2018/10/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアリゼさんが現れました。
アリゼ > 今日の仕事は正午までには終わってしまうような、簡単な依頼だった。
街道を巨人族が塞いでいるというから朝早く奇襲を仕掛けるつもりで行ってみれば、昼寝をしているだけ。
おまけに言葉も通じてやたらと腰が低く、すぐにどこかへと立ち去ってくれた。
討伐にはならなかったとして、もらった報酬の何割かはギルドを通して返却することになったが、それでも結構な額となる。

「ふむ、野菜と肉の歯ごたえが絶妙で……美味いというほかない。
 衰退していると言われるわりには食文化は未だ発展しているようだな」

そうしてアリゼは、料理関係の屋台が立ち並ぶこの通りで食べ歩きを行っていた。
甲冑姿の長身の女性がぬっと入ってきては一品頼み、さっと食べて代金を支払う様は他人から見ればさぞかし記憶に残るだろう。
今もこうして大きめの屋台の中で、豚肉と野菜をまとめて炒めたシェンヤン風の料理を堪能していた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエズラさんが現れました。
エズラ > 昼飯を食おうとやってきた屋台通り。
適当な店で食事をしていると、何やら周囲が騒がしく。
つられて目を向けた先には、ごく普通に食事を摂っている女の姿――
しかし、その体躯は並の男を凌駕している。
あまつさえその身に纏っているのは――

「……すげぇ甲冑だな……――」

しかし、男が気になっているのは単にその見てくれだけというわけではなかった。
最近、魔力やそれに類するものにすっかり敏感になってしまっているのである。
自身の器を片手に、その甲冑女の隣へ移動――

「よう姉ちゃん、すげぇ鎧着てンな――特注品かい」

アリゼ > 肉野菜炒めを一皿堪能したところで、次の屋台へ向かおうとしたその時。
いかにも傭兵といった風貌の男が声をかけてきた。
相手も料理の器を持っている辺り、同じく一仕事終えた同業者なのだろう。

「特注か……ある意味そうだな。
 この鎧は私にしか着れないという意味ではそうだ。問題は脱げないという点だがな」

黒光りする重装鎧をこつんと叩き、鈍い金属音が返ってくる。
鎧とアリゼの事情を説明するのは少々手間がかかり、あまり他人に言いふらすことでもない。
先程と同じものを一皿頼み、適当な雑談にでも付き合ってもらおうとアリゼは考えた。

「同業者か?最近は王都周りが妙に平和だが……あの機械兵どもはどこへ消えたのだろうな?」

エズラ > 「ははぁ……通りでな。なんだか妙な気配がすると思ったンだ」

脱げない甲冑――そういう類の呪いは聞いたことがある。
高い防御力を着装者に付加する代償、というような。
それにしても、女の身でこれだけの重装甲を纏いつつ普通に食事をするとは――

「ま、そんなようなもんだ――見たとこ結構な使い手のようだな。ああ、そういやすっかり聞かなくなっちまったな――」

彼女の言う機械兵士の噂は自分も耳にしていたが、結局目の当たりにすることはなかった。
連日ギルドに張り紙がされていたと記憶しているが、それもすっかり見なくなってしまった。

「――ところでその鎧、「脱げない」のが問題つうことは、「脱ぎたい」とは思ってンのか?」

意味深な視線でじろじろと相手の身体を――もっともその部分は今すっかり見えないのだが――眺めて。

アリゼ > よく炒められ、複数の調味料で味付けされた肉と野菜は実に美味しい。
できればもう少し脂が乗っているといいが、平民向けの店でそこまで質にこだわることもないだろう。
男との会話をこなしながらあっという間に二皿目を片付けて、さらりと料金を払った。

「いや、脱ごうと思えば脱げるが……なるほど、そういう類か。
 昼間から盛んなことだな……」

男から身体をじろじろと舐めまわされるような視線を感じ、タトゥーが身体を疼かせる。
見た目は悪くないし、腹も十分満たされた。今日の稼ぎも十分なら……少しぐらい、遊んでも大丈夫だろう。
アリゼは屋台を出て、男に振り向きそっと囁いてみせた。

「……宿を取ってある。知りたいなら私の部屋に来るといい。
 同業者どうし、"仲良く"しようじゃないか?」

エズラ > 脱ごうと思えば脱げる……とおうことは、もっと複雑な呪いの類なのだろうか?
いずれにしても、こっちの下心はすっかり見抜かれてしまっていたらしい。
しかし、彼女は気を悪くするどころか、むしろ――

「むおっ……そりゃ是非知りたいねぇ~……仲良くしようぜ、仲良く――」

空になった器を放って、彼女の後に続くのであった――

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアリゼさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエズラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にチューベローズさんが現れました。
チューベローズ > 退屈な夜を過ごしていた少女。
今日は平民地区へと足を向ける。

夜でも賑やかな平民地区をどこか楽しそうに眺めながら少女はぽくぽくと厚底のブーツが柔らかい足音を響かせながら歩みを進める。