2018/10/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 平民地区 裏路地」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > 世の中の人間が、全員自分がしたい事だけをしている訳ではない。
仕事、こだわり、手癖、etc……。
人間が完全に『自分の意志』で成す事など、少数でしか無い。
「……あー」
そんな言い訳で。
青い闘牛士服の男は、目の前で倒れている三つの死体を製造した事から目をそらしていた。
別に罪悪感がある訳ではない。相手は剣を持っていたし、内一人は明らかにクスリかなにかをやっていた。無力化しなければ死んでいたのだ。
だから、最速の方法で――つまり、剣によってそれを無力化したのだが、結果として生まれたのはばっさりとした刃傷で死んだ三つの死体。
「これ、俺のせいなの?いや、俺のせいなんだろうなあ……」
夜だから未だに見つかっていない。
しかし、流石に三人となると証拠隠滅も無理だ。
どうするかと、その場で立ち往生する男。
■クレス・ローベルク > 「近くに隠せそうなゴミ箱とか、がらくたの山……もないか。逃げる……にしてもこっから直ぐ近くは大通りだし……」
万が一路地裏から出る所を見られて、この現場を見られたら、確実に「逃げた」と思われる。
そうなったら、少なくともほとぼりが冷めるまでは王都には来れない。
いや、似顔絵でも書かれて調べられたら、職場まで来る可能性もある。
「詰んでるなあ……」
特に今着ている服が問題だ。
派手な飾り紐や金刺繍で彩られたこの服は、余りにも目立つ。
目立つための服なのだから当たり前だが、今この時に限っては裏目だ。
「私服、用意すべきだったなあ……」
■クレス・ローベルク > 「いっそ、顔を隠すか……?」
適当に死体が着ていた上着等を拝借し、剣で切ることで布とする。
それを顔に巻き付け、持っていた手鏡で確認してみれば……
「わー、どっからどうみても完全な不審者だー」
薄々解っていたが、殆ど自暴自棄で言ってみる。
元々の服が質が悪く、薄汚れていたのが尚更『怪しい人』の趣を醸し出していた。
どうあがいても絶望しか無いのか、とクレスはその不審者スタイルのまま頭を抱えた。
■クレス・ローベルク > 「仕方ない……とにかく顔さえバレなきゃ問題はないし……この目立つシャツだけ始末して……幸い予備はあるし……」
上の部分を脱いで、剣で細かく刻んで始末。
上半身裸のマスクマンは、現場からの逃走を開始した。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 平民地区 裏路地」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」に竜胆さんが現れました。
■竜胆 > 平民地区で、一番賑やかなのは大通りであろう。
人の通りが多く、馬車なども行き交っている、ここから街の外に出る人、王城の方へ行く人、買い物のために商店のある方に行く人、ギルドへと行く冒険者……様々な目的のために移動をする中間地点。
そんな場所だから、喧騒は止むこともなく、慌ただしいとも、煩いとも思えるぐらいの活気なのであろう。
少女はその大通りの目印になる噴水の近くに有るベンチに腰をかけていた。
その手に持っているのはクレープで目の前の屋台で買ったと思われるもの。
はむり、はむはむと、甘いクレープを齧りながら、行き交う人を眺める。
当然のごとく――――暇を持て余していたりもする。
■竜胆 > 「んー……」
ぱくり、ぱくり、もしゃり、もしゃり、クレープを食べる少女、しっぽが嬉しそうに右に左に……ベンチのおかげで犠牲者はいない模様。
冒険者たちが何やら徒党を組んで歩いていくのが見える。何らかの依頼を受けているようだけど何なんだろうと考えてみたり。
親の商会の馬車が行き来するのを見て、あんなふうにしてるんだなぁ、という感想を。
商会といえば……。
「一度、行ったほうがいいのかなぁ。」
小さな呟きは喧騒に溶けて消えるが、一度見に行ったほうがいいかも知れない。
あまり気が進まないな、とは思うのだけれども、気になったし、今度はそれで、行きますかね、と背もたれに少し体をあずけて空を見る。
空は――――とても青い。
ちょっと空を飛んでみようかしら、とかそんなふうに思ってみる。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > 道行く冒険者の一団から外れて一人。
ソロの冒険者はなんだかんだ肩身が狭い。
やはり人数が多いほうが成功率は高いし、危険に見舞われることも少ない。
もらいは減るが仕事の周りはいいというやつだ。
というわけで、今日の依頼は目の前の一団に奪われてしまったのだった。畜生め。
「あー……くそが…」
悪態の一つも付きたくなる。
甘いものでも食べて気を落ち着けなければ、そこらの石ころでも蹴り飛ばしてやりたいところだ。
果たして甘いものを求めて視線をめぐらせれば…
「……あー」
なんか前に見たことのあるシルエット。
なんだかこわい気配のねーちゃんだ。確か…竜胆…だっけ?
■竜胆 > ――――声が聞こえた。
視線を空に向けていたそれを、そのままダウン、ダウン、ダウンしていくと、そこに一人の冒険者がいる。
何やらこちらを見ているような気もするけれど、はて、誰だっただろうか。
正直覚えてはいない、何ヶ月も前にあって其れっきりの相手である。何か、強烈な印象でもあればともかく、その時はたしか道案内したんだかしてないんだか程度。
こちらを見ているのは、さてなんなのでしょう、ナンパなのでしょうか。
とはいえ、少女は、ドラゴンは。
ガンつけられたら、先に逸らしたほうが負けだと思っております。
はい、ガン付けスタート。
じいいいいいいいいいいいいいいいいい、っと、その少年を見据えます。
にこやかではありますが。
■ブレイド > 「………」
冒険者を単独で行っていると言うだけあって、記憶力はいいほうだ。
人の顔や名前も覚えるのは得意。
だが自己評価が低い人間というのは、自分ができることはだいたい他人もできるものだと思いがち。
「うわ……」
なんかめっちゃ見られてる。
いや、先に見たのはこっちなのだが…なんだろう。
目が合った後の圧が凄まじい。
思わず立ち止まってしまう。何も見なかったことにして後退したい気分だ。
笑顔だと言うのに、そのままくびり殺してきそうな気迫を感じる。
■竜胆 > ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。
少女は、少年のことをにこやかに見据えている。
覚えるというのは、能動的なことなので、取捨選択ができるものであり、残念ながら少年は覚えられてなかった、ということなのである。
少女はただただニコニコと微笑みながら見据えています。
半分でもドラゴンであるので、そんなオーラは背負うことが可能です。
にこにこにこにこ。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。
擬音にしたらこんな感じで、少女は少年のことを見据えています。
こう、何も言わずに、見つめ合う二人、傍から見ればボーイミーツガールにもみえましょう。
ただ、ふたりの間にそんな甘い空気は存在しておりません。
緊張感と雷鳴走る背景がぴったり、といったところでしょうか。
■ブレイド > 「………」
ごくり。
思わず唾を飲み込んでしまう。
なんであの少女は自分を射殺すほどの眼光(笑顔)で見つめているのだろう。
明確な威圧を受けている理由がよくわからない。
まさか、『自分を見ていたから』などというチンピラ的な発想があるとは思ってもいない。
蛇に睨まれたカエル状態。
引くも進むもできない。動いたら殺される!
なにせ、笑顔よりも圧力のほうが強いのだ。明らかに。
なんで突然こうなったのかはよくわからない。
前回の案内に不満でもあったのだろうか?それにしては怒るタイミングがおそすぎないだろうか?
「っ……どう、する…」
すこしだけ、下がってしまった。
足元の小石がからりと音をたてる。
■竜胆 > 「………………」
お、相手は少し下がりました、どうやら相手は弱っていると判断しましょう。ここは、もうひと押しというところでしょうか。
そして、相手は少しだけ勘違いしている。
笑顔がデフォルトの少女は、ニコニコと微笑みながらただただ座って眺めているだけ。
それこそ、日向ぼっこをしてのんびり座っているだけに見えるのです、威圧なんて眼光なんてそんなそんな。
ただ、自然体で見つめているだけなんですよ?
動いたら殺される、とか、そんな物騒な思考はしておりません。
だから、笑顔は崩さず視線はそらさず、少女は彼を見ています。
なぜこうなったのか、簡単に言えば覚えられてないからです。
それに冒険者というのはアウトローな存在であり、力のない一般人からすれば恐怖の対象です。
だからこそ警戒してじいっと見てしまうのは仕方のないことなのでしょう。
石ころが転がる音が聞こえました、でも、視線は彼の目をじっと見据えていました。
「あの。」
そして、不意に、視線をそらさぬままに声をかけます。
「そこ、危ないですよ。」
彼は下がったところは、馬車の通り道。
おおっと、馬車が……!!
■ブレイド > 自然体で
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
などというオーラは出ない。
出ないのだ。
力ない一般人は
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
などという擬音は出さない。
出さないのだ。
確かに殺されるだとかなんだとかというのは気のせいかもしれない。
だが、弱っているとかもうひと押しとか、警戒している無辜の民は考えたりはしない。
「えっ」
不意にかけられた声に思わず間抜けな返事。
危ない?なにが?この状況以上に危ないことがあるのか?
などと考えていると、急に世界が高速回転した。
「ふっぎゃ!?」
馬車にマントを引っ掛けられたのだ。
ひかれはしなかったし、引きずられもしなかったものの
その場で高速回転して転倒するはめになった。
■竜胆 > 自然体で出てしまうのは仕方がありません。だって、ドラゴンだもの。
オーラはこう、漏れいでてしまうんです。
そして、擬音は出しておりません、祇園にしたら、そんな風になるという表現なのです。
それに、一般人です。だって、冒険者でもない、両親に愛されてご飯をもらって一日中好きなことをしている子供なんですもの。
一家の中で一番か弱いので、逸般人です。
「あら。」
後ろに下がり、歩道から馬車の通路に出てしまった少年。
急ぎの便だったのか、ものすごい勢いで走っている馬車、あ、マントが引っかかりました。
ギュルンギュルン回転してます、親に教えてもらった独楽のような回転です。
両手を伸ばしたらそのまま飛んでいってしまいそうな見事なスピン。
それも暫くしたら勢いがなくなってぽてりと倒れた模様。
「うん。」
相手は視線に負けて下がったし、その結果視線も外れた。
わたしのかち!
満足したので、ベンチから立ち上がり近づくことにします。
「大いなる女神の慈愛よ、癒しの力となりて、かの者の怪我、治し賜うことを願います。」
とりあえず、回復の魔法を掛けながら、少年を持ち上げてベンチへと移動しましょう。
また轢かれて死んだりしたら寝覚め悪くなりますし。
■ブレイド > 「ぷぎゅる」
変な悲鳴と共にぶっ倒れる。
回転もアレだが衝撃がひどい。
首がもってかれるか否かの衝撃を突然食らったのだ。意識が朦朧としても仕方がない。
目をぐるぐる回して倒れていれば影がかぶさる。
なんだかブツブツと聞こえるが何が起こっているのだろうか?
いつの間にか敗北を喫していることもしらず、動くこともできず回復魔法を受けて。
おかげさまで意識のモヤが少しばかり晴れたが…
「うぇ…?」
運ばれている。いや、持ち上げられている。
なぜだ。かと言って動くこともできず、ベンチに運ばれてしまうのだった。
■竜胆 > 「生きては……いますわね。なら、大丈夫でしょう」
ベンチに寝かせて少女は魔法を続けることにする。
白魔法……回復魔法はあまり得意ではない、そもそもドラゴンは治療というのはつばつけてれば治る的な自然治癒が殆どであり。
神に祈って治すというのは余りする物ではない。家にある魔道書で勉強をして原理を理解して使ってはみるものの。
攻撃魔法や竜語魔法のようにはいかないのが良く解る。
それでもまあ、殺す気はないので、回復魔法を続けることにする。
癒しの光が燦々と光り少年を癒し続ける。
とりあえずは起きるまではこのまま回復魔法をかけ続けておこう。
■ブレイド > 「……」
なんだか心地良い。
暖かな光が自身を照らしているような。
気持ちがとても楽になると言うか、苦痛や苦しみから解放されると言うか。
少しばかり不器用な感じはするが。
それでも癒やされているのは間違いない。
体が癒され、意識が回復してくると同時に思い出される恐ろしげな圧力。
そういえばなんでこんな事になったのだっけ?
依頼をとられて、甘いもの探していたらなんか前に依頼を受けた少女にすごいガンつけられて…
意識が一瞬で刈り取られたと思ったら、どこかに運ばれていた。
「ひっ!?わ!」
状況からして身の危険を感じたのか
悲鳴と共に、ガバっといきなり上体を起こすことになる。
■竜胆 > 「おはようございます。体調は大丈夫でしょうか?」
起き上がる少年ににこやかに問いかける少女。
もう、ゴゴゴゴのオーラは出しておりません、必要なくなりましたし。
とりあえず、彼の様子を眺めてみます、さっきも直接ぶち当たった、というわけではなくて、マントが引っ掛けられて高速スピンしていただけの模様。
なので、打ち身と擦り傷ぐらいでしょうか。
それに関しては、完全に、完璧に治療しましたし、大丈夫でしょう。
見えてないところでなにか怪我をしていたかどうか、と様子を伺いましょう。
■ブレイド > 「え?あ?おう…おはよう」
飛び起きてみれば、先程までガンをつけてきていた少女が目の前にいた。
恐ろしげな圧はなく。穏やかな笑顔に裏はなさそうに見える。
なんだかよくわからない…なにがあったのか…
「えーと、よくわかんねーけど…助けてもらったってことでいいのか?」
馬車のことは思い出せない。
というか、完全に意識の外からの不意打ちだったために何が起こったか正しく理解できていないというのが正しい。
大したダメージはなかったようで、怪我らしい怪我も残っていない。
状況を見れば、この少女が助けてくれたということで間違いはないだろう。
■竜胆 > 「ええ、貴方が、急に馬車に向かって下がりまして。
馬車に惹かれて、スピンダンスしながら倒れたので治療しました。
そのまま死なれては寝覚めが悪いので治療させてもらいましたの。」
原因は100%後ろを見ないで後ずさったあなたですよと言わんばかりに少女はさらっと言い切る。
大丈夫ですか?と首を傾いで確認をして、大丈夫そうですね、と一人納得する。
とりあえず、ぱぱぱ。と和服についた誇りを払いながら立ち上がりましょう。
「ちゃんと周りを見て歩かないとダメですわ?
なんで、急に後ろに下がったりしてたんですか?」
ことんと、首をかしいで問いかけました。
もう、この少女の中ではガン付けは過去のこと、記憶の片隅にすら残していない模様です。
■ブレイド > 「ああ、馬車…」
危ないとはそのことだったか。
やけに恩を着せてくるような言い回しだが、まぁ事実といえば事実なのであえて何も言うまい。
テキパキと立ち上がる少女に習って、自身もホコリを払って立ち上がる。
「まぁ、そうりゃそうだな…そうだけど…
なんというか…なんでってそりゃ……
あー、えっと…」
なんだ、こいつ。本気で言ってるのか?
あんな威圧感バリバリのガンくれておいてさらっとこんな事言うのか?
やや信じられないという表情を浮かべた後に、少し諦めたかのように肩を落とす。
「つまずいたんだよ…多分な…」
折れた。
■竜胆 > 納得してくれた模様、馬車に轢かれかけた彼、自分の忠告が間に合ったのか、間に合っていなかったのか。
そこまではよくわからないけれど、無事だったのはいいことである。
治療も問題なく終わっているようで、立ち上がり己の体のホコリを叩いて落としているようだ。
「?」
少年の表情は面白いくらいにくるくると変わる、何やら言いたげな気配もするので聞く姿勢をとってみる少女。
その結果、彼はつまづき。転んでしまったとのこと。
確かに、石をけるような音がしたので、それなのか、と。
「あと、私のことを見ていたようですけれど、何かごようで?」
そして、今更にいまさら過ぎる質問。
■ブレイド > 「とにかく、助けてくれたってーならありがとな。」
忠告してくれたことは事実だし、治療もしてくれたのだから
世話になったことには変わらない。
礼は言って置かなければならないだろう。
発端はなんであったとしてもだ。
というか、全く悪気はなかったようだし、問うのもあれだ。
「あー、いや…前に見たことあったから。
つい目に入ったと言うか、見ちまったと言うか…」
それが運の尽きであったのだが、それは双方預かり知らぬことだ。
少女の問いに答えつつも、話の端々から自分のことを覚えていないふうであることは伺えてきた。
なるほど、威圧の正体も少しわかってきた気がする。
■竜胆 > 「いえいえ、どう致しまして。」
お礼を言う相手には、少女は軽く返答を返した。ちゃんとお礼を言えるのは好感が持てからである。
悪気は一切持っていないというか、今までずっと自然体である少女はそういった感じの所謂『イイ』性格をしているのだろう。
「前に……?
何処かでお会いしたことあったかしら?」
彼の言葉に、少女はふむん?と首をかしげながら唸ってみる。
これで完全に露見をしただろう、全く覚えられてないということに。
うーん、うーんとうなったところで、ひくん。と鼻が軽く。
「あぁ、お母様の関係、かしら?」
彼からは母竜の香りを感じる、母と似てるわけではないが、関係者であれば、どこかで見ることもあるだろう。
そういう方面で納得をした。
■ブレイド > やはり全く覚えていないようだ。
ここで相手の名前を呼んだりすれば、また警戒モードに入りかねない。
なんとなーく…理解してきた。
「ああ、ちょっとした用事で。
依頼を受けたっつーか…まぁ、たいした用事じゃねぇ
覚えてなくてもしかたねーよ」
カフェで結構な時間を話した気もするがそこはそれ。
妹と母親の匂いがするという話もそのときにしたがそれはそれ。
大人の対応で受け流すことに決めた。
「あー、えっと…そう、そうだな。
たしかそうだった」
むしろ相手に合わせていくスタイル。
まぁ、それが縁になったのは嘘ではないし、間違いでもない。
■竜胆 > 「依頼………?
冒険者の方………??」
うーん、依頼の内容が思い出せない、覚えてないので、大したものじゃないと言われればそうなんだろうな、としか思えなくて。
カフェで会話程度では、雑談として記憶してしまうのである。
「そうでしたか、しかし母はもう、居なくなりましたので。
依頼とかはできなくなりましたわ、残念ですが。
母が何かを依頼していたとしても、何を依頼していたのかがわかりませんので、私からは何も言えません。」
母親が雇っている冒険者だとすると、その契約とかは、母親は何も言ってくれてない。
なので、申し訳ないですが、今後の依頼はできなくなることを伝えることにする。
そういうのはちゃんと伝えて欲しいですわ、と空を見上げて少女は嘆息。
■ブレイド > 「ああ、いや、いい。
単発依頼を受けたくらいだしな。問題ねーよ」
少女の言葉は少し意外であったが、ひらりと手を振って答える。
まぁ、思い出す取っ掛かりもなければこんなものか。
威圧感は恐るべきものであったがこうやって話している姿は普通の少女。
おそらく細かいことはそっくり忘れてしまうタイプなのだろう。
「ま、今日は依頼を受けそこねたんで期限が悪くてな。
つい睨みを効かせちまったかもしれねぇ。
そこんところはすまねーな」
そういうことにしておこう。
■竜胆 > 「ああ、そうでしたか。
継続的な依頼でなくてよかったですわ。」
安堵したようにと息を吐き出しながら少女は、言葉を放つ。言葉にも多分の安堵が込められていて、よかった、ともう一度つぶやいた。
視線を戻して彼の方に向け、のんびりした様子をみせる。
細かいことに関しては、かなり広い範囲で細かいことになるのだろう。
「もう、か弱い女性を睨むものではありませんわ。
……と、そろそろ私、戻りませんと、
冒険者さん、また、お会いしましょうね。」
彼の機転にそういうことだったんですね、と言いながらも軽くめ、とたしなめておいてから、あぁ。と軽くつぶやいて。
「私は、竜胆といいます、竜胆・トゥルネソル。
トゥルネソル商会の娘ですわ、どうぞお見知りおきを。」
軽く頭を下げて挨拶にすれば、ごきげんよう、と少女は歩き始める。
そして、雑踏の中に紛れていくのであろう――――
ご案内:「王都マグメール 平民地区」から竜胆さんが去りました。
■ブレイド > か弱い。
か弱いとはなにか。
真実とはなにか。強さとはなにか。
少しばかり気が遠くなる。
この娘はなにをいっているんだ。
雑踏に紛れ消えていく少女を見送りつつ、少年はそんな事を考えていたとさ。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミンティさんが現れました。
■ミンティ > 明るい時間は賑やかだった公園も、夕日が沈んでいくにつれて静かになっていく。元気よく走り回っていた子どもたちが一人、また一人、自らの足で家へ帰っていったり、迎えにきた親に連れられていく。そんな微笑ましい光景を眺めながら小さな溜息を落とした。
この時間になってくると、木陰のベンチはすこし肌寒い。あんまり長居していると風邪をひくかもしれないと思ったけれど、まだ立ち上がらないでいた。
膝の上に置いた小箱を開けて、中に収められたまん丸の宝石をじっと見つめる。
出張買い取りで引き取ったそれは、ただの宝石ではなさそうだった。眼鏡に指をかけて持ち上げて、魔眼でじっと観察してみる。大体の品物はこれでいろいろと鑑定できるけれど、この宝石は干渉を拒むように、なにも教えてくれなかった。
「…どうしよう」
買い取る時には美術品としての価値にすこし上乗せするくらいの値段で納得してもらえたけど、この品物を店に並べる時にいくらの値札をつけたらいいか悩む。
そもそも安易に持ち帰ってしまっていいものかも不安だった。いまのところは、危ないもののようには感じられないけれど。
お店に帰って骨董品の資料と照らしあわせたら、なにかわかるだろうか。眼鏡を戻して、血と同じくらい真っ赤な石を夕日に透かしてみる。中に液体が入っているみたいに光が揺れて、思わず見入ってしまう。