2019/04/16 のログ
ご案内:「平民地区 -朽ちた礼拝堂-」にサンザシさんが現れました。
■サンザシ > 王国内に数多ある空き家の数々。小さいのもあれば大きいのもあり、半壊しているのもあればきちんと形が残っているものもある。
中には亡霊の類が出ると言われる貴族の御屋敷であるとか、未だ見つからずの隠し宝物庫が眠る豪商の仕舞屋であるとか。
そういった猫を殺すような感情を滾らせる皆々様方の興味を惹く建物もあるのでしょうが、生憎とあたしが塒にしていたのはそんなものじゃあ無かったんです。
平民地区の片隅。かつては人々も集っただろうに、何故か今はがらんのどうの礼拝堂。鮮やかなステンドグラスは褪せ欠けて、緋毛氈とて破れて汚れて血の色のよう。
「ま、だーれも居ない方があたしにはありがたいんですけども。お金は節約しませんとねえ」
そういった礼拝堂の奥の小部屋。
これまた彼方此方乱雑に崩れかかった部屋の中で、あたしは倒れた本棚を寝床に自前の枕に頭を預けて、
時刻は未だお昼時だと云うのに寝ているんだか寝てないんだか判然としないごろ寝を決めておりました。
此処に居るのは言葉の通り。御足は節約しないと、いつか歩けなくなるものでございます。
ご案内:「平民地区 -朽ちた礼拝堂-」にシスター・マルレーンさんが現れました。
■シスター・マルレーン > よっこらしょ、と肩に荷物を担いでその礼拝堂に入ってくるのは、明らかにシスターらしいなりをしたシスター。
彼女こそ、教会所属と冒険者ギルド所属の二足のわらじを履いたまま週休無しで働き続ける開墾からできるシスターである。
よくこの世をはかなんで遠い目をしている。
「……ふー、修繕しなさいって一言で言うのは容易いんですけどね。」
ため息交じりにぼやきながら、まずは入り口付近の長椅子をよいこらせ、っと抱え上げて。
がたんごとん、どたんばたん。
土木工事でもやっているかのごとき騒音が睡眠を襲う。
寝ていなくてもたまらないだろう。
■サンザシ > 壊れかけの屋根から差し込む陽光は暖かく、頭巾を脱いで寛いだ格好で右にごろりの左にごろり。
そろそろ程良く意識が70段程階段を下ろうか──なんて所で、がたがたどったんとんとんぴしゃりと音が鳴る。
あたしの耳も、音の出所入口に向けてくるりと向き、それから頭を上げて少しばかり困った顔となりましょう。
流石に、放っておくことも出来ない訳でして、きちんと黒子頭巾を被った恰好で小部屋から出ていくんです。
すると何という事でしょう。礼拝堂の整理をしている、見るからに教会の人物でございな風体が居るじゃあないですか。
「これはこれは寝耳に水の怪音騒ぎ。さてはて馬でなくとも馬耳東風、抜けるは幸い西方浄土となりましょうや、ならずまいか。
しかし西っていい所なんでしょうかね。あたしは判らんのですが──さてはて、随分と派手な呼び鈴ですが何事でしょうか?
……あ、あたしは別に怪しいもんじゃあ無いですよ。単に此処を時々塒にしてるだけの者です。
サンザシと云いましてね、きちんと冒険者としても登録はしております。お疑いなら大通りの大門傍のギルド受付まで御確認をば」
ああ、これは分が悪いなと思いまして、素直に出でて御挨拶など一つ、二つ。
■シスター・マルレーン > 長椅子の埃を落として、一人で抱えて外に運び出して。
また埃を落として、一人で抱えて。
やっぱりこの仕事妙齢の女子にやらせる仕事では無い気がする。
いややりますよ、やりますけど!
溜息まじりになりながら、ほこり塗れになりながらの大奮闘。
よっこいしょ、と声を出してしまいながら、今日も汗を流す。
……ところで、いきなり声をかけられたものだから、ひゃあ! なんて声を出してしまい。
「………え、えーっと、えっと。
寝ているところでしたら、起こしてしまって………すみません。
まあその、ここは古い礼拝堂ですから………ちょっと片付けてこいと言われてまして。」
怪しくないとは言っているが、流石の黒子頭巾に肝の太い彼女も少々ぎょっとした様子で長椅子を抱えたまま身体の動きを止めて。
■サンザシ > ノーシス主教の信徒。
清貧を尊ぶ方々で時折彼方此方で弱者救済の名目で色々な事をしている方々。
成程御立派な事です。その中にミレー族が入っていない事を除けば。
なので色々な意味で分が悪い。遁走するのも怪しまれようものでして、
あたしは驚いた声を上げる女性に身振り手振りを交えながらゆっくり近づいて行く訳です。
「ああいやいやそう謝らずとも。此方も驚かすつもりは御座いませんで。生憎、いや生憎ってのも妙ですけど亡霊の類じゃあ無いので御安心ください。
ほらこれこの通り足もきちんとついておりますし、顔色だって、と言いたい所ですがあたしの場合は少々見せ辛い御面相故御勘弁を。
わざわざ披露して不快にさせて得でも無しに、どうか気に為されませぬよう……して、お片付けと申されるには此処も近々立て直しなどされるので?」
ゆらりゆらりと近づいて、程よい所、面前の御顔もようく判ろう距離であたしは壊れかけの長椅子に腰を下ろし、次には椅子がばきんと鳴って尻餅を着く。
……ので、何事も無かったかのように、別の長椅子に座り直しました。
■シスター・マルレーン > 相手の言葉には、ゆっくりと頷く。
様々な立場の人を見てきた。様々な人を見てきた。
だからこそ、踏み込むべきところとそうではないところは分かっている。
「建て直し。………いやまあ、そうなんですかね?
下手したら全部私にやらせそうでそれはそれで困るんですけど。」
修繕しろ、とか言ってたなあ、と思い出してとほほー、と遠い目をする。
下手したら、ステンドグラスまで作ってはめろとか言い出しかねない。
また新たなスキルを獲得してしまうのか。
「………っと、流石に椅子も何もかも古いですからね、気を付けてください。
まあ、もう一度使うんじゃないですか? 今は特に、影響を気にかけているようですからね。
………こほん。」
咳ばらいを一つしてから、人々の心のよりどころになれる場所を綺麗にするのは、当たり前ですしね、と建前をきっちり述べる。ぺろ、と舌を出すけど。
■サンザシ > 椅子に座って欠伸を一つし、頭巾の内で耳が数度動いて頭も揺れる。
それが済んだら腕を組んで如何にも相手の御話を聞いております的な所作で頷きを交えましょうか。
「いやなに立て直しするなら大人しく出て行って、また別の塒を探すだけですから言葉を濁さずとも大丈夫ですよ。
ってえ其方独りで立て直すのはちょっと無理が過ぎる気が致しますなあ。よもや信徒でありながらゴウレム操作の魔術を使う訳でもありますまいに」
石木に仮初の命を与える操兵魔術。時折、術者のかけた呪が悪さをして制御不能にも陥り、ギルドに駆除の依頼が舞い込む手合い。
あたしは青空のような瞳が遠い所を視ているのに気付いて肩を竦めてお手上げ、と示しもするのですが。
「ああいや御心配無く。尻餅程度で怪我をする程ヤワでもありませんで……で、成程成程、影響ですか。
教会さんも何かと寂しい事情がおありになる。なればこそ、それこそミレー族にも優しくしなすったら、
彼ら彼女らの中から信徒も生まれたりしませんかね?」
そういった所作の折に、おどけて舌を出して『人々の心の拠り所』と女性が云うものですから
きっとその枠に入らない者達の事を問うて、所作の途中で首だけがかたりと傾ぎも致しましょう。
■シスター・マルレーン > 「あー、いや、そうなんです、そこなんですよね。 お偉方は言えば直ると思っているようで。
当然全部手作りですよ。」
腕を組んで、こちらもとほー、と肩を落とす。
ガラス工芸にも手を出す日が来るとは思わなかった。
黒子頭巾を前にしても、変わらぬ所作のシスター。
「まあ、そのあたりの影響に関しては、わかりませんけどね。
私はひとまず、目の前の人を助けるだけ。
教会や宗派全体のことを憂いても、どうにもなりませんしね。
まあ、憂うんですけど。」
ブラックな労働実態に遠い目をする。
ただ、相手の言葉を聞けば、ん、と言葉を少し選ぶような間を残して。
「答えは同じですよ。
国や人々全体の流れを変えるほどの力は私にはありません。
ですから、私はひとまず、目の前の人を助けるだけ。」
穏やかな声で一つずつ言葉を区切って。
「………思考や責任の放棄と言われると、痛いところなんですよね……」
脇腹を押さえて、あたた、と痛い素振りを見せる。
うーん、最近の腐敗の噂とかが胸に刺さる。
■サンザシ > 「おや珍しい。ノーシス教徒の皆々様方におかれましては、あれなる者など路傍の石コロのようなものかとばかり。
其方様は随分と、変わっておりますなあ。いやいや、むしろ思考の放棄とは程遠い真逆の事でございましょう。
教義に従いただただ粛々と動く。それの方こそ、正にゴウレムのようなものかとあたしは思いますが──」
どうにもこうにも面前の女性は苦労人の様子。穏やかな声に伴う言葉も苦労を厭わない姿勢が窺えて
それその物は好ましくもあれど、さてそうなれば一つ試してみたくもなろうものでして。
「──まあ、今は一先ず棚の上に置きまして。それではそれでは其方様。此処で一つの御開帳。
あたしの顔を御照覧なすっても、同じ言葉が出てくるか出てくるまいかと気になりましてね?」
固まった姿勢から水を得た魚のようにするりと動いて頭巾を解いて、
獣の耳に獣の瞳、剣が如く並んだ歯列を隠しもせずに三日月のように唇を歪めようものです。
「しゃーお。……なんて、やったところで別に助けが必要な訳でも無いのですが」
ついでに腕を振り上げる素振り等も加えまして、誰かが見るなら正体を現した怪異が今にも敬虔な信徒に襲い掛からんとする。
そんな風にも視えるかもしれません。
■シスター・マルレーン > 「……変わっているのかもしれませんね。でも、私がずっといた場所では、当たり前だったとは思うのです、けど。」
教義には背かない。同時に、己の心の指し示す方へ。
それはきっと、教会から離れて一人旅を続ける自分だからできること。
きっとあの場にずっといれば、そうなるのでしょう。
少しだけ悲しい目をして窓の外を見る。
教会にいた知り合いは、今はどんな考えでいるのだろうか。
「………。」
僅かに察してはいた。
少なくとも、あの場でその名が出る時点で。
ですから、少しだけ微笑んで額をつん、とつついてやって。
「乙女に同じことを二度言わせるのは野暮ってものですよ?」
なんて、こっちも歯を見せて笑って。
■サンザシ > 朽ちた教会内に響く信徒の悲鳴。それらを聞きつけた憲兵が押し入り、悪逆のミレー族が遁走する羽目になる。
──なんて事になる事は無く、褪せ朽ちたステンドグラスから差し込む陽光ばかりが穏やかな礼拝堂が其処にはありました。
序に、頬をつつかれて呆気に捕まるあたしの顔も。
「……うーん。やっぱり其方様は随分と変わっておられますなあ。少しくらいは驚いてくださるかと思ったのですが、
いやはやあたしもまだまだ甘い。いや辛くなってどうするんだって話でもあるんですけどね。
それはそうと野暮なのは元々ですんで御勘弁を……えーと、そうだ。其方様の御名前をまだ伺っておりませなんだ。
差し支えなければ聞いても?」
頬をつつかれたまま口から転がる声は先程よりは角が無い分、きっと良く転がることでしょう。
しぱりと瞬く銀色の瞳は、面前の綺麗な歯並びと頬に触れる指を言ったりきたりし、
言葉を吐いた後の口はふざけてその指を齧ろうと、わざとらしく大口を開ける事でしょう。
あーん、と。
■シスター・マルレーン > 「……変わっているんでしょうね。
私は冒険者兼シスターという立場でして。 世の中を多少なりとも見知っているんです。
ほとんどのシスターは、……ずっと塀の中にいますから。
私はシスター・マルレーン。 マリーでいいですよ。」
言いながら、相手があーんと口を空ければ、鼻をむに、と軽くつついて、ふふふ、と笑い。
「……そうですね、あえて言っておきましょう。
私はここの土地の教会でずっと過ごしているわけでもないんです。
ですから、誰に気兼ねすることもなく自分の意見を持ったままでいられる。
私の内面が変わっているのではなく、私の置かれている立場が変わっているんです。
同じように考えている人は、きっと多くいますよ。
………きっと。」
最後の一言は、ちょっとだけ願うような声。
■サンザシ > 今にも齧られんとした指はするりと避けてあたしの鼻先を押しつつくもんですから、
あたしの口からは「むが」だの「もが」だのちょっと言葉と云うより音な感じのものが出ようもの。
「冒険者兼とはこれまた面妖な。併しその分では大方面倒な事を頼まれる性質でしょう。
色々御苦労された事も多いのでは──と、今現在苦労されておりましたね、失礼致しました」
マリーさんの手指をそっと手に取り鼻から降ろし、何かを確かめるように撫でて摩り、
成程これは祈っているばかりの手では無いなと頷いてから放しましょう。
「しっかしマリーさんは人が佳いですねえ。系統こそ違えど、まるであたしの昔の御主人のようだ。
いやはやどうか御身体を御自愛なされませ。あたしの主は頓死してしまいましたからねえ……。
どれ、一つそうなる前にあたしが労って差し上げましょうか。
差し出がましく思うやもしれませんが、猫ってのはちょっかい出すのが好きなもんでして」
ミレー族の大半は猫に似ているものだから、あたしは己を揶揄してすっくと立って屈伸運動など一つして。
然るに長椅子に手をかけ持ち上げようとするのですが、これがどうして持ちあがる気配が微塵もせずに困りもの。
「…………」
あれ?先程マリーさんは一人で持ち上げていたような?とあたしの銀色の目が、恐る恐ると向いていく。
■シスター・マルレーン > 「ええ本当に。」
ミレー族の人を相手に、自分の苦労を語る。
単純に比較してしまえば、どちらが大きくてどちらが小さいかは図れまい。
だからこそ、思うままに口にした。 割と即答。
遠い目をして窓の外を見る。 ふ、と少しだけ自虐的な笑いを浮かべて。
「はっは、人が好いだけではないですよ。
なんだかんだで、このお仕事も無給というわけでもありません。
本来なら奉仕活動、ってことになるんでしょうけれどもね。
……それで、冒険者というわけですね。
さっきも言った通り、お金も出ているので、まあそこはちゃんとやらないと。」
ははは、と笑いながら長椅子を背中に抱えるようにして持ち上げる。
重い物を腰で持ち上げる所作は熟練の手つきを感じさせるか。引っ越し業者か私は。
「………じゃあ、屋根が壊れているかだけ確認してもらえません?
昔、屋根から落ちて腰を強打しましてね。」
遠い目をしつつ、向いていそうな手伝いをそっとお願いしてみる。
■サンザシ > 毎日これをやっております。
言葉に無くとも身体が語る──マリーさんが長椅子を持ち上げる様子はそういった物でして、
それを見つめるあたしの顔はきっと間抜けに口を開けたようなもの。
彼女に屋根上の確認を、と言われた所で漸く我に返って、黒子頭巾をきちんと着けてから頷きを返すのです。
「……なんだかこう、下手に報酬が出るから逃げられない。みたいなニュアンスを感じたのですが
気のせいですかねえ……いやまあきちんと御足が貰えるのは良い事ですが、今時分、気を付けないと踏み倒されないとも限りませんし。
尤も今は踏み外すほうが心配ですが、そこはまああたしも慣れておりますんでね、どうか御心配なく。
先日梯子ごと落っこちましたがそれはそれ、これはこれ。恙無く屋根の確認などをして参りましょう」
とはいえ奥の小部屋などは判り易い程に壊れているのですが。
等々言葉を跡付け、あたしは奥に引っ込んで行くんです。
程無くして天井の方からああでもない、こうでもないと破損状況を伝える声が響きましょうや。
ご案内:「平民地区 -朽ちた礼拝堂-」からサンザシさんが去りました。
ご案内:「平民地区 -朽ちた礼拝堂-」からシスター・マルレーンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 -大通り-」にミヤビさんが現れました。
■ミヤビ > 平民地区の大通り、人通りの多いその一角に出店がいくつも出ている場所がある。出店では様々なものが売られており、人通りも多くにぎわっている。
ミヤビもまた、出店を出すものの一人だった。
草を編んだ敷物、茣蓙をを地面に敷き、売り物である自分が調合した薬を、その上に並べてきた。
頭痛薬、風邪薬、傷薬…… そんな普通の薬が並ぶその横には『薬調合します』という手のひら大の看板を置いている。
「あったかいですね……」
ハルウララの日差しが温かい時期の昼間。ぽかぽかと暖かい陽気にのんびりとした空気が漂っている。
ミヤビはそんな日差しの中、のんびりと座って、狐の尻尾をゆらゆらと揺らしながら、客を待っていた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 -大通り-」からミヤビさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミヤビさんが現れました。
■ミヤビ > 「ここはお客さんが少ないみたいですね」
普段は冒険者ギルドで頼まれて薬を売ったり、病院に卸したりをしているのだが、家族が一度に5人も増えたため、収入増を目指して大通りに出店を出したのだ。
もっとも、周囲を見ると売れているのは串焼きといった軽食やアクセサリーなどの小物や雑貨ばかりであり、彼女のような薬--信用も必要な商品を売っている者は全くいなかった。
「まあ、今日は暖かいですし、ここでのんびりしてから帰りますか」
人が何人も前を流れていくのをのんびり見ながら、ミヤビは日向ぼっこにいそしむこととした。
■ミヤビ > 「しかし、どうやって収入を増やしましょうかね」
現状も安定して収入を得ているが、子供が5人もいると若干心もとない。
薬の生産できる量には余裕があるが、このまま冒険者ギルドや病院への販売量を増やすのはなかなか難しい。消費は多いが一方でライバルが多い以上、そうそう購入量を増やしてはもらえないのだ。
腕で同業他社に負けているとは思わないが、何か明確に優れている点もなく、すぐに収入増は望めなかった。
「やはり別の販路を考えるべきでしょうか」
ミヤビが得意な薬はもともと、植物の成長促進剤や、動物の繁殖促進剤である。農家や畜産に伝手があれば売れるかな~ なんてことを、ふわふわした頭で考えていた。
人間にも効く強力な繁殖促進剤、つまり強力な媚薬や排卵促進剤なども作れるが、そういったものが一番売れる、というのは彼女は気づくことも知ることもない。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエイブラさんが現れました。
■エイブラ > (今日も今日とて美味しいものや面白いものを求めて。
平民地区の大通りの露店を冷やかし、時に購入しと歩いている
と珍しく薬を売っている狐な少女が目に入り、店舗の前で脚を
止めて)
「こんにちわ、こちらはどういった品物を扱っているお店で
しょうか?お薬、というのは分かるのですがどのようなお薬
を売っているのでですか?」
(執事服が汚れるのも気にせず、片膝をつくようにして屈むよう
にして、少女と目線が合うようにして。相手の綺麗な金色の瞳
を優しく見つめ、微笑みを浮かべながら尋ねて)
■ミヤビ > 「いらっしゃいませ、お兄さん。ここに置いてあるのは、風邪薬と頭痛薬と、あと傷薬ですね」
声をかけられて嬉しそうに応対する。
そういえば、どれがどれといったことを全く書いていないことに、出店を出して半日経ってはじめて気づいた。
自分は商売には向いてないなぁ、と自嘲しながら、一つずつ置いてある薬の薬効を説明しながら、薬の前に『風邪薬』『頭痛薬』『傷薬(ぬるやつ)』『薬草茶(あまい)』と書いたメモを置いていく。
「ここにある効果は以上ですが、他にもご注文いただければ大抵の薬は作れますよ。ただ、毒薬と避妊薬だけは作れませんのでご了承ください」
初めてのお客さんということで楽しそうに説明をし終えたミヤビの尻尾はぶんぶんと嬉しそうに振られていた。
■エイブラ > 「はい、初めましてお嬢さん。
なるほど、オーソドックスなお薬が置いてあるのですね。
腹痛のお薬ですとか熱冷ましのお薬というのは風邪薬に含まれ
ているのでしょうか……それと、こちらの薬草茶は甘いと書かれ
ていますがどれくらい甘いのでしょう?」
(薬の効果を説明して貰い、なるほどと頷いて。それから甘い
とかかれた薬草茶の味に興味が湧いて、味を尋ねて。そして
薬はたいていのものは作れると言う少女に感心する)
「なかなか腕の良い薬師さんということでしょうか?ふむ、毒
薬は分かりますが避妊薬はどうしてでしょう?娼婦の方に販売
すればたくさん売れるでしょうし、娼婦の方も助かると思いま
すが。何かそういうポリシーがおありなのですか?それにして
も……ふふっ、可愛いですね、そんなに尻尾を振って。もふりた
くなります」
(毒はまだしも避妊薬もと言われれば不思議そうに首を傾げて。
そして嬉しそうに振られている尻尾を見ればくすくすと笑いな
がら可愛いと微笑みを浮かべる)
■ミヤビ > 「風邪薬は不調には大体効きますから、腹痛でも熱さましでも行けます。効果は弱いので、ちゃんとしたのはお医者さんでもらってください。こちらの甘いっていうのはすごく甘いです。水に5倍以上薄めるか、もしくはシロップとして使えると思いますよ」
尻尾を褒められて嬉しそうに尻尾を振りながら、一つ一つ説明していく。興奮しているのか若干早口である。
「毒薬や避妊薬が作れないのは、私の能力のせいなのです。生き物を生かす方向にしか効果を発揮しなくてですね、特に繁殖系の傾向が強すぎて…… なので避妊薬を作ると反転して繁殖促進剤になってしまうのです」
多少要領を得ないそんな説明をする。
「だから一番得意なのは繁殖促進薬なのです」
明確な説明はしていないが、それが媚薬と排卵促進剤を組み合わせた効果を持つものだとわかるだろう。
■エイブラ > 「なるほど、ではその風邪薬を幾つか頂けますか?
それと保存可能期間がどれくらいか教えて頂けますでしょう
か、使用期限切れのお薬を飲むのは怖いですからね。シロップ
に使えるくらい甘いのですか…では、そちらはあるだけ全部を
頂いても構わないですか?それと、貴女の尻尾とお耳をモフ
らせて欲しいのですが如何でしょうか」
(自分が使うことは少ないだろうけれど、道端で困っている人
に会ったときに使う分には持っていてもいいだろうと、使用期
限に応じて数を買おうと決めて。シロップにもなるくらい甘い
なら、何か食べるときに仕えそうだとあるだけ購入したいと尋
ねて。そして可愛らしい狐の耳と尻尾をモフモフさせて欲しい
とどさくさに紛れて頼んでみて)
「なるほど、そういうことなのですね。それでは避妊薬は作れ
ないというのは分かります。ふむ、その繁殖促進剤というのは
どれくらい効果があるものなのでしょう?」
(いわゆる媚薬と排卵促進剤を合わせたようなものらしい、とい
うのは想像がついたものの、その効果のほどはどれくらいなの
かと少女に尋ねて)
■ミヤビ > 「保存可能期間は、1年は最低でも大丈夫です。日があたる場所でも保管できますよ。はい、どうぞ。全部で……500ゴルトになります」
風邪薬を2本とシロップ10個を袋に入れて渡す。
「えっと、モフモフは……ここでは恥ずかしいので、又あとでうちに来てください」
そういいながら、名刺を渡す。家に男を誘う意味は全く分かっておらず、外でなで回されるのは恥ずかしいという意味以上を本人は持っていない。
「繁殖促進剤は、そうですね。1本使えば、大体牛の番が10頭ぐらい産むぐらい、ですね。人にも使えますよ~双子から三つ子は余裕で産めます」
なぜかどや顔しながらそんな説明をする。自分の作品の効果を自慢しているのだろう。
■エイブラ > 「1年もですか、それはなかなかすごいですね。
ありがとうございます、500ゴルトですね。それでは500
ゴルト丁度、お渡ししますね?ふふ、それでは今から貴女のお
うちにお邪魔しても宜しいですか?貴女の可愛い耳と尻尾をた
くさんもふもふさせて頂きたいのですが。ミヤビさん、です
ね。私はエイブラと申します、宜しくお願い致しますね」
(袋を受け取り、お金を払って。名刺を渡されてはこちらは流石
に名刺を持っておらず、作っておかないといけないと思いつつ
自己紹介をして)
「10頭もですか……なかなか凄い効果ですね。ほう、人間にも
使えるのですか……ふむ、例えばですがミヤビさんのような方に
も効果はあるのでしょうか?」
(どや顔をしている少女を微笑ましそうに見つめながら、人間
ではない存在にも効果があるのかと尋ねて)
■ミヤビ > 「エイブラさん、ですね。一応時間いっぱいはここで売ろうと思うので、
6時ぐらいにいらしてください。夕飯もごちそうしますよ」
2日分の生活費をポンと出してくれた優良顧客である。
仲良くしたいという打算もあり、そんなお誘いをする。
「基本的には誰にでも効果がありますよ。
ただ、私に限って言えば元々多産の祝福を持っているので、
出産数は増えないでしょうねー」
つまり媚薬としての効果はある、
明確には言わないがそういう意味だろうと分かる説明である。
「一本買いますか? ちょっとお高くて1000ゴルトですが」
ごそごそとカバンからピンク色の液薬を取り出す。
どうやら話の薬らしい。
■エイブラ > 「ふむ、それでは今、ミヤビさんの準備されてる
お薬で販売予定のものを全部購入させて頂く、というのはどう
でしょうか?1年も使用期限があるなら買って常備薬にするの
もいいですし。ああ、でも夕飯を御馳走になるのも捨てがたい
ですね」
(時間一杯売ると言うことは売切れれば帰る、ということだろう
と全部を常備薬としても購入できるかと尋ねて。多産の祝福と
言われると首を傾げる)
「多産の祝福ですか……ふむ、そちらも使用期限が長いのでした
ら一本と言わず、五本ほど頂けますか?」
(ごそごそとピンク色の液薬を出す少女へ、高くてもそれくらい
は即金で払えますから、と五本ほど買いたいと申し出て)
■ミヤビ > 「ええ、そんなに買って大丈夫なんですか? 必要ならばすべて売りますが。繁殖促進剤の使用期限は大体3年ぐらいですね。ただ、こちらは暗所で保管してください」
太っ腹すぎる提案に戸惑いながらもお薬を全部(風邪薬10本、傷薬10本、頭痛薬10本、繁殖促進剤5本)をまとめ渡す。すべての代金として6000ゴルドを受け取り、ちょっとお金持ちになった気分になる。
「えっと、このまま一緒に買い物して帰っていただけるのなら、夕飯もごちそうしますよ?」
売り切って楽しそうに片づけをしながらそんな提案をする。
■エイブラ > 「こう見えて、お金持ちなんですよ?
大丈夫ですので安心して下さい、実際のところ稼ぎが結構あり
ますので。三年で暗所で保管ですね。分かりました」
(お薬を受け取り、繁殖促進剤は暗所でと言われて頷いて。買
物を一緒にと言われれば頷いて立ち上がり膝についた土を払って)
「では、荷物持ちをさせて頂きましょう。夕飯を御馳走になる
のですから、それくらいはさせて頂きたいですし。ところで今
日の夕飯は何を予定されていらっしゃいますか?」
(そう尋ねながら薬の入った袋を丁寧に抱え、少女の家へと一緒
に向かうべく、買い物をしようと歩きだして)
■ミヤビ > 「お金がいっぱい入りましたし、お肉ですね!!」
嬉しそうにそういって、お肉屋へ向かう。
「野菜はうちで育てているのですが、お肉はそうはいかないんですよね」
太っ腹に買い物をするのかと思いきや、端肉やくず肉を大量に買っていく。
「今日の準備はこれで大丈夫です。では、帰りましょうかー」
荷物をエイブラさんに持ってもらい、空いた手をつないで家に帰るのであった。
■ミヤビ > 移動しますー
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミヤビさんが去りました。
■エイブラ > <移動します>
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエイブラさんが去りました。