2018/05/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/廃教会」にエンデさんが現れました。
エンデ > 平民地区と貧民地区の境の辺りの場所だった。
刻限はそろそろ夕刻へと差し掛かろうとする辺り。
そこに、黒い仮面の男が歩いてきている。
黒いトランクケースの代わりに今日は片手に地図。
目指す先にあるのは、古びた廃教会。
放っておかれて何年が過ぎただろう。
持ち主は死んだか逃げたか食われたか。主不在の年月を物語る外観。

「――ここかな?」

その入り口前で声が立ち止まる。
仮面に走る赤い十字のスリット。日の光の中でも仄かに光るそれが左右を見る。
近くに、他に該当する建物はなさそうだ。

“簡単な診療所として使える場所を探している。”
そんな質問に紹介された場所が此処だった。

エンデ > まずは、周辺の地理を確認する。
貧民地区に近いせいで、治安はそうよくもないだろうが
少なくとも、患者が訪れる前に死んだり、出た直後に死んだりはないだろう。
外装は古いが、お陰様で家賃もそんなに高くはない。

「悪くはない。しかし、教会とは、皮肉なものだね。」

響いた声に乗ったのは、仮面の奥で零れる呼気。
表情は伺い知れないが笑みにも似た色合いを奏でる。
ざわりと、得体の知れない何かが笑ったような気配をほんの僅かだけ。
すぐに、歩を進めれば教会の入り口の扉に手を伸ばす。
ここを紹介してくれた店の話では、施錠はしているがしょっちゅう壊されているという話。
中に誰か住み着いている、あとは誰かが何かに使っている可能性は十分にあるだろうから。

―――ドンドン。

最初に響いたのは、そんなドアノッカーの音。
風雨に錆びたそれが存外滑らかに動いて、屋内にまで伝わる音を響かせた。
はらり、と零れ落ちる錆の破片が地面に点々と零れ落ちた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/廃教会」にミカエラさんが現れました。
ミカエラ > 建物内から、ノックに反応するようにわずかばかりの気配がする。
そして、そこにはわずかながら殺気と魔力を感じられるだろう。
少しばかりの血の匂いも。

あちこち擦りむいた仮面剣士、或いは仮面剣士になり切った女は
とある悪党たちに追われる中、ここに逃げ込んでいたのだった。

追手か?そんな不安感と緊迫感に高鳴る鼓動を必死で抑えながら
相手を確認しようと足音を殺し、ドアのそばの窓にそっと近づき、外
を覗く。

エンデ > 響くドアノッカーの音。
それに導かれて外を覗けば、黒い仮面の黒衣の男が見えるだろう。
赤いスリットに隠された顔の中身は伺い知れない。
けれど、返答がないのに扉を開くことはしないで。

「――中に誰かいるのかな?
 危害を加えるつもりはないから安心して欲しい。
 私は医者だ。」

そんな言葉をかけ、そして両手をあげてみせる。
まるで害意はないと示すように。
声音はゆっくりと落ち着いた響きを奏でる。
成人してしばらくたった男性の低い声。

「とにかく、開けさせてもらうよ。
 できればいきなり襲い掛かるのは止めて欲しいものだが」

その色合いは変わらずに、伸びる黒い指が扉を開く。
邪魔がなければ、そのまま中へと足を踏み込んでいくだろう。

ミカエラ > 仮面の男。息をのむ。威圧感のある姿に戸惑いを隠せないながらも、ドア
から離れる。医者だ、と言われれば、あちこち擦りむいて露出した肌や
ひねった右足首を見下ろして。

自分の姿を棚に置き、黒づくめの男に多少の警戒を見せながらも、入っ
てきた男から隠すように、抜身の刃を背中に隠す。

「これは……すまない、怪しいものではない。少し追われていて……」

剣をしまわせてほしい、と断ってから、抜身の刃を鞘に納める。

「あなたはどうしてここに?」

本当に追手ではないのか、そんな風に警戒する態度は嘘ではなさそうで
実際に何かに追われていた、ということが真実なら、この女が言うほど
怪しくないものではなさそうだ。

エンデ > 中に足を踏み入れれば、そこにいるのは傷ついた女。
それに驚いた風情も見せることなく、停滞なく背後の扉を閉める。
「失礼」と挟む言葉。仮面の奥の視線が、紅いスリット越しに向けられるのがわかるだろう。
傷ついた肌や、足首を眺めて――。

「気にする必要は無いよ。
 私が君の立場なら、似たような行動をとるだろうから。」

言葉を交わす間に、剣をしまうのを見送って。
次いだ問いかけを聞けば、ひとつ、頷いて。

「診療所を開こうと思っていてね。
 良い場所を探しに来ていたんだ。申し遅れたが、私はエンデだ。
 先ほども言ったが、医者をやっている。
 それで、追われているということだが、まず、傷の具合はどうだい?歩けそうかな?」

追われているという彼女の正体を、気にした風でもなく言葉をかける。
名乗る名前は、あるいは貴族の間でも話題に上ることくらいはあったかも知れない。
旅の医者として。

ミカエラ > 「……。」

相手の視線を感じれば、今まで余裕もなかったためか意識していなかった
傷の痛みがぶり返してくる。ずきずきと痛む体を手でかばいながら所在
無さげに立っている。

「ここを診療所に……」

スラムも近い、決して治安もいいとは言えない場所だ。
こう見えて慈善家なのだろうか、もしかすると仮面は疵か何かを隠して
いるのかもしれない。

そう考えれば幾分気が楽になり、深く息を吐く。

「ええ、少し手ひどくやられて……痛みは、正直つよいです。走ったり、飛んだりはあまり。」

素直に答えながら壁に体重を預けて応えて。
名前は知っているが、反応すまいと心掛ける。
こちらの格好は、よく見れば……知っているとは限らないが有名な子供向けの小説
の主人公そっくりで

エンデ > 自分と同じように顔を隠す彼女。
まるで冒険小説に出てくるヒロインのような姿。
それを気にするでもなく、言葉は続く。他人の姿を云々言える柄ではない。
こちらは肌を一部も出さないように気を使ったような黒衣に仮面なのだから。

「ああ。賃料もそう高くはないし。
 残念ながら、良い場所を借りる程のコネもないからね。」

理由は酷く現実的なものだった。
彼女の内心を知ってか知らずか、言葉は続く。
問いかけに応えるのに「わかった」と言葉を添えてから。

「ふむ。では、まずは逃げるとしようか?
 確か、この先を行けば裏口があると聞いた。
 そこから抜ければ貧民地区だが、もう少し目立たない隠れ家もあるだろう。
 君さえよければ、そこで応急処置をさせてもらおう。」

と、あっさりと言葉を向ける。
微かに仮面の奥で笑気を帯びた言葉を向ければ
そして伸ばすのは黒革に包まれた手。「肩を貸そう」という言葉を添えて。

ミカエラ > 「っ……ありがとうございます。」

ずいぶん落ち着いている、というのが感想で。
もっと不振がったりしても、いやそもそも護衛の一人も伴ったほうが
いいのではないだろうか、護衛とは言わずとも従者の一人でも。

そう思いながらも痛みにどうでもいい考えは邪魔され、一礼すると
素直に肩を借りる。ここまで密着すれば、こちらの魔力の正体は
外見をごまかすものだと分かるだろう。

エンデ > 「いや、月並みな言い方だが、ここで会ったのも何かの縁だ」

彼女の考えを知ってか知らずか。
変わらない落ち着いた声音を穏やかに奏でれば、「失礼」と響く声。
肩を貸してそのまま、追っ手を振り切って教会の奥へと消えていくだろう。
感じた魔力の正体に、また、仮面の奥で僅かな呼気が零れたが、それはきっと彼女も気付かなかっただろうけれど――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/廃教会」からミカエラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/廃教会」からエンデさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリアさんが現れました。
リア > はぁ…今日もこき使われたな…。
(とぼとぼとと現れるは、貴族のような服装に赤黒のリバーシブルマント。透き通るほどに黒く、目が隠れるぐらいに前髪が長い少年リアである。
かなり疲れている様子で、近くのベンチにフラフラと近寄る)

「よい…しょ…」
(ベンチの上に座ると、一度体を横にして眠るような体勢にし、起き上がっては元気なくベンチに腰を下ろす)

リア > 「はぁ~…ご主人様もひどいよ…。確かに僕は疲れしらずだけど…あんなに色んな仕事出すなんて…目が回っちゃうよ…」
(ぶつぶつと独り言をベンチの上でつぶやき、今日合ったことを言う。貴族専属の召使いである為、色んな仕事を押し付けられるのであった。皿洗いや掃除、洗濯と普通のから、書類の片付け、ペットの散歩等色々と押し付けられ、気持ち的にはヘトヘトになっているが、体的にはまだ動けるようである)

リア > 「さて…そろそろ帰ろう…」
(ベンチからひょいっと降りて、その場から居なくなるように消えていく)

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリアさんが去りました。