預ける。
期待のない目の色で、獲物を探す。――人間の、男。
殺人なら性別を問わないが、食事となれば話は別。

「……女を連れているやつも多いな」

案外、一人で飲んでいる男が少なかった。
店の隅のほうで、小さくなって飲んでいる者もいるが……あれは魔術師か。
陰気そうだ。さては人付き合いが苦手で、一緒に語らう友すらいないのか。

暇な分、空想がはかどる。

ルビィ・ガレット > 適当に、独りで飲んでいる男に声をかけ、誘い出し。
"食事"をするつもりだったが――。

「……っ」

眉を潜めた。喧騒の中、階下でひと際大きい音。……何かが割れたらしい。
酒瓶か食器類の、破損音か。――酔客の一人が、大声を上げていた。
言い争う声が2階まで届いてくる。おそらく、部屋の一室一室にも。

2階の廊下奥の扉が開く。内側から。
半吸血鬼はちらと、そちらへ視線を向け……。

ご案内:「平民地区・酒場」にフィズルさんが現れました。
フィズル > 「おいおい、それは言いがかりってもんだぜ
最初にカードに細工したのはお前さんだろ?」

どうやら割れた音はある1つの卓からのようだ。
その鋭い聴覚の示す通り酒瓶が卓に叩きつけられ、割れて散乱している

『あァ!?、俺ァ、サマなんてしてねーよ!こんな手作ってんじゃねーぞ!』

視覚も常人離れしているなら…公開された両者の手が見えるだろうか。
怒鳴っている男の手は、あるゲームにおいて最強とは言わないまでも、強い手
逆にもう一人の…非常に派手な男の手札は、掛け値なしに最強の手だ。その分作るのも難しい。

「ほう?…じゃあ、証明できるのかい?俺はできる。
このカード、おかしいんだよなあ…、まあ新品は用意できないとしても、重要なカードにだけ、この端の模様に傷がついてるし、
何よりお前の手つき。」


「わざとカードを偏らせてるんだろ?、【簡単】だったよ。この手を作るのはな。」

『っ―――!』

かあ、と酒が入った男の顔が赤くなる。衆目も集めており、このままでは喧嘩に発展しそうだが…
上の階からどうなるか見守るもよし、あるいは介入するのもありだろう

ルビィ・ガレット > 廊下奥の一室から出てきたのは、気弱そうな中年男性だった。
1階からのひと騒動の気配を感じ取れば、彼はすばやくドアを閉めて、内側にこもってしまう。

2階で見るものがなくなった半吸血鬼は、再び視線を階下へ。
……男二人の言い争いが聞こえる。それをはやし立てる周囲の声も聞き分けられるから本当にうんざりだ。
話の内容が気になって、卓上のカードを常人離れした視力で確かめる。

「……言い負かしているほう、なんか気になるな」

結果、派手な風貌の男に興味を持つ。……ただ、この騒ぎに介入するつもりはなく、2階から成り行きを見守る姿勢だが。
悪目立ちをしたくないのだ。勘のいい者に正体を、この場で見破られると厄介で。

フィズル > 『こンのォ…!』

体格を見れば、派手な男の方が細い印象を受ける
どちらかと言えば言い負かされている方がガタイがいい

群衆が見ている中、その男は割れた酒瓶を振りかぶり―――

「おっと。ほれ。」

ばしゃ、と派手な男が酒をかける
行動の起点をくじかれた男は体勢を崩し
その隙に派手な方が肘を強打。男はたまらず瓶を取り落とし

「はっは。喧嘩でも賭けでも負けるとはなっさけねえなあ…
ほら、憲兵さんがきたぜ」

ここは平民地区。
どちらかと言えば治安は少しだけだが安定している方だ…
だからこそ、酒場の主人が憲兵を呼べばすぐにやってくる

男がしょっぴかれていけば…喧噪も徐々に収まるだろう

「…つまらん。」

ぶすー、となぜか膨れた男は、酒を注文しなおし、ちびちびと飲み始める

ルビィ・ガレット > 一部始終を見届ければ、女は片頬を持ち上げ、歪に笑った。
……彼の拗ねたような顔つきに、親近感を覚えたせいだ。皮肉な笑み。

気配を消すのを解けば、被っていた外套のフードを下ろし。
そのまま、2階の廊下を渡って1階へ。階段を下りてきた。
……何気ない風を装って、件の派手な男に声をかける。

「――お兄さん、ギャンブルも喧嘩もお強いんですね。
 ……あたし、怖くって。2階から観ていたんです」

人当たりのよさそうな笑みを浮かべつつ、紅茶色の双眸を彼に向ける。
彼が座るテーブル席の横から。自分は、立ったまま。

フィズル > 「ん?なんだあんた。見てたのか…って結構目立ってたしな。」

全く困ったもんだぜ、と

「座らないか。つまらねえ奴の相手して美人と酒を飲みたい気分なんだ」

はは、と笑い。
ついでにとばかりに酒を新しく店員に注文して。
どうやら相手の分らしい。

ルビィ・ガレット > 「ガラスが割れたような鋭い物音や、大きな声が聞こえてきて……。
 2階の部屋で寝ていたんですけど、起きちゃったんですよ」

――それで、途中から観ていたのだと。笑顔で嘘を吐く。

「え。……いいんですか? それじゃあ、お言葉に甘えて」

相席を促されれば、少しだけ考えるような素振りを見せる。
が、所詮は形だけ。適当に間を作ってから、結局は彼の言葉に頷いて。
酒の注文には苦笑しながら。彼の向かいに座る。

「……あたし、お酒は弱いんだけどなー」

嘘だ。むしろ、アルコールに耐性があるせいで酔えない。
しかも、酒の味はよくわからないのだ。
少量しか飲まなくてもそこを指摘されないよう、今のうちに先手を打っておき。

フィズル > 「へえ……。」

ふふん、と笑い
酒が届けばそれを差し出して

「どうぞどうぞ。美人に奢るんならさっきの賭けも得だったな。」

彼の傍らには先ほど勝った分らしい金貨袋。
結構な枚数詰まっており、男が激昂したのもわからなくない額だ

「そうかい。まあ飲めないなら後は俺が飲んでやるからよ。ちょっと付き合ってくれ。」

乾杯、と言って杯を上げて。

「―――それ、癖かい?」

乾杯に応じれば、世間話をいくつかした後…そんなことを。

ルビィ・ガレット > 「美人って。……お兄さん。そういうこと、言い慣れてそう」

困ったような笑顔を浮かべながら、努めて軽く受け流す。
世辞だろうが本音だろうが、褒め言葉は得意ではなく。

……なんとなく、卓上のコイン袋を見遣る。
隙あれば盗ろう、などとは考えていない。女は金に興味がない。
生活していく上で確かに必要だが、経済的な困難は特に抱えていないし。

――だが、彼からすれば。一瞬で大金が動くことに興奮と快感を覚えるのだろうか。
そんなことを考えながら、作り笑いで乾杯をして、少しだけ酒を口に含んだが……。

「何のことでしょう。……あぁ、初対面の人には敬語になってしまうこと、ですか?
 ――だとしたら、すいません。いきなりため口は失礼だと思って。
 距離を置いて、遠ざけようとしていたわけでは」

主語が曖昧なまま、「何か」を指摘された。
正直、見当はついていないが……もっともらしいことを言って、煙に巻こうとする。
気弱そうな笑みを浮かべて。

フィズル > 「んー…まあなんでか知らんが、この街、よく美人に会うんだよなあ」

つまりは真実だぜ、と。
コイン袋を見ても特に反応は示さず

「いいや、それはどっちでもいい。好きにしてくれ
まあ俺は…敬語は嫌いだから使わねーが。」

酒をぐび、ぐび、と大きく飲んでぶはー、と息を吐き

「嘘だよ嘘。
なんでかはしらねーが…詮索されたくないなら、笑顔はもう少し自然にな。
別に気にはしねぇからよ」

なんで嘘をついたかは知らないが、と
顔の筋肉、仕草、タイミング、声音。判断する材料は彼にはあった様子。

ルビィ・ガレット > 「あれ。違いました? ……じゃあ」

考える素振りを見せ、次に何を言うかまでの時間稼ぎをする。
……ものの、それは無意味だった。

「――なーんだ。そっちか。
 ……どうでしょうね。むしろ、『詮索されたい』から。
 あなたにわかりやすい嘘を吐いたのかも」

表情を緩めれば、小さく息を漏らして。
今度は"自然な"、愉しげな笑みを小さく浮かべれば。意味深なことを。
……とは言え、内心、「嫌なやつだ」とも考えている。

簡単に気づかれるほど、大根役者であるつもりはない。
彼が常人よりいささか鋭いのだと思う。
ちなみに、彼女にとって「嫌なやつ」は褒め言葉に該当する。

フィズル > 「なるほどね。そういう事なら、美人の願いは叶えないとなァ」


くっく、と嬉しそうに笑う
相手があっさりと認めてくれたことから…大体7割くらいのカンだったが当たっていたか、と

「それなら酒の肴に詮索だ。
なんで、嘘をついたんだ?初対面だよな。」

心を読まなくても嬉しがっていることがわかるにやけ方
面白そうなやつだ、と思っているらしい

「酒が飲めない、ってやつと上から見てたってやつ。その嘘の理由を教えてくれないか?」

ルビィ・ガレット > 「……あなたが親切で、やさしい人で本当によかった」

美人の願いは――。その言葉を聞いて、器用に唇の片端だけを持ち上げて笑う。
嫌みだ。取り繕った笑顔ではないから、これは「嘘」にはならないだろう。
むしろ、「正直」と言える。

「初対面のはずよ。……あなたみたいな派手な人、一度会ったら覚えてるはずだし」

相手のニヤニヤ顔には少し眉を寄せるものの、女に怒っている気配はない。
彼女は、天邪鬼だから。本心とは真逆の言動がよく出る。

「……嘘を吐くのなんて、無意識にやっていることも多いからなあ。
 ――理由? 一つ一つの嘘に、ちゃんとした、整然とした理由があるか自信はないけれど。
 簡単に言えば、『相手を油断させるため』じゃない?

 常識人や感じのいい人間性を装って、隙あらば――弄ぶため、かな」

……神経を疑うことを。落ち着いた声のトーンで、平然と話す。
ただし、相席の彼にしか聞こえないような声量で。
言い終えれば、子どもみたいに無邪気な笑顔を彼に向けた。

フィズル > 「いいやあ?俺ァ非情な男だぜ。賭けの結果なら命も奪う
いい顔だなあしかし。そっちの方が好みだぜ」

『正直』に表情を変える相手にまた笑い

「まあそのために派手にしてる節はあるしなあ」

ふ、とオールバックにした金銀の髪を自分で撫でて
中々内面が見えにくいが相手も大概楽しんでいるのかな、とか。

「ほほう。ということは俺は、弄ばれそうになってるわけだ。
賭けの結果なら別にかまわねーが…お前さん、遊びはできるのかい。」


特に怖がる様子はない。
賭場や裏社会では、そういった下衆が多いから慣れている
相手がそういった手合いであるかはわからないが…賭けをするなら相手の素性などは関係ない