2018/11/14 のログ
ノア > 露出し冷えた太腿から膝辺りを手のひらで擦りながら、ほぅ と吐息を漏らしてみる。随分肌寒くなったとはいえ、まだまだ白い息とはならなくて。つまらなそうに逸らした視線を、隣の貴方へ向けたなら

「 ………それっぽく言ってるけど、要は飲み過ぎたって事 ? 」

くすり、肩を揺らした。てっきり、もっと深刻だと思っていたから

「 目が覚めたら "屈強なオネエさん" が横で寝てて、お尻に身に覚えのない痛みを感じたとか… そんなレベルの話かと思ったじゃない。」

などと、いつもの調子で戯れ言を。逆に問われれば、此方もまた無駄に雰囲気を乗せて返し

「 ── この広い世界で自分探しの旅、的な。」

要は、ただの一人旅。

ジェルヴェ > 「だとしたら俺いま泣いてる。お前相手に泣き縋ってる」

(せせら笑いが僅かばかり引き攣る。見合わせた相手の顔は平然としたもので、しかし放たれた想像は随分な鋭利さを秘めていた。
腹の奥底と尻の辺りがにわかに冷たくなってくる。未知なる恐怖をほのめかされて、流石にあってたまるか、そう続けながらも自制を新たに胸へ抱いた瞬間だった。)

「ああ、旅的な。ふわふわしやがって。
 土産ちょうだい」

(問い掛けに対し、返された言葉には笑い声を含ませ軽く弾んだ応答が次ぐ。思えば彼女を相手取り不良娘と称してからかうのも、妙な話だ。事実そうであったとして、原因の一端くらいは自分自身にある、ような気がする。
笑いながら、相手側の手を持ち上げ手のひらを上に、隣へ差し出した。指で宙を掻き、太々しく物品を催促する仕草と共に。)

ノア > 「 いや… その場合、慰められる自信無い。」

そもそも貴方に泣きつかれるという状況を想像するのが難しい上に、そういったケースに対して掛ける言葉など… せいぜい "ドンマイ" くらいしか思い浮かばない。

久しぶりに貴方とのお喋りを愉しんでいれば、馬車に揺られた疲れも少しは紛れて。土産を要求する手のひらには、自身の顎を乗せてみせ

「 一人旅で成長した可愛い可愛い妹分が、お土産ですよ。」

と、ふてぶてしい笑みを返した。実際大きな鞄の中には、貴方に買ってきた少々珍しい酒が土産として入っているのだけれど… 素直に渡しはしない、自称可愛い妹分。

ジェルヴェ > (寄越せと言わんばかりの所作に、差し出された体温。手の上に細い顎が乗ると、すぐさま指先で彼女の両頬を掴み、外側から押した。
白く柔い頬が指を添えた所で凹む。どれだけの美人であろうと、これでは造作は打って変わって愛嬌に溢れた顔かたちになってしまう。しかし男には微塵の遠慮も躊躇いもなかった。)

「ワァ本当だ、超かわいい。もうチビちゃんなんて呼べねぇなー」

(むにむにと押しては緩め、感触を面白がって、大袈裟に感心したような顔つきで手に捕まえた顔を眺めては褒めちぎる。
反撃が飛んでくる前にと頃合いを見計らって暴挙と軽口を止め彼女の顎を開放し、引っ込めたその手を己の上着の懐へ。
中を漁って、外側からもポケットへ触れてみて。目当ての形が手に触れないと知り、眉を顰めながらそれでもまだ諦め悪く、腰回りを探り煙草の箱を探しながら)

「まあでも、元気そうで良かったよ。お前いつもふらっと見なくなるから気が気じゃ――…あー。駄目か、焦って出てきて置いてきたんだ」

ノア > 「 ん、むっ… ?! 」

頬を指先に挟まれ むにむにと弄ばれたなら、ふてぶてしく細めていた目も見開いて威嚇モード。意地の悪い指先に噛み付いてやろうと口を開くも、其のタイミングすら見透かされていたように反撃は空振って。カチ… と、歯と歯が噛み合わさる音が虚しく響いた。

「 も、チビはやめてっ……… ん、 煙草ないの ? 」

不服そうな視線で逃げられた手の動きを追っていると、恐らく煙草を探っているだろう仕草に気付いて。生憎煙草は持ち合わせていないし、久々とはいえ長く引き留めるのも悪いかと鞄を開けた。中に差し込んだ手が酒瓶を探り当てると

「 飲み過ぎ猛省中に なんだけど… はい、コレお土産。地酒なんだって、もし自分で飲まなかったら客にでも出して ? 」

紙に包まれ 注ぎ口の括れた部分を麻紐で結ばれた酒瓶を、ずい と貴方へ差し出した。

ジェルヴェ > 「……”がちっ”て、今お前」

(彼女を揶揄う際によく口にする単語をやはり今日も訂正されたが、それよりも煙草を探しに手を彷徨わせた瞬間横から聞こえてきた音の方が重要だ。
噛もうとしたのか。思いがけず容赦のない反撃を本当に食らう所だったと思い知る中、真顔で言葉少なに視線を送る。尤も、すべて男の自業自得だが。)

「…って、あれ。マジであったの。へぇ、気ィ利くじゃんチビ助ー」

(大きな鞄に仕舞われていた酒瓶が姿を見せると、訴えかけるような怪訝な視線も驚きに消えて丸くなる。
今度は素直に感心―というより寧ろ、やはり本当に用意があったのかと言う驚きの方が強かった。顔を合わせれば皮肉や軽口の応酬だが、妹分という表現がきっと一番己に馴染む。)

「嘘。嬉しいよ、ありがとう。
 また間違い犯して猛省することのないように一人で飲むわ」

(チビと言う決まりのフレーズをまた怒られてしまう前に、自ら訂正を入れながら酒瓶を受け取り印された銘柄へ視線を落とす。
辺りの市場では流通し難いと記憶するその品を眺め、片手に瓶を持ち直しベンチから腰を上げた。
それから相手の前を回って傍らへ、置かれた鞄へもう一方の手を伸ばし、指先に持ち手を掛け引き上げると)

「じゃあ、そろそろ行くか。
 …お前家どこだっけ。この辺だよな?」

ノア > 「 ん、何か聞こえた ? 」

カチ と小さく響いた音の件に関しては、そろりと視線逸らして すっとぼけ。差し出した酒瓶を受け取る貴方の言葉には、またしても例の二文字が組み込まれていて

「 もう、っ…… 」

不満げに唇尖らせた、が… 素早い訂正と先手を打たれ、更には "ありがとう" だなんて言われてしまい

「 ………ん、 うん。」

すっかり反撃のタイミングを逃し 結局、 こくんと頷き返すだけとなってしまった。さて、帰って煙草も吸いたいだろう貴方を解放しようと荷物を手に立ち上がろうとするも… ひょい と鞄持ち上げられては、意外そうに貴方を見上げ

「 荷物持ってくれて、家まで送ってくれるとか… とうとう女扱いされる日が来たってことー ? 」

ゆるりと首を傾げ、大層満足げな笑みを浮かべて貴方の顔を覗き込んだ。先程までと違い大きな鞄を持っていない分、その足取りは軽やかに貴方の隣でヒールを鳴らす。

ジェルヴェ > (先手を打って撤回した結果、勢いをなくして素直に頷く仕草がおかしくて、真っ当なやり取りではあるがつい肩を揺らして小さく笑ってしまう。
そうした時折の可愛げが見え隠れするのも、よく知っている。否、対する相手が大いに左右されそうな内面的な反応はさて置き、外見にしてみても彼女はおそらく夜道で目立つ。物騒な思考を持った者の目に留まることもあるだろう。
客観視すれば、いつまでも”チビちゃん”と茶化して可愛がるには余りに時が経ってしまっていたが、)

「あー、期待させてごめんなー。荷物は持つし家まで送るけど、トイレ貸してとか言いだす気は全く起きねぇんだ」

(矢張り、口達者な妹分だ。意外そうな彼女の言葉を聞いてしみじみとした顔を作り、言い聞かせるような口調で意地悪く遠回しに諭す台詞を打ち返す。
彼女の案内に従い送り届ける道中、こうした掛け合いが絶えず続きそうな予感を抱きつつ。ハイヒールとブーツの異なる二つの足音は、広場を抜けてやがて通りへと――)

ノア > 「 はいはいっ。 口では "チビチビ" 言ってるけど… 立派な "レディ" に成長した妹分を、本心では認めてるんでしょー ? ふふ 」

勝ち誇ったかのように生意気な笑みを浮かべたまま、いつもの調子で戯れ言を。貴方の予想通り こうしたいつもの掛け合いは絶えず続き、楽しみながら家路へと ───

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からジェルヴェさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からノアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 噴水広場」に竜胆さんが現れました。
竜胆 > 街の中央で噴水が勢いよく水を吹き上げている、いつもは朝に動いていて夜は家の中で引きこもっているのだけれど、今日はちょっとある理由があり、少女は珍しく外に出いた。
 あまり夜に出歩かないから、夜の景色は物珍しく思える、人々の活気は変わらぬままに、暗くなる周囲、明かりをつけて人を呼び寄せるような屋台。
 流石に、馬車の行き来は少なくもなろう。その分人の行き来が増えているのと、そこかしこの少し暗がりに視線を向ければ。

 ――――盛っていますわね。

 そんな感想を一つ。
 まあ、夜はそんな時間であろう、家に帰っても多分そうなのだろう、特に母親。
 軽く肩をすくめ、少女は視線をそらし、しゃなり、しゃなり、と歩を進める。
 その少女の姿は東洋の服装―――着物と呼ばれるものなのであるが、その背中からは竜の翼が、そのお尻のあたりからはしっぽが出ている。
 人間ではないのは一目瞭然であろう、着物という服装にプラスするとすごく違和感というものが強くあるだろう。
 しかし、さほど彼女が目立っていない―――ワケではないが騒がれないのは、亜人が多いのともう一つ。
 みんな盛って相手と交わっているから、というのも大きいのではないだろうか。
 特に少女としては目的がなく、ちょっと家に居づらいので、散歩して時間を潰そうという魂胆。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 噴水広場」にアデラさんが現れました。
アデラ > 交愛の場と化した広場を埋める音は、噴水の飛沫と、密やかな睦言の声。
それが足音を掻き消すものか。或いは、東洋の装いの少女の歩法が故か。
とかく〝その娘〟は、彼女の存在に気付いていなかったのだろう。

「……………………」

着物の少女が歩いていた方向で、広場の暗がりをそっと覗き込んでいる娘がいた。
――と記すと、こそこそと隠れ潜むような仕草を想像するかも知れないが。
実際のところその娘は、ウィンドウショッピングでもするような気軽さで、他人の行為を見物していた。
だが、それも些か飽いたのだろう。溜息を一つ零して、くるりときびすを返したその時。

「――わっ」

周りを見ずにいきなり踏み出したその娘は、着物の少女の進路上に思い切り飛び出してしまう。
危うくぶつかるという寸前、無理にブレーキを掛けた為か、その場にぺたんと尻餅をついて。

「あら、ごめんなさいね。驚かすつもりじゃなかったのよ」

と言った。
勝手に驚かされているのは、自分自身である。

竜胆 > 少女もまた、散策目的ゆえに周囲を見回しているが故に一人一人に対する注意は漫ろだった事は否めない。
 しかし、漫ろ過ぎたのであろう、暗がりに近いところから人が飛び出してきたのだ。

 彼女が静かに秘め事を覗いていたから、そこで激しく睦み合う声があったからだろう、聴覚では捉えられず、匂いも誤魔化されていた。
 偶然が折り重なって、竜の少女の知覚の中に入らなかったのだと思う。
 視覚としても、そこにいる誰か、であって注意を払うほどのものではなかった。
 覗きもまた、この国ではよくあることなので。

「――――。」

 飛び出てきた相手に、少女の行動としては、足を止めるという単純明快な行動である。
 これでも、竜である、三姉妹で一番トロいとはいえ少女は人間以上のそれであるので、気がついたときに止まるのは問題がなく。
 向こうのほうが驚き、転けていた。

「いいえ、大丈夫ですわ。驚きは然程でしたから。
 貴女の方こそ、大丈夫ですか?」

 いい勢いでお尻をぶつけてしまったようですけれど、と問いかけながらそっと、にこやかに微笑みを浮かべて手袋に包まれた手を差し出す。
 彼女の身なりからそれなりに良い家だというのがわかる。
 それなら、すぐに立ち上がって貰った方が要らぬ面倒事がなくなるでしょう、という思考。

アデラ > 「お気遣い無く、然程の痛みじゃないもの。けど、ええ――」

差し出された手を掴み、引き寄せるように力を込める。
他人の力を借りる事に、戸惑いも躊躇もない様は、確かに着物の少女の見立て通りの身分なのだろう。
黒衣の娘は立ち上がって、片手は繋いだまま、空いている片手で尻の砂を払い落とし、

「この手には甘えましょう、ありがとうね」

少しばかり強く手を握ってから、ようやっとそれを解放した。
立ち上がった娘の頬は僅かに紅潮していたが、派手に転んだことへの羞恥心と、覗き見の愉悦とが混ざったもの。
互いの手を包む布越しであっても、冷え切った手の温度は感じ取れた事だろう。

「――――――――」

それから娘は少しの間、着物の少女を眺めていた。
正確に言うならば、少女の翼と尾だ。いかに亜人が多い街と言えど、この形状を見る機会は滅多に無く。

「……あら、珍しい。あなた、竜なの? だったら、そのままぶつかっても大丈夫だったかもね――暖かそうだし」

先ほどまで繋いでいた手で紅い唇を覆って、目に緩い弧を描かせる。

竜胆 > 「それでも、今の状態では、私が転ばせてしまったようにも見えますから。」

 自分と彼女の手が握り合い、彼女が引く動きに合わせ腕を引く。
 すんなりと立ち上がる彼女の体重は、とても軽く感じられる。
 お尻の砂を払うその動きも洗練されたお嬢様という所なのであろう。
 彼女の手の感覚、冷たく冷えている手にああ、と納得する。
 今はもうこんな時期だ、動物たちも冬眠を始めるような時期でもある。
 自分の手も、それぐらい冷たいのであろう、特に冷たく感じなかったから。
 寒い、とは思っていないのは、寒さにも強いから、なのであろう。

 思考を這わせていた所に感じる視線。理由は何となく把握する。
 珍しい存在なのは言うまでもなかろう、自分の近くには多いから感覚がマヒしやすいが、竜という存在もまた、多くいるものではない。
 ましてや、ハーフというのは特に。

「あら、お嬢様、お聞きになったことはありませんか?
 竜は乱暴な生き物だ、と。

 ぶつかっていたら、きっと大変なことになっていますわ?」

 相手の笑う声に対し、少女は袖から扇子を取り出し、口元を隠してふふ、と笑ってしまおう。
 別に脅しているつもりもなく、ただただ、事実を伝えてみせる。

「例えば、この体にぶつかって怪我をしてしまったり。
 逆に、わたくしが怒りに任せて危害を加えてしまったり、と。

 ――――これでも、私は寛容な方ではありますが、ね?」

 ほほほ、と軽く笑いをこぼしてから、ふと視線を彼女が見ていた方に向ける。
 話をそらすかのように、彼女のような高貴な少女が何に興味を持っていたのか、そこに興味がわいたのか。

「何を、見てらしていたので?」

 おもしろいもの、ですか?と視線を彼女に戻し、問いかける。

アデラ > 「私が聞いているのは、竜は人間と同じように色々だ、ということよ。
 乱暴なものもいれば、穏やかなものもいる。愚か者も賢者もいるってね。
 だから、もしあなたが乱暴な竜なら――」

竜という存在は、よくよく考えれば、何とも分からぬ種族である。
山のような巨体であったり、鳥のように小さく空を飛ぶものがいたり。
そして、着物の少女のように理知的に言葉を用いる者もいる。
一応は学究の徒の律儀さか、種族全体に一つの性質を当てはめることはできないと前置きしながら――

「――すっごく、そそるわね」

手を口元から外して、紅の唇へ、違う赤色をした舌を這わせた。
或いはその舌を見るより先に、着物の少女は視線を横へ向けていたやも知れないが。

「何を?」

一瞬、娘は目を大きく見開いて、きょとんとした顔になった。
こんなところで覗き見るものなんて決まっている――と、或いは正直に言いかねない程。
が、その表情は直ぐに元のように引き締められ、そして次に滲むのは艶めかしい笑み。

「説明より、見る方が早いわ」

そう言って娘は再び、先ほどの位置へと舞い戻り、そこで着物の少女の方へと振り向いて手招きをする。
横には一人分のスペースを空けて、まるで観劇を楽しむかのように、心弾ませた笑みで。
だが、もしも少女が隣に立ち、黒衣の娘と視線を同じくするのなら――

そこに居たのは、二人の女だ。いずれも若く見目の良い――衣服や化粧の傾向を見るに、娼婦同士だろうか。
二人の女が身を寄せ合い、口付けを交わしながら、熱く弾む息と共に腰を揺らしていたのだ。
視線を少し落とせば――片方の女が両脚を開き、その間にもう片方が体を押し込んで、腰に固定した玩具で相手を貫いている。
愛を囁き合いながら互いを貪る女の姿は、だが美しいと言うよりは只管に淫らで扇情的で。娘はその光景を見ながら、着物の少女へ囁くだろう。

「おもしろいもの、かしら?」

竜胆 > 「お嬢様は。多角的に物を見ているのですわね。」

 竜という存在、ドラゴンという存在、それは大抵が自然の化身、破壊の化身と言われるものである。
 が、一部では守護を司ったりと、彼女の言うとおりに、いろいろな存在が居る。
 ただ、大部分としては、少女の持つ気質―――凶暴がおおいのではあろう。
 理知的なのは、おそらくハーフだから。
 それでも、短気過ぎるといって良いぐらいに、短気なのではあるが。

「――強いものに、憧れを持っている…みたいですわね。」

 そう、評しつつもそれとは違うものを感じた。
 よく見る光景、よく見る関係。
 艶かしく動く舌を把握しつつも、興味の方が強く少女の視線は戻らずその薄暗い場所へ。
 きょとんとした彼女は、艶やかな笑みへと変貌して。
 それに誘われるように移動する。

「―――なるほど。」

 彼女が見ていたものを見て納得をする。
 そして、彼女の先ほどの言葉と、仕草に理解を及ぼす。
 嗚呼、そういうことなのね、と少女は扇子の下で笑みを浮かべる。
 扇子を閉じて、彼女の耳元に唇を寄せて見せようか。

「つまり、お嬢様は、強い牝に犯される事を望んでいるっていうことですね?」

 ――桜色の唇が強く弧を描きだす。
 彼女の耳元に、甘く優しく、しかし、有無を言わさぬ口調で問いかける。

アデラ > 覗き見ていた光景を分かち合えば、着物の少女は呆気ないほど容易く、その光景を受け入れた。
少しの驚きと悦びを同時に感じ、耳元へ寄せられる唇に背筋を震わせる。
評への答えを、遅れて返した。

「憧れ――なのかしら。
 私自身があんな風に強くなるのは……ああ、でも、それも楽しいのかも知れないわね。
 だって竜は頑丈なのでしょう? 心臓を貫かれたって生きていたものが居ると聞くわ。
 だから、だからね……竜になれるのだったら、今よりもっと、楽しく生きられると思うの」

己の言葉に酔うかのように、娘は体を震わせる。
寒さに耐えるように――或いは疼きに耐えるように、両手で己の体を抱く。
耳へ吹き込まれる言葉と息。首は動かさず、目と視線だけを横へと流して――

「……そうだと言ったら。あなたは一体、どんな風にしてくれるの?
 物語の竜は、お姫様を攫って閉じ込めるそうだけど……ふふっ。私も女の子だもの、お姫様扱いしてくれなきゃ嫌よ。
 ねえ? 〝強くて乱暴な〟竜さん……?」

意識的にか、無意識にか。膝をきゅうと寄せ、両腿を擦り合わせながらも娘は応えた。

竜胆 > 「さあ―――それに関しては、私に語るべき言葉はありませんわ。
 でも、わたくしのお母様なら。
 まさに、お嬢様の言う通りの存在ですもの。
 元々人間にありながら……人をやめて、竜となった存在。話を聞くのであれば、という形になりますけれど。」

 彼女の言葉、評に対しての言葉は、生まれながらの竜には返答ができぬ。
 しかし、彼女の求める存在、それが奇しくも自分の母親である。
 彼女の学術的欲求なのか、別の欲求なのかは分からねど、質問に答えることぐらいなら、出来るであろう。

「そうですわね……それならば、伝承に出ている先達の顔を立ててあげないといけませんわね。
 か弱いお姫様を、誘拐して、閉じ込めて酷いことをしてあげませんと。」

 身をよじる相手の表情には恐怖は感じられず。
 むしろ、これから起こることへの期待があるのであろう。
 そっと彼女のことを横抱きに抱き上げる。

「食べて差し上げますわ。
 どこで食べられたいか、希望はありますの?」

 其のくらいの温情は与えてあげますわ、なんて軽く冗談めかして言葉を。
 さすがに、この場所では、めのまえの二人があるし、気まずいとも思う。
 外でやるにしろ、少し場所を移したいと思うのだ。
 公園とかでもいいかしらと問いかける。 

アデラ > 「ひどい、こと……ん、はぁ……」

その言葉を復唱した時、娘の背をぞくぞくとした冷たいものが這い上がった。
背骨の中を蠢くような感触に押されて、肺の中の息を吐き出す。
それがどれほどの責め苦であるかと夢想するだけで、娘は声を濡らしているのだ。
ましてや抱え上げられ、足が地面から離れたなら――

「ああ……これでもう、逃げられないのね……。
 けど、ふふっ……すまし顔でいらっしゃったけど、案外に貪欲な方なのかしら。
 私、好きよ。綺麗な顔の裏側に、こわい本性を隠してる人って」

自分からも、腕を少女の首へ回して、抱える腕に力を貸す。
そうして運ばれ始めた時に、希望を問われれば――くすっ、と小さく笑って言うには。

「そんな気にしなくていいのに……悪い竜なんでしょ?
 お姫様が泣いて願っても全く聞き入れない、それくらいでも構わないのだけど――」

と言って、暫しの逡巡。

「あなたが一番、燃えてくれるところ……じゃ、駄目?」

小首を傾げて、唇に指先を当てて。無垢な少女を気取って、連れていってくれと強請った。

竜胆 > 「凄いわ、想像以上の変態ですわね?」

 彼女の言葉、悦びように、少女は笑みを浮かべる事にした。
 自分の母親の相手にも、そういうのはいるが、それに輪をかけているようだ。
 別にそういうのは、嫌いではないし。

「そうね――――うちの一族は皆、性欲は強いので。
 貪欲なのかもね?
 とはいえ……私も初めてだし、上手く行けるかどうかはわかりませんけれど。」

 ええ、性的なことは知識とかはあるし本能的に出来るのは判る。
 しかし、そういう欲が沸く相手なのだ、ここは逃がすべきではないと思ったのだ。

「あら?悪い竜だって、物語では姫を捉えて監禁はしてもご飯与えたり服を与えたり。
 要望は叶えてるところもありますもの。」

 彼女の要求に対して。

「じゃあ……移動するわ。」

 彼女の言葉に従い女は移動しよう。
 そこまで離れてはいない場所、森林公園へと。
 そこならばと。
 森のような場所に連れて行き、茂みに入り、少し広い場所。
 そこに己の着物を敷いて彼女を横たえよう。
 そして、肌を見せる。
 白い人間の肌、肘まで竜のウロコに包まれた腕と膝までウロコに包まれている足。
 そして、柔らかな乳房に、股間に勃起していく大きな肉棒は、長さは30センチほど、太さは12センチ……大体男の腕ぐらいはあろうか。

「お姫様、ふふ、子供、孕ませてあげますわ?」

 ぺろり、と彼女の目の前で舌なめずりをし、獣欲に身を任せ彼女を見下ろす。

アデラ > 「ええ、よく言われるわ」

冗談や掛け値無しに、こればかりは真実だ。
だが、その〝変態〟という煽り文句さえ、この娘には興奮と陶酔の助け。
唇を歪ませながら運ばれて行く最中に――

「えっ……初めて……?」

この時ばかりは一瞬、娘も素面に戻って問い返した。
女を口説く手際も攫う手際も、〝これが初めてです〟と言うには似つかわしくないと感じたが故だ。
だが、一度驚きから抜け出してしまえば、笑みは愈々深まり扇情的に変わり――。

そして、敷物代わりの着物の上に寝かされた。
上等の布一枚を隔てても、地面は幾分か冷たく、そして固い。貧民街の娼館のベッドの方がよほど上等というものだ。
枕もないそんな場所へ横たえられたことで〝気を良くしたのか〟、仰向けに横たわる娘は、ドレスの裾を掴み、引き上げた。
足首ほどまでの長さのワンピースドレスが、腰の上まで持ち上げられた時――娘の下腹部を覆うものは何も無かった。
無毛の秘裂は僅かに口を開いて、奥から蜜を滲み出させ、それが内股を広く濡らしている――欲情の様が、見せつけられる。

「あら……こっちまで竜なのね」

一方で娘の目は――曝け出された少女の肌へと吸い寄せられる。
白肌もそうだが、娘をより魅了したのは、鱗に守られた四肢だった。
どれほどの力があるのだろう。どれほどの強度があるのだろう。その身体能力から、どんな獣欲をぶつけてくれるのだろう。
膨らみ持ち上がる肉棒は、とうに娘の顔よりも大きく膨れ上がっている。生娘ならば先も入らぬような肉の凶器を前にして、

「ふふっ……初めてで、できるの? お姉さんがやり方を教えてあげてもよくってよ……?」

力でも、今の立ち位置でも圧倒的優位に有る相手を、だからこそ娘は煽った。
軽く膝を立てて広げれば、足の肉に引かれて、無毛のスリットが口を開ける。
既に熱く濡れた、ピンク色も鮮やかな肉粘膜。それを見せつけながら――

「――アデラ。私はアデラ、あなたの初めてになる人。……初めての女の名前も知らないままなんて、無粋でしょう?」

竜胆 > 「ふふ、褒め言葉になっていますわね。
 まあ、うちの家系も大概ですので。」

 そして、驚きに素に帰る彼女に頷いた少女に不安そうな表情はない。
 なぜなら、飽きるほど見ているのだから。
 どういったものか、と言うものかが判ればあとは。

「安心なさって?獣が初めてでしくじったなんて無いですわ?」

 そうなのだ、犬とか猫とか、生まれつきその方法は知っている。
 本能というものはそれぐらいの物である、初めての何を不安に思うことがあるだろう。
 相手を口説くのも、本能である、牝を誘い、捕まえて食べる。
 それだけの事初めてで、何をしくじることがあろうか、と。

「あらあら。何をしなくても、すぐ出来そうですわね。
 さっきのを見て、興奮なさっていたのね?

 とはいえ、風邪をひきたくもありませんし、少し失礼。」

 そう言って、少女の竜としての能力を発動する。
 周囲の空気に干渉し、今二人が交わるところから半径3m程度の空間の空気を暖める。
 気温にして22度ぐらい、裸でも風邪をひくことは無い程度の気温にしておく。

「ええ、わたくし、ハーフですから。
 完全な擬態はできなくもありませんが……竜であるわたくしは、これでいいと思っております。

 ――さて。」

 自分に足を開いてみせて、秘所を見せつける彼女。
 その視線はむしろ、自分の両手両足のウロコに目がいっているのであろう。
 別にそれに思うところもなく、それよりも彼女のメスの匂い立つ、淫蜜をにじませたその場所を見つめる。

「それ、邪魔ですわね?
 貴女の全て、見せてくださいな。」

 彼女の服に手を伸ばし、おもむろに引き裂いていく。
 薄絹を容易く引きちぎる少女の爪は鋭く、しかし上手に彼女の肌には傷つけず。
 乳房も、腹部も、全て晒け出させてしまおう。

「ふふ、ご安心を。
 前戯は……ナシで犯してあげますわ」

 と、言いながら、少女は彼女の太ももに手を添えて広げさせる。
 ピンク色の無毛のその場所に先端を押し付ける。
 乱暴な方がいいのでしょう?と勢いよく腰を打ち付けて彼女の膣の中に挿入してしまおう。
 当然彼女の体が裂けたりすることのない程度には力加減はするけれども。
 杭という表現がぴったりのそれを子宮口に勢いよくぶつけ、がつんがつんと、たたくように腰を打ち付ける。

「わたくしは、ジャンシアヌ・トゥルネソル。
 長ければ和名で、竜胆(リンドウ)とお呼びくださいまし?
 片親は東方の生まれでして、二つの呼び名がありますの。

 初めてを捧げてしまいましたわ、アデラ。」