2019/04/14 のログ
■イグナス > 花見も又よかろう。次のゆく場所が決まったならば、良しと前を向いて歩きだして――
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリディルさんが現れました。
■リディル >
町の大通りを歩く青年
はじめてこの町に来た…ということを物語るように、その視線を往来のあちこちへと散らす
「(…こちらの町は、活気があるのか)」
この国に訪れ、とりあえず王都を目指したは良いものの
その町外れの様子を言えば悲惨なものだった
貧しい人間達、売り買いされる人々、幅を利かせる暴力者
貧富の差が治安の悪化を生み、国の寿命を縮める……この国は、きっとこのままだと長くないのだろうと感じた
一転して、この町には賑わいがある
この国で逞しく生活している人々の気力を感じることができた
■リディル >
足を止める
その前には、老若男女問わず入り乱れるように出入りする建物が一つ
「───ギルドか」
主に冒険者…と呼ばれる者達へ古今東西集う依頼を斡旋し、取りまとめる施設
貧しい生まれでも身体一つで稼ぎ、この町で生活することもできるだろう…一つの基盤だ
当然、冒険者が集まる場所の近くには店もあるだろう、宿もあって然り
この一角が、この町の中心になっているだろうことは想像に難くない
視線を外し、歩みを進める
その先には店の表に色々な武具を並べた…所謂、武器屋
そこへと向かい、再び足を止めた
「──店主、剣を一つ見繕って欲しい。
そうだな…片手で振れる程度の長さがいい。業物でなくとも構わない。
通貨の変わりになるかはわからんが、金貨はいくつかある。
融通してもらえるなら、その剣で稼いで…またこの店の客として来るよ」
■リディル >
異なる地へと赴いた時に、最初に困るのは通貨だ
幸い、この国では金は価値のある貴金属だったらしい
…場所によってはこういった物々交換が成り立たないところもあるが、今回は善しとしよう
刃長は胴ほど、鞘も都合おまけとしてつけてくれた、良い店だ。懇意にするしかない
「…さて、得物一振りあれば…とりあえずは冒険者として用を為すだろう」
踵を返す
向かう先は…冒険者の集うギルドだ
■リディル >
冒険者という立場は都合が良い
保証された身分でこそないが、仕事で信頼を勝ち取ればギルドからそれが保証・証明される
より難しい依頼や、この国の中枢からの依頼を受けられる立場になれば、この国で足を運べない場所がなくなるだろう
それこそ王城や、神殿…
本来ならば一般の人間が立ち入りできないような場所であっても
足を運べる場所は多ければ多いほど良い
所詮、届かぬ場所に在るものを救うことはできない
行動範囲を広げることは、即ち自身のやるべきことの対象を増やすことに繋がる───
簡単な書類の作成と、ギルドへの登録が終わる
名は…リディルと名乗った
記憶に在る限りならば、竜を穿った剣の名だ、自分に相応しい
「……と、いっても。
まぁ新米にまわされる仕事などたかが知れたもの、だな…」
ギルド内の椅子に腰掛けて、渡されたいくつかの依頼書を見比べてゆく
溝掃除、留守番、酒場の荷運び…当然といえば当然、危険の少ない仕事ばかりだ
■リディル >
「剣を調達したのは気負いが過ぎたかな」
ふぅ、と息を吐いて、書類をまとめる
こういった仕事でも早いもの勝ち、むしろ危険が少ないものなら、日銭を稼ぐ分には良いのだろう
たとえ命の利きでなくても必要な仕事に人手が足りないというのは困り事だ
自分が手を貸すことでそれが解消されるのなら、それで納得はできる
この国や民にとってはどうか知らないが、どうせ自分には時間は無限にある
「──いくつか請け負うよ。
そうだな…時間都合的にかち合わないだろうし、これと……」
仕事に慣れた様子で話し始めると、新米じゃないのか、と問われる
この町では初めてだ、ということを明かせば…なるほど、そういうことなら他の仕事もある、という
「(最初からそう言っておけばよかったな)」
と思いはしたものの、請けるといった言葉をなかったことにはしたくない
「酒場の荷運びは請け負う。昼過ぎには身体も空くだろうから──」
再び、新たに渡された書類との睨めっこがはじまる
■リディル >
もし腕に覚えがあるなら…と、手渡されたいくつかの依頼書
さすがにこのギルドでの信頼をまだ勝ち得ていないのもあって、貴族や王族からのものではない、が…
「奴隷商人のキャラバンの護衛……
ミレーの集落を探しての人狩り……」
ミレー、というのはこの国における奴隷階級の種族らしい
この町でも、この町に来るまでも何度かそれらしい者を目にした
こうやって依頼としてまかり通る以上は、あれらはそういう意味で保証された身分なのだろう
この国で生まれ育った者ならば、それが普通のことであり、それに違和感を感じることもない
「自由であることが幸せに繋がるわけじゃない…か」
この国がその形で、この国の民がこの国での幸せを得ているならばそれを否定はできない
自由を与えてしまうことで、奴隷という身分を剥奪していまうことで不幸になる者がいない、などとは言えないのだ
「(……この国のことを知るためには、必要な仕事かもしれないな)」
奴隷商人のキャラバン警護、その依頼書を一番上に、それらをまとめて…再び受付へと動く
■リディル >
「馬の足で半日なら、夜営の支度はいらないな…
というわけで、報酬前借りで支度金をせびる必要はないらしい」
軽口めいた冗句をも含んだ会話を交わしつつ、依頼書の写しを受け取りギルドを後にする
まずは此処のことをもっと知る
そして、足の届く範囲を広げる
それから、目の届く範囲を見極めて…守れるものは守り、救えるものは救おう
広大な理想と正義は何かを犠牲しないと為されない
そしてそれは必ずしも誰もが望むもの、とは限らない──
「(それ以上が必要になった時は…また、誰かが導くだろう)」
ギルドの建物から出る
さて酒場とやらは、この通りを真っ直ぐだったか──
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリディルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 昼下がりの大通りの光景は、今はしとしとと降り注ぐ雨に煙っていた。
そんな中を、傘布部分に赤いラインがある以外は骨も全て銀色という、奇妙な番傘を片手に
ゆるりと歩く金髪の男が一人。今は傘を携えている代わりに、普段羽織っている特徴的な銀色のジャケットは着ていない。
「──ふぅーむ……コレは当分止む気配がなさそうだったな」
傘越しに軽く曇り空を仰ぎながら、ぽつりと呟く。
雨の降り始めはつい先程。その時はまさに土砂降りと言った感じで、突然の勢いの良い雨に
降られた町人たちは、皆一様に慌てていた。
男もその中にいたため、全く濡れずに済んだということはなく、髪が少し濡れている。
今は降り始めに比べて雨足は大人しくはなったものの、雨具なしに歩くには躊躇われる程度の
雨が降り続いており、周囲にはぼちぼち傘の花が開きつつあった。
そんな光景をボケェー……とした表情で眺めつつ、男はマイペースに歩き続ける。
そこいらの軒先で、雨具がなくて困ってる女性でも雨宿りしてないかなぁ、なんてしょうもないことを頭の片隅で考えつつ。
■エレイ > やがて男の姿は、雑踏の中へと紛れていって──。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエレイさんが去りました。