2019/02/28 のログ
■フレア > どう見ても年上の女性に対し、怯む事もなく自然体の少女。
値踏み、妬心、そんな内面に気づいているのか、いないのか。
「ふふ。お世辞なんて。 でも商売は真面目にしていますよ。」
対面に腰掛ける姿を眺めながら『一応』敬語を使って相対する。
思ったよりもすんなりと魔力は通った様子。
気づいている様子もまだ見て取れない。
誘うような扇情的な仕草を見せられて、はぁ、とちょっとため息を見せてみる。
まるでその仕草に、色香に惹かれているように見せていく。
「オススメ。…よく近い未来を占って欲しいと頼まれますが。」
女性の方がこういうものは圧倒的に多い。
未来とは言うが、よくある話は私と誰々の恋の行く末、などだが。
「構わなければ、この水晶を見つめていただければ…。」
手をかざし、雰囲気たっぷりに水晶へと視線を誘う。
■フラニエータ > いつもなら妬みしか覚えないような彼女。その彼女に何故か惹かれてしまう女。
彼女の吐いた溜息、それすら可愛らしく感じてしまう。
警戒心も当然にあるのだが、それを上回る興味が、女の視線を彼女に向け続けていた。
「…ぁ…ええ、それじゃあ…それ、占って貰おうかしら…好い未来だといいのだけれど、ね…」
反応が遅れた。あまりにも彼女を魅入ってしまっていたからである。
なにかおかしい、そんな少々訝しげな表情を見せつつも彼女が告げる通りに視線を彼女から水晶玉へと向ける女。
■フレア > 女性の視線がこちらを向いている。
言葉への反応の遅れといい、淡く魅せられている事が丸わかり。
魔女の少女は内心ほくそ笑む。一晩、楽しませてもらおうかしら、と。
女性の視線が水晶へと落ちれば、その横に手をかざしていく。
「ふふ。では占ってみましょう…。」
よく魔力を通す水晶は魔女のアイテムである。
占うと言いながらその実、魔女の思惑通りのものを見せる事ができる都合のいい道具だ。
女性の視線の先に、ぽう、と揺らめく炎が灯る。
ちらり、ちらりと炎の中に何かが映り込んでいく。
水晶の中に煌めく炎が女性の視線を絡めとっていく。
「よぉく見て。覗き込んだ水晶が…貴女の未来を映しますよ…。」
何か白い物が。人の肌のような。目の前の少女の…。
それに気づけば、思い描いたものが。
魔女の少女との都合のいい願望、女性の妄想が、水晶の中に映り込んでいくだろう。
■フラニエータ > 彼女の変化した雰囲気に気付かない女。
水晶玉を見つめるのは、猜疑心に塗れたいつもの女では無かった。
水晶玉に翳される彼女の白い手、そして浮かんでくる炎をじっとみつめるその姿は、
周囲の男の視線を集めるのも容易い程に妖艶で、色めいている。
勿論これは女の作為でなく、彼女によって齎された彼女に対する欲。
「…――ドキドキしちゃうわ…何が出るのかしら…」
目を凝らすと水晶玉の中には彼女の姿。暫くそれを見つめ続ける女。
その瞼が緩く、ほんの少しだけ閉じた。
同時に己の頬に添えられている掌、その己の小指をちろり、と舐める。
そしてぽろりと呟いた。
「…綺麗…」
■フレア > その女性の姿に鼻の下を伸ばす男もいただろう。
だからと言って声を掛けられても少女は「私の客よ」と返した事だろうが。
その女性はと言えば、少女の思惑通りに情欲を煽られている様子ではある…。
「ふふ。何が見えましたか…?」
ぽつりと呟く女性にそう声をかける。
女性が気づけば、少女が纏うローブにはくっきりと身体のラインが浮き出ている事だろう。
それも計算だったのかもしれない。
対面に座れば、それがよくわかるのだから。
■フラニエータ > 「…とっても可愛い子が見えるわ…これ、誰かしら、ね?フフ…」
問われれば女はそう答えながら、視線を水晶玉から彼女へと向けた。
その瞳は肉食獣が獲物を捕らえるべく向ける視線にも似ており、彼女を凝視している。
そしてそのまま女は己の頬を支えている肘をずい、と押し出して、己の顔を彼女へと近づけた。
「…この子との…未来、どうなるのかしら…続き、期待しちゃうのだけれど…?」
にやりと、淫蕩に微笑む女。
■フレア > 「さぁ…。私は占っただけですから…。」
誰か?と問われるものの、白々しくすっ呆ける魔女。
ずい、と迫る女性に対しても余裕の笑みを浮かべたままだ。
迫られる事に慣れているようにも見えるかもしれない。
「ふふ。期待だけでなく、実際に知る事もできるかもしれませんよ。」
目の前に迫る女性の綺麗な顔を正面から見据える。
その緋色の瞳には魅惑の魔力を灯し…。
そして、女性がそうしたように自らの唇をそうっと小指で撫で、ちろりと舌なめずりをして見せる。
女性が獲物を誘い、堕とす時のように。
■フラニエータ > 妙に慣れた雰囲気を醸し出している彼女。
彼女は本当に占いを生業にしているのだろうか、と少々疑問が浮かんだ。
もしかすると彼女はそれで相手を操作しているのではないか、とすれば危険な人物かもしれない、と。
向けられている彼女の瞳に、挑発めいた視線を重ねる女。
「実際に?どうやって知る事ができるのか、教えて――…」
女が言葉に詰まったのは、魔力の宿った瞳を見てしまったからだ。
普段己がしているような行動をとる彼女。だからこそ良くわかる。これは己が獲物にされているのだ、と。
ぞくぞくと女の背筋を官能が走りぬける。太股を擦り合わせて耐える女。
「――んッ…くぅ…」
結局女の言葉は続かずに、甘くも辛そうな声だけが漏れていた。
■フレア > どうやら少し危険を察知したらしい。
が…時すでに遅し、という事だろう。
まともに視線を合わせてしまえば、魔力を流し込むのも容易。
それが抵抗の少ない者ならなおさらだ。
甘い情欲を感じる声に、くす、と少女は微笑んだ。
「ふふ。お姉様…もっと私の目を見て…?
気持ちよくって…頭の中、真っ白になっちゃう…?」
嗤う緋色の瞳のすぐ傍で言葉が囁かれる。
赤い唇が、緩く蠱惑的に蠢き、甘く痺れる官能と共に、滑り込んでくるような小さな囁き声。
「さぁ…お姉様。未来を知りに行きましょう?
私をここから、連れ出してくださいな…。」
魔性の囁きは続く。あくまで女性に誘われて店を出る風を装う為に。
あくまでも獲物は少女であると装い、今後ともこの酒場で自分の仕事を続ける為に。
■フラニエータ > 彼女の言葉通りにその瞳を見つめれば…体が熱い。鼓動が早い。息が荒い。
止め処ない情欲が溢れ出し、行き場を無くす。
「…そうね…フフ…とぉっても素敵な気分…ゾクゾクするわ…。」
絡めとられているのは己だと言うのに、気丈にも淫蕩に微笑んで見せる女。
あくまでこの状態は自分が作ったのだ、自分が彼女を誘惑したのだ、と言い聞かせている。
そして続けられる彼女の言葉にこくりと喉を鳴らし、
捨てる様に酒代をテーブルの上へ投げ捨てた。
「…いらっしゃいな…今直ぐに…早く…早くよ…」
女はその言葉を彼女に投げかけると乱暴に席を立ち、早々と店を出て行った。
そして店の外、店の壁へと背を預けて。
「…あの女…見てなさい、後悔させてやるわ…」
黒髪を掻き毟りながらのその言葉は、悔しさ、妬み、そして情欲…そんなものが綯い交ぜになっていた。
■フレア > 「…ふふ。」
とっても素敵な人を見つけてしまった、と少女は笑う。
酒代を乱雑において店を出ていく姿を見つめ、
すっかりと冷めてしまったワインをくいっと飲み干してから席を立つ。
まるで焦らすように。
店を出れば、苛立つ女性へと笑いかけ、誘われるままについていくのだろう。
その後は女性に責められ、啼きながらも…。
魔女の少女はその手管、その道具を使い、誘い、翻弄し、
女性をコントロールできない情欲に溺れさせていったに違いない…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からフラニエータさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からフレアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にグラムヴァルトさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミンティさんが現れました。
■ミンティ > 高い棚がいくつも並んで雑然とした古物屋の店内。一応窓から光は差しこんでいるものの、いつも決まって薄暗い。そのうち商品の陳列方法を見直してみるのもいいかと思う、今日このごろ。
午前中はひっきりなしに来客があったけれど、昼食時間を挟んだあとまで繁盛は続かず、退屈な午後を過ごす事となった日。お店の中は静まり返っていて、気を抜いたら、うとうとと居眠りをしてしまいそうだった。
午前に瞳の力を使いすぎたから、その疲労も残っているのかもしれない。時計を見たら、ちょうど午後のお茶の時間。この調子だと閉店まで誰もやってこないだろうと席を外し、しばらくしてからティーカップを手にカウンターに戻る。
眠気覚ましと目の疲れによく効くお茶の香りに口元が綻ぶ。ふーっと息を吹きこんでお茶を冷まして、ちょっとずつ口をつけた。商談の間に喉も疲れていたかもしれない。温かいお茶の喉越しが気持ちよくて、はあっと深く息を吐いた。
一日分の稼ぎが午前の間に得られたから、今日はこのまま早めに店を閉めてもいいかなと思う。その分の時間を勉強にあてるか、プライベートにあてるか考えながら、せめてこのお茶を飲み終わるまではカウンターにいようと決めて、のんびりとした時間を過ごす。
■グラムヴァルト > 窓の向こう側、雑多な人々が時折通り過ぎていく馬車と共に行き来していく。
時に近所の知人が店内を覗き込み、暇そうにしている少女に笑顔で手を振って去っていったりもする。
そんな平穏な時間をしばらく過ごした頃、通りの向こうに黒色の毛皮を有する獣が着地する。ヌゥ…と立ち上がったそいつは片手をポケットに突っ込んで、睥睨する視線で周囲の人々を怯えさせつつ少女の店に近付いて
「―――よォ、不良店長。やけにヒマそうじゃねェか。」
長駆を軽く折りつつ入り口を潜り、つい先程人を殺してきたとでも言わんばかりの凶相に意地の悪い笑みをニヤリと浮かべて声を掛ける。ブレーのポケットに突っ込んでいない方、だらりと下げたもう長腕の指貫きグローブの先には少し大きめの紙袋。本日の差し入れは大物らしい。
高い棚に展示された雑多な古物に興味なさげな目を向けつつ近付いて、カウンターに薄茶の紙袋を乗せた長腕が、そのまま極々自然に少女のティーカップを取り上げて、すっかり温くなったそれをぐいっと飲み干してしまう。
そうしてカップを戻し、腰を折った長身がカウンターに肘を付きつつ少女に顔寄せ口にする。
「なァ、今日はもう終いにしてよォ、ちょいと一緒に出かけねェか? 少々早ェが奢ってやっからメシにしようゼ。」
少し前なら少女の答えなど聞かず、一方的に言い放ち、無理矢理外に連れ出していた所だろう。それを考えるなら傍若無人な物言いもずいぶんマシになった物と言えよう。
気弱な少女が折りに触れて苦言を呈した涙ぐましい努力の結果である。
■ミンティ > 仕事を早く切り上げようかと考えていても、あとの予定が決まっているわけじゃない。のんびり身体を休めるのも、今後のための勉強をするのも、ここに座っていてもできる事。だから立ち上がるきっかけがないまま、ちびちびと紅茶を飲んでは、鑑定の教本を読んでいた。
ときどき窓をノックして挨拶してくる顔なじみには、ぎこちないものだけれど、どうにか笑顔を作って手を振り返し、このまま本来の閉店時間まで過ごしてしまいそうだったけれど。
「……仕事の、邪魔をしにきたのですか」
窓の外に黒い影がよぎって、はっとする。機嫌よく出迎えようとしたけれど、お店の奥からも、まわりを威圧しながら店に近づく彼の様子はわかってしまう。ドアが開くころには、カウンター内の椅子に腰を下ろしたまま、すっかり不機嫌な視線で彼を睨みつけていた。
こうして訪ねてきてくれるのは嬉しいとは思っているけれど、そのたびに周囲の人たちを睨まれたら堪らない。よからぬ賊と付き合いのある店だなんて噂が立ってしまったら、商売にも差し支える。
「いやです」
嬉しい誘いには二つ返事で乗りたくなってしまうけれど、できる限りの顰め面をふいっと背けて拒絶した。横目でまだ彼を睨んだまま、しばらく沈黙して。
「…まわりの人たちを脅かさないと約束してくれないのでしたら、どこへも行きません。
それと、お金はわたしも出します」
読みかけだった教本を閉じて、彼の額に押しつける。両手で思いきり力をこめて距離を開こうとしながら、子どもに言うみたいな小言の口調。
勝手にお茶を飲まれたのも気にはなったけれど、そのくらいは許していい関係だと思うから、小さく溜息を吐くだけにして。代わりに、あいかわらずの融通のきかなさを発揮した。