2019/03/12 のログ
カイン > 「仕事上がりに普段行かない場所を通るかと言う欲何か出すもんじゃなかったかね。
 貧民地区と違って歩き回っていれば何処かに突き当たる筈だが」

仕事終わりに興が乗り、普段とは違う道筋で根城を目指す散歩の最中である。
半ば迷子のようなものだが、貧民地区での迷子とは異なり区画の整理された平民地区なら迷った所でそう困りはしない。
一度足を止めて自分の歩いてきた繁華街の方へと視線を向け。

「最悪回り回ってあっちに戻ったら、普段どおりの道筋で帰るとするかね」

そこまで自分に方向感覚がないとは思いたくないがと独りごちて肩をすくめる。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にユキさんが現れました。
ユキ > 表通りの方からてほてほ、と。
さまよい込んだのは東洋の巫女。

きょろきょろ、と見回してから、首を傾げ。
また首を傾げてから。

彷徨うようにあっちにいったりこっちにいったり。
男の視線から消えてはまた出てくるを繰り返す。
……迷っている模様。

カイン > 「……うん?」

どうしたものかと少し考える様子をしていたところ、
見覚えのあまりない装束の人影が目に映る。
おや、と声を上げながら目をしばたたかせながらも興味を惹かれてゆっくりと近づき。

「おや、どうかしたのかい?何か困りごとでも?」

ユキ > 「…………」

声をかけられれば足を止めてから。
小さく首を傾げ振り返り。
真紅の瞳で見上げる。

「……迷った」

端的にそう告げて。
けれど特に困ったような様子はなく。

カイン > 「そいつは…まあ、何というかご同輩だな。
 残念ながらあんまり力にはなれそうにないかね。
 俺も迷ってさてどうしたものかと考えてるクチだ、どっか行きたい場所とかあるのかい?」

余り見ない風体だけに当てでもあるのだろうかと不思議そうに問いかける。
いかにも力に慣れるかもとばかりに声をかけた手前バツが悪そうに後頭をひっかきながらも、
軽く肩を揺らしてから問いかけ。

「俺の場合特に宛もないんで、それこそそこらの宿屋にでも入るんでもいいかとは考えてはいたんだが。
 家やらとってる宿やらってのはどのあたりなんだい?」

ユキ > 「……行きたい場所……」

問われて首を傾げてから。
思案してから。

「貧民区」

答えを返すは非常に物騒な所。
けれど、その瞳にゆらぎはないようで。
宿、と問われればまた首を傾げてから。

「……宿……家……? 富裕地区……?」

また首を傾げてから、疑問そうに答えを返し。

カイン > 「富裕地区の方ならまあ、多分案内できる。ちょっと遠回りになるかもだが……貧民地区に?」

相手の家のことを聞けばそれならば、と大雑把な位置は判ると告げるものの引っかかるのは行き先だ。
富裕地区を住処にしている人間がなぜ貧民地区にと不思議そうに問いかけ。

「そりゃなんというか、お前さんみたいな格好してると危ないぜ?
 俺はそっちの方が住処何で行きたいっていうなら連れてくのはやぶさかじゃないが」

何に聞くんだと目をしばたたかせて問いかけ。

ユキ > 「……?」

首を傾げてから、清楚そうな服の袖を揺らして。
なんで問われるのか、と聞かれたら。

「花を、売りに」

端的にそう返した。
その瞳にはやはりゆらぎはなく。
淡々としていて。

カイン > 「………。予想外は予想外だけど、
 巫女っていうんだったかその装束。
 確か東国を旅してた時にそういう話を聞いたことあったな」

神事を司る他に春を売る者たちが居るらしいという話である。
それが相手に当てはまるかどうかは知らないが、それなばと喉を鳴らし。

「そういう話なら、お前さんの事を俺に買わせてくれないか?
 ここであったのも何かの縁、だろうしな」

ユキ > 「ユキは孕巫女」

巫女とは違う、と告げて。
何が違うのかはこの娘の中でしかわからない。
けれどそう自身を定義していて。

「……? 一回……」

提示した値段は一宿一飯の値段。
良心的? あるいは詐欺なのだろうか?
そう思われても仕方のない値段。

カイン > 「それは、聞いたことがないな」

東国を暫く旅していた身の上ではあるがそれでも聞いた覚えがない。
はて、と声を上げる。が、抱く分には問題ないと割り切りつつも示された相手の値段には少し訝しむ様子が浮かぶ。

「それでいいなら俺は構わんが、っと。…ま、抱かせて貰って次第だな。とりあえずそれでいいよ」

交渉成立と言いおいて相手の方に右手を差し出してみせる。

「俺はカイン、お前さん名前は?」

ユキ > 「……? 孕巫女は、孕むことが仕事」

小さく首を傾げ。
聞いたことがないと問われればふぅん、とばかりに。
妙に安い値段に訝しむ様子にきょとんとしたまま。

「……? ユキは、ユキ」

カイン > 「よく判らんが、なるほど。そういうのもあるんだな。
 俺としてはむしろ都合がいいといえばいいけど」

名前を聞いてうなずいて見せれば、それならと声を上げ。

「じゃあ付いてきな、とりあえずゆっくりできる場所まで案内しよう。
 流石にここでってわけにもいかないしな」

貧民地区ならさておきこの辺りは警らに見つかればどうなるか判ったものではない。
そう告げつつついてくるよう示してゆっくりと歩き始めるのだった。

ユキ > 「……ん」

こくん、と頷いてそっと連れていかれて。
彼の誘った先で存分に――――ご堪能あれ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からカインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にカインさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からカインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からユキさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にユキさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からユキさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイグナスさんが現れました。
イグナス > 夜更け。もう夕刻だとか、食事時なんて時間はとっくに過ぎている。
この酒場に居座る人間も、だいぶ減ってきているようだった――。
で、その中で。まだまだ続行中って感じのテーブルがひとつ。
大きなテーブルに、果たしていつから食べて、飲んでいるのか。

たっぷりの料理と空皿と、ジョッキと空ジョッキ。
それらが置かれた前で、がぶり、とまた今ちょうど、羊肉の香味焼きにかぶりついていた。
――まだ食うのか、酒場のマスターが、ちょっと迷惑そうな視線を向けてきてた。

「………いやァ、腹ァ減ってりゃ、しょうがねェよなあ。」

なんて、その視線に気付きつつも、我関せずといった具合。
ぐび、って酒をまた喉の奥に通した。

イグナス > もぐもぐ、ごくん。
――まだまだ夜は始まったばかりというようにまだ、しばらくはご飯を食べ続けた、とか。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイグナスさんが去りました。