2019/04/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 墓地」にシスター・マルレーンさんが現れました。
■シスター・マルレーン > 墓地の見回り。
破損を調べたり、不審なものが落ちていないか調べたり、妙な人影がいないか調べたり。時折ちょっと清掃を挟んだり。
いろいろあると思います。
「………これは違う気が。」
クワを振るって新しい墓穴を掘る金髪のシスターが1人。
今日もぼやきながらの野良仕事。
あの人たち、私を何でも屋かなんかだと思ってませんかね。
やっぱり、少しだけ溜息が出てしまうのも仕方なし。
「見回りのついでに、じゃない、ってのっ!!」
ざっくり、と地面にクワが突き刺さる。怒りの一撃。
■シスター・マルレーン > 「………ふー…………っ」
深く深く、吐息をついて。少しだけ頭を垂れて地面を眺めるような恰好になれば、そのまましばらく動きを止める。
ヤルダバオートからやってくるシスターがどうなるのか。
そんなことは、誰に聞かされるまでもなく、分かっている。
どうにもできない自分に嫌気がさして、見ないように、考えないようにしている自分にも嫌気がさして。
昨晩は少しだけ、……いや、割とたっぷり、泣いた。
自分にやれることをやろう、の結論に一晩で幾度となくたどり着き、それと同じ数だけ、また悩む。
生まれてからずっとシスター以外の生き方を知らないから、信仰が揺らげば自分が揺らぐ。
「………………ふー……」
もう一度深く、深く吐息をついた。
ぽつり、と雨のしずくが修道服の肩を濡らす。通りで昼間から薄暗いと思っていた。
■シスター・マルレーン > しとしとと雨が降り始める。
濃紺の修道服の色が、少しづつ更に濃く染まっていく中で。
「よいしょ、っとぉっ!」
空っぽの元気で声をあげながら、ざっくりと地面をクワで掘る。
クワが僅かに発光しているのは、聖なる力をエンチャントしているから。
破壊力がアップするぞ! みたいなざっくりとした性能アップ。
それを使って、ひたすら、ひたすら地面を掘る。
しとしと雨が降り注ぐけれど、穴を埋めるほどの強さではなく。
雨よりも勢いよく、無心で。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 墓地」にノウブルさんが現れました。
■ノウブル > (墓地、と言う物を薄気味悪く思った事は無い。
いや、或いは本当に幼き頃は、何かしらの畏れに近い物を感じて居たやも知れぬが。
今は、「平和な場所」程度の認識が在るくらいだ。
――無論、死者への敬意位は、其れなりに持ち合わせて居る心算だが。)
「―――――……。」
(墓地の中、一本生えた樹の根元。
木の幹に背を凭れさせて座りながら、何やら重労働をしている女を眺めて居る。
先刻から其れなりに力仕事をこなして居る様だが、中々のクワ捌きだ。
何やら変な力を用いているのか、発光している金属部分。
この大陸で培われているらしき力は、己には生憎ながらイマイチ正体を掴めぬが。
所謂魔法の様なモノである事は、何となく理解出来た
もぐ、と干し肉を齧る。 先刻から、じっと作業の様子を眺めて居たのだが
さて、果たして彼女には気付かれて居ただろうか)。
■シスター・マルレーン > 落ち込んでいる自分を振り払うように。
頭の中にあるもやを打ち消すように。
胸の中に沈んでいる重しを押し出すように。
ただただひたすら、がむしゃらに。
そんな彼女の働きだから、割とすぐに穴が完成して。
はー……っ、はー……っ、と、重い吐息をつきながら、穴からよっこいしょ、と出ようとする。
しとしとと降り注ぐ雨の中、泥まみれの修道服を引きずりつつ。
「………………。 雨も降ってきましたけど、そこ、濡れません?」
今気が付いた。
■ノウブル > (無心に、或いは、一心不乱に。
鍬を振るうのは、果たして何か思う事が在るのだろうか。
生憎ながら、己は何も知らぬけれど。
知らぬからこそ、こうして眺めて居るだけに留めて居る訳でも在る。
そんなこんなで、次第に彼女の姿が見えなくなって行く
何せ穴を掘って居るのだ、穴の中に姿が消えて暫く
漸く作業がひと段落したらしい、穴の中から、ゆっくりと出て来るのが見えたなら。)
「――――屋根無しよりは、良い。」
(掛けられた声に、言葉を返す。
むしゃむしゃ干し肉齧りながら、多少の濡れなんて気にも留めて居ない。
実際木の下で在るから、雨宿り程度には為る筈だ。)
「――――……誰かの墓か?」
(そうして、声を掛けられたついでに
此方からも、ひとつ、問いを投げかけてみよう。
墓地で穴を掘る理由なぞ、一つしか思い当たらぬ。
其処に、誰か死人が眠るのか、と)。
■シスター・マルレーン > 「そりゃまあ、そうでしょうけど。 風邪をひかれますからね。
建物は一つありますから、そちらなどどうです?
………持ち主って意味でなら、まあ私がいるんですからきっと大丈夫でしょう。」
どうぞ? なんて屋根のある休憩所へと招こうとする。
休憩所、といっても、ほぼ墓地の事務所兼用具置き場といった、ボロ小屋ではあるが。
それでも雨はしのげるだろう、と。
「………そうですね、誰かのお墓になるでしょう。
今は、もう何かがあってからではなく、事前に準備をするようになってしまいました。」
問いに答えながら、少しだけ憂うかのように言葉を落として、首を横に振って静かに祈りを捧げる。
しとしとと雨が降る中でも、かまいやしない。
「………まあ、見回りついでに掘ってこいって言われたんですけどねー」
はっはー、ついでで掘るもんじゃないんですけどね、なんて、明るく笑って見せて。
■ノウブル > (――ふと、示された方を見る。
確かに、其方に小屋が見えた、が、休憩所とも思えなかったし
何より、誰かの所有する小屋で在ると思って居た。
だが、如何やら彼女の許可が在れば問題無いらしい。)
「……良いのか、眺めて居ただけだが。」
(ただ――己は、別段彼女に何かを返せるとは限らない。
作業を手伝った訳でも無い、ただ眺めて居ただけだ。
それに何より、彼女とは、たった今顔を合わせたばかり。
親切にされる事を訝しむ訳では無い、素直に感謝する気持ちは在る、が。
其れでも、この国においては、珍しいと思えた。)
「……だから、初めに暫くうろついて居たのか。」
(見回りついでの墓掘り。
……ついで、と言う作業ではない気がするが
最初彼女が墓地の中を、行ったり来たりして居た理由に思い至り
納得するように頷いてから――ゆっくりと、立ち上がった。
そうして――彼女は気付くだろうか。
此の国では珍しい、簡素に過ぎる衣服と共に
背へと背負った、武骨に過ぎる、狩りの獲物に)。
■シスター・マルレーン > 「教会は、懺悔に来たたった一人に対して、許可を得ていないと追い返すでしょうか。
雨を凌ごうとする人、たった一人を追い返すでしょうか。
………」
追い返しそうだな、なんて一瞬思う。
でもめげない。こういうことを一瞬でも考える辺り、心は弱っているのだろうけれど。
だからといってしおれずに、だからこそ前を向くくらいの強さはある。
「……いいんですよ。どうぞ。
しばらく歩いていたのはそういう理由です。見回りと釣り合いがとれてないですよねー。」
泥だらけのままですみません、と微笑みながら。明るく冗談でもいうように笑いながら。
小さな小屋へと先導しようとする。
「………あ、でもその武器は入りますかね、小屋に。
随分な大きさですねぇ。 ………この大きさだと、冒険者というより傭兵の方でしょうか。」
割と、さらりと。
怯えるでも恐れるでもなく、ありのままの感想に予想を交えて。
いわゆる、一般的な街のシスターとは全く違う反応をしながら、どうぞどうぞ、と足を進める泥だらけシスター。
■ノウブル > 「……俺は、御前達の宗教も、教義も知らない。
だが、御前が施しを迷わないと言うのは、判った。」
(――其れは、ただ純粋に、事実を伝えただけ。
彼女の行いを、彼女の言葉を、己が是か非か論じる事は出来ぬ。
だが、彼女自身に裏表がないと――気配で、感で、感じ取れたなら
其の好意を、無下にはすまい。)
「……汚れているのは、俺も同じだ。
其れでも良いなら、借りる。」
(感謝する、と、一言伝えては
先導する彼女の後ろについて、小屋までの道を歩むだろう。)
「入らなければ、外に刺す。 持って行く物好きも居ないだろう。
……狩人だ。」
(己が獲物を見て、警戒をせぬ、と言うのも珍しい反応だ。
もし、実際小屋に獲物が入らないなら、或いは入っても邪魔そうなら
小屋の外、地面へと重み任せに突き刺して、其の儘にするだろう。
何せ、唯其れだけでも、常人には持ち上げる事さえ難しい重みなのだから)。
■シスター・マルレーン > 「その方が良いと思います。」
思わず口に出してしまいながら、少しだけ笑う。
深く調べられ、見られて、恥ずかしくないことをしているのか。
それだけは今は自信がないから。
「ああ、かまいませんよ。元々そこまで綺麗でもないですし。
そして何より、この雨ですから、結局後で掃除もしますしね。
まあ……火を焚くようなスペースもないのが申し訳ないですけど。
それでも、屋根無しよりは良い、ですよね。」
どうぞ、と扉を開いて中へと誘導。 巨大すぎる斧に関しては、まったくもってその通りなので、外に刺すのを好きにさせて。
「なるほど狩人。 よっぽど大きなものを狩るんでしょうね。
私も冒険はしますが、ここまでの大きな武器はあまり見ませんねー。」
なんて、小屋の中に狩人を座らせてから、ぱたぱたと元の場所に戻ってクワを拾い上げ、小屋の外で土を落とし始める。
せっせとよく働きながらも、扉を閉めずに相手の言葉に自分の言葉を返して、話を続けて。
■ノウブル > 「……教え広めるのが、御前達の宗教では無いのか。」
(少なくとも、己はそう言った印象を持った。
王都で、或いは別の都で、この国に根付く宗教は
拡大し続ける事で影響力を強める類だ、と。
己の様な稀人すらも、引き込もうとするような。
何処か深く問われる事を避けるような気配に
一言だけ、疑問を投げては――地面に獲物を突き立て
小屋の中へ、雨を凌ぐ為に入り込んだ。)
「……雨も風も凌げるなら、悪くは無い。
下手な魔獣の類よりも、余程厄介だ。」
■シスター・マルレーン > 「………自然と広まるものですから。
それに、今この国に必要なのは教えそのものではなく、教えが正しいと信頼できる行いだと思っています。
ですから、その感覚だけで充分なのです。」
扉の外、雨の中で土を落としながら、少しだけ地面を向いたままの状態で笑う。
「偉そうに言ってますね、私。
いやー、下っ端も下っ端なんですけどねー。」
少しだけの弱々しさを、あっはっは、と笑い飛ばして、クワをきっちりと片付ける。
ふうー、っとすっかり濡れた顔を腕で拭いて、頬に泥をつけながらも変わらぬ動き。
「そうですよね、雨は厳しいものです。
特に、この季節は日が沈むと一気に冷えますから。
多分今日も雨も降りましたし、夜は冷えますよ。
暗くならないうちに宿に行かれた方がよいでしょうね。」
巨大な獲物を持っていようと、きっちりと相手にアドバイス。
まあ、知っているでしょうけれども。
■ノウブル > 「…………正しさなど、うつろうものだ。
信じたいのか、御前は。 自分の正しさを。」
(――ほんの少し、女の言葉に耳を傾けて居た。
此の国に、と女は言った。 本当に必要な物、其れが何かを、確かめる様に。
先刻から、張り付いたように笑顔ばかりを向ける様を、静かに見返しては。
――ふと、小さく呟く様に、言葉を連ねよう。
己に伝えようとしているのではない。
女の言葉は、まるで「自分に言い聞かせている」ようだ、と。)
「……宿は余り取らない。
……それと、今は何処も、客人ばかりらしい。」
(――此処最近、何処の宿も異国からの賓客を出迎えるので盛況らしい。
文化の流入と共に、当然人も多く訪れる。
宿屋としては、此れ以上無い商機と言う訳だ。
そうなると、己の様に、如何にも金にならなさそうな存在は
優先的に門前払いを食らうのが目に見えて居るのだから)。
■シスター・マルレーン > 「いいえ。」
相手の言葉に少しだけ振り向いて、その上でちょっとだけ悪戯に唇の端を持ち上げて。
「信じたいのではなくて、信じていますから。
それくらいじゃなきゃ、こんな雨の日に墓穴なんて掘りませんよ。」
腰に手を当てて、ぺろ、と舌を出し。元気な所作が自然に出てくる。
………腰のダメージは深刻かもしれませんけどね、なんてオチをつけて。
「………あー、なるほど。
とはいえ、教会にも空きの部屋が無いですしね………
流石にここに泊まるのもアレですよねー。
………狩猟系のギルドにツテとかそういうのは?」
うーん、と腕を組んで悩む仕草。
■ノウブル > 「……そうか、なら良い。
だが、墓穴は独りで掘らぬ方が良い。」
(それは、明確な否定。
信じたいのではなく、信じているのだと、明確に告げる様子を見れば
双眸細め、僅かにだけ頷いて見せ。 少なくともその姿勢には、賛同を。
だが、墓穴掘りの作業に関して言えば、せめて後一人は、なんて意見してみよう。)
「……ギルド、と言う物には属して居ない。
狩るモノが違う。 ……それに、冒険者ギルドそのものが、宿屋と同じで盛況だからな。」
(宿に限った話では無い。 ギルドも又、件の騒ぎの余波を受けているのだ。
よそ者であり、ギルド登録もしては居ない己に対して便宜は図らないだろう。
考え込む女に、ゆるりと首を横に振れば、一度小屋の中を見回して。)
「……借りられるのなら、此処でも良い。
邪魔で在れば出て行く、雨に濡れるのは、何時もの事だ」。
■シスター・マルレーン > 「そうですよね、そう思いますよ、ええ、とっても。
それを分かっているみたいで、私以外に頼むときには二人なんですよね。
私を何だと思っているんでしょうね。
冒険者稼業なんてしてると、普通に何でもできるって思われるんですよね……」
今度は割と遠い目をした。
プラスよそものだし。まあこういう扱いには慣れている。
「…なるほど?
では、………ここでよいなら、私の方から伝えておきます。
今晩くらいなら、………寝ていても無暗に起こされないくらいには、できると思いますよ。」
一匹狼。それを批判も注意もしない。
何かに属することの辛さは、分からないわけではないから。
ウィンクをぱち、っと相手に向けて、お任せくださいな、なんて己の胸を叩こう。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 墓地」からシスター・マルレーンさんが去りました。
■ノウブル > 「……其れは災難だな。
互いに成長せねば、焼けて仕舞うからな。」
(果たして順調、といって良いのか否か。
女が其の紋様を見つけて仕舞うのなら
無条件に己が姿を見せるだけで、厄介の方が多いのだと肩を竦め。
代わりに、今以上はもう酷くは為らぬだろう部屋の中
壁へと背中を預けては、ふ、と薄く笑み。)
「なら、厚意に甘える。
都合が悪くなったら声を掛けろ、迷惑をかけてまで居座りはしない。」
(そうして、女がこの場所を貸し出してくれると言うのなら
己は其の好意に甘んじて、一晩を休ませて貰おう。
――そうして、きっと、運良く屋根の下で一晩を過ごせるなら
せめて翌日、その例にと、女の手伝いを申し出るやも知れぬ。
と言っても、出来て肉体労働位、だが――)。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 墓地」からノウブルさんが去りました。