2018/05/17 のログ
ご案内:「平民地区 繁華街」にノーガルトさんが現れました。
ノーガルト > (警備の仕事の帰り道。
少し早い時間に終わったので、少しばかり繁華街を歩いている。

ここのところ、仕事が立て込み始めていてなかなか休みが取れない。
それで気に掛けるのは、やっぱり愛娘のこと。
遊んでやれない時間が多くなりそうなので、何か手製のおもちゃでも買ってやろうか。
そんなことを思いながら、雑貨屋を覗いていた。)

「うーん………なあ、ダイン…。」
『…娘に何を買っていこうかなどという相談をするつもりなら、今すぐ貴様との契約を切るぞ。』

(……先読みされていた。
あまり子供が好きそうではないダインに相談するつもりはなかったが、まあいつものことだ。

しかし、パッと見ただけだがあまりこれといったものが思いつくわけでもない。
そもそも、いつもおもちゃで遊んでいるところを見たことがない…。

困ってしまった、父親ノーガルトであった。)

ご案内:「平民地区 繁華街」にワルセイ・イダーヤさんが現れました。
ワルセイ・イダーヤ > 平民地区の繁華街。そこに、一組の父娘が来ていて……
『お父様!見てください。三段ですよ!三段!』
そうはしゃぐ、フードをかぶり頭が見えぬようにしている、
平民風の服装の娘…アルシャの手には三段になったアイスクリームが……

「これ、アルシャ。はしゃぎすぎて周りが見えなくなっているぞ」

そして父親……ワルセイは、貴族服で平民地区を出歩くほど非常識ではなく、きちんと平民風の服装で。
喜ぶ娘を目に焼き付けつつも、はしゃぎ過ぎる傾向のある娘をたしなめて……
『大丈夫です!アルシャは人にはぶつかりません!』
そんなことを言いつつも、周りを見ていなかったのがいけなかった……
帯剣をした、冒険者風の男にぶつかり、アイスが……ぐしゃり。
『きゃ……あ、あー!アルシャの……アイス……』
そんなふうに呆然としながら尻もちをついてしまった娘。そんな娘に駆け寄るワルセイ。

「ほら、いわないことではない……スマヌ。冒険者殿とお見受けするが……
娘が、鎧にアイスを付けてしまった……ほら、アルシャ。ちゃんと謝りなさい」
『う、うー……ごめん、なざい……』

謝るが、アイスがつぶれ、少しぐずる10より前程度の娘……
そんな娘の頭を撫でつつ、反応を待とうか…

ノーガルト > (勘違いされやすいが、ノーガルトは普段から鎧の類は一切身に着けない。
体は大きいが、その衣服の下には簡易的なチェインメイルはおろか、厚手の布すらもつけていない。

そんな男の足元に、何かがぶつかった。
多少よろけはしたものの、その程度の衝撃でどうなるものでもない。
ただ、その衣服についたアイスは…この暑い季節とはいえ、非常に冷たかった。)

「おっと……っ!?」

(何がぶつかったのかと其方を見れば…子供だった。
まだ年端もいかぬ子どもとみるべきものが一人と、その父親か。
謝罪している二人を見下ろしながら、ノーガルトは…。)

「……………。アイス、壊れてしまったな。ついておいで。」

(そういって、公園のほうへと向かう。
奇しくも、先ほど少女がアイスを買った場所と同じところだった。)

「すまない、3段アイスを一つもらえるか…?」

ワルセイ・イダーヤ > 『うぅ……アイス………ふぇ?』
少しぐずりながら、アイスの残渣を見るアルシャ。
だがついておいで、と言われれば、男の向かう方角にあるのは、娘がアイスを買ったアイス屋で……

『いいの?お兄様』
ポカンと、相手がアイスを買うのを眺め、買ってもらえたら、パァ……っと表情が明るくなる。
だが、娘へ見ず知らずの冒険者にアイスを買ってもらった父親、ワルセイとしてはここで簡単に許すと、きちんと謝れる存在になれないと…

「こら、アルシャ。良いの?ではない……すまない、冒険者殿。
服にアイスを付けた上に、三段アイスを買ってもらうなど……
ほら、アルシャよ、先に言うべき言葉があるであろう?」
『あ、はい。お父様。えっと……ありがとうございます。お兄様!』

そう喜びを笑顔いっぱいの表情で現しながら、お礼を言って…
それに毒牙を抜かれたのか、ワルセイも苦笑し……

「スマヌ、明るさが取り柄の娘なのだ……
良ければ、アイスの礼がしたい。何か、できることは無いか?」

そう聞いてみて……

ノーガルト > (味はどうするのかの店員の問いには、少女に選ばせてやるか。
汚れは洗えば落ちるし、気にするものでもない。
ただ、あいつにはまた苦労を掛けてしまうなと心の中で思うのみで。)

「お兄様なんて年齢じゃない…すきに呼べばいい。」

(この男、実はあまり表情が動かず言葉も少ない。
だが、見ての通り子供には非常に、非常に甘い。
父親となった今では、それがさらに輪をかけるまでになっている。

金銭を払い負えれば、父親らしき人物が。)

「いや、こっちもよそ見をしていたから気にするものじゃない。…だが、そうだな、例がしたいというならば一つ頼もうか。」

(せっかくだ、すぐそばのベンチを指さす。
このまま立っていては、どうしてもこの子が怖がってしまうかもしれない。
何しろこの男、身長が…。)

ワルセイ・イダーヤ > アルシャがチョコ、バニラ、ミントの三段アイスを嬉々として選ぶ。
そして、お兄様という年齢ではないと言われるが……
『えっと……えっと……じゃあ、オジサマ?
でも、オジサマは失礼だって教わったので……やっぱり、お兄様です!』
そんなことを言ってみたりする幼い娘。その娘の言葉を不快に思っていないか内心心配する父ワルセイ。
相手の表情はあまり動いていない、不快に思っていないとは思うが……
そう思いながらも、一つ、頼みと聞けば。

「うむ、できる範囲の事なら、何でも言ってくれ……」

そこで、口調が貴族のままだと気が付いて……

「あ、あー。口調が偉そうなのは気にしないでほしい。昔からのくせでな」

そう苦笑しつつ、ベンチを指されれば、アルシャが端に、
ワルセイと冒険者が隣り合って座る形に。
ちなみに、アルシャは怖いもの知らずというか、自分よりかなり大柄な相手を、
まったく怖がっていない。アルシャの中では、彼はアイスを買ってくれた親切なお兄様なのだ。

「そう言えば、冒険者殿の名は?俺は、ワルセイというで、娘は……」
『アルシャは、アルシャだよ!』

そう自己紹介しつつ、アイスを食べている娘の頭を優しく撫でながら、頼みというのを聞こうか…

ノーガルト > 「………まあ、それでいい。」

(どうも、お兄様と呼ばれるとこそばゆい気がする。
娘ができた殻なのか、一気に自分が老け込んだような…。
あまり子供に懐かれるような容姿をしているという自覚もないゆえに。

ベンチに座り、各々に名乗ってもらう。
貴族口調なのはそこまで気にしているそぶりもなかった。)

「いや、俺もこのような口調だからな、お互い様だ。…ワルセイと、アルシャか…。俺はノーガルト、お察しの通り、冒険者だ。」

(もっとも、こんな容姿をしていて冒険者意外だ、などといっても説得力もないだろう。
この国の騎士なんて柄じゃないし、そもそも個々の国の騎士はあまり好きじゃない。

端に座ったアルシャを一瞥し、軽く笑った。
やはり子供はかわいいものだと。)

「ああ、実はこんななりだが、俺にも娘がいる。まだ生まれて1年もしていないがな。その娘に、何か遊べるものを買ってやろうかと思ったんだが…あいにく、何も思いつかなくてな。」

(なので、同じ娘がいる者の先輩として、何か助言が欲しい。
そのことを申し出ながら、いくつか候補をあげていった)

ワルセイ・イダーヤ > 「ノーガルドだな。よろしく頼む。で、頼みとは……ふむ」

どうやら、この冒険者殿にも娘がいるようだ。しかも、1歳にもなっていない……
そして、遊べるものを……と言われて、少し考える。

「ふぅむ……一歳にもなっていない、幼い娘か……なるほど」

そう言って、アルシャを見やる。昔、男で一つで拾い子のアルシャを育てるのには苦労したなぁ……
なんて、思い出が浮かび、目が細まって…

「ふむ、それくらいの幼さだと、まず大切なのは安全かどうか…だな。
その子が口に入れたり、壊してしまった後に破片で怪我をして…など、笑えぬよ。
そうだな……布でできた、人形などどうだ?長く遊べるし、叩きつけても壊れぬ。
まあ、多少値は張るがな」

そう言うと、アルシャが。
『お父様が幼い頃に買ってくれたお人形は、アルシャの宝物です!』
などと言い…

「ふ……嬉しいことを言うな。まあ、人形は無難だが、中々にいい選択だと思う。
将来形の残るプレゼントの方が、子供は、親の愛情を感じ喜ぶものだと思うからな…
後は、何の人形を買うかだが……それは、父親であるそなたが選ぶべきだろうな。
口に入れても安心なほど清潔かつ、安全な人形……をな」

そう言って、しかめっ面気味の表情を緩ませようか…

ノーガルト > (ワルセイの言葉に、まだまだ父親初心者のノーガルトはなるほどと頷いた。
確かにここのところ、いろいろなものを口に入れる習慣がある。
聞いたところによると、赤ん坊とは口の中に入れて形を理解するらしい。

だが、もちろん誤って飲み込んだりもする。
その際に死亡してしまう赤ん坊とは、決して少なくないそうだ。
勿論注意はしているものの、やはりどうしても目を離してしまう時間はある。
安全で、かつ壊れにくいものと考えると、布でできた人形は確かにうってつけだと思った。)

「値段に関しては考慮していない、何しろ最近物騒だからな。外が好きなのに出かけられない娘を、何とか楽しませようと思う馬鹿な親だ。」

(だが、アルシャの表情を見ている限りよほど懐いているらしい。
こんな関係に、いつかは慣れるのだろうかと思うと…さらに娘がいとおしく感じてしまう。

口に入れても安全で、かつ壊れにくい人形。
それを考えると、ノーガルトには一つの案が浮かんだ。)

「ワルセイ、その助言はかなり助かった。とてもいい案が浮かんだことを感謝したい…。」

(アイスのお礼のはずが、こちらがさらに大きな貸しを作ってしまった。
アルシャが大事にしている宝物の人形の話を聞いて、一つ決めたものがあった。)

ワルセイ・イダーヤ > 外が物騒だというのには同意した。だが……

「うむ、子や妻を外出させるのが怖いくらいに、最近の世の中は物騒よな……
だがな、ノーガルド。そなたは冒険者であり、剣が振れるのであろう?
守る力があるならば、たまには外出させてみると良い。
安全な野や、川のほとりを調べておいて、そこに行くのだ…
父親と、母親と一緒に外出をした…きっと、記憶には覚えていないだろうが、
その想い出は、心に、残るのではないかと思う。
……ふ、偉そうなこと言ってしまったな」

そう苦笑しながらも、相手には何か、良い考えが浮かんだようだ。
その新人父親に何か、微笑ましいものを感じてしまうのだった。

「ほう、それは良かった。ちなみにだが……好奇心から、そのプレゼントの内容を聞いてもいいかな?」

そう聞いていると、鐘が鳴る。もうそろそろ、帰らねば執事が慌てるかな?などと思いつつ……

ノーガルト > (ワルセイの言葉、それには軽く苦笑した。
そうしてやりたいのはやまやまだし、できればそうしたい。
しかし、それができないわけがあるのだ。)

「ああ、俺もそうしてやりたいんだが…実は、ここのところ物騒なことが続き、大きな仕事が入っていてな。しばらくは休みが取れそうになくてな…。」

(ここのところ、巷を騒がせているミレー族のテロ集団。
それらに恐れをなした貴族が、多くの冒険者を雇い毎日警備をさせているのだ。
ノーガルトもその仕事に召集され、今日は運よく交代ができたというところ。

その帰りに、繁華街によって娘のおもちゃを探していたところ。
アルシャのアイス激突があり、今に至るというわけだ。)

「…こう見えて、裁縫や日曜大工が得意でな。自作してやろうと思う。」

(好奇心は猫をも殺す、などというが別に構いはしない。
教えたくないものでもないし、素直にノーガルトは人形を自作することを思った。
娘にはいいものをとは思うが…やはり父親として、何かを残したいのだろう。)

「おっと…もうこんな時間か。…ワルセイ、今日はいいアドバイスを感謝する。…何か困ったことがあったら、赤い猛牛亭という宿を訪ねてくれ。」

(そこの女将に言えば、すぐに自分に連絡がいく。
困ったことがあったら、必ず何か礼をさせてもらおう。)

ワルセイ・イダーヤ > 「……うむ、きちんと考えていたのだな。知ったような事を言って、すまなかったな」

そう軽く謝罪しつつも、自作と言う言葉には、なるほどと頷いて……

「ほう、自作か。それは……愛情のこもった、思い出ができるだろうな」

そうふっと笑えば、相手から、赤い猛牛邸へ連絡をという言葉に頷いて……

「うむ、此方こそ、アイスを買ってもらって……感謝する。
ではな、また縁があれば、どこかで出会えるだろう……その時は」

そう言って、手を出し、握手しようと……
そして、ノーガルドと別れ、父娘は、帰路に着いたのであった……

ノーガルト > 「いや、父親の先輩としての意見だ。」

(こちらとしても、とても有意義な意見だ。
外に連れ出す機会があれあ、是非とも連れ立してやろう。
そろそろ熱くなる、河原などに行くのがいいだろう。)

「ああ……また会う時を楽しみにしている。…アルシャ、もうアイスを落とすんじゃないぞ。」

(次はない、となかば脅すような言葉だが、口調はやわらかく。
軽く右手を握ると、ノーガルトはその親子の背中を見送り。
自分もまた、街の郊外にある自宅へと帰っていった。)

ご案内:「平民地区 繁華街」からワルセイ・イダーヤさんが去りました。
ご案内:「平民地区 繁華街」からノーガルトさんが去りました。