2018/11/07 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 園庭」にデメトリアさんが現れました。
デメトリア > あたたかな天光が降り注ぐ午前。
軍から休暇をもらった少女が向かったのは、邸第のある富裕地区から少し離れた、賑やかな平民地区の庭園。
今日は風が強く、靡く髪を手で押さえながら庭園の道をのんびりと歩いていた。
ちょうど月一の大きな市場が開かれる日で、大量の荷物を持って家路に急ぐ人々とすれ違う。

「良い天気、良い日」

軍属とは思えない悠長な動作でベンチに腰かけ、何をするでもなく視線を辺りに向ける。
のんびり過ごしていると言えば聞こえは良いが、無趣味なのだ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 園庭」にガリアさんが現れました。
ガリア > (あたたかな天光が降り注ぐ午前。
騎士団より無期限の休暇を言い渡されている自分が向かったのは
以前であれば巡回や警備に足を向けて居ただろう、市民の庭園
騎士団の衣装も着用は出来ず、冒険者風の見目でしかない今で在れば
不必要に一般人を脅かす事も無いのだろう、其れが唯一の前向きな要素。)

―――……何時に為るかねェ…。

(小さく、そんな事を呟きながら歩みを進めれば。
途中、遊んでいた子供達の蹴鞠玉が転がって来て、足元に。
其れを拾い上げ、駆け寄ってきた子供に向けて、ひょい、と投げ返して。)

……おう、人に当てんなよガキ共ォ。

(けらりと笑いながら、そんな一言を返そうか。
きっと、其の一寸したやりとりも、響かせた声も、周囲には伝わるだろう。
けれど、魔術師たる彼女であれば、別の事に気付けるやも知れない。
――其の響かせた声音が、他者の魔力を震わせる様な力を帯びて居る事に)。

デメトリア > ひなたぼっこに興じている少女は庭園によく馴染む。
公爵家の娘という立場も、軍に属している職も、遺伝による魔力を内包する体質も関係なく。
ただひたすらにのんびり屋として相応しいほどに、日光に蕩けていた。
子供の笑い声が遠くで聞こえるような感覚は、そろそろお昼寝さえしそうな頃合いか。

「…………?」

そんな時、鼓膜ではない第六感で感じるような共鳴に閉ざしかけた瞼を開けて。
その先を探るように視線を周囲に巡らせる。
もし声の主と目が合えば、少女は目を細めて微笑むだろう。
特に邪まな気配でもないので声をかけるほどのことではないが、視線が合えば友好的に振る舞う愛想はあり。

ガリア > (子供たちも、初めは冒険者風のローブの男に恐る恐ると言った体であったが
投げ返されたボールに又、元の笑い声と元気さを取り戻して、わーいと遊びに戻っていった
礼くらい言えー! とか、響かせた声音は、勿論冗談の域を出ないもの
其の遊ぶ姿を暫し眺め、それから、満足げに視線を進行方向へと戻した、その矢先。)

………おっと…?

(無論、市民庭園だ、他に誰かが居ても不思議では無い。
ベンチに座る少女と目が合い、向こうが微笑を向けて来るなら
多少気恥ずかしそうに後頭部を掻きながら、笑って通り過ぎようとして――

その、刹那。 ふと足を止めるなり、少女の座る方へと早足に近づくだろう
先刻よりも少しばかり真面目な表情で、ぐんぐんと其の目前まで近付いては
其の肩へと手を伸ばして――)

―――…動くな。

(一言、其れだけを告げると同時に、其の肩を素早く払う、か。
刹那、肩から小さな生き物が。 具体的に言うと、蜘蛛のような影が
ぽーん、と飛んで行くのが見えるかも知れない)

デメトリア > のどかな光景、平和な子供達、彼らの相手をする青年。
市民庭園かくあるべきという風景を微笑ましく眺め、彼が通りすぎる際にも表情の変化はなかったが
突如神妙に近づく男の影が少女の顔に落ち、不思議そうに顔を上げた。
のんびり屋は自分の肩に初対面の青年の手が伸びるのも構わず、彼が払った何かを目で追うように首を傾け。

「何かついてたの……かな? ありがとう」

遠目にはよく分からなかったが、自分と同じ年頃か少し年上、といった顔つきの青年だった。
世代が同じならば気兼ねもなく、敬語を使用せず礼を述べ、彼が払ってくれた肩をさするように指で撫でる。
そこで軽い挨拶のみを交わし、別れても良いのだろうが
たとえ一期一会だったとしても親切な相手には名を名乗っておくべきかと。

「わたしはデメトリア。少しひなたぼっこでもしようかなって思ったら、のんびりしすぎたかな」

うふふと笑い声混じりに、やはり悠然と。

ガリア > (ひょろん、と飛んで行く小さな蜘蛛は
地面に落下するなり、そそくさと何処かに逃げて行った。
其れを目で追いかけ、小さく吐息を零してから――特に怖がるでも無く
驚くでもなく、のんびりとした笑みを浮かべている少女に、微苦笑を零し。)

なぁに、ちょいと蜘蛛がな。 噛まれたって別に死にやしないが、あの手の奴は腫れンのさ。

(口調は、先刻から同じ様にぶっきらぼうで粗雑。
肩をさする様子に、悪い、痛かったかと一つ問いかけるが
其の後に名前を名乗られれば、おう、と再び口元に弧を描き。)

俺ァ、ガリアだ、なぁに良い天気だからなァ。
人間、偶には太陽を見て置かねェと、不健康ってモンだ。

(――自らも名乗り返し、そして、デメトリア、と相手の名を確かめる様に反芻して
其処で一瞬、ん?と、何処か聞き覚えが在る様な気がして、首を傾げた。
逆に相手にも、軍属で在るならば己が名に覚えが在るやも知れない。
何時ぞやのタナール砦での戦役で、独断で隊を動かしたとて処罰を受けた騎士の名を
とはいえ、特に指摘も無ければ問う事もせず、代わりにふと
隣へ座っても? と問うだろう。 もし許しが出れば其の隣、ベンチへと腰掛ける筈で)

デメトリア > 「蜘蛛が?そう、よく知ってるのね。 ……ううん、痛くなんて」

蜘蛛と聞いて、さすがに少し気味が悪かったのか、ぱちくりと目を見開いたがその程度。
ここに蜘蛛がついていたと思えば、ますます無意識に肩をさすってしまうのだが。
初対面に対し少々馴れ馴れしく話しかけてしまったが、応じてもらえれば嬉しそうに微笑んだまま。

「ふふ、そうだよね。今日は特にあたたかくて良い気持ちだし。
 ――――ん~……ガリアさん……ガリアさん……」

どこかで耳にした響きに記憶を手繰り寄せようと数秒考え込んだが、
もともと軍に属してはいても世情に疎いために思い当たるまでには行きつかなかった。
立場はどうであれ、本来ここで日々ひなたぼっこをしているほうがお似合いな性格で。
どうぞ、と隣を勧めれば、腰かける青年に体を向けるように座り直し、改めて容貌を確認し。
冒険者風の身なりは、ここでのんびりしようと来たようには見えなくて。

「ガリアさんはどこかに向かう途中?足を止めさせちゃったかな」

親切な人だから、少し話し相手になってくれるつもりなのだろうかと思うと、申し訳なさもちょっぴり。
表情をうかがうように覗き込みながら。

ガリア > クク、まぁ仕事柄って奴だ。 ……そうか、なら良かったぜ。

(決して力を入れたつもりは無かったが、痛めたとかで無いのなら一安心だ。
柔和な微笑が良く似合う相手、穏やかな性格である事は其れだけで感じ取れる
隣へ座る事を許されれば、ベンチの逆側に腰を降ろし、態々此方に向き直る隣の様子を見ては
応える様に己もまた、雑ながら僅かに向きを相手へ傾けて。)

だな、俺も此処暫くは外に出れなかったからなァ…やっぱり、外ってのは良いもんだ。
……あー、いや。 別に何か用が在るって訳でもなくて……、…ただの気晴らしさ。

(相手が自分の名前に覚えが在る様子ならば、ほんの僅かだけ双眸細めたが。
ベンチの背凭れに軽く身体を預けつつ、相手の質問にゆるりと首を横に振れば
飽く迄、唯の散歩で在ると伝えるだろう。

だから、別段相手が申し訳無く思う必要は何もない。
己の顔を覗き込むような姿には、僅かだけ瞳を瞬かせるけれど。)

―――……なぁに、可愛い女が傍にいると、気分が良いだろ?

(けらりと、戯言めいてそんな風に言い放ち
其れから、戯れめいて其の頬に、柔く指先を触れさせよう、か)。

デメトリア > 「そうなの。子供が遊んでるのを見たりすると、頑張らなくちゃって思ったりして。
この辺は治安が良いけど……王都の内外問わず物騒な事件が起きたりもするから」

同調してくれる彼に気を良くした様子で、笑顔向けたままに言葉を続ける。
急いでいるわけではないのなら尚更。際立っておしゃべりというタイプではないが、年齢相応に喋るには喋るので。

「……え?」

優しげな青年が軟派な台詞と共に頬に触れれば、虚を突かれて目がぱちくり。
のんびり屋もさすがに照れるシチュエーションで、ほのかに血色を良くした頬を隠すように一度俯いて。
そして、再び視線を合わせるように上目に困った顔を向け。

「ガリアさん、意外とそういうタイプ……? ダメダメ。わたし免疫がないから」

たまにいる女性に慣れすぎている男性。
どちらかと言えば自分と同じくのんびり屋で、女性を口説くよりは押されるタイプの兄にしか慣れていないので反応に困る。
困りすぎて、距離をとるように少しお尻を後ずさりさせた。
同じベンチに座っているので、端まで行っても手を伸ばせば触れられるため、気持ち程度の距離なのだが。

ガリア > 王都に限った話じゃねェが、ちょいと端の方に行きゃあ色々在るからなァ。
……子供が遊んでられるだけで、随分マシってのも残念な話だけどよ。

(そして、治安が良いと言われているこの地区ですら
最近は少しづつ問題も相応に起き始めている。
困ったもんだと、小さく肩を竦めながらに言葉を交わせば
――ずざりと、仕掛けた戯れに距離が取られる。
とはいえベンチの端と端、別に大した事のない距離で在れば、追いかけるのは容易か
顔を赤くした反応に、くつりと喉を鳴らして笑えば、再び片手を伸ばして其の目元へ触れようか、と。)

―――意外とって事は、そう思われてなかったか? ……だろうな、男慣れしてなさそうだ。
けど、だからこそ楽しいもんだぜ? それに良い女ってのは確かだしな。

(さらりとそんな事を言ってのける辺り、確かに慣れて居ると詰められても仕方ない。
赤く染まる其の目元を、頬を、叶うならば指先で触れ、擽りながら
ひょい、と、腰を僅かに浮かせて、離れた分の距離を簡単に詰めて仕舞えば
其の顔を、軽く覗き込む、か)。

デメトリア > 一旦離れたことで悪戯を諦めてくれれば落ち着いただろうが
また予想外に手が伸ばされて拒絶も難しく、反射的に目を瞑り――指が触れて恐る恐る開ける。
すでに頬は熱っぽいかもしれない。言葉は大袈裟ではなく、事実とても困っているので。

「……分かっててやってるのは、意地が悪すぎると思うの……」

子供に優しく、自分にも親切にしてくれた青年がここまで女慣れしていたとは。
かといって乱暴されているわけでもないので、こちらもこちらでどう反応したら良いのか。
頬に触れる指先のくすぐったさに肌を震わせながら、間近で覗き込まれる顔は困惑一色。
茶色の瞳は若干非難がましい視線になっているかもしれない。

「え……えーと……とりあえず……、ここは公共の場だし、こんなに近くては話し難いし……
 本当に慣れてないから、もう少し距離をとってお話させてもらえたらな、って」

少し治安が悪い場所に行けば、ミレー族が犯されているシーンを目撃してしまうような土地だが、子供が遊べるここは違う。
彼らの目の毒になることもあるだろうし、控えめに勘弁してほしいと願ってみる。
押しに弱い性格が見え隠れしてしまう対応だが、本当にどうしたら良いのか分からないので。

ガリア > (――きっと、どちらかと言えば其れは娘の反応を愉しむモノ、だったろう。
困った様な表情が、己へと非難がましい視線を向けて来るなら
くすくすと笑いながらに、ゆっくりと指先を引いて、意地悪を止めよう。
確かに、大きな買い物を済ませて行き交う人々と、子供達の遊ぶ中では
此れ以上は目に宜しくない、と言うのは真っ当な意見である。)

ハハ、判った判った、意地悪は此の位だぜ。
反応が初心だと、ついからかいたくなっちまう。 ――…あ、可愛い、は嘘じゃないけどな。

(あくまで、口説くみたいに仕掛けた事に対しては、だ。
其れまでとは打って変わって、彼女から距離を離し、ベンチの反対側へと戻れば
ふと、行き交う人々の買い物が、食料に傾いて居る事に気付いて。)

……そういや、もう昼か。 ……なぁ、詫びに何か飯でも喰うか?
別の店の中じゃなくても、食べ歩きでも良いさ、奢るぜ。

デメトリア > すんなりと距離がとられれば、目に見えて安堵した表情に変わり、息を吐いた。
気づけば呼吸することさえ忘れる緊張を覚えていた。
相手には常日頃行う悪戯であっても、少女には心臓に悪い。

「寿命が五年は縮まったと思うの。 あ……それは、……ありがとう」

つけ加えられる褒め言葉にまたもや調子が崩されそうになったが、ありがたい言葉でもある。
年齢がどれだけ離れているのかは分からないものの、子供扱いを受けている気にもなりつつ
恥ずかしそうな笑みを口元に浮かべ、お礼は伝えておいた。

「お詫びしてもらうほどじゃ……。お金は自分で払うから、一緒に行くっていうのはどう……かな?
 天気も良いし、露店で何か売ってれば嬉しいなぁ」

気にしていなかったが、気づいてしまえば空腹覚えてお腹がきゅるると鳴る。
困惑していた様子から一変し、もとのほがらかな雰囲気に戻ると立ち上がってスカートについた砂を払い。
賑やかな市がまだ開かれている通りに視線をやり、心を躍らせて。

ガリア > 大丈夫さ、ンな柔に出来てねェよ人間。
其れこそ、夜に出会ってたら口説いてたぜ、間違いなく。

(確信めいて言う台詞では無いかも知れない、が。
安どした様子の相手へと、言葉だけはまだ戯れめいて
そんな事を言う、か。

昼食への誘いに相手が頷けば、後に続いて己もゆっくりと立ち上がる。
一緒に、と誘われれば、じゃあ其れで、と了承しつつ。)

今の時間なら串焼きだのは売ってるだろーさ。
肉なら美味い店は一杯知ってるんだがなァ、草食派なら果物屋とかか。

(相手の好み奔る由も無いから、兎も角向かってみれば良い。
付いて来るのを確認しながら、共に市場の方へと向けて歩み始めれば
人通りを抜け、活気溢れる店通りの道を眺めながら、何か目につく物を探すだろうか。
其れこそ串焼きだとか、甘味だとか、歩きながら食める物も一杯売って居るだろう)。

デメトリア > 安堵したのも束の間。
相手が本気なのか戯れなのか分からないが、思わず呟いてしまう。

「寿命を十年縮ませたいの……?」

彼のような人と接していると、いずれ死んでしまう。
冗談めいて、実は本気なくらい胸がまだドキドキとして緊張が緩んで間もない。
しかし庭園を抜け、市場を歩く頃には少女のペースも戻り、足取り軽く彼の後をついて行く。
それでも急ぐ人々の中では緩慢に入ってしまう歩調で、合わせてもらわなければとっくに視界から消えていただろう。

「ガリアさん、見て!食べ物なのにとっても綺麗!」

草食ではないのだが、目についたのがたまたま食事に向かない飴細工の露店。
馬の形や果物の形を模している飴が並ぶ店の前に立ち止まり、先に歩く青年を呼ぶ。
お腹はどちらかと言えば串焼きを求めているのだが。

ガリア > ―――――?
んじゃ、そしたら責任取って貰ってやるよ。

(十年、そんな訳は無いだろうと一瞬目が言いかけたが
代わりに唇から零れたのは――一層彼女の鼓動に影響を与えそうな一言だったか。
市場の人通りは、向こうも此方の事なんて気にしていないし、何せ大荷物の人間が多い
ぶつからない様に気を付けつつ、己が先に行くことで、彼女の通路を確保しよう
もう少し時間がたてば、昼の買い物客も薄れて歩き易くなるのだろうけれど。)

―――……ん? ……あー、そういやこんな店あったな。
俺はアンマリ飴ちゃんとか食わないから、ちらっと見るくらいだったけど。
……先に甘い物か?

(ふと、呼び止められて引き返す。
己は足を止めない飴細工の店前で、嬉々として品を眺めて居る様子を見ては
おいしそう、と言うよりも、単純に器用な事だと其の芸術性に焦点を当てて眺めるだろう
犬とか猫とか、子供が喜びそうな物も在るし、普通に大きな円盤の飴とかも在る。
店頭では今も、飴職人が器用に飴細工を作っている途中だろう
頼めば一本、好きな物を作ってくれるとの立札も書いてあった)。

デメトリア > 「えっ?なっ、何てことを……! さては疑ってるでしょう?
ガリアさんみたいに普段誰かを口説くことがない人から見ると、そのくらい固くなっちゃうことなのに」

思わぬ返答に衝撃受けたが、それだけ軽く受けるのだからまともにとり合っていないことは分かった。
この辺は価値観の違いかなぁなんて、伝わらない動揺にやきもき。
全部全身全霊で相手の言葉を受け止めると本当に身が持たないので、この短い時間でも青年の対処法を身につけつつあり。

「本当はもっとお腹に溜まる物が欲しいけど、可愛さには勝てないよ。
 おじさま、二本くださいな。これと……あれを。
 それを舐めて待ってますから、お土産に薔薇の形とか……出来ますか?」

見ているだけで楽しい店だったが、職人からしてみれば買ってもらわなければ生活出来ない。
ちゃっかりとリクエストまでして、すでに出来上がっているものも二本購入。
おすわりした犬の形は自分に。可愛らしく小花を散らしたようなハート型を―――彼に差し出し。

「さっきのお返しに。ここで舐めて」

悪戯めいた笑顔を向け、わざわざ一番キュートなデザインを選んだ。
男性が持つには可愛過ぎるそれを、ここで舐めてもらうことがちょっとした仕返しになれば。

ガリア > えー、そうかァ?
まァ、別にどっちでも良いけどな。 それに、俺だって誰彼構わず口説いてる訳じゃネーよ。
嘘は言わねーし、好みの良い女だけだ。

(果たして其れを、冗談と取るかどうかは相手次第、だろうけれど。
息をするみたいにそう言う言葉が出て来る辺り、よっぽど本心か、言い慣れて居るかのどちらかだろう
己にとっては、寧ろ動揺してくれている方が楽しいのだ、とは…多分、秘密で。)

腹具合が可愛さに負けるのか…俺なら間違い無く肉だな。
てか、そんなに食うのか。 ……これ、味とか違うのか?

(3本ほど、購入を告げた娘に対して、甘いだけじゃと思わず。
訊けば、特に味の違いは無いらしいと聞いて、ふぅんと納得したけれど
既にできているうちの片方、ハートの形が此方へと差し出されれば

――一寸の間を置いて、え、と固まり。)

……え、俺かよ…!
……何でよりによってハートだし…。

(マジかよ、と、思わず。
受け取らないにも角が立つし、受け取るのも気が退けるソレ。
何せ、此処は巡回警備でよく通ったから、割と顔を知られている訳で
――暫し、悩んだ。 悩んだのち、渋々と言った体で其れを受け取るだろう。
なめるまでには、また随分と逡巡する事に為るだろうけれど。
きっと、最終的には、ぺろりと舐めはじめる筈だ。 ――妙に犬っぽい、舌を出す舐め方で)。

デメトリア > 「……ガリアさんの奥さまになる人に同情しちゃうなぁ。浮気の心配で眠れなさそう。」

好みの良い女が世界で何人いるのか、考えるだけで頭がクラクラする。
悪戯とはいえ、会ったばかりでろくに言葉も交わしていなかった自分を口説いたくらいだから、それこそ星の数だろう。
恋愛経験のあまりない自分には、絶対に手に負える気のしないプレイボーイが目の前にいるようだ。

そんなプレイボーイに対するささやかな仕返し。
相当気が乗らない様子が可笑しくて、少女はずっと笑いを堪えながら自分の分を舐めてみる。
天光の角度で変わる結晶のように繊細で、所々色も変わっているが、基本的には飴。
空腹の自分も含め、お腹の足しにもならないかもしれないが、ご満悦。

「……ぷ、……ふふ! 今のガリアさん、すごーく可愛い。」

どの男性も彼と同じ感想なのか、この店を通り過ぎてガッツリした食材を求めている。
ここに立ち止まるのは自分と同世代の少女だけで、その中でも最も可愛い飴を舐めている青年は悪目立ち。
その舐め方ではいつまでも飴が小さくならなさそうで、それもまた可笑しくて。
そうこうしているとお土産用に包んでもらった飴も完成し、まだあたたかいそれを受け取って。

「ありがとうございます。 じゃあ……お行儀悪いけど、舐めながら今度はガリアさんが食べたいものを探しましょ。」

ポケットに入れるわけにもいかないし、どっちにしても持ち歩く必要はあるだろう。
嬉しそうに声を弾ませ、通りを歩くように彼を急かす。

ガリア > オイオイ、そんなハーレム願望とかネーから。
一度嫁にしたら一筋だぜ? 多分な。

(実際に結婚とかをしている訳では無いから、其の辺りは何ともはや。
ただ、少なくとも自分が、相手にとって割と縁遠い側の人間と認識されたのは間違いなさそう。
其れは其れで――少々不服そうでは在るけれど。

生憎ながら其処を議論する前に、仕掛けられた仕返し。
実際に自分とハートの飴細工との余りの合わなさは、街行く顔見知りが見かけて目を丸くして
或いはニヤニヤしながら背後より挨拶を掛けて来るくらいの。
可愛い、だとか言う評価も残念ながら不本意であり、舐めながらも視線は三白眼。)

……おかしい、こんな筈じゃなかった。
……クソー、串焼きだ串焼き! 肉喰うぞ肉!

(隣からも笑われて、ぐぬぬ、と歯噛みするけれど
舐め方が悪くて一向に減らない飴を、きっと暫くは舐める羽目に為りそうな。
今度は己が食べたいもの、と言われて、真っ先に肉を口に出しながら歩き出せば
幾つかある串焼き屋の屋台の内、お気に入りの店を伝えて其処に向かうだろう
肉に野菜を挟みながら、独特の甘辛いタレで焼き上げる其れ。
肉の焼き加減が良く、近付くだけで香ばしい香りが漂う、か)。 (11/07-14:22:07)

デメトリア > ハーレム願望については実際のところ、本当に本当に信用ならない印象だったので議論したいところだったが
思った以上にここで可愛らしい仕草を見せることが彼への仕返しとなり、楽しくて仕方がない。
可憐な飴を舐めながら串焼き屋に向かう青年の後を、のんびりとついて行った。
一番栄えていた時間に比べ、通りの人もかなり減って迷子の心配もなくなった。

「わ、良い匂い。 ここのお店は初めて。」

やはり男と女では興味が向く店が違うのか、初めて通ったわけでもないのに初訪問となる店を覗く。
飴ではもの足りないお腹が思い出し、くぅ~くるるる……と情けなく鳴いた。

「これを持ってれば飴の可愛さは中和出来る……かな?残念だけど。
 ガリアさん。わたし、向こうに美味しい果物ジュースがあるお店知ってるから、片手があいたら行かない?」

おやつ、メイン、とくれば飲み物もと、食べ歩きにしては贅沢なラインナップを口にして、更なるお誘いを。
ひとりでひなたぼっこするつもりが悪戯な青年との楽しいひと時となった休日を、少女は存分に楽しむことだろう。
日が傾き、別れの挨拶を交わすまで――――。

ガリア > (先刻と違い、今自分が先行したのは、舐めて居る姿を出来るだけ後ろの娘に見られまいとする為だ
とは言え隣へ来れば横顔は見られるだろうし、街行く人間の反応で十分面白かろう、が。
串焼き屋自体は決して地味でも無いが、飽く迄見た目は他の串焼き屋と変わらぬ凡庸な印象だろう
けれど、店主に一声かけて、串焼きを二本ほど買えば、片方を娘へと差し出して食べる様にと言うだろう
己は飴を貰ったし、不服では在るがこれで御相子だ、と。)

……中和出来ると良いぜ…マジで。
ん、嗚呼、んじゃそっちも行って見るか。 ……って、オイコラ笑うな…!

(次に向かう店が在るなら、己は別にかまわない
次だ次と、向かおうとしたところで串焼き屋の店主に笑われ、思わず文句の一つでも。
きっと、そうやって暫くの間、食べ歩き三昧を繰り返して一日を過ごすのだろう
夕刻、互い別れの挨拶を交わす時には、きっと素直に笑って、言葉を交わす筈で――)。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 園庭」からデメトリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 園庭」からガリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > 人波で賑わう繁華街は賑やかを通り越して煩わしさすらある。
酒場を出る少年は酔った様子もなく、ドアを閉める際に

「んじゃ、またご贔屓に頼むぜ?」

と声を掛ける。
その手には依頼完了を示す羊皮紙の巻物。
つまり、こんな時間だと言うのに客ではなく依頼で酒場に来ていたということだ。
今の今まで仕事だったことも考えると、道行く酔っぱらいやら二人連れやら…煩わしいこと。

「はー……メシ、どうするかな…」

先の酒場で食事は摂らなかったのかと言われれば、席もないのに立ち食いは勘弁して欲しいと答えるだろう。
つまるところ空腹、ふらふらと歩き出す少年の視線は前ではなく
自然と立ち並ぶ店へと向けられることとなる。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にチヅルさんが現れました。
チヅル > 繁華街を漫然と歩いているとふと見知った影を見かける。
ふらふらと歩く姿は放っておけば人込みに揉み消えてしまいそうでもある。

「やぁ、ブレイドじゃないか・・・・・・大丈夫かい?辛そうだけど」

気が付けばやや早歩きで近付き後ろから声をかけていた。

ブレイド > 「うぉ?」

聞き慣れた声に振り返ってみれば…一瞬キョトンとする。
青い目に三つ編み。このあたりを一人で歩くには危険に思える痩躯。
見覚えはあるその姿。無論、知っている。
だが、面とスーツ姿ではないため、一瞬『誰だ?』と思ってしまった。

「アンタかよ。脅かすなって。」

ひらりと手を振り挨拶のかわりとして。

「辛いっつーか…飯とか何とか、どうするかなってな。
依頼の後なんで人混みがうっとーしーったらねぇ」

やや嫌そうな目つきで人々の群れをながめてからため息。

チヅル > 「あぁ、普段着を見せるのは初めてだったね。
こっちはオフの格好だよ」

わざとらしく肩を竦めて挨拶を返す。
疎ましそうに人込みを眺める姿に「そうだね」と同意を返す。
確かにこうもざわついていては鬱陶しいと思うこともある。

「ご飯か・・・よかったら私も同伴しよう。
ひとりよりふたりのほうが美味しくなると思うけど、どうかな?」

溜息をつく少年に微笑みながら提案する。
とはいえ、今の時間で空いているところも限られてくるのだろう、
どこに行くのかは考えていないが・・・

ブレイド > 「へぇ、普段はそういう格好なのか。
いいんじゃねーの?」

似合っているとはなんか照れくさいので言わない。
中性的な顔や姿にはぴったりと言ったところか。
思わず上から下まで眺めてしまった。
人混みが煩わしいのは彼女も同じらしく、わざとらしくため息を付いて見せて。「だろ?」と苦笑してみせた。

「お?いいぜ?でも、オレもどこにいくか迷ってたとこだけど…
この時間だとどこも混んでそうだな…」

人混みが煩わしいと言っているのに、満員の酒場に立ち寄る気もない。
一人より二人がいいのは確かだが、さて、どうするか。

チヅル > 「そうだね・・・どこがいいだろうか」

見渡す限りの人、人、人。
ごった返す中では店の区別も付かないほどで、このままでは押し流されてしまいそうですらある。

「とりあえず、ここにいても埒が明かなさそうだ。少し場所を変えよう」

そう言うと自然に少年の手を取り、歩き出す。

向かう先は一本外れた通り。
流石にここまでは人も流れ込まず適度に閑散とした道が続く。
所々点く明かりは民家のそれであったり個人商の酒場であったりとその顔も多様である。

「こっちのほうが早く見つけられそうだ。
ちなみに私はここらの地理には疎いんだけど、ブレイド。君はどうだい?」

案内しておきながら無責任にも振り返りながら悪びれる様子もなく。

ブレイド > 「あー、そうだな…っお…?」

店に悩む二人。
煩わしい人波にとっては立ち止まる二人は邪魔でしかない。
促され、手を引かれればチヅルについて歩くように一本外れた路地裏に連れて行かれる。

表とは違う静けさ。運良くごろつきのたぐいも今はいない…ように見えるが…。

「オレだってこの道の店に詳しいわけでもねぇさ。
だけど、まぁ…そうだな…あの酒場なんてどうだ?」

指差す先には古めの看板。
個人経営の酒場ではあるがそれなりに店の広さには余裕がありそうだ。

チヅル > 「ん?――うん、そこでいいんじゃないかな」

指差す先に視線を送る。
見えたのは古めの立て看板。
見た感じ個人経営のそれはそこそこの広さを持ちこのようすだと十分席は空いているだろう。
繋いだ手もそのままに――恐らくは忘れているのだろうが先導するように歩き出す。

周りの人も特に無害そうであり。時折向けられる視線も「姉と弟」を見るようなものである。

「こんばんは、まだ空いてるかな?
・・・・・・うん、二人だけど・・・・・・いいよ、ありがとう。

――よかった、空いてるって」

戸を引き、顔を出して確認すれば席は空いていると少年に告げる。
特に否定する素振りもなければそのまま手を引いて店に入るだろう。

ブレイド > 「ん、そうか。それじゃ…んぅ?」

何故か手はつないだまま。
少し首をかしげるも振りほどくようなことはしなかった。
悪い気はしないが照れくさい。


「お、おう、そりゃよかった。
んじゃ、いこうぜ。
ってのはいいんだけど、いつまで手ぇ引いてんだ?」

特に抵抗はしないものの、恥ずかしさからつい聞いてしまった。
手を引かれて店に入ってしまえばおそらくは誰も気にしないのだろうが…。

チヅル > 「?・・・おっと、ごめんね。忘れてた」

言われて改めて今の今まで手を引いていたことを思い出し、手を離す。
頬を赤らめることもないあたりとくに思うこともなかったのだろう、そのまま店へと入り、適当なテーブル席に通される。

丸卓を向かい合う椅子で挟むかたち、先に席に着きメニューを差し出す。
同時に自分の分のメニューも取り、目を通す。

「んー、どれにしようかな・・・」

ブレイド > 「忘れるなよ…ったく…」

妙に意識してしまった自分が余計に恥ずかしい。
こういうことをスルーできないあたりが子供なのだろうとは思うが…。
すこしばかりバツが悪いのか、頬をかきつつ彼女の後についていく。
通されたテーブルに付けば、差し出されたメニューをつらつらと眺め

「まぁそうだな。先に飲みもんでも頼んじまおうぜ?
オレは林檎の果実酒でも頼もうと思うけどさ。
食い物もまぁ、軽食で十分ってとこだし…」

悩む彼女に声をかけつつ、とりあえずとオーダーを告げようと。

チヅル > 「私はミルクティーにしよう。あとはおまかせホットサンドでいいかな」

頷きつつ店員に声をかける。
少しして若い女店員が注文を受けに小走りでやってくる。

「林檎の果実酒とホットミルクティーをひとつずつ。
あとおまかせホットサンドもよろしく」

慣れた様子でオーダーを通す。
ついでに視線で他にはないかと訊ねる。
特になければそのまま注文を済ませてしばらく待つことになるだろう。

ブレイド > 「へぇ、意外と下戸なのか?
あんなとこうろついてるからてっきりイケる口かと思ったぜ」

彼女が注文を通す横で
自分もなにか食べ物を頼んだほうがいいだろうと思うもパッとは思い浮かばない。

「あー、じゃあ…ホットサンドもう一個」

便乗する形で少し情けないが、手間を取らせるよりはいいだろう。
チヅルは手慣れた様子だし。
給仕が戻っていくと大きく肩を落として、今日一日の疲れを口から吐き出す。

「はぁぁぁ…なんかわりーな、注文任せちまってさ」

チヅル > 「あんまり耐性なくてね、すぐに酔いが回るんだ」

苦笑いで返しながら、注文を〆る様子を眺める。
事実避けの類は苦手であり、酔った勢いで暴走したこともあったらしい
――尤も、記憶にはないのだが。

「気にしなくていいよ。なんだか疲れているみたいだからね。
ハードな依頼だったのかい?」

肘を杖に組んだ指に顎を預け見つめるように。
お疲れ様とねぎらいの声をかける。

ブレイド > 「へぇ、それじゃ危なかったな。
変な男に声かけられなくてよかったんじゃねーか?
ま、チヅルならそこらのチンピラ程度なら一捻りで終わっちまうだろうがよ」

酒に弱いとは意外だった。
声を潜めて笑いつつも、そうなってないことには少し安心してしまっている。
知人が嫌な目に合うのは嫌なのだ。

「んー?ハードっつ~か…面白くもねー仕事ってくらいだ。
あと人ごみっつーのはあんま好きじゃねー。
どっちかって言えば、気疲れのたぐいだ。ま、ねぎらってくれるのはありがてーよ」

彼女の言葉に答えるも、見つめる視線に少しどきりとしてしまう。

チヅル > 「ちんぴら程度なら、ね」

ふふ、と微笑みながら少年の目を見つめ続ける。
特に深い意味はないのだが、少年の反応が面白くてついからかってしまうのだろう。

「気疲れ、か。たしかにぐったりするよね。
どれ、お姉さんが癒してあげようか?」

悪戯気に笑みを浮かべる。
気を赦せる相手をからかうのは存外楽しいようだ。

ブレイド > 「よく言うぜ
オレも簡単にのしちまったくせによ」

微笑む彼女にはケケケと笑って見せて。
自分もチンピラやらごろつきには負けない自信はあるが
それでも彼女にはかなわないだろう。
というか、刃を交える機会が今後あるかも怪しい。
それほどまでに気を許してしまっている

「癒やすって…なにすんだよ。
マッサージでもしてくれんのか?」

少し言葉に詰まるあたり、過去の情事を思い出しでもしたか
頬をあからさまに染めてしまっている。
顔に出やすいと言うか…こういうところは恥ずかしい。

チヅル > 「くく、マッサージでもいいよ?
顔が赤いけど、どうかしたのかな?」

あからさまな反応が面白いのか、喉を鳴らしながら笑みの彫りを深くする。

「何か思い出し――ああ、ありがとう」

さらに畳み掛けるようにからかおうとして――店員が料理を持ってきたので一旦止めて受け取る。
少年の前にはホットサンドと林檎酒が、自身の前には同じくホットサンドとミルクティーがそれぞれ並べられる。

ブレイド > 「マッサージってならわるくねーな…。
なんでもねーよ!てか、赤くねぇし」

指摘されると少し慌てたように
笑う彼女の姿に余計に照れた様子を見せてしまう。
全くどうしてこうなったのか。
等と話しているうちに、注文の品が届いたようだ。
追撃を遮ってくれたようで、ほっと一息。

「ったく、人がわりーぜ…
んじゃ、食おうぜ」

果実酒の注がれたグラスを軽く掲げて中を一気に流し込んで
彼女が続く言葉を紡ぐ前に食事を始めてしまう。
流石に何を思い出したか聞かれてしまっては動揺を隠しきれる自信はない。

チヅル > 「そうだね、冷めたら悪いし
――ん、思ったより美味しいね」

カップを掲げ、ゆっくりと一口。
ホットサンドを齧れば咀嚼の後うなずき舌鼓を打つ。
こんがりと焼き上げられたトーストに、挟まれたオムレツとトマトがよく合う。
頬を緩ませながらもう一口、と齧る。

「当たりのようだ、いい店だね」

美味しいご飯に満足したのか、上機嫌に問い掛ける。

ブレイド > 「ふぅん…お…そうだな。
案外イケる…っつっても、晩飯にするにゃ物足りねーかもだけどな。
今はこれでも全然いいけどよ」

彼女と同じようにホットサンドをかりかりと。
卵とトマト…特にトマトは味が濃い。
実に好みの仕上がりだ。

「穴場ってやつかね。
まあ、こういう…デート?みてーなメシのもわるかねーな」

冗談めかしつつ、食事を続ける。
ホットサンドくらいの容量であれば、あっという間に平らげてしまうのだが。

チヅル > 「デートか、それもいいけど私を本気にさせるとめんどくさいと思うよ?」

冗談とも、本気とも取れそうなトーンで返す。
笑う目元からは冗談であることは察せられるだろう。

「夜食であればこの程度でいいのだろう、あまり重たくても寝つきが悪くなるからね」

相手のペースより少し遅めに食事を進めていく。
元々食の細い体質であればこの程度でも十分な量であるようだ。
紅茶を傾けて、しばらくしてまたホットサンドへ指を伸ばす。

「行き付けもいいけれど、こういう開拓も中々楽しいものさ。
ブレイドは行き付け派かな?」

食べ物もそろそろ終わる頃、どんなものかと少年に問い掛ける。
こういうところは個人の性格によるものなのだろう、どちらがよいとは一概にも言えないものだ。