2018/10/02 のログ
ティネ > 「それってつまり身体を売る仕事ってやつじゃな~い?」

あまり乗り気ではなさそうだった。

「あー、うん。うん。いいよ~。うん。……」

撫でられると目を細める。こうされるのが気持ちいいらしい。
指先に細い髪の感触が返ってくる。

「ん~」

やがて、くにゃ、と表情が緩む。
なでてくる指に抱きついて頬ずりする。

「もっとぉ~」

甘えるような仕草と声。じ、と見上げてくる。

リル > 「や。生きてると何かしら自分のモノ切り売りしてるとおもうけども……」

まあ、この子が気楽に生きて行けているならいいか。

「ん。ふふふ。これくらいがいいかな。痛くしなくてよかった」

ゆったりと、するりと、さらりと。
少女の跳ねた毛先の感触もまた、小ささなのか可愛らしい。

「んー? うん。
もっとだねー」

(実家に居た頃、本当に小さな子どもたちと遊んであげていた。
そのときも、こういう声を……いや、ティネのほうがやっぱり女性的だけど。
見上げる目に、目で頷いて。抱きついてる指とは別の指で。後頭部をするり。髪をなでていくようにするから、背中にもするり)

ティネ > 「ダメだよ~。最初は鱗粉でもそのうち鱗粉以上のものを求められるって知ってるんだから~。
 安売りはしません!」

つーん! と少年の言葉をはねのける。

「ん……。ふぅ」

鼻を抜けるような甘ったるい声。
指が背中、翅の付け根を通り過ぎると、ティネの眼差しがさらにとろんとする。
どこか眠たげに、指によりかかったままの彼女の身体から力が抜ける。

「じょーずだね、リルくん……」

ほんのりと朱に染まった顔ににへらと笑みが浮かんで、
しなだれかかった指の関節に顔を寄せ、ちゅうと唇で吸う。

リル > 「んー、そうだよねえ。よっぽどのいい人か……ティネに後ろ盾があるか。
そうじゃないと、人は簡単に欲に傾く」

(こんなに小さな子なんだもの……)

「……なんだか嬉しい」

自分の指の動きで、目の前にいる小さな女の子が夢心地でいる。
うれしいな。そう思いながら、翅の付け根のあたりを、触れるか触れないか、ふわふわした指先の圧で回すように。

「ふふ。はじめてだけど、気持ち良くてよかった。ありがとうね」

(笑みを合わせて。でも、撓垂れ掛かる動きと口づけに、心臓がどくんと跳ね上がる。耳が赤くなる。目もちょっと見開いて。きょろ、きょろ)

ティネ > 「ふふー。どういたしまして。
 あれ? 礼を言うのはそっちで合ってたっけ?」

首をかしげ。
少年が紅潮し、挙動の不審なところを見せると、くすりと笑う。
その行為の意味がわかっているのかいないのか、しなだれかかる指にさらに体重と力をかける。
服の下の、小さな少女の身体の曲線の形が伝わるだろう。

「どしたの?
 もっと別の所撫でたい?」

少年に視線を合わせ問いかける。表情からどことなく無邪気さが薄れていた。

リル > 「あは。どっちもでいいとおもうよ。
僕はティネに気持ちよくなってもらえて嬉しいし。
ティネは気持ち良くなれて嬉しい」

(……………白い肌が真っ赤になる。うっすら汗もかいているか?
吐息は、どこか詰まるようで。緊張だろうか。
そんな少年に、小さく、細く、柔らかな感触。かたち)

「ぅ…………
ティ、ティネ。安売り、しちゃだめだよ?」

(視線を合わせる。揺れる赤眼。雰囲気の変わった、紅眼。
子供扱い、かな。こういう空気に触れた経験すら薄い少年は、胸の高鳴りを、確かに感じているから、否定できなくて)

ティネ > 「安売りじゃないよ?
 リルくんかわいいし悪い人じゃなさそうだから、いいかなって」

しれっと返して、振りほどかれないのをいいことに
抱きついた指先に唇を再びあてがい、歯をこり、と立て甘噛の真似事をする。
拒絶し、ティネを体ごと振り払うことは、難しいことではないはずだ。

「リルくんはどうなのかな?
 いやならいや、って言えばいいんじゃない?
 無理強いとか、いやだしー」

じっと見上げたあと、今度はちろ、ちろと指先に舌を這わせ出す。

「それとも、リルくんは撫でてほしかったりする方?」

リル > 「ん…………。
ありがと……ティネ……」

(ティネの所作の一つ一つが、魅惑的だ。損得でなくて、こうしてくれるような人は、初めてで。
口づけ、そしてあまがみ。とても、魅惑的で、どうしようもなく、頭をやられてしまう)

「………………いや、じゃ、ないよ……
で、でもぼく…………ちゃんとしたことも1回だけだし……
……その。変、じゃないかな……」

(踏み切れないのは、自分の経験不足から、踏み出す足に力が入らない。
きっとこの子に任せれば、どうされても気持ち良くなれる。
正直にいって、恥ずかしかったのだ)

ティネ > 「ちょっと撫であいっこするだけだよ?
 ヘンじゃないし、こわくない、こわくない」

子供をあやすように言って、少年の指の側面を掌で撫でる。

「こんな小さい相手に恥ずかしがることなんてないのに。
 ……ボクのほうが恥ずかしいんだよ?」

少しだけ自嘲するような響き。
一転して、せがむようなうるんだ目つきで、相手を見上げる。

リル > 「う……うん……
こわく、ない……」

(本当にあやされて。うん、うん、と頷いて。小さな手でなでられて、いくらか落ち着いて)

「だ、だって……小さくっても、可愛い女の子だし……
……ティネも、はずかしい、んだ……
じゃあ、いっしょ、かな……?」

(その自嘲するような声に、笑顔を向ける。
凄く小声で「ありがとう」ともいう。
女性の貌で見上げてくるから……。そっと顔を近づけて。せめて、口づけを最初にと)

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリルさんが去りました。
ティネ > ~どこかで続く~
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からティネさんが去りました。