2019/02/17 のログ
■キンバリー > 「登場人物に自分を投影しているのか、それとも第三者として見るか、の違い…
――…な、何?何なの?一緒に読むって…馬鹿じゃない?」
席を移動させて自分の横へとそれを運ぶ彼の足。そして座ってくる彼。
彼を見れば自分の方を向いており、その口元はゆったりと動き言葉を流し込んできている。
眉間に皺を寄せ、眉を顰め、睨みつけるのは当然としながらも、
自分の座っている椅子を動かせないでいるのは緊張からか、それとも欲からか。
「一晩中?…そんな事できる訳ない。男なんて出したら終わりでしょう?小説の中と勘違いしてる。絶対に。」
彼の手が自分の肩に触れれば、びく、と震える女の体。
後に体を捩り、乗せられている手を振り払いつつ視線を合わせないように顔を背ける女。
耳まで熱いのは恐らく、酒のせいだろう。そんな思いで自分を納得させつつ、言葉を続ける。
「……そもそもチビ相手にこんな事をする、そういう趣味の人?
――馬鹿、最低、最悪、変態、死ね。」
淡々と続けられる罵詈雑言。短いものを列挙するのは性格からだろう。
その言葉を吐くと、彼を無視する様に眼鏡を掛け、彼が先程まで読んでいた自分の小説をペラペラと捲り始める。
自分が読んでいた箇所の続きを探し当てると、あっという間に読み進められる頁。
そこは男に絡めとられていく女が、その心情が露にされている所だった。
――恥ずかしさを覚えたのか、ぱたんと本が閉じられた。
■アシュトン > 「んで、チビ姐さんの場合は第三者、俯瞰的な見方をするって事か。
俺も読みたい、チビ姐さんも読みたい。なら横で一緒に読むのが合理的じゃない?
そもそも俺に覗かれても別に気にしてなかったんだ、それぐらい問題ないだろう」
(さも当然、何か不思議な事でも?とでも言いたげであるが。当然ながら、相手の口調に余裕がなくなってるのを感じてである。
軽く肩と肩が触れてもいいぐらいの、至近距離。
睨んでくる目つきも、おおよそ慣れてきた頃合いである。むしろ言葉に出来ない抗議のようで可愛らしくもある。
相手が動かないのをいいことに陣取ると、酒をぺろりと一口舐めとり、また指先が文章をなぞってゆく)
「その男自身が申告してるのに、むしろ一般的な知識に縛られ過ぎじゃぁないかい?
裏の仕事なんてのをやってるとね、そういうの、も身に付くのさ。チビ姐さんが妙な匂いと感じるのも、その辺の影響があるかもね」
(手が払いのけられると、空中で開いたり閉じたり。
はっきりと、明言する訳ではないが。事と次第によっては、調教、なんてのも仕事の内。
標準的な男性と比較して断じてしまうのは、正しいとは言えまい。
ヒラヒラと木の葉のように軌跡を描いて手が下りてゆく)
「別にチビだろうとデカかろうと、気に入ったら関係のない話さね。
ははは、なんとお決まりな罵詈雑言の羅列。本の中でも、ヒロインがそんな事言ってた気がするな。
まぁ殆ど落ちる寸前、みたいな状況だったけど。
――なんだ、もう読まないのかい?」
(忍び込むように、伸びてゆく指の先。
口調は相変わらずとゆったりしたままで。一ページずつ相手を探っていくようで。
本を閉じた小さな手に己の手を被せ、閉じてしまった項を開かせようとしていく)
■キンバリー > 「そう、問題無い。それからキミ、チビチビ言い過ぎ。」
彼の言う通り、今までは第三者として読んでいた。だからこそ距離を持ち、内容を客観的に見ることが出来ていた。
しかし今の状況は、それが出来ない。寧ろ彼の言葉によって、小説の中の女性に自分を投影し始めている。
そしてそれと共に、小説の中の男性を…ぶんぶんと頭が左右に振られた。
「本当に奇妙な匂い…近寄らないで、匂いが移る…」
そう罵りながらもその体は動かず、開かれた本、その文をなぞっていく彼の指先に自然と視線が向いてしまう。
行為を重ねていく内に、なんとも思っていなかった男に対する女の心情が変化していく情景が、女の目に飛び込んできていた。
彼の言葉通り篭絡寸前の描写。甘く囁かれながら強烈な快楽を送り込まれる…そんな描写を追いかける女の瞳は潤みを帯びており、細くなっており。
まるで彼の指先に導かれるように、その描写を頭の中に送り込んでいた。
「読む、私は客観的に読むの。だから邪魔しないで。以上…。」
その指先を見つめながらの言葉はか細く、震えていた。
■アシュトン > 「俺なりの親しみなんだけどな。ん~、それじゃぁ。
キンバリー、って呼んだ方がいいかな」
(チビ姐さんというのは、そもそも此方の解釈に基づいた愛称であるが。
ここで、敢えてその名前を、直接。
一歩引いた状態から、当事者そのものへ。
語りかける声は真横で。別に彼女自身にそうと淫らな事をしている訳ではないのに。
現実の距離が本の中身と重なり合ってゆく)
「いっそ俺の匂いが移ったら、気にならなくなるかもよ?
まぁ実際に一晩中身を重ね合えば、嫌でもそうなるだろうけどね。実際に試してみる?」
(肩を震わせば、彼女の衣服と微かに擦れる音。
重ねあわせた指先が、冷えた手を暖めながら。此方の体温を混じりあわせ。
一ページと。揺れる心と、快楽に苛まれる身体と。男の手が肌の上を這い、快楽をくすぐり。
淫らな囁き声と情景が描き出されている)
「どうだい、この文章。客観的に見てさ。そう強く抱きかかえられてる訳でも脅されてる訳でもない、身じろぎはするけど、強く拒絶はしていない。それこそ、蹴りつけたり位はできそうなのにね」
(語るはあくまでほんの内容。
ただヒロインが感じているように。もう一方の手を相手の太もも辺り、衣服の上にかぶせて。
ゆっくりと、それこそ拒絶できるように。撫で上げれば脚の根本にまで近づいてゆく)
■キンバリー > 「煩い、気安く名前を呼ばないで…」
ではなんと呼べばいいのか。そんな疑問も想像できない程、反射で文句を言う女。
この小説の人称、つまり男女は名前で記されている。
だからこそ名で呼ばれれば、本の中と現実の自分が結び付けられているよう。
「嫌、試す訳ない。絶対に嫌…」
彼の匂いが移り、慣らされる。もしかすると今奇妙に思えている匂いが好ましい匂いになるやもしれない。
想像すればするほどに、嫌悪と情欲が綯い交ぜになっていき、表現出来ない感情があふれて来る。
丁度この本の中、女性が感じているものと同じようなものであろう事に気づけば、ぞく、と背筋が震えた。
「…彼女の欲望と恐怖の天秤が奇しくもバランス良く保ってるだけ。
もうすぐそれが、欲望に傾く、そんな描写をしているだけ…いじょ…
――ン…ッ…何、してるの?馬鹿、やめ…」
自分の太股へ乗せられた彼の手が動けば、両足に力を込めて脚を閉じ、それと同時に嫌悪を表す表情を彼に向けた。
しかし先程のように手を払いのけられないのは、明らかに女が物語に没頭し、自分を投影しているからに過ぎない。
一度だけ発せられた甘い声が、本の中のヒロインのそれに酷似していたのだ。
■アシュトン > 「返し早っ!
言い方変えてみれば駄目と……どうすりゃいいんだか。
あとはキムとかか、キンバリーの愛称というか略称だけど。こっちの方が気安いしなぁ
どう呼ばれたいのか、教えて欲しいモンだね」
(我侭だなぁ、みたいな雰囲気は滲ませてみるものの己を直に見ない瞳のコチラ側では、表情がとても楽しげである。
ただ押し付けるでもなく、希望を聞くような態度は……彼女の本心を一つずつ晒し出させる為、の様でもある)
「頭から否定してばかりじゃ、世の中分からない事だらけだぜ。
案外心地いいかもしれないぜ。食わず嫌いって奴だな」
(今の距離感でも、彼女の鼻なら衣服に残り香、程度にはなるかも知れないのだけれども。
微かな震えを触れた場所越しに感じ取ると、もう僅かと身を近づけるようにして。呼吸や体温も、よりはっきりと感じ取れる状況、ではないだろうか。
そしてまた一枚、ページを捲らせてゆく)
「つまりそれは、彼女にとってその恐怖は受け入れる事が可能なモノであり。そして欲望はそのバランスを崩すに足りえるものである、という事か。
いいやぁ、本の中の女性がされてる事を重ねれば、もっと実感のある考察が出来るかなって思ってさ。
嫌なら逃げるなりすればいいだけの話さ、別に捕まえてる訳じゃない」
(それこそ、本の中身と同様に。
払いのけられなかった掌は、太もも辺りを数度と撫でて回した後に。次いで下腹部へと登っていって。
おへその下辺りをとんとんと数度指の先で叩いた後に、ずうずうしく胸元へと近づいていった)
■キンバリー > 「そもそも…呼ばれたくない…ッ…」
そんな事は言いつつも知識だけはある頭が『ハニー』とか『おまえ』とかを押し出してきており、
そもそもそんな関係では無いにも関わらず『やっぱり名前が良いかな』とか考えてしまい…
そんな事は口が裂けても言えない。だからこの一言である。
「馬鹿じゃないの、自意識過剰過ぎ…――ちょっ、近すぎ…」
言葉と共に近づいてくる彼に対して顔を背け、上半身を隠すように腕を上げ、防御の姿勢を取る女。
しかしながら下半身は彼の這う手のひらを完全に拒絶しているわけでもなく、力の篭った太股を震わせるだけだ。
徐々に這う彼の手が下腹部へと伸ばされれば、そしてノックしてくれば、堪らず女は声を上げる。
刺激された位置が位置なだけに、つい、甘い声も含まれていた。
「考察が聞いて呆れる。セックスまでの経緯を本に委ねてるだけ、でしょう?
んんッ…どこ触ってるの、馬鹿死ね変た…
――あッちょっと、こんな所で何?…本当に…駄目ッ…」
彼の客観的な評価を聞きながら、胸へと進んだ彼の手を慌てて振りほどく。
そして辺りをきょろきょろと見回し、第三者に見られてはいないかと気がかりな様子だ。
■アシュトン > 「えー……
じゃぁ、おい、とか、お前、とか……ぶっきらぼうに言うか親しみを込めるかで、意味が変わってきそうだな
やっぱ、チビ姐さんか、キンバリーの二択だな」
(首をコテンと横に傾ける。後者だと夫婦的なアレにしかならない気がする。
というか、中々面倒な反応ばかりである。それもそれで楽しいので、今の状況になってる訳だが。
選択の幅を縮める謎の心遣い、ではないと思われるが。彼女自身が決めかねるようであれば、じゃぁこっちに任せてもらおうかとでも、言いそうな感じであった)
「あんまり消極的なのより、男としちゃ積極的な方がマシかなって。あんまり遠いと良く見えないじゃん?
いっそ膝の上にでも乗せてしまいたいけど、ここは自重しておこうか」
(と口では言うは、距離感的に全く自重はしていない。
下、上、と防御反応をされれば、手は行ったり来たりな感じである。
まぁ、本の中でも一線超えきるまで色々とあったし、似たようなものではあるのだけれど。
結局、再びに下腹部辺りへと戻ってくると、円を描くような手つきで撫で上げながら。
徐々にその半径を広げて行っているようであった)
「そいつは手厳しい、全面的な否定は出来ないかな。調子乗ってたのは確かだ。
あー、いやいや。大丈夫。不思議そうにしてる視線はあったけどね、さっさと通り過ぎていったよ。
面倒な事にならない様に、気ぐらいは周囲に張ってるさ。
――どんなさわり心地かなーって思ったけど、残念。
ここが駄目なら、場所でも変えるかい?改めて、飯ぐらいは奢るけど。そろそろ空いてるんじゃないか?」
(ペロッと舌を出せば、両手を頭の高さでヒラヒラと振る。拒絶の意思が出ればそれ以上突っ込む心算も無かったようで、何となく降参の仕草にも見える。表情はどことなくおどけていたのだが)
■キンバリー > ああ、『おい』『お前』もいいね、なんてほんの一瞬だけでも考えてしまった自分が憎い。
結局呼び名は変わらなければ、それもそうだ、と納得し瞬時に乙女脳を切り替える。
そして導き出された結論は、「…好きに呼べばいいじゃない。」だった。投げやりにも程がある。
「……膝の上?そもそもキミと私はそういう関係じゃ無い、
小さな子供を抱きたければ自分で作…あッもうそれ駄目だってばッ…」
決して、いや多分、背の低さのコンプレックスからの言葉ではない。
下腹部を撫でる掌の動きが広がりを見せれば、その掌に女の熱がじっとりと伝わるだろう。
少なくとも彼の言葉と手で、女はその女を滾らせていたのだから。
小説ならばここから発展しそうな雰囲気ではあるのだが、女がそれを表に出す筈も無い。
だからその掌を、軽く抓る。
「……奢れ。人の体を触りまくった償い。
――あ、ここが駄目ってそういう意味じゃない。詮索無しで食事を奢るのが今のキミの義務。以上。」
命令は酷く横柄である。
女は手早く本を鞄に仕舞い込むと、眼鏡を外し…おどけている彼に向かってべーと舌を出した。
店内の客が減っている事を確認すると、同時に席を立ち、彼を置いてさっさと足を運んでいった。
店内に入る直前、女は彼に向かってそっと囁く。
「…そもそも突然過ぎ。今までそんな素振り、無かったのに…びっくりもする…」
もう一度舌を出して見せ、店の中へと入って行く女。
さて、どんな高いものを強請ってやろうか、次に変な事をしたらどうしてくれようか。
そんな事を考えている女の顔には、笑みが浮かんでいた。
少なくとも彼との距離は縮まったであろう。
■アシュトン > 「……それじゃぁ好きなように呼ばせてもらおう」
(投げやりというか、ぶっきらぼうと言うか、そんな言葉に此方もおうむ返し気味に。
まぁ、口元は相変わらずと笑っていたのだけれども)
「関係なんてのは後からどんどんできあがていくもんさ。或いは、既成事実って奴が働く場合もある。
あー、子供か、そうだなー。じゃぁキンバリーのここに俺の子ど……いったぁい!」
(薄いながらも、確かに熱と柔らかのあるそこを撫でながら、これまた名案とばかりに。
まるでその少し先にある存在の形をなぞるように、指を動かしていたのだけれども。
調子に乗り過ぎたのか抓られてしまえば、ちょいと大げさなリアクションを加え、手を引いてみせた)
「はーい、奢りまーす。それ位の役得はあったんでね。
はは、いやいや、分かってる分かってる。まさにそう言う心算で言ったからね。言葉遊びは無しさ」
(一応と彼女の方としても予防線を張ったらしいが、元々裏はなかった模様。
舌を出す姿が見た目と相まって可愛らしいので悪戯の一つでもしてやろうと、両手が一瞬疼いたが。止めておく事とする。
残った酒をキューっと飲み干せば、ゆっくりと息を吐き出し。一拍と置いてから、席を立って)
「そりゃぁ、真面目に仕事してる時に、そんな素振り見せる訳ないだろ?
俺としちゃ、あの時から結構気に入ってたんだぜ?」
(コートの裾を軽くに払い、小さく伸びをして。
再び覗いた舌先に、返すは軽くと肩を上下に揺らす仕草で。
さて、彼女の腹にどの程度収まるのか次第、ではあるが。
笑みにつられてそれなりにと、奢らされてしまったのは間違いなさそうである)
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からキンバリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアシュトンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイグナスさんが現れました。
■イグナス > 夕暮れ時――。
広場にとぼとぼと歩いてくる大きな影。道行く人々はそれを見つければ、驚いてすぐに、ささっと離れていく。
恐怖と忌諱、そんな具合に。
「見せモンじゃ、ねェ。」
大きな影、巨躯の男は、それはそれでグルルと野犬の如き視線を周囲に向ける。
普段よりずっと剣呑でイライラしてて――…べとべとしていた。
「う、…気持ち悪い…ぃ。」
頭の上からだらーって零れてきた緑色のスライム状液体を剥ぎ取りながら呻く。
…全身緑色の、ねばねばスライムまみれ。どうやら生命体とかではなく、そういう物質。
そんなものに全身包まれつつようやく…噴水広場の真ん中までたどり着いた。
とはいえ、さすがにダイブというわけにもいかない。風呂を目指さなかったことを恨みつつ、ぐだりと体から力を抜いて、座り込んだ。