2019/04/09 のログ
ソウレン > 食事を出し終えると、清水で手を洗い始める。
ぱくぱくと嬉しそうに食べる姿を笑みを浮かべて見守りながら、薬缶を改めて炉にかけていく。

「菜花は今が季節だからね。確かに、野草としては食べやすい部類だろうね。
王都の料理も数は多いのだけれどね。
酒場で食べるならそれなりに気の利いた店主の所に行かないと同じ味付けだろうなぁ。」

基本的には酒を呑むところだろう。
つまり、味付けが濃く、ある程度腹に溜まるもの、という風な。
気の利いた店に行けば料理上手の店主が色々と作ってくれたりはするのだが。

「この店は私だけだよ。
私だけで店ができる程度の間取りだし、調理場も同じくね。
何、料理なんてものは慣れと、少しの研鑽だよ。味付けはセンスだけど、磨けば誰でもできるものだ。」

しゅるり、とたすきを解けば少々リラックスした様子に。
薬缶からしゅんしゅんと音が鳴ってくれば、急須に茶葉を入れてお湯を注いでいく。

興奮気味に食事を進める少年に、喉を詰まらせないように、とお茶を出してやる。
熱いから気を付けてな、と言いながら自分の分も注いでいくだろう。

アルブム > 「んぐ、んぐ……はふ。んー、どれもちょっぴり塩気多めな気がしますけど。
 でもそれが、この白いお米にとっても合ってると思います!
 菜の花の白和えもとても柔らかい味で………ん、あっ。ありがとうございます。お茶、いただきます」

感想が次から次へと出てくるのは、珍しい味覚に高揚してしまったからか、それとも場の静けさに気まずさを感じたからか。
一応口に含んだ分を飲み込んでから喋っているが、それでも行儀が良いとは言えないだろう。
見かねたようにお茶が差し出されると、ふと口数も落ち着き、ふぅふぅと冷ましながら啜り始める。

「料理は慣れ、ですか。それでも、店を1人でやってるのはすごいと思います。
 ぼくなんて一人暮らしそろそろ1年くらいになるのに、料理なんて野草を煮るのと肉を焼くのくらいしか……」

温くなった緑茶をこくんと飲み込み、落ち着きを取り戻した口調でそう感想を述べる。
あまり手先が器用なほうではなく、刃物の扱いも苦手。どうしても自炊は単純なものに寄ってしまう。
この女性は慣れ+研鑽と言うが、きっと才能とか、生まれた場所とかも関係するんだろうなぁ……などと。
そう考えながらソウレンを見つめていたアルブムの頬がぽっと赤く染まり、セリフが止まる。

それは、何気ない変化。異国の衣装に身を包んだ女性が、服を縛っていたたすきを解いただけ。
先程裏路地で出会ったときの装いに戻っただけ。それなのに。
ほんのそれだけの仕草と些細なシルエットの変化に、アルブムは強烈な印象を抱いてしまった。
ひらひらの袖が舞う優雅さに。その緩やかな布地の裏に隠された女性の肢体のしなやかさに。

そういった、彼女の魅力の1つ1つがアルブムの中で言語化されていくと、いよいよ意識がソウレンへと集中していく。
心臓が早鐘をうち、熱がアルブムの小さな体内を激しく行き交う。タイツの裏で汗がぶわっとにじむ。

「…………そ、その。き、ききき、きれいな、服です、ね……」

戸惑いを振り切るように、言葉を紡ぐ。しかしそのセリフは震える歯と舌に阻まれて、途切れがちに。

ソウレン > 「醤油や味噌はそれなりに塩味が強いものだしね。
確かに、米に合うように作ったというのもあるけれど。」

自分の分として注いだお茶をずずっと一口。
ほう、と薄い唇から息を吐き出しながら、少年を見ている。
温かな緑茶は一息つくのにちょうどいい。それは飲んでいる少年にもよくわかる事だろう。

「はじめは誰でもそんなものだよ。そこからどうするかは君次第だろう。
王都の図書館にでもいけばレシピ集などはある。自分で購入してもいいな。
手本にして実行する事から始めるものだ。」

初めの一歩。それを踏み出せば、あとは自分次第だと静かに言った。
ソウレンにとっては今では生活の一部。
なので「すごい」という事ではないよ、と微笑むだけだ。

「ん、ありがとう………どうかしたかい?」

そして、少年の変化には少し不思議そうに。
どことなくそわそわと、体温が上がっているような気がする。
なんというか…まぁ、それを察せない程ソウレンは子供というわけでもなく。
やれやれ、と苦笑する。

「暇とは言え、まだ営業中だからね。」

気持ちは嬉しいのだけど。と。

アルブム > 「………えっ? あ、いや、そのっ! ぼ、ぼく、別にそういう意味で言ったんではなく…!
 ほんとに、ほんとにお姉さんのお召し物が……その、珍しくて綺麗って思っただけで……」

慌てふためき、両手がせわしなく宙を切る。何を描こうとしているのやら。
ソウレンのツッコミを受けて、まるで自分がこの女将を口説いているかのようなセリフを吐いていたことを認識する。
額に汗を伝わせながら、懸命に言い訳のセリフを垂れ流すも、やがて萎むように落ち着き。

「……ご、ごめんなさい。変なこと言っちゃって。ま、まだぼくには、そういうの、早いですから。
 でも、お姉さんはとってもステキな人だと思います。背も高くて、料理も上手で、店まで持ってて。
 ぼくも、お姉さんみたいに料理できるようになりたいです」

未だ顔に赤みを帯びたまま、若干視線を反らし気味にしつつ、ぼそぼそと申し訳なさそうにつぶやく。
そして湯呑に残ったお茶を一息に飲み干すと、ローブの裾を弄り、巾着を取り出す。お財布だ。

「お代、払います。いくらでしょう……?
 そ、それと……その、帰る前にひとつだけお願いがあるのですが。えっと……。
 ……紐? さっきやってたみたいに、紐で身体を縛って袖を抑えるやつ。それのやり方だけでも、教わりたいです。
 ぼくも普段こういうヒラヒラの服だから、水仕事のときとか邪魔になっちゃって……えへへ」

意を決したようにひとつ唾を飲み込むと、ソウレンをまっすぐ見据え、たすき掛けのやり方の教授を乞う。
本気で知りたいのもあり、憧れる料理人の振舞いを型だけでも真似たいという短絡的な思考もちょっとある。
そしてなにより、もう少しだけ、一時的でもいいからこの女性と距離を詰めてみたい、という下心も。

「あ、あとできればもう一つ……お姉さんの名前も知りたいです……」

ソウレン > 「ふふ。そうかな。
まぁ、そういう事にしておこうかな?」

ぱたぱたと慌てて手を振るう少年はやけに可愛らしい。
年頃の男の子だな、と微笑ましい気分にはなる。

「ありがとう。何、それでも私はただの居酒屋の店主のつもりだよ。
それ以上でもそれ以下でもない。身長は伸びてしまっているけれどね。
…君がやる気を持っていれば、上達はすぐだよ。」

真面目な研鑽は要らない、と笑う。
やっていればそのうちできるようになるよ、と。
巾着を取り出す姿を見て、少し思案する。告げた金額はそれなりにリーズナブルな定食1回分、という所だった。

「名前かい? ソウレンという。東国の字があるが、それはまたの機会かな。」

硬貨を受け取り、名前を名乗れば調理場からカウンターへ。
たすき掛けの事かな。と言いながら少年の傍へいけば、ゆっくりとそれを教えてあげるだろう。
暇な日である。形になるくらいまではたすき掛けの練習に付き合ってもいいかもしれないな、と考えながら―――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアルブムさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からソウレンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にパティさんが現れました。
パティ > 「えっへっへー、今日も大量だよー。
 これがあるからパン屋さんのバイトはやめられないよねー」

たっぷりパンの詰まった紙袋を抱えてにこにこと夜道を歩く。
今日はお店のおじさんがジャムまでオマケしてくれたので、いつもより豪華な夕飯になりそう。

「あ、そうだっ。市場に寄って何か買い足そっと。
 干し肉があるから、野菜を買って炒め物にしたら栄養もばっちりだよね」

立ち止まってパンの袋を抱え直し、市場の方向はどっちだったかなときょろきょろ。

パティ > 「あっ、こっちだっ!」

覗き込んだ曲がり角の先に市場の大きな帳が見えて、
ぱっと表情を明るくして弾むように駆け出す。

「くーださーいなっ」

娘の姿と声が賑わう市場に溶けていく…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からパティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシュバルトさんが現れました。
シュバルト > 平民地区の大通り、夜更けと呼ぶに相応しい時間ではあるのだが、まだまだ王都マグメール平民地区は眠らないようだ。

そんな一夜の出来事。

「……くっしょい………。」

昨日から妙に悪寒が止まらず、手作りのポーションがぶ飲みで、今日は平民地区の大通りで露店を出している。

売り物は各種ポーション、香、化粧水……諸々。
基本的には極普通の飾り気の無い瓶に薬液を詰めているモノ、香にしても棒状の物や小さな塊に練ってあるモノなど、是もまた諸々販売している。

どれも試験的に作ったものやあまり物で作ってるので投売り価格を書いた紙を直接商品に張ってたり、商品の下に敷いてたり、で本命はその場で行う調律サービスである。

流石に是は安売りできないので相手次第(魔力の量次第)なので、銀貨1枚~金貨数枚と書いて、三角に折り込んだ紙に貼り付けてある。

「………ファァ…………。」

しかし、何だか眠い。
薬の副作用だろうか、来る客も居ないので小さな椅子に座ったまま前後にゆらゆら……。

シュバルト > しかし、お客様が全く来ない。

時々覗く人が居てもお客になる事無く、首をかしげたり、高いなーと呟いたり……で去っていくのだ。

そう言われても材料は高いのだし、市販で同じ物を買おうとすれば倍の価格よ?とは言えず、申し訳無さそうに笑ってから見送ること数回……今もまた露店を覗く人は居ても、交渉までには至らない……ようだ。

思いっきり溜息。
誰かが溜息をつくと幸せが逃げるとか言っていたが、逃げるほどの幸せを誰かくださいって感じである。

さて、どうしたものか……と愚痴りながら指先で頬を掻く。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエレオノールさんが現れました。
エレオノール > 今夜の王都は『いい匂い』がしない、と思いながら夜の大通りを歩く。胸の谷間の大きく開いたドレスで往来を歩けば、男女問わずに視線は集められるし、それは気分のいいものではあるのだけど、今更それくらいで気分が高揚するほど無欲でもない。
楽しいこととまでは言わずとも、何か暇潰しになるようなものでもないだろうか……と溜め息をついていると、ふと、一つの露店に目が行った。

「なんだか不思議な香りですのね?香水か何かかしら?」

にっこりと人当たりの良い微笑みを店主に向けてから、並べてある商品に視線を送る。自然、前屈みになって谷間を見せつけるような姿勢になるが構いはしない。というか、もとよりそのつもりでもあった。

シュバルト > お?まともに声をかけられると眠気は吹っ飛び、キリっと表情を引き締めてから、柔らかな笑みを浮べて接客のスタイル。

人当たりの良い笑みを浮べるお客様にコイツは上客かな?と心の中でにんまりと笑う、も今夜はそろそろ時間的に店仕舞いをしようと思っていた所で、まあ本日最初で最後の客だと気合も十分。

「はい、市販されている香水と変わらぬ質で半分以下のお値段で提供させて頂いております。後は……ローソクの蝋に香を混ぜた香り漂うローソクなども有りますがお一つ如何ですか?」

と足元にしいた大き目のビロードに並ぶ商品の中から比較的シンプルだが可愛らしいガラスの小瓶を選んでお客様に向けてそっと差し出す。

掌よりも小さな瓶、其処には紫色の蝋がキッチリとつまっていて、その中心には油をしみこませた糸の芯がぴょんっと伸びている。

芯に火をともすと蝋が溶けて甘い香りを放つタイプの香である、価格は銀貨一枚、中々の上手くできた商品だと思うのだがお眼鏡にかなうだろうか。

エレオノール > 「まぁ、半値以下で?いったいどういう秘密があってそんなことができるのかしら……それに、その蝋燭もとっても可愛らしいわ」

上機嫌な笑みを返しながら、考え込むようなポーズ。大きな乳房を左腕で持ち上げるようにしながら、

「じゃあ、その蝋燭ひとついただこうかしら。それから……」

ちらりと金色の瞳を向けて、商品ではなく店主の青年を観察する。

「近頃、肩が凝ってしかたありませんの。そういう体の不調なんかに効くお薬か何かありませんかしら?」

シュバルト > 「その秘密は……あまった材料で片手間で作ってるので安いんですよ。効果も香りも市販品にまけない物なんですけど、安すぎて市場に流すと色々と睨まれちゃうんで、処分価格にして売り捌いてるんですよ……なので安いんです。」

では商品をお包みしますね?何て言葉を付け加えながら、此方を観察する視線には軽く首を傾げて見せる。

その間も手を動かして、香りのする小瓶入りローソクを少し高めの可愛らしい真っ赤な布の袋に詰める。

「……うーん、原因は言わずもがなですかね?そうなると……肩に塗る膏薬かオイル、後は此処最近貴族の依頼で作った乳房が痩せる薬とかですかね?」

と視線をたわわなそこにチラッと向けて、また首を一つかしげるのだった、どうしますか?見たいに。

エレオノール > 「あらあら、良いお仕事をされる方がそんな肩身の狭い思いをしないといけないなんて、世の中ままなりませんわね」

変わらない笑みを浮かべながら可愛らしい包装のされた商品を受け取り、代金を少し多めに渡す。

「ううん、胸が小さくなるのは困りますわね……服のサイズが合わなくなっちゃいますわ。それに、薬や軟膏も使用人に塗らせるわけにもいきませんし……参りましたわねぇ」

彼がこちらの胸に視線を向けたと判断するや否や、またしても乳房を下から持ち上げて見せる。いかにも白々しい、一目見て色仕掛けとわかるような仕草である。

シュバルト > 「本当にままなりませんとも……。」

是ばかりは同意である。
安宿から早くお店を持ちたいのにお金が溜まるとお金が減るような出来事にぶち当たり、気がつけば一文無し……にはならないけども、稼いだ分が吹っ飛ぶことなんて多々ある、寧ろそれしかない。

代金を受け取ると「毎度あり」と飛び切りの笑顔を向けて財布代わりの皮袋に入れて、懐にしまう、白々しくも艶めかしい色仕掛けに、軽く首を傾げて……。

「それは残念、膏薬は毎晩塗らないといけませんし…ああ痩せ薬の方も寝る前に一服してもらう形となりますので、ほら、その辺りはお手伝いできません、残念ですけどね。」

と肩を大げさに竦めて色仕掛けはまるっと包み込むように波風立たぬようにお断りをするして、ちょっとだけ困ったように笑うのだった。

と言うのも乳が嫌いな男子は居ません、なのだが……あまり大きすぎても、というのがある。

貴族の依頼である痩乳薬もまあその辺りの趣味もあって作ったものの、目の前の女性の様にそれを魅力とする方の方が多いので……余ってるのだった。