2018/05/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > 昼間の公園。若い女性で賑わう屋台が一つ。
そこに並ぶフード付きマントの怪しい影。
前にここで買ったものがあまりにもうまかったので、恥を忍んで女性だらけの列に並んだというわけだ。
変なものを見るような視線がグサグサと刺さる
正直、ツライ。
早く、早く列が進んでくれることを切に祈る。
クレープ屋。フードがなければまだましだっただろうが、今の格好でここにいるのは完全に不審だ。

ブレイド > 「はやく…」

この状況では舌打ちすらもできない。
下手に怯えさせてしまえば刺さる視線に冷ややかなものが混ざるだろう。
さすがにこの場にいられなくなる。
それにしたって、今日はなかなかの繁盛ぶりのようだ。
なんか、屋台の方から、材料がなんだかんだという声が聞こえたような。
少しばかり嫌な予感がする。

ブレイド > 列が進む。少しずつ、もうすぐ自分の番。
自分の番なのだ。
たしかこの間食べたのはチョコバナナなんとか…ならば今日は何を食べるか。
いや、チョコバナナも食べたい。ならば贅沢に二つ…。
オーダーをすぱっとおわらせるために思考を巡らせる。
さて、次だ、次で自分の番だ。
と、いうところで…店主が片付けを始めている。

「えぁ…?」

変な声が出てしまった。
どうやら材料がつきたようだ。
残る客に謝罪をしつつも、本日は閉店らしい。
自分の後ろに並ぶ女性たちは残念そうに引き上げていく。
少年はと言えば…少しあっけにとられたように立ち尽くしていた。

ブレイド > 「……」

肩を落としベンチに向かう。
せっかく突き刺さる視線に耐えて、順番を待っていたというのに。
せっかく昼食を抜いて腹をすかせていたというのに。
何たる仕打ち。
しかも腹と頭が完全に甘味のモード。
腹は減っているものの、食べたいものは甘い物。
そして、数少ない甘味の屋台は今日は閉店。
そりゃベンチでうなだれたくもなる。

ブレイド > 「……」

そういえば、フトコロに呼び出された店…
あそこは甘いものがうまかったような。
だが、あの辺りもなんというか…自分では場違いだったような…。

「はぁ…」

今日は間が悪かったということにしておこう。
ゆっくりと腰を上げて、とぼとぼと歩き出す。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/庭園」にシシィさんが現れました。
シシィ > 麗らかな日差しが注ぐのは平民地区にある市民の憩いの場だ。丁度エルダーフラワーが花をつけ、その可憐で繊細な姿を風に揺らしている。煉瓦で整備された隧道を歩くのは、王国民ではない風貌の娘。
温い風に銀髪を流しながら、気持ちよさそうに目を細めていた。

「んー…天気がいいと気持ちいいなあ…」

商用で王都を訪れているが、普段は海沿いを起点に活動している。今は昼の休憩を兼ねて、この庭園を訪れていた。平民地区にあるからか出入りは自由の庭園は特段何が目玉というわけでもないが、それなりにくつろいでいる人の姿は見受けられる。
軽食を供する屋台や、そこかしこに設えられているベンチを視界の隅に捉えながら、今はただ、そぞろ歩くことを楽しんでいた。
空の青は濃く、深く、そして高い。徐々に季節が夏に移り変わっていることを伝えるような色合いは、目に鮮やかで。力強く枝を伸ばす木々の緑と相まって、命のみずみずしさを伝えるようだった。

シシィ > うっとりと細めた双眸。柔らかく寛いだ色を称え、余暇を楽しんでいる風情。
この庭園を訪れている皆がそうであるように。
思い思いの場所で寛ぎ、時には午睡に身をゆだねるものもいるようだ。
娘もまた、隧道をしばらく歩いて、人のまばらな箇所で足を止める。芝生でできた緩やかな丘に足を踏み出し、更に歩を進めた。丘の頂上、木々がまばらに配置され、日除けを提供している中をそぞろ歩いて、ふう、と呼気を吐き出した。さすがに少し足を止めたくなって止まり木になりそうな場所を探す。くる、と視線を巡らせた先に四阿を見つけるとそちらへと脚先は向けられ──。

シシィ > たどり着いた四阿にはベンチが設えられている。柱と屋根以外に遮るものはないが、吹き抜ける風を感じるならばちょうどいいだろう。
人の姿はないが、ちょっとした逢瀬にでも使われるには十分な様子だ。
中に足を踏み入れ、ベンチに腰を下ろす。街と街を徒歩で歩くこともある。庭園を隅から隅まで歩いてもそれほど疲れるわけではないが、それでも腰を落ち着けて、力を抜くことができるのは心地よい。誰もいないから子供のように足を延ばす。緩んだ笑みは気を遣う他者が周囲にいないこともあるだろう。

「ここでお昼寝とか、気持ちよさそうねー…?」

誰に告げるともない言葉が、風に溶けてゆく。
ゆるりと過ぎる時間は得難くもあり、けれど少し退屈でもあるか。

シシィ > 「んー…」

僅かな逡巡、けれど陽気と心地の良い風の誘惑に抗いきれずに、トロリと瞼が下がってくる。ふぁ、と零れるのはやはりゆったりとした吐息。
ずるりとベンチにしどけなく凭れ掛かる形で、うつらうつらと船をこぎはじめ

「んん、…ぅ」

抗いがたい睡魔に抗えぬ形で眠りの沼にその身を沈める。
とろとろと、微睡みの波間を漂う至福。閉じた瞼の向こうが明るいのは、心地の良い日差しがまだ高いことを示しているから。
治安のよい街の中とはいえ、屋外で意識を手放す危険をわからないわけではないが──抗し切れぬ誘惑の強いこと。

シシィ > ───それはじきにより深い眠りの中へと墜ちてゆく。
大事な荷物も手にも宿にあるから、なんて言い訳を頭の片隅に用意しつつ───

ご案内:「王都マグメール 平民地区/庭園」からシシィさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 大手冒険者ギルド」にアシュトンさんが現れました。
アシュトン > (冒険者ギルドと一口に言っても、需要や経営形態等によって、様々な施設がある訳で。
古典的には酒場と併設されているモノ、宿屋を兼ねている場合も多い。
あるいは、ほんの小さな立て看板程度のモノ。
専属を囲い込み、高難易度の達成率を謳うモノ。
逆に、何者かは問わず、とりあえず数ばかり揃えるモノ。
表ざたには出来ない、裏の仕事を請け負う所もある)

「なーなーお姉さん、楽して稼げる仕事はないかね?」
『来るたび毎回言ってますね、それ』

(その中でも平民区にある、割と大手の冒険者ギルドにて。
暇そうに、受付嬢に絡んでいる男が一人。
そろそろ昼も訪れる頃合いで、冷やかし目的で来たのがありありと見て取れる)

アシュトン > (冒険者ギルドと言えば、むさい男どもがたむろしている、狭くて小汚い場所。というイメージが真っ先に浮かぶかもしれないが。
此処と言えば、広いロビーに整然と並ぶ受付と椅子。
依頼を張り出す掲示板も、その内容は整頓されており。全体的にこざっぱりと綺麗な印象を受ける。
やはり掲示される依頼の数が多く、外れが少ないというのが、こういう場所の利点だろう。
もっとも、その代わりに掘り出しモノは少なく、また競争率も高くなる)

『明日出す用で、未整理の奴ならありますけど』
「ん~? ふーむ」

(ゴソリと取り出された、紙束。結構な量ではあるのものの、あくまで今絡んでいる受付嬢の担当分。
ギルド全体で見れば、氷山の一角だろう。
受付窓口に腰を預けて読み始めれば、『あっちで座ってやってください』と言われるもののとりあえず無視して。
ペラペラと捲り見ながら、内容を流し読みしてゆく)

「どぶ攫い、ペット探し、引っ越しの手伝い、新装開店の売り子、パーティー会場設営、借金の回収……モノの見事に新人向けばかりだな」
『大体そんなものですよ、ご存じでしょうけど』

(冒険者というのは、つまるところ何でも屋という側面を持つ。
なんというか、日雇い労働者募集所、という風に使われる事も多い。そしてそういう仕事は新人や駆け出しへとまわされる事が多く、賃金は少ないが危険性も低い内容となっている。
コレがさびれたギルドなら、行ってみたところ捕まって奴隷として売り祓われた、なんて洒落にならない罠依頼もまぎれていたりするのだが。
ここでは依頼人の素性もある程度確認している為、そういう事は殆ど無いらしい)、

アシュトン > 「お、これは面白いぞ。ペットの散歩代行。
ちょいと金額設定が高めな位の、新人向けだが。こりゃ貴族からの依頼だ」

(一枚を抜き取れば、ペチッと机の上に置く。
他の依頼と比べてもそれほど大差がないように思えるが、気づいた理由は依頼書の署名である。
コレと言って黒い噂もなく、経済的にも安定している。依頼人としては非常に優良だ。
その上、気に入った冒険者の場合、指名して仕事を頼むという貴族は割と多い。
そもそも稼ぎの不安定な冒険者だが、こういう権力者と顔見知りになっておくのは、非常に重要な事である)

『目ざといですねぇ』

(などと言いつつ。回収した依頼書を優先で処理していく)

アシュトン > 『はい、処理が終わったのでこのお仕事回せますけど、どうします?』
「いや、帰る。コイツは、将来有望そうな新人にでも譲ってやってくれ」

(懐から紙巻を取り出せば、口端に咥えてヒョコヒョコと上下させる。
どうやら最初から最後まで、冷やかしの心算だったらしい。
緩い足取りで歩き始めると、片手を振って。その場を後にする。
――とりあえず何処か、昼飯でも食べに行こう)

ご案内:「王都マグメール 平民地区 大手冒険者ギルド」からアシュトンさんが去りました。