2018/12/26 のログ
■アイラ > ……相変わらず、敏感ねぇ
(笑み交じりにそんな言葉を囁いて、勃った乳首を着衣越しとはいえ衆目―――主に串肉に並んでいる者だろうが、艶声に誘われた者が居ても不思議では無く―――に晒してしまいつつ、愛でる真っ最中の乳首へ淡く爪を立て、ピン、とはじくような刺激を浴びせて)
私も味見、したくなっちゃった
(そう言うなり従順にこちらへと顔の向きを変えてくれた彼女の唇へ己の唇を重ね合わせ、ちゅっ、と、リップノイズを隠す事なく冷涼な外気へと響かせて……そこで留まる事は無く、唾液濡れの舌先で数度、彼女の唇をノックしてから、喘ぎに伴って産まれた隙間から口腔侵入を果たすと互いの舌を絡めるような口づけを魅せつけてしまう。……あげく、両手を愛撫の為に使いながらのソレは、舌の責める動きを変える度にどちらのものとも知れぬ唾液を彼女の谷間へ伝い落とす淫らさをも彩として……狙い通り、ショーツを剥ぎ終えた手指はショーツ淵が膝頭を通過したところで生肌へと戻り行き、既に蜜濡れとなった淫唇へ……つぷ、と、無遠慮に中指を挿入し、そちらも浅い位置で蠢く所為で薄布越し、くちくちと淫らな蜜音を観衆に届けてしまっていた)
■セルナエル > ――――……きゃひっ❤ ん、んぅ……っ!?❤
(羞恥に伏せた小顔が弾かれた乳首からの刺激でビクンッと跳ね上がる。そこに近付くアイラの顔が、周囲からの視線など存在しないかに唇を奪う。頭の中は『!?』でいっぱいなのに、それでも甘くぬらつく舌先に突かれれば、おずおずと開く唇間は彼女を迎え入れ淫猥に絡みつく粘着に悦びの喘ぎを漏らしてしまう。)
んぁう…っ、ん、ふぅう……っ❤ んぃッ!?❤ あっ、ひぅ、んんぅ……ッ❤❤
(涙滴の滲む翠瞳をうっすら開けば、はっきりと獣の気配を滲ませた凝視がいくつもこちらに向けられているのが見えた。そんな状況にも関わらずねっとりと絡む口づけは二人きりでの睦事と何ら変わらぬ―――否、背徳の魔悦も含んだより強い快楽をセルナに与えてくる。舌と舌の交尾に泡立つ唾液が口端から溢れて乳房に伝えば、先程のタレなんて比べ物にならないくらいに強く生ぬるく濡れた感触を感じてしまう。つぅぅ…と太腿を伝い落ちる程に愛液を溢れさせ始めた秘所にまで指先が侵入すれば)
―――んぅっ❤ ふ、ぅ……ふぅう……っ❤ ふっ、ふっ、ふぅう……ん、んぅぅうう~~~……ッ!?❤❤
(不意に野良天使の下肢が跳ね上がり、続く痙攣がビクッ、ビククッと断続的な震えでキトンの長裾を揺らめかせた。ぬらつく熱でアイラの中指を包み込んでいた媚肉がちゅうちゅうとより強い吸い付きで咀嚼する。あふれる蜜は中指を伝って彼女の手のひらにぬらつく水たまりを形成するほどの量。拙いながらもディープキスに応じていた舌が、絶頂の中、口底に張り付いて小さく震える。)
■アイラ > ん、ちゅ……はふ……ん……
(いざとなれば“対処”の必要が出てくるだろうが鑑賞するだけならば、むしろ魅せつけるかのようで、口腔侵入を果たした舌先は上顎を舐め擦り、尖らせた舌で彼女の舌を絡め取り……口腔を犯すかのような舌使いは、いつしか泡立ちの見えはじめた唾液が、それまで以上に濃く、とろりと蜜のように滴る事で、己の手指が潜り込んで居る所為で先程よりも谷間の露出面が増えた場所を淫らに彩って行く)
……ぷは……もしかして、セルナってば……今のでイッちゃった?
(口付けた位置から離れる際、大きく息を吸うようにした理由はと言えば、単なる悪ふざけだったりする。挙句、茶化すように情交最中と言える言葉を臆面も無く浴びせかけ……きゅぅきゅぅと締め付け来る蜜壺へ、一度指を抜けかける程まで引き抜くと、今度は人差し指も添えた形……またも、くちくちとしばらくは蜜音高く辱めていたものの……衆目が蕩け顔に見惚れはじめたのを見てとってか、束ねた指をぐぢりと一息に付け根まで、蜜孔を抉るように挿入してみせて)
■セルナエル > はふ…、はふ、ぅ…、ん、ふ……、ぁ、ふぅ……❤
(糸引く唾液と共に口腔から引き抜かれた舌が発する問いかけに、セルナは周囲の耳目が集中する中、羞恥の色を強めながらも、こく…と小さな頷きを返した。無数の視線が、物理的な存在感を伴うかに敏感な場所を舐め擽る。アイラの唾液でねっとりと濡れ光る唇、キトンに浮かび上がる乳首、そして未だに絶頂の余韻で震え続ける腰周り。)
―――……んふぁ…ッ❤
(チュポンッ❤と小気味良い音を立てて恥液にふやけた中指が引き抜かれる。喪失感と安心感の綯い交ぜとなった妙な感覚に浸る間もなく、物量を増した指先が再びの潜入を開始するなら)
んぁうッ!?❤ はぇっ❤ へぅう❤ んぁっ、あっ、あぅっ、んぁうぅッ❤❤ い、いけませ、ん、あい、らぁ……こん、こんな、のぉ……あひっ❤ はひっ❤ はひんぅう…ッ❤
(彼女の二の腕を包む紺の上着をきゅっと握って、すぐにでも二度目の絶頂へと駆け上がりそうな蕩け顔が周囲の視線を気にしながら懇願する。斯様な場所での淫行を忌避する言葉ではあっても、滲む色彩はまるで逆。もっとして、もっとイかせてとねだるような、甘く爛れた淫猥な声音。そして狭孔の最奥にまでねじ込む様な指先は)
――――へぅぅう……ッ❤
(下降しつつあった子宮口の熱烈な口付けに迎え入れられる事となるだろう。)
■アイラ > (唇を離す際、己も口を閉じずに舌を淡く覗かせたままの戯れは、先程まで垂れ零れていた唾液よりも一際濃い雫を胸の谷間に伝い落とす事となって……キスによって垂れてきた唾液は、薄布下で這いまわる指に絡めとられると、新たな潤滑材として勃った乳首へと塗り込まれ、じわりと濡れ透ける事で衆目に乳首の色付きを伝えるやもしれず)
あはっ……本当に敏感ねぇ……お外で、あそこをこんな風にくちゅくちゅされて……ね、さっきよりも濡れてるわよ、セルナのココ……―――こんなふうに
(戯言めいたその言葉は、しかして嗜虐の色すら含むモノ。指先が子宮口へとたどり着いたのを良い事に、そのまま中指でごりゅ、と最奥を抉ったに飽き足らず、人差し指は膣孔を拡張して蜜液をさらに滴らせて、ショーツを剥いだ股座に張り付く衣越しに淫唇のシルエットを透けさせようとの魂胆。……なのだが、絶頂を煽るために親指が肉芽を手繰った事で布地が浮き、張り付いた恥丘ラインを堪能できても僅かな間だろう。もっとも、指が浮かせた所為でスリットの隙間から危うく淫部までの視線が通りかけ、生じた隙間からは濃い淫香が漂い出てしまうだろうが)
■セルナエル > (多量の唾液を注がれた乳肉は以前教え込まれたパイズリの淫行を想起させる。にゅりにゅりと卑猥な液感で犯される柔肉全体が、乳房で行うセックスの様に天使娘を興奮させた。真冬の寒気などお構いなしに上がる体温が白肌のそこかしこに珠汗を浮き上がらせ、それを吸ったキトンが濡れ透けの張り付きで衆目に艶肌をさらけ出す。白肌と白布という共通する色彩は目立たぬだけに、淡いピンクの色彩だけが悪目立ちして衆目の集中を招くだろう。)
あぁ……ッ、ふあぁぁあ……ッッ❤❤
(意地の悪い言葉攻めに、しかし天使が感じるのは背徳の喜悦。ゾクゾクッと這い上がる妖しい感触がしとどに溢れる蜜量を増し、痛いくらいに侵入者を締め付ける膣肉が強引に割り開かれて白濁の色彩すら絡ませ始めた恥液をドロリと野太く滴らせた。ツンと鼻をつく若い娘の雌フェロモン。甘酸っぱい淫臭に視姦していた男たちがくぐもった呻きを漏らす。連なる膣襞が織りなすプリプリの肉感の中、特に強いざらつきの感じられる一画がぷっくり膨らんで侵入者の指腹を圧迫する。更に下降する子宮口が仔袋の重みと共に、コリコリの肉冠で蕩けた泥濘の中に新鮮な感触を付与している。収縮の蠕動が間隔を早め、それに合わせて彼女の袖を摘むセルナの指先にも力が籠もる。)
らめ……らめ、れすぅ……ッ❤ せるっ……せる、なぁ……また、あッ❤ イ、く……また、イッ、ちゃい……ますぅう……ッ❤❤
(涙膜に潤む翠瞳の上目遣いは許しを請う様でいて、その実は与えられる絶頂を待ちわびる風情。アイラの指腹を潰す程に膨れたGスポットは、このまま愛撫を続けるのなら盛大な粗相をキトンの長裾の中で噴き散らす事となるだろう。)
■アイラ > ……いいわよ、セルナ。……お外で、思いっきりイッちゃっても……ね?
(優しくあやすような声音は、しかして行為、と言う意味ではつり合いが取れて居ない代物だろう。白布にぷくりと透けさせた乳首をきゅぅと抓りあげるような刺激を浴びせた所で乳肉を這いながら、谷間に己の手を挟み込ませるようなラインを通って外気へと。そうする事で元のタレの滲み以上の濡れ方となってしまった唾液で張り付いた柔胸が左右とも、尖った乳首の色付きも鮮やかに観衆の目を愉しませる事になってしまうだろう。
……そして、甘く喘ぐ少女への追い打ちを止める魂胆など勿論無かった身の上は……)
―――セルナのいっちばん奥……きゅぅって指を食べちゃいそうよ?
(その言葉を、ともすれば実現させでもするかのよう、子宮口からも零れ出てくるかのような蜜液を絡みつかせた指腹で肉冠を圧し愛でて……人差し指が捉えてしまったGスポットも、そのまま膣襞に押し付けるような形で撫で擦って、親指は蜜濡れとなった肉芽を揉み潰しと、蜜孔内での三点責めを浴びせて絶頂感を煽るよう。……そうして達するかと目論んだ己は、過日の記憶を手繰り……乳房を愛でて居た指が新たな標的としたのは上半身を覆う布地の留め具部分、絶頂声を上げようものならば、それとタイミングを合わせてかちりと外し、濡れ透け乳房どころか裸胸が弾む様を己も愉しみつつ周囲へもおすそ分けと露出を強いる魂胆だった)
■セルナエル > (止まらぬ愛撫と絶頂を許す声音は、外見上は人間と同じであっても淫魔たる彼女の性質をはっきりと示す、他者を肉の堕落へと誘う物。しかし、彼女の事を好ましく感じているセルナにとっては、こんなインモラルな行為さえも《愛の営み》の一つとなる。早くもポルチオの重い悦びを知りつつある子宮口、潮噴きの心地よさを刻み込まれたGスポット、鮮烈な快楽電流を走らせる敏感な肉突起。同性ならではの卓越した愛撫に、セルナはもう何ら隠す所もなく)
―――イ……、ッくふぅ…❤ セ、セル、ナ……イキ、ますぅう……ッ❤ はぁっ、はぁっ、は、ぁあッ❤ んぁう゛ぅぅううう―――ッッ❤❤
(絶頂の訪れをはっきりと彼女に、そして結果的には視姦に浸る観衆にまで伝えながらビクンンッと総身を硬直させた。狙いすましたタイミングで外された首元の装身具があっさり落ちて、白乳をかろうじて覆っていた薄布をペロンとめくる。反り返った背筋がプルンッと瑞々しい弾力で白乳を弾ませて、痛々しい程に尖った乳首のピンクが中空に残像を刻む様子を見せつける。そして、ビクつく下肢に響くのは、中身のたっぷり詰まった水風船が弾けたかの炸裂音。無色の水流がブシャッ、ブシャァアアッ、プシッ、プシャァアアッ! と断続的に噴き散らされる。彼女の手の平に当たって飛散する恥水は、織りなすドレープも上品な白裾をべちょべちょに穢し尽くす。アンモニアの臭気や琥珀の色彩こそ含まぬ物の、それでもむわ…っと立ち上る湯気とそこに含まれる雌フェロモンの淫臭は猥褻その物。遠慮のない視姦の凝視で二人の娘の淫行を見つめていた男たちの数人が小さな呻きを上げて腰をビクつかせ、更に数人は滾る獣欲に双眸を血走らせながらこちらに近付きつつある。縋り付くかにギュッと握った袖に皺を刻み、熱帯びた額を彼女の鎖骨付近に押し付けて垂れ零れる唾液でその胸元に濡れ染みを広げる野良天使は彼らの接近に気付いてもいない。しかし、このままここに居座ればアイラ諸共めちゃくちゃに犯される事になるだろう。)
■アイラ > (過日の逢瀬で留め具の外し方をすっかり覚えてしまっていたおかげで、不意打ちじみた強制露出を無事に果たす事が出来ていた。張り付いていた部分で布地が引っかかるかと思いきや、留め具を外した事でそれまで押し込められていた乳房が悦楽の動きで跳ねて……おまけに背が反った事で何一つ隠されずに居た裸胸がぷるんと甘美な弾力と共にお披露目されていた。絶頂最中の所為でひくひくと震える乳首へも少なからぬ色欲籠った視線が浴びせかけられている事を悟りながら、むしろその露出を愉しませようでも企てたものなのか、布地を引っ張る事で露出部位をさらに広げてしまって)
……あちゃ……さすがにサービスしすぎたかしらねぇ……―――続きは、二人っきりでシましょ?
(そう囁きながら下腹部から指を引き抜くものの、そちらも手遅れ同然だろう。べったりと蜜液に濡れた己の手指はてらてらと卑猥な艶を周囲に見せつけてしまう程。……おまけに、盛大に跳ね散った蜜は指を抜いた事で恥丘へと辛うじて残った布地を張りつかせ、危うくスリットの形を透けさせてしまいかねないものだが……すっかり暴いた乳房は勿論、とばかりに隠す努力は放り投げ、半裸同然の少女に寄り添う形で抱き起す―――……ついで、とばかりに己達へと近づこうとするモノには瘴気によるお仕置き付き。軽い悪夢と共に“近づこう”とする意思を削ぐだけで、つまりは……)
……近くの宿まで、頑張ってね?
(……鑑賞する分には、なんの支障もない、と言う事である。かくして、媚態も露わな少女を、いつかのように二人きりの宿へと連れ込んで―――幾度乱れさせたとも知れぬ夜、すっかり食べ損ねた夕飯に気づくのは、いつになったのか、二人だけの記憶として紡がれて―――)
■セルナエル > (『続きは二人きりで』という彼女の言葉がぼんやりと響く。絶頂の酸欠が曖昧とさせた思考の中、その言葉の意味ははっきりと分からなかったものの、それでもセルナは彼女の胸元に埋めた頭部をこくりこくりと頷かせる。全てを彼女に委ねる事を良しとした所作。)
――――ッは、……はぁ、……はぁっ、……は、ぁ……、はぁ……、はぁ、ぅ……❤
(未だビクつく尻肉が、生まれたての子鹿めいて不安定に震える下肢をかくんっと折る。自らが作った恥液の水たまりにへたり込みそうになった所を傍らの淫魔娘に抱き支えられ、お礼代わりに真っ赤に染まった頬を彼女の胸元に擦り寄せる。手を伸ばせば触れられる程の距離に近付いていた男たちが、ある者は困惑に、ある者は恐怖に表情を強張らせて後退っていく。)
―――――ふぇ……?
(そして、言葉と共に歩き始めた彼女の傍ら、汗と唾液にまみれて艶光る白の双乳を露出させ、淫臭香る白裾を張り付かせた恥部を濡れ透けさせたセルナはその全てを無数の視線に犯されながらついていく事となる。恥ずかしい部分を他者に見られる事への淫らな悦びを覚えてしまった野良天使は、宿の部屋にたどりつく頃にはグラディエイターサンダルの皮帯にまで絡む程の蜜を溢れさせていた。その後の淫行は何ら我慢することのない、悦びに満ち溢れた物となったはず。同性愛の絡み方をほとんど知らぬ野良天使は、その身の全てを淫魔に任せ、新たな悦びをいくつもいくつも教えられる事となる―――。)
ご案内:「平民地区 露店通り」からアイラさんが去りました。
ご案内:「平民地区 露店通り」からセルナエルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリスさんが現れました。
■リス > マグメールの平民地区は、それなりに広い。貴族を始めとする富裕層の数と平民の数の差とも言い換えられるだろう。
富裕層では、高級な食事処がたくさんあり、高くていい物はたくさんある。
しかし、だ、平民地区では高くないからこそ腕を振るって、安く美味しく、そんな店もあるのである。
少女は、商人ギルドでの定期報告や相談会の帰りがけ、お腹が減ったので食事をして帰ろうと思った。
まあ、時間も時間であるし、家にいる娘たちは基本的に自分の自由に食事をするのだし。
最近長女も家に戻ってきたけれど、何やら色々としているらしくあまり顔も合わせられない。
彼女は彼女でいろいろと悩んでいるらしいから、たまにはちゃんとお話したいわ、とは思うが。
店長として仕事に出たりすると、時間が合わないことが多いのである。
なんとかしないとなぁ、と思うから、手紙で連絡はするけれど、上手く会えない。
はふ、と軽くため息をこぼしてしまえば、お腹が減っているせいね、と少し暗くなる思考を払うように頭を振って。
今日の食事は何にしようかしら、と様々な看板を眺める。
いろいろな料理があるから、迷うのだ。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアッシェさんが現れました。
■アッシェ > その二人連れは異色だった。何が異色かとそれは一人は外見が非常にこわもてで、
白髪青瞳のダンディ爺…老執事の様な顔にして年をとっても屈強な肉体を保持しているかのような、
まるで目は鋭く猛禽類か人の皮を被った人ならざる者の風格を持つ存在であり、
もう一人は赤尽くめの髪色と瞳を持ち、それを従えていても違和感のない女主人その物の振る舞いをしていた。
この二人連れ立って歩いているのに無言である。目線というか念話で会話していそうな感じすらある。
女は執事を連れて久方ぶりの王都再来をしただけであり、事務能力の再編の為、
酒造地に家令と執事と家令婦長とメイド…ひっくるめて言えば使用人を置いた事を
とある商会に報告する為に帰ってきた訳なのだが、三姉妹は適当にいない、
旦那は帰ってきていない、色々な意味で皆てんでバラバラ。
(ふむ、気配は近そうだ)指をぱちりと鳴らすと、そそっと動くのは執事の姿。
竜眼でとある人物の気配探知をしたようで、こそこそっと小声でその位置を知らせると、
その執事はふっと姿をくらましてしまう。 いなくなった執事の事は振り向かずに、歩いた先にいるだろうとある人物へと。
「リス 偶然ですね。」
店の外か入る間際のとある人物に声をかけてみたのだった。
■リス > 店に入る……お腹がすいたので、個々にしようかしら、と思った所である。
ちょっと思考停止に近い決め方であり、博打にも似た感じで、ふらりとしたところにかかる声。
その声に足を止めて振り向けば、果たしてそこには、伴侶の姿。
「アッシェ、お久しぶり。」
酒造に詰めてあまりこちらには来ない伴侶に少女は表情をほころばせて近寄る。
普段は見ない格好―――この姿を見たのは、両親に紹介をした時以来か。
何かあったのかしら、と首をかしげてみる。
「たまには、ちゃんとデートとかに誘ってくれないと、寂しくて泣いちゃうからね?
と、アッシェは食事は?
今からご飯にしようと思うのだけど、よかったら一緒に如何?」
リッチな食事場で、雰囲気のあるデートというわけではないが、気楽に楽しく食べるならここでもいいだろう、と少女は手を差し出して笑う。
■アッシェ > 最も商会の中で一番糸の切れた凧ならぬ竜筆頭は 己 だ。
一番自宅に帰ってこない存在にして 最近 失踪届を出されそうになった嫁が自分。
失踪も何も普段の住まいが酒造地なだけであって、そのトップたる杜氏だから
冬の…寒いこの時期は帰宅すら出来ませんって伝えているのに、伝わっていなくて何度か失踪届状態。
「ん、久方振り。デート以前に手紙で告げている筈だが、
ここ最近の寒いこの時期は仕込み時期だから帰宅も何もできないと伝えている筈だが?
春まで待てとあれほど…。春になったら濃密で凄絶に愛を囁いてやろうと思ったのだが。
今日はまだだな、御相伴に預かってやろう。」
なんていうか偉そうな態度だが、この赤い姿になるとどうも尊大な態度になりがちだ。
簡単に言えばツンデレというやつかも知れない。誘われには応じてしかたないな、と
手を重ねるが、仄かに照れているのか頬は赤かったし、視線も泳いでいた。…すぐに戻ったけど。
■リス > 「……そういえば、いつでも居場所が分かるようにできない?」
こう、三女は自由奔放と言ってるけれど、それを越える母竜。
彼女はどこかでやられると言うのはないと思うのだけれど、連絡がいつでも付くようにして欲しいと思うところ。
そういう魔法はないの、と首をかしいで問いかけてみる。
失踪届とか出したくないのよ、前になんか神様になって天界に行くとかなんとかあったし。
せめて、現在地がわかるか、連絡が付くか、どっちか何とかして欲しい。
魔法は使えないからなにかそういう道具とか。
じぃぃぃ、と真摯なオネダリ。
「それでも、淋しいと思う乙女心は察してほしいな。
春まで……か、遠いのよ、たまには、こういうふうにお食事とか、顔見せるくらいは、お願いしても?
じゃあ、食事、しましょう?」
彼女は姿によって性格が変わるらしい。
その姿に応じた精神構造らしく、それは娘たちも受け継いでいる模様。
とはいえ、娘たちは基本一つの姿らしいので、本当かどうかはわからないけれど。
そういうものだろう、と思いながら、少女は彼女の腕をとって抱き寄せる。
その腕を、抱いて己の胸に挟んで食事処に引き込んでいく。
「そういえば、アッシェ。
こっちに何か用があったんじゃないの?そっちは大丈夫?」
手紙で確認しているのは、こちらに来れないというものであり。
それを曲げてこちらに来ているのは、何らかの用事があるということだ。
その要件は大丈夫なのかしら、と。
そこまで広くもなく、どこにでもある様子の店内。
丸いテーブル席に陣取り、メニューを取りながら問いかける。
中を見れば、肉料理中心の店らしい。
■アッシェ > 「今与えているのは加護だったな、儀式を経てこれを全部慈愛にしてしまえ。
いつでもどこでもお互いに居場所が判別可能だが、魔法ならぬ儀式だ、また朝が黄色く見えるな…」
三女どころじゃない、言い出しっぺたる母竜が連絡不通になってる。
探知魔法は魔力がゴリゴリ削られるのがネックであり、それも距離が長くなるとゴリゴリ度も半端ない。
魔法に頼りたくないのであれば 彼女を人ならざる者に仕立てたとある儀式をやって、
全て与えている加護を強化してしまう案だ。魔法でも道具でもない、魂を弄る儀式だ。
おねだりには意外と旦那に弱い嫁がここにいる。
「この時期だけだ、3月までは月一でしか帰れん。この時期でしか仕込みが出来んからどうしようもない。
月一位なら 食事でも 逢引でも やってやらんでもない。」
姿というか外見に精神が引っ張られてしまう。一番精神的に安定するのは妙な方言を口走る年若い黒髪だ。
娘より若い姿なので 時々 四姉妹とかやってもばれない位。…と店の中へと連れ込まれてしまった。
「酒造地に家令長ヴァールハイトと執事ユルティムを置くことにした。
メイド長はシャルラだったか。後適当に竜雪が呼び寄せたようだ。
それらの報告をしに先程までユルティムを連れていたのだが、先に商会に戻しておいた。
明日の昼まではいるつもりだから、それまでにヴワールと顔合わせもできよう?
…最も ヴワールは冷や汗ものだろうが…。何を食べようか。」
酒造地は基本 事務能力が足りていなかった。
自分の名で娘が竜の中から事務能力に長けた者を選抜して配置したのだ。
エルダーブラックドラゴン二人とエルダーグリーンドラゴンとその他。
そんなことをさらりと告げながら、メニューをさらさらと見る。
肉料理中心らしいが、どんなのがいいか迷ってしまう。旦那へと視線をつっと向け、
「好きなのを選んでくれまいか?」
■リス > 「……………?」
彼女の言っていることが解らなかった。
加護と言うのは、守られているという認識であった、儀式で、慈愛にと言われても、言葉通りに愛し合う的な意味でしか把握できなくて。
儀式というのもなんだろうというレベル。
彼女の言っていることがちっともわからないけれど、でも、彼女がそうするほうがいいというのなら、それを信用して受け入れる。
それが、少女のスタンスでもあるのだ。
「ふふ、それでもいいの。
忙しいのを邪魔したいわけではないし、大事な時期なのはわかってるつもりだから。
それに、いいお酒が売れれば、私たちの売上にもなるんでしょう?」
それなら、月一でも我慢するから、頑張ってね、と。
そのかわり暇なときはちゃんとたっぷり愛してよね?と
そもそもである。そっくりな見た目で、歩けば娘たちの外見年齢から、本当に姉妹と間違われても仕方がない。
五人揃って歩けば五人姉妹といっても違和感がなくなるレベルなのだ。
実家のパパんママン連れてくれば、本当にそう見えてしまう怖いところ。
「えーと、ウチの家令のヴァールさんの本家の人だっけ。
そのあたりは、竜雪から報告来てるわ。
最近酒造が活発で事務員足りないからと、私の方に人手を求めてきたから。
竜雪の裁量で選んでいいわって、許可を出したの。
彼女自分で思っているよりも店長とかに向いてるのよ。
職人肌だ、と言ってるけれど、周りを見ることが出来るのは、十分な才能。
とは言っても……決めるのは彼女だけど、ね。」
家の家令長と、酒造の執事は親戚らしい、力関係は執事の方が上。
まあ、どうなるのかは見たいけれど、それはまた今度でもいいだろう。
アッシェの隣に腰をかけてメニューを見るあいて。
「私も初めてだから。
こういう時は、おすすめを選ぶの。
基本的におすすめは、その店が一番自信を持って出せるものを見繕うから。
奇をてらったのも少ないし、もし奇を衒ったのであっても、満足させられると自信のあるやつだから。」
ということで。
アッシェにはおすすめのセット。
自分には……塩こしょう飲みの素朴なステーキを選ぶことにする。
「私が選んだのは、一番難しいものなの。
肉の品質、塩コショウの味付けの腕……シンプルな中にその料理人の腕が光るってところ。」
おすすめと、シンプルなもの、その二つで大体はわかると思うわ。
少女は注文をしながら、ニンマリ笑ってみせる。
■アッシェ > 「今は人竜だったか、これでおめでとうだ、竜になるな。
最も何の竜になるか分らんので、本人次第である。」
今意味が分からんでもいい、分かるのは儀式後の進化である。
加護は守るだけ。慈愛は守り守られ加護よりも濃密になる。
儀式というのは前にやっている事だ 三日三晩のあの地獄である。
「そう。寒い時期にしか出来んからこれを逃したら 売り上げは落ちるな。
一年のうちこの時期に仕込む酒は最高級品になるからな、売り上げと雇用の為に頑張らねばならん」
仮に5姉妹になると7人家族で通りそうな家族でもある。
今の所 自身が 本家に寄り付いていないのでこの夢は実現可能か疑問が少々。
「決めるのは己が自身である。
親は意見を述べるのはいいが強要しては罷り為らん。
神聖不可侵にして愚かな行為である。まぁ、私が不在だと機能が落ちる酒造だから致し方ない。
そろそろ進路を決める時期なのか、早くないか? あれか、早めに決めさせるのか?」
商人の子育ては奥深いなと頬杖を突き、ううむと悩むそぶりを。
大して悩んでもいないし、基本その辺は放置している。ただ酒造地の事務能力は本当に低くて自覚していた。
旦那に注文するものを丸投げしてしまったが、まぁ悪くないと素直でない態度で
それでと言いつつも 料理がくると堪能して食べた事だろう。
―明日の昼くらいまで 宣言通りに 自宅で過ごせたかは 二人だけのお話。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアッシェさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリスさんが去りました。