2019/06/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地」にカインさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地」にルビィ・ガレットさんが現れました。
カイン > 「無知の自覚と愚かさは別物さね。長く生きた自覚は有るが、世界のすべてなんざ知り尽くせるものか。
 知ろうとしないのは間違いようもなく愚か者だがね」

クックックとのどを鳴らしながらも女の言葉に応じて見せながらも、
戯言と言われても否定の意思は見せずに肩を揺らすだけで応じてみせる。
そのまま、相手の物言いに思わずクツりと喉がなり。

「……解いていいのか?
 これが一番、お互いにとっていい状態だと思うんだがね。
 こいつを解くと俺の方も加減が効かなくなる。
 ま、双方壊して手打ちにすると言うなら構わんよ」

脂汗を絶やさぬままにそう告げるのは、軽口のようで居て全く目の笑っていない言。
その言葉と同時に、影に包まれた――否。拘束された手が脈打つように蠢く。
何かが解き放たれる前兆のように。それを必死で押し止めるように影が範囲を広げるのを横目で見ながら、
相手に選択を問う。まるでチキンレースのようなその状態、
しかしどこか楽しげな様子さえにじませて笑みを浮かべたままに相手を見据え。

「ふっ、お前さんも今が一番活き活きとしてる…よっと!」

間違いないと喉を鳴らしながら、近寄った相手を見れば再び喉を鳴らし、
そのままふっと顔を寄せれば軽く触れるだけ唇を重ねてしまおうと頭を動かす。
どこまでもブレない様子。それが相手を苛つかせるのかもしれないが。

ルビィ・ガレット > 「当たり前だろう。この世は『知っていること』『知らないと知っていること』『"知らない"と知りもしない、知らないこと』の3つで構成されているのだから」

得意顔でそう返してみせるが、口調は軽薄だ。
表面上、律儀に返してみせたのは余裕の表れ。……否、装い。

「……それは私に警告しているつもりか。どこまでも口の減らないやつだな……!!
 まるで鏡を観ているようで愉快だ――気に、喰わ、ない」

強調するように言葉を区切る。赤い目、異形の縦長い瞳孔で彼を見据える。
影の不可解な動きには背筋に寒気が走る。時間の感触が失せていく。
判断を決めかねる。目を細め、何か言いかけたところで、

「……っ、無礼者!!」

すんでのところで口付けを避ける。その際、手を離してしまった。

カイン > 「違いない。ま、最もまだ誰も作ってないこと、なんてのも混ざってるから世の中面白い。
 人間だろうが魔族だろうがミレーだろうが、ひょんな事から妙なものを作り出すからな」

だからこそこの世界は飽きないのだと笑い飛ばしてみせる。
女の様子にクックと喉を鳴らすまま、相手の言葉に肩をすくめ。

「警告じゃなくて事実さ、その上でどうするか選ぶのはルビィ。
 そうじゃないとフェアじゃあないだろう?怒る程度にはお気に召してもらったようで何よりだ。…ちっ」

相手の怒気も飄々と、受け流して見せながらも続いた仕掛けが空振りに終わったことに心底残念そうな表情を浮かべる。
一連の会話の中で間違いなく一番悔しそうな様子を隠しもせず、舌打ちまでする始末。
それは男にとって女が求めていることでは有るのかもしれないが、求めていたシチュエーションでは到底あるまい。

「手順を踏んで口説いても効果が薄い時は、こういうのも結構効果的なんだがな。
 うーん、失敗か…無礼者なのはさっきまでの会話でわかっていたことだろう?」

がっかりした様子でそう言い返しながらも、
自由になった手をひらひらと横に降って影をふいと引っ込める。
幾らか自由が効くようになった掌を握りしめるとゴキン、と硬い音を拳が鳴らし。

「間違いなく骨には来てるな…」

ルビィ・ガレット > 「……私があなたに執着していると言いたいのか」

怒る程度には――そう言われ、露骨に嫌そうな顔をした。
いや、実際は当惑の顔。言い当てられた気がして、ばつが悪くなる。

悔しそうな様子、舌打ちには、

「お前はそこまで女日照りが酷いのか……。
 私が嫌がりそうなことを、どさくさに紛れて。よりによって。
 ――あんな時に。やるとは思わなかったから」

眉尻を下げて、呆れ顔を浮かべた。
「今更」と言いたげな言葉には、自分が感じたことをそのまま話して。
彼が欲望に正直なのは理解していたつもりだったが、あれは彼女には予想外で。

「中途半端なのは嫌だろう? ――壊してやろうか。冗談だ」

手の状態を確かめる彼に歩み寄る。
笑えない冗談はすぐに本人によって打ち消され。
彼のそばで立ち止まれば、長いため息をひとつ。

「……そういう相手をしないでいいのなら、一晩、付き合う。
 ――部屋はそっちが探せ。任せる」

ほどけた髪を手櫛で梳きながら、ぶっきらぼうに。

カイン > 「まあ、いいじゃないか。眼の前の相手に全く興味がないのに会話を重ねるよりも、
 好きであれ嫌いであれ何らかの興味を持ってたほうが会話も弾むってもんだろう?」

笑い飛ばして言い返しながらに、手を横に降って言い返す。
流石にこの短期間で痛みは引かないが、気休め程度には動かしておいたほうが機が楽だ。

「殺し合いの最中、というより殺気の交わしあいのさなかのほうが興奮する、
 なんてのはよくある話だけどな。俺としては最適なタイミングだと思ったんだが」

残念無念とは言い返しながらも、女日照りと言われれば思わず吹き出しながら首を横に振り。

「そういうのとは、また違うさ。何だって全力で楽しんだほうが楽しいから俺はそうすることにしてる。
 口説くのに失敗したらくやしがるのはそんな変なことじゃないだろ?」

その結果相手に嫌がられてるのは困りものだがとは自覚がある様子でいいおき。

「うん?なるほど、そいつはまた以外だが。近所に俺の根城が有るからそこでいいかね。
 なんだったら酒場でも構わんが」

そういうことがないなら、と揶揄して喉を鳴らしてながら目を細め。

「なんせ男の部屋に一人で来るってのは危ないと思うぞ?」

ルビィ・ガレット > 「……一理、ある」

長くしゃべると余計なことをまた言ってしまいそうだった。
だから、そう簡潔にひと言だけ返す。

「……っ、私は殺人で性欲を抑えているんだぞ。
 かえって逆効果だ。――あんなことをされては」

殺人で。発散しているのではなく、抑えている。
そう苦々しげに言えば、「価値観が違い過ぎる」と。よそを向いた。

「まず、私を全力で口説くな……最初は話をするだけの流れだったじゃないか」

浮かない表情を浮かべる。……なぜこうなった。そう言いたげに。

「……先に手を離したのは私なのだから。
 僅差で私の負けでしょう? ――抱かれる気はないけれど」

なんだかんだでこのダンピール、律儀なようだ。
話の途中で、地面に転がっていた髪留めを拾いながら。

「多少のセクハラなら、耐えるつもりだ。
 ――あんまり変なところを触るようなら、こっちにも考えがあるけど」

ふふ……。片頬を持ち上げ、鋭い牙を僅かに覗かせながら嗤った。

カイン > 「だろう?だったら、今の状態でいいじゃないか」

それ自体は否定する必要もないと喉を鳴らしながらに言い返し。

「おやまあ、なるほど?つまりルビィの殺しを凌ぎきれば良いわけか。
 ……価値観が違いすぎるってことはないと思うがなあ。受け入れてるか、抗ってるかの違いだろう?」

そこに至るまでの経緯はさておきそういうことだろうと意地の悪い様子のままに言い返して喉を鳴らし。

「話をする、そして気に入ったから口説きにかかる。
 女を口説く理由なんて男にしてみればそれだけで十分さ。
 …ま、だからこそ男は馬鹿だと女に言われるんだがな」

困ったもんだと言いながらも相手の律儀な物言いにクックと喉を鳴らし。

「そりゃまた残念。…本当に他意はないんで気を悪くしたら申し訳ないんだが、
 ルビィはあんまりデートとかの経験ないのかい?」

その後の発言に少しだけ何となしに心配そうな表情を浮かべて問いを投げる。
ひょっとしたら危ない状態があったとしても持ち前の膂力でなんとかしてしまったのかもしれないが。
場の空気や酔いの気配、いわゆる「その場の勢い」を余りにも軽視した物言いに妙な親切心が顔を覗かせる。
そのあたり騙して何とかという発想に至らないのは男なりの矜持であるが。

ルビィ・ガレット > 「……嫌なところを突くなよ、カイン」

散々、大人気ない応酬をこちらはしてきたのだ。
変に反発せず、遠まわしに彼の言葉を肯定するのみ。
自己中心的に生きているほうだが、性的なこととなると慎重になる傾向が彼女にはあった。

「……っ」

気に入ったから――。その言葉のあたりで言葉に詰まる。
こちらがいくらはぐらかし、意識しないようにしていても、
彼は欲望に忠実だし、ありていにものを言ってくるから無視しようがなく。

「異性の友人と出かけたことくらいならあるけど。
 ……全員、まともじゃないから。気や話は合うけれど。
 そういう雰囲気にはならないよ」

苦笑と共に述べてから、ふ…と遠い目つきになる。
なんとも言えない顔つきで彼の顔を見た。

「――場慣れしていない女が面倒なら、私は帰るぞ」

ふわ……彼女の体の一部が、発光する青い蝶になる気配。
青白い光の粒子がちらつく。彼が引き留めなければ、そのまま
無数の蝶に化けて、この場を立ち去るだろう。

カイン > 「じゃあ、現状維持ということで」

クツクツと喉を鳴らして笑って見せる。
男の側もこの状況はとても楽しんでいるのだ、
壊してしまうのも勿体無いと目を細めるだけに留め。

「ま、男なんてのはそんなもんだと少しは警戒はしておいてもらえると助かるね。
 俺はほら、グイグイ押していくタイプだからな?
 隙があったら突きたくなる。警戒しておいてくれるとこっちも気が楽なのさ」

相手の言葉には軽い調子で応じながらも、ゆっくりと首を横に振り。

「おっと、悪い悪い。そういうつもりじゃないとも。
 それじゃあ飛び切り旨い酒を用意するから是非に付き合ってくれよ?
 ルビィのこと、もっといろいろと知りたいからな」

折角ここまで漕ぎ着けたのに逃しては勿体無いと少し慌てながらに告げ。

ルビィ・ガレット > 「………」

口論は強いつもりだったが、今思えば、その時の相手が折れてくれたり、
ただ単に面倒くさがって引き下がっていただけなのかも知れない。
真相はわからない。はっきりしているのは、沈黙は金。

相手の笑い声にはこみ上げてくるものがある。
認めがたい感情。不快ではないのだが。目を細め、短く息を漏らした。

「……警戒は先ほどからずっとしている。
 ただ、一線を越えないのであれば、一緒にいてもいいと思っただけだ。
 ――カインは宿屋の一室で私と二人きりになると、どうもそれが守れないようだけど」

片腕がもう、青白く発光する蝶に変わっていた。
視線はやがて空へ。……しかし。

「だから、酒は味がよくわからないと言っただろう?」

引き留められれば、一気に蝶の群れを片腕分だけ霧散させ、
元通りにする。風体を普通の人間のそれに戻しながら、

「なんか、勘違いしている気がするんだけど。
 ……負けたと思うから嫌々、一晩付き合おうというわけでは。
 ――多少は気は、あるよ」

何気ない風を装って、内心の一部を告げた。

カイン > 「ん、それならばよし。
 俺のことを最大限警戒しておいてくれよ?少なくとも口先に関しては、
 長生きの分ルビィより舌が回るとは思うからな」

おまけに背負うものがなにもない。
そんな人間の言葉というのは時にどれだけ鋭い刃より面倒くさいものだと喉を鳴らし。

「それは勿体無いと思うからこそ、とびきりの酒を振る舞うのさ。
 もしも美味しいと感じてもらえるならそれ以上、酒飲みとして嬉しいことはないからね」

まさに呑兵衛の理屈を惜しげもなく披露しながら楽しげな様子を隠さぬまま、
腰に手を当てて緩やかに目を細め。

「おや、それは嬉しいね。
 ならなおのこと楽しい一夜にしなければ男が廃る、ってものだ。
 今度こそ俺のエスコート、受けてくれるかな?」

ゆっくりと丁寧に、存外に堂に入った様子で一例をして見せれば女性に向けて改めて手を差し出す。
先ほどと同じ方の手を。

ルビィ・ガレット > 「……長生きしている分、少しはぼけて頭が鈍っていればよかったのに」

心底、厄介そうに。低い声でぼやいて。

「酔えない酒を美味と感じられるか、自信はないけど。
 ……付き合うよ。ここまで意地を通されたら、敬意を払うしかない」

先ほど、彼の手にヒビを入れた、自分の右手を差し出す。
ただ、彼の手を握る際は加減をして……障るだろうから。
体質上、酔うことはほとんどないだろうが、彼の厚意を受け取ろうと、出された酒がなんであれ、拒むことはないだろう。

行き先は相手任せ。――夜が更けていく。

カイン > 「勿論そういう所はあるともさ。
 狙って寝首をかいてみるのも楽しいんじゃないか?」

そういう楽しみ方をしてるやつもいるぞ、と返す程度には恨みを買ってる自覚がある。
勿論それは仕事上の都合だけではないのは男の行動を帰り見えれば想像がつくかもしれないが。

「あっはっは、そりゃあ嬉しい事行ってくれるね。
 じゃ、是非に美味いと言わせてやろう」

一例をもう一つ重ねた後、取られた手に力を込めてその場を後にしていく。
一体どのような会話と逢瀬を続けたのか、それは二人のみが知ることになるだろう――

ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地」からルビィ・ガレットさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地」からカインさんが去りました。